モビリティーリゾートもてぎの37周で争われたスーパーフォーミュラ第5戦は、序盤にタイヤ交換を行ったトップの太田格之進に終盤、フレッシュタイヤの2位牧野任祐が徐々に迫る展開となった。
35周目のヘアピンコーナーでは太田のインを差した牧野が太田の前に出るも、クロスラインを取った太田が立ち上がりで抜き返すという、激しいバトルを展開。2人のチームメート同士のバトルはレースを大いに盛り上げた。
36周目には太田が牧野を若干引き離しと思われたが、90度コーナーで太田のマシンにスロットルトラブルが発生。太田はスピンを喫し、これをかろうじて避けた牧野が太田をパスしてトップに立った。残り1周余りのトラブルでこのレースの一方の立役者、太田は涙を飲むこととなった。
このトラブル、太田はまったく兆候がなかったといい、90度コーナーのブレーキングを開始したときに突然発生したようだ。レース後行われたメディアミックスゾーンに憔悴した表情で出席した太田は、このときの状況を力なく語った。
「ブレーキングからダウンシフトのときにスロットルが戻らなくなりました。全開じゃなくて、スロットルが完全にぼくの足からいなくなって、奥にスコンと抜けた状態で、シフトダウンもできず、減速もできない状態でコーナーへ入っていきました。ぼくは踏んでないんですが、電子スロットルなので、スロットルがオンになったりオフになったりで、止まってしまいました」
太田は、第3戦SUGOのフリー走行1回目にも同様のトラブルでクラッシュを喫している。このトラブルの完全な修復を終えて、次戦以降ノートラブルのグッドファイトを期待したい。
Text: Yoshinori OHNISHI
Photo: Yoshinori OHNISHI
Atsushi BESSHO
鈴鹿サーキットを運営するホンダモビリティランドは8月28日、来る8月31-9月1日に予定されていた、オートバックス スーパーGT第5戦「鈴鹿GT350kmレース」の開催を延期すると発表した。
これは台風10号の影響による、来場客と関係者の安全と、今後予想される公共交通機関への影響を考慮したものだ。
代替日程は12月7日(土)、12月8日(日)。各種チケットの取り扱いについては全て払い戻しとし、払い戻し方法や延期大会のチケット販売内容については9月9日(月)に改めて鈴鹿サーキット公式ウェブサイトで公表するとのこと。
自然災害による開催延期は2016年4月の熊本地震により第3戦オートポリス大会が延期されて以来8年ぶりのこと。この時はオートポリスの施設にも甚大な被害があったことから開催地をツインリンクもてぎ(現モビリティリゾートもてぎ)に移し、11月に第8戦とのダブルヘッダーとして開催された。
今回の第5戦鈴鹿大会はシーズン後半戦の最初のレースであるだけでなく、新しい予選ルールが採用されることでも注目されていただけに、今回の決定は非常に残念であり、鈴鹿サーキットとしても苦渋の決断だったであろう。
しかし各方面への影響を鑑みて早めに延期と代替日程を発表したことは英断であったといえよう。
スーパーGTはこのあと、9月21日(土)、22日(日)に宮城県村田町のスポーツランドSUGOにて第6戦が行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Motorsports Forum
- 優勝 牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
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「今日は負けたと思っています。太田選手のレースでした。残り3周でしかけたんですが、90度までで決められなくて、OTもほぼ使い切ってたので勝負には負けました」
「優先権は前を走っている太田選手にあったので、無線で太田選手の戦略を聞きました。太田選手がミニマムで入ったので、ぼくは引っ張りました。それに対して山下選手が反応してくれたいいなあと思ってたんですが、山下選手も引っ張るレース展開になりました」
「山下選手に対して、絶対アンダーカットしないといけないと思ってて、同じタイミングで入らないようにと事前に言っていました。引っ張り方向だと残り10周とか11周で入るのが普通だ思うんですが、残り15周という、ちょっと早いタイミングで入りました。その分残りの周回数厳しくなると思ったんですが、山下選手の前に出るというのが目標だったので、戦略的にはやれることはやったと思います」
「1-2が目の前にあって、ぼくとしては2位だと思ってたので、悔しいレースになると思ってました。負けたという感情のほうが強いです。チームとして総合的に見てレベルアップできたと思うし、チームランキングで2台でポイントを取れなかったのは痛いですが、残り2大会4レースぼくたちが主導権を握れるのかなと思います」
「太田選手とはレースに限らず2人で飲みに行ったりします。SFってチームメートとごはん一緒じゃなかったりとか、チームとか人柄でいろいろあると思うんですが、ぼくたちは基本的に一緒に行動しています。今週も金曜日に太田選手を品川近辺で拾って一緒に移動してきて、一緒にごはんを食べていました。一番身近な存在で、昔から知っていますし、刺激をもらえる存在です。開幕戦もバチバチやっていましたが、トップ争いができたので、今後も2人で争っていくシーンをどんどん増やせたらと思っています。また2人でトップ争いをして次はぼくが勝てるように頑張りたいと思います」
「ランキングで考えると、前戦の坪井選手の勝ち方を見ると、富士が2回あるというのはめちゃくちゃいやだなと思っています」
- 2位 山下健太(KONDO RACING)
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「牧野選手と太田選手には完敗です。レースペースがよくないのは前のレースや練習から分かっていたし、コース上で抜かれることはないように走っていました。太田選手のペースも自分よりあって、そこをカバーするのが今日のポイントでした。エンジニアとチームと相談した結果、引っ張るということになりました」
「後ろから牧野選手が来てましたが、だんだん追いつかれながら、できるだけペースを落とさないように走っていました。牧野選手が入ったのでカバーするために入ったんですが、自分がずるずるすぎてアンダーカットされてしまったので、大湯選手の後ろ4番手になりました。レースペースが勝つにはぜんぜん足りないなというのが今日の印象でした」
「ダンディライアンの2人とは3段階ぐらいレベルが違うなという印象です。簡単に追いつける差じゃないし、一から考え直さないといけないです。予選に関してはポールを取れるところまで来てるので、帰ってみんなで話して、優勝に近づけるようがんばりたいと思います」
「2人と違ってチャンピオン争いというところに行けていません。波があって、ヘタしたらQ1落ちるみたいな際にいます。今回たまたまポールを取りましたが、次戦の予選でポールを取れるとはまったく思ってないので、小高選手の調子も上がってきてるいるので、2台で上に行って、まずは富士の予選でもう一回前に出られるように臨みたいと思います」
「残り4レースでランキング4位ですが、前の3人は遠いですね。3人を食えるほどの力はないので、4位で終えれるように頑張ります」
- 3位 野尻智紀(TEAM MUGEN)
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「今大会もダメージリミテーションというか、そういうレースをせざるを得なかったというところが、今の自分たちの立ち位置を示していると思っています。ランキングトップはなんとか維持できたものの、牧野選手の方がパフォーマンスの高いレースが多いとチームとも思っています。何かしら自分たちの武器を次の富士に向けて形にしていかないと、タイトルどうこうという立場じゃないと、そういった危機感はあります」
「ただ、今週走り始めから調子がよくなかったので、自分たちのなかでは最低限の週末を終えられたかなと言う実感はあります。ポイントを取れたというのは他の選手へのプレッシャーになると思います」
「タイトルを争う上ではやっぱり優勝しないと勝ち残れないと思います。タイトルを取るためには、いまの戦い方は何一つ武器にならないです。牧野選手にはもう主導権は握られていると思っていますし、追い詰められているというマインドです」
「富士の2連戦は、ここ数年、鬼門にしているところがあります。とはいえ10月は気候も変わってダウンフォースも増えたりするので、自分たちの方に利がでないかなと思います。次の2連戦で優勝を取れなければ、ぼくのチャンピオンは相当遠のくので、富士は大きな山場になると思います」
Text & Photo: Yoshinori OHNISHI
第5戦決勝は37周で争われた。序盤にタイヤ交換を行った太田格之進と、中盤過ぎの牧野任祐のチームダンディライアンコンビが終盤1-2態勢を形成。トップを走る太田に、フレッシュタイヤの牧野が徐々に迫る展開となった。チームの村岡潔監督はこの模様を次のように語る。
「残り10周、5秒を切ったところで、無線で『クリーンファイトで』という指示を両方に出しました。今シーズンはチャンピオンを取りに行こうと言っていて、必ずそういうシーンがあるから、そのときはクリーンファイトでと伝えてありました」
35周目のヘアピンコーナーでは太田のインを差した牧野が太田の前に出るも、クロスラインを取った太田が立ち上がりで抜き返すという、激しいバトルを展開。36周目には太田が牧野を若干引き離しと思われたが、90度コーナーで太田のマシンにスロットルトラブルが発生。太田はスピンを喫し、これをかろうじて避けた牧野が太田をパスしてトップに立った。残り1周余りでのトラブルで太田は涙をのんだ。
「人間は欲深いのでできれば1-2は取りたかったです。これはチームとか誰かがコントロールできるものではなくて、その結果お客さんがあれだけ楽しんでいただけたので、それ以上の収穫は何もないです。監督冥利に尽きます。こんな経験をさせてもらってドライバー2人にありがとうといいたいです」
村岡監督は、太田に特別な言葉をかけることはないという。
「声をかけてモチベーションをどうとかとはないですね。この結果で、だめになるようなドライバーなら、ここまで上がってこられないと思っているので、自分でいろいろ考えてもらえばいいです。プロのドライバーとして接するので、あえて特別な言葉をかけることはないです」
残り2大会4戦。特に次の富士の2戦は重要だという。
「ラスト2大会、4戦が勝負ですね。まずは富士の2戦をまとめたいと思います。ここで勝たないとチャンピンは見えてこないので、一つ勝って一つ表彰台とかで前に出られるので、ここからしっかりやりたいと思います」
このレースの結果、3位に入った野尻智紀がポイントを58まで伸ばしリーダーを堅守。2位牧野は53ポイントで5ポイント差まで迫った。もてぎのレースを見る限り、主導権はチームダディライアンに移ったかに見える。富士大会での牧野と太田に注目だ。
Text & Photo: Yoshinori OHNISHI
全日本スーパーフォーミュラ選手権第5戦の決勝が、8月25日、栃木県・モビリティリゾートもてぎで行われ、5番グリッドスタートの牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF23)が、チームメイトの太田格之進(DOCOMO DANDELION M6Y SF23)との激しい攻防を制して、今季2勝目を飾った。
当初、雨予報が出ていた決勝日の天候だが、スタート時刻が近づくにつれてその可能性は低くなった。それでも降雨の可能性は消えたわけではなく、各チームは空を睨みながらスタートを迎えた。
スタートを制したのは、PPスタートの山下健太(REALIZE Corporation KONDO SF23)。トップで1コーナーに飛び込むと、太田格之進(DOCOMO DANDELION M6Y SF23)をきっちり抑えたまま1周を終える。その後も2位太田を少しずつ引き離していき、序盤は山下が逃げる展開かと思われた。
しかし、2位太田も食い下がり、5周目以降は逆にトップ山下との差を詰め始める。
10周を終えると、上位陣では、2位太田、4位大湯都史樹(VERTEX CERUMO・INGING SF23)らが、また11周目には6位小高一斗(REALIZE Corporation KONDO SF23)、10位阪口晴南(VERTEX CERUMO・INGING SF23)らがピットに滑り込んでくる。
2台態勢のチームは、1台ずつ序盤と後半でピットインを分けるチームが多かったが、これでトップ山下の1秒後方に牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF23)、さらにその4秒後方に野尻智紀(Red Bull MOTUL MUGEN SF23)という順位になった。
ピットインを終えた車両のなかでは、太田のペースが良く、14、15周目に、まだピットに入っていない笹原右京(VANTELIN TOM'S SF23)、大津弘樹(TGM Grand Prix SF23)を立て続けにパスし、ピットイン組では抜き出た速さを見せる。
17周目、阪口がトラブルでクルマをコースサイドに停め、これによりセーフティカーが入るかと思われ、ピットインの準備をするチームもあったが、安全上問題はなく、そのままレースは続行された。
そして、迎えた22周目、まず2位の牧野がピットイン。続く23周目にはトップ山下、3位野尻がピットに入る。
これで、全車がピット作業を終えることになり、序盤にタイヤ交換をした太田が11秒という大きなマージンを築き、2位に大湯、3位に太田のチームメイト牧野という順位になる。ただ、大湯はペースが上がらず、牧野、山下に抜かれ、順位を落としてしまう。
終盤の見どころは、逃げる太田と追う牧野の攻防。ペースが上がらず苦しい走行を強いられる太田に、牧野がみるみるうちに迫り、25周目に10秒あった差は、30周目には3.6秒、34周目には背後に迫るまでに縮まった。
ここから二人の手に汗握るバトルが繰り広げられた。一旦牧野が前に出る場面もあったが、太田が巧みに抑えきって迎えた36周目の90度コーナー。太田がバランスを崩してスピン。エンジンを止めてしまい万事休す。どうやらスロットルトラブルのようだが、ゴール目前で2勝目を逃してしまった。
これで、牧野が悠々逃げ切って、今季2勝目のチェッカーを受けた。
2位には山下、3位には野尻が入り、以下、山本尚貴(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)、坪井翔(VANTELIN TOM'S SF23)、大湯と、ランキング上位者が順当に上位でチェッカーを受けた。
注目のニック・デ・フリース(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF23)はしぶとく追い上げ、13位でフィニッシュした。
この結果、シリーズランキングは、野尻がポイントリーダーを守り(58p)、優勝した牧野(53p)、坪井(43.5p)、山下(39.5p)が追う形となった。(ポイントは暫定集計です)
Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Atsushi BESSHO
もてぎ2&4レース -RIJ- (2024/08/25) Final Race Weather:Sunny Course:Dry
2024 SUPER FORMULA Round 5 モビリティリゾートもてぎ 4.801km
Pos | No | Driver | Car Team Engine | Lap | Time | Behind | Gap |
1 | 5 | 牧野 任祐 | DOCOMO DANDELION M5S SF23 DOCOMO TEAM DANDELION RACING Honda M-TEC HR-417E | 37 | 1:00'10.235 | - | - |
2 | 3 | 山下 健太 | REALIZE Corporation KONDO SF23 KONDO RACING TOYOTA TRD 01F | 37 | 1:00'11.838 | 1.603 | 1.603 |
3 | 16 | 野尻 智紀 | Red Bull MOTUL MUGEN SF23 TEAM MUGEN Honda M-TEC HR-417E | 37 | 1:00'14.496 | 4.261 | 2.658 |
4 | 64 | 山本 尚貴 | PONOS NAKAJIMA RACING SF23 PONOS NAKAJIMA RACING Honda M-TEC HR-417E | 37 | 1:00'15.227 | 4.992 | 0.731 |
5 | 36 | 坪井 翔 | VANTELIN TOM'S SF23 VANTELIN TEAM TOM’S TOYOTA TRD 01F | 37 | 1:00'22.963 | 12.728 | 7.736 |
6 | 39 | 大湯 都史樹 | VERTEX CERUMO・INGING SF23 VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING TOYOTA TRD 01F | 37 | 1:00'28.557 | 18.322 | 5.594 |
7 | 15 | 岩佐 歩夢 | Red Bull MOTUL MUGEN SF23 TEAM MUGEN Honda M-TEC HR-417E | 37 | 1:00'30.297 | 20.062 | 1.740 |
8 | 4 | 小高 一斗 | REALIZE Corporation KONDO SF23 KONDO RACING TOYOTA TRD 01F | 37 | 1:00'34.073 | 23.838 | 3.776 |
9 | 8 | 福住 仁嶺 | Kids com KCMG Elyse SF23 Kids com Team KCMG TOYOTA TRD 01F | 37 | 1:00'34.857 | 24.622 | 0.784 |
10 | 65 | 佐藤 蓮 | PONOS NAKAJIMA RACING SF23 PONOS NAKAJIMA RACING Honda M-TEC HR-417E | 37 | 1:00'37.706 | 27.471 | 2.849 |
11 | 20 | 国本 雄資 | ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF23 ITOCHU ENEX TEAM IMPUL TOYOTA TRD01F | 37 | 1:00'38.453 | 28.218 | 0.747 |
12 | 7 | 小林 可夢偉 | Kids com KCMG Cayman SF23 Kids com Team KCMG TOYOTA TRD 01F | 37 | 1:00'39.005 | 28.770 | 0.552 |
13 | 19 | ニック・デ・フリース | ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF23 ITOCHU ENEX TEAM IMPUL TOYOTA TRD 01F | 37 | 1:00'39.472 | 29.237 | 0.467 |
14 | 14 | 大嶋 和也 | docomo business ROOKIE SF23 docomo business ROOKIE TOYOTA TRD 01F | 37 | 1:00'40.131 | 29.896 | 0.659 |
15 | 55 | 大津 弘樹 | TGM Grand Prix SF23 TGM Grand Prix Honda M-TEC HR-417E | 37 | 1:00'44.398 | 34.163 | 4.267 |
16 | 37 | 笹原 右京 | VANTELIN TOM'S SF23 VANTELIN TEAM TOM’S TOYOTA TRD 01F | 37 | 1:00'55.521 | 45.286 | 11.123 |
17 | 50 | 木村 偉織 | San-Ei Gen with B-Max SF23 San-Ei Gen with B-Max Honda M-TEC HR-417E | 37 | 1:00'56.560 | 46.325 | 1.039 |
18 | 53 | ジュジュ | TGM Grand Prix SF23 TGM Grand Prix Honda M-TEC HR-417E | 37 | 1:01'19.936 | 1'09.701 | 23.376 |
19 | 6 | 太田 格之進 | DOCOMO DANDELION M6Y SF23 DOCOMO TEAM DANDELION RACING Honda M-TEC HR-417E | 35 | 56'52.222 | 2Laps | 2Laps |
20 | 12 | 三宅 淳詞 | ThreeBond Drago CORSE SF23 ThreeBond Racing Honda M-TEC HR-417E | 35 | 1:01'30.373 | 2Laps | 4'38.151 |
---- 以上規定周回数(90% - 33 Laps)完走 ---- |
- | 38 | 阪口 晴南 | VERTEX CERUMO・INGING SF23 VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING TOYOTA TRD 01F | 16 | 26'29.624 | 21Laps | 19Laps |
- Fastest Lap: CarNo. 64 山本尚貴(PONOS NAKAJIMA RACING SF23) 1'34.963 (23/37) 182.004 km/h
フォーミュラリージョナル全日本選手権第4戦は24日、モビリティーリゾートもてぎでレース10の決勝を行い、ポールポジションからスタートしたミハエル・サウター(G FORCE F111/3)が、スタートでトップに立つと、後続を大きくリードして優勝を飾った。
16周で行われるレース10決勝は午前10時10分にフォーメーションラップが始まった。天候は曇りだが、かなり蒸し暑い。昨日クラッシュしたセバスチャン・マンソン(G FORCE F111/3)と堀尾風允(Sutekina Racing)のマシンはメカニックが徹夜でマシンを修復。練習からシフトトラブルに悩まされていた猪爪杏奈(ユピテル羽衣6 F111/3)のマシンもトラブルが解消し、全8台(うち2台がマスタークラス)が無事グリッドを離れた。
スタートではポールポジションのサウターが蹴り出しよくトップで1コーナーへ向かう。これに予選2位のマンソンが続くが、予選3位の堀尾は動き出しが鈍く予選4位の中村賢明(TOM'S FORMULA F111)の先行を許す。しかし、堀尾は3コーナーで中村のインを突き、ポジションを3位に戻した。予選5位のジェシー・レイシー(G FORCE F111/3)はストールして、後続に乗り込まれてしまい、5位には猪爪が上がった。
トップに立ったサウターは盤石。1周目に2位のマンソンを1秒6離すと、2周目、3周目とファステストラップを更新。5周目にはこのレースのファステストラップとなる1分51秒962をたたき出し、2位のマンソンより1秒前後早いラップタイムを刻みみるみると独走態勢に持ち込む。
2位にマンソンはトップのサウターにはかなわないが、3位の堀尾との差を徐々に広げ始める。堀尾は中村を0秒5前後の差で従え、その後方の猪爪も中村から1秒後ろにつける。6位に落ちたレイシーはトラブルかこの3台の2位争いについていくことができず、大きく差を広げられてしまった。
トップのサウターは10周目には2位マンソンを10秒1離し、悠々とトップを快走。マンソン、堀尾、中村、猪爪の2位争いは、1秒前後の差で集団を作るが、互いに決め手がなく、レースは後半戦へ。
レースは16周を回って、トップのサウターは2位のマンソンから14秒3と大量リードを築き優勝。3位に堀尾、4位に中村、5位に猪爪が入り、2位争いもこのままの順位でチェッカーを受けた。6位にはレイシーが入った。
2台参加のマスタークラスはAKITA(AKITA Cars & Racing)が独走優勝。2位にYUGO(S2R Racing)が入った。
優勝したサウターは選手権ポイントを201まで伸ばし、2位で124ポイントのマンソンとの差を77と広げた。次戦は富士スピードウェイに舞台を移し、第5戦(レース11、12)が9月13、14日にWECのサポートレースとして開催される。このままサウターの勢いが止まらなければ、最終第6戦を待たずにサウターのチャンピオンが決まりそうだ。
Text: Yoshinori OHNISHI
Photo: Atsushi BESSHO
もてぎ2&4レース -RIJ- (2024/08/25) Final Race Weather:Cloudy Course:Dry
2024 FORMULA REGIONAL JAPANESE CHAMPIONSHIP Round 10 モビリティリゾートもてぎ 4.801km
Pos | No | Cls | Cls Pos | Driver | Car Team | Lap | Time | Behind | Gap |
1 | 5 | | | ミハエル・サウター | G FORCE F111/3 BIRTH RACING PROJECT【BRP】 | 16 | 30'03.883 | - | - |
2 | 55 | | | セバスチャン・マンソン | G FORCE F111/3 BIRTH RACING PROJECT【BRP】 | 16 | 30'18.241 | 14.358 | 14.358 |
3 | 3 | | | 堀尾 風允 | Sutekina Racing SUTEKINA RACING TEAM | 16 | 30'18.892 | 15.009 | 0.651 |
4 | 28 | | | 中村 賢明 | TOM'S FORMULA F111 TOM'S FORMULA | 16 | 30'19.275 | 15.392 | 0.383 |
5 | 62 | | | 猪爪 杏奈 | ユピテル羽衣6 F111/3 HELM MOTORSPORTS | 16 | 30'20.216 | 16.333 | 0.941 |
6 | 53 | | | ジェシー・レイシー | G FORCE F111/3 Bionic Jack Racing | 16 | 30'35.567 | 31.684 | 15.351 |
7 | 18 | M | 1 | YUKI | NILZZ Racing NILZZ Racing | 16 | 31'23.447 | 1'19.564 | 47.880 |
8 | 23 | M | 2 | YUGO | S2R Racing N-SPEED | 15 | 30'09.240 | 1Lap | 1Lap |
---- 以上規定周回数(75% - 12 Laps)完走 ---- |
- Fastest Lap: CarNo. 5 ミハエル・サウター(G FORCE F111/3) 1'51.926 (5/16) 154.370 km/h
8月25日、全日本スーパーフォーミュラ選手権第5戦の決勝日。モビリティリゾートもてぎの上空は雲は多いものの時折日が差す蒸し暑い天候だ。ただ、午後からは降雨予報も出ている。
午前9時10分から30分間行われたフリー走行2回目では、大津弘樹(TGM Grand Prix SF23)がトップタイム(1分34秒199)、2番手には木村偉織(San-Ei Gen with B-Max SF23)が1分34秒534で入り、予選でQ1突破のならなかった二人が気を吐いた。抜きどころの少ないもてぎのコースだが、決勝での巻き返しに期待したい。
3番手以降には、国本雄資(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF23)、大嶋和也(docomo business ROOKIE SF23)、福住仁嶺(Kids com KCMG Elyse SF23)、PPスタートの山下健太(REALIZE Corporation KONDO SF23)……と、9番手までずらっとトヨタエンジンユーザーが並んだ。
11番手には、注目のニック・デ・フリース(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF23)が1分35秒192でつけた。
予選2位の太田格之進(DOCOMO DANDELION M6Y SF23)は16番手、予選3位の大湯都史樹(VERTEX CERUMO・INGING SF23)は12番手だが、9番手以降は1分35秒台前半で8〜9台が並んでおり、タイム差はごく僅かだ。
各車トラブル、アクシデントもなく、フリー走行を終えた。あとは決勝の天候が気になるところだ。
その決勝は、午後2時40分から37周で行われる。
Text: Shigeru KITAMICHI
もてぎ2&4レース -RIJ- (2024/08/25) Free Practice 2 Weather:Cloudy Course:Dry
2024 SUPER FORMULA Round 5 モビリティリゾートもてぎ 4.801km
Pos | № | Driver | Car Team Engine | Time | Behind | Gap | km/h |
1 | 55 | 大津 弘樹 | TGM Grand Prix SF23 TGM Grand Prix Honda M-TEC HR-417E | 1'34.199 | - | - | 183.480 |
2 | 50 | 木村 偉織 | San-Ei Gen with B-Max SF23 San-Ei Gen with B-Max Honda M-TEC HR-417E | 1'34.534 | 0.335 | 0.335 | 182.829 |
3 | 20 | 国本 雄資 | ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF23 ITOCHU ENEX TEAM IMPUL TOYOTA TRD01F | 1'34.687 | 0.488 | 0.153 | 182.534 |
4 | 14 | 大嶋 和也 | docomo business ROOKIE SF23 docomo business ROOKIE TOYOTA TRD 01F | 1'34.853 | 0.654 | 0.166 | 182.215 |
5 | 8 | 福住 仁嶺 | Kids com KCMG Elyse SF23 Kids com Team KCMG TOYOTA TRD 01F | 1'34.875 | 0.676 | 0.022 | 182.172 |
6 | 3 | 山下 健太 | REALIZE Corporation KONDO SF23 KONDO RACING TOYOTA TRD 01F | 1'34.885 | 0.686 | 0.010 | 182.153 |
7 | 36 | 坪井 翔 | VANTELIN TOM'S SF23 VANTELIN TEAM TOM’S TOYOTA TRD 01F | 1'34.897 | 0.698 | 0.012 | 182.130 |
8 | 4 | 小高 一斗 | REALIZE Corporation KONDO SF23 KONDO RACING TOYOTA TRD 01F | 1'34.909 | 0.710 | 0.012 | 182.107 |
9 | 38 | 阪口 晴南 | VERTEX CERUMO・INGING SF23 VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING TOYOTA TRD 01F | 1'35.137 | 0.938 | 0.228 | 181.671 |
10 | 64 | 山本 尚貴 | PONOS NAKAJIMA RACING SF23 PONOS NAKAJIMA RACING Honda M-TEC HR-417E | 1'35.158 | 0.959 | 0.021 | 181.631 |
11 | 19 | ニック・デ・フリース | ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF23 ITOCHU ENEX TEAM IMPUL TOYOTA TRD 01F | 1'35.192 | 0.993 | 0.034 | 181.566 |
12 | 39 | 大湯 都史樹 | VERTEX CERUMO・INGING SF23 VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING TOYOTA TRD 01F | 1'35.245 | 1.046 | 0.053 | 181.465 |
13 | 5 | 牧野 任祐 | DOCOMO DANDELION M5S SF23 DOCOMO TEAM DANDELION RACING Honda M-TEC HR-417E | 1'35.331 | 1.132 | 0.086 | 181.301 |
14 | 65 | 佐藤 蓮 | PONOS NAKAJIMA RACING SF23 PONOS NAKAJIMA RACING Honda M-TEC HR-417E | 1'35.351 | 1.152 | 0.020 | 181.263 |
15 | 7 | 小林 可夢偉 | Kids com KCMG Cayman SF23 Kids com Team KCMG TOYOTA TRD 01F | 1'35.364 | 1.165 | 0.013 | 181.238 |
16 | 6 | 太田 格之進 | DOCOMO DANDELION M6Y SF23 DOCOMO TEAM DANDELION RACING Honda M-TEC HR-417E | 1'35.389 | 1.190 | 0.025 | 181.191 |
17 | 15 | 岩佐 歩夢 | Red Bull MOTUL MUGEN SF23 TEAM MUGEN Honda M-TEC HR-417E | 1'35.440 | 1.241 | 0.051 | 181.094 |
18 | 16 | 野尻 智紀 | Red Bull MOTUL MUGEN SF23 TEAM MUGEN Honda M-TEC HR-417E | 1'35.661 | 1.462 | 0.221 | 180.676 |
19 | 37 | 笹原 右京 | VANTELIN TOM'S SF23 VANTELIN TEAM TOM’S TOYOTA TRD 01F | 1'35.702 | 1.503 | 0.041 | 180.598 |
20 | 12 | 三宅 淳詞 | ThreeBond Drago CORSE SF23 ThreeBond Racing Honda M-TEC HR-417E | 1'35.955 | 1.756 | 0.253 | 180.122 |
21 | 53 | ジュジュ | TGM Grand Prix SF23 TGM Grand Prix Honda M-TEC HR-417E | 1'37.118 | 2.919 | 1.163 | 177.965 |
8月24日にモビリティーリゾートもてぎで行われた、フォーミュラリージョナル全日本選手権第4戦レース9の決勝は、チェッカー後に2位のセバスチャン・マンソン(G FORCE F111/3)と3位の堀尾風允(Sutekina Racing)が接触するという大きなアクシデントが発生した。
16周で行われた決勝レースは、15周目にトップのマンソン、1秒2差で2位のミハエル・サウター(G FORCE F111/3)、0秒9差で3位の堀尾という順でコントロールラインを通過し、ファイナルラップに入った。
レースはこのままの順位で終了するかと思われたが、最終コーナー立ち上がりでトップのマンソンがオーバーランを喫し失速。2位につけていたサウターはマンソンをかわしトップに浮上。3位の堀尾も2位に落ちたマンソンの右側にマシンを振り、この2台はサイドバイサイドでストレートを並走。マンソンは堀尾をけん制するためにマシンを寄せ、このままチェッカーを受けた。
2位にはマンソン、0秒187差で3位には堀尾が入ったが、この直後にさらに堀尾にマシンを寄せたマンソンと堀尾がストレートで激しく接触、2台は絡みながら、1コーナーで停止した。
この時の模様を堀尾は語る。
「マンソンが自分のミスで最終コーナーで飛び出して戻ってきました。失速してたのでワンチャンあると思って、イン側に並走する形でゴールラインを通過しました。ぎりぎり3位だとわかり、普通にまっすぐ走っていたら、彼がハンドルを切ってきたので激突しました」
堀尾はレース後のアクシデントは経験がないといい、一定の理解を示しつつ、受け止め方も複雑だ。
「レース中ならレーシングアクシデントで話しは別ですが、受け止め方も複雑です。彼は最終コーナーでの自分のミスで、飛び出してむしゃくしゃしていたとは思いますが、他人に当たっていいことではないです。あのまま当たらなければ彼は2位だったのに、自分の順位まで落としてます」
堀尾はレース後、冷静にマンソンと話しをし、諭したという。
「怒っても意味がないです。レーシングカートじゃなくて、時速200kmを超えるフォーミュラカーで、自分の命も他人の命もかかってるわけで、そこはお互いにリスペクトしないといけない。彼も若いですし、将来プロになりたいならそんなことをしてる場合じゃないと。リスペクトしないのであれば誰も君とレースをしてくれないよと言いました。最初は反省を感じられなかったので、そういう説明をしました。最終的には謝ってくれました」
堀尾のとマンソンのマシンは修復も終わり、25日のレース10決勝には出走できそうだ。マンソンは2番グリッドから、堀尾は3番グリッドからスタートする。全選手を含めフェアなレースを期待したい。
Text: Yoshinori OHNISHI
Photo: Eiji TAKEUCHI
Yoshinori OHNISHI
スーパーフォーミュラ第5戦の予選は、山下健太(REALIZE Corporation KONDO SF23)の7年ぶり、二度目のポールポジション(PP)で決着した。
予選後の会見では、「7年前ルーキーシーズンで4戦目くらいにポールを取って、勘違いをしました(笑)。そこから7年。テストではトップタイムもありましたが、掴んだと思っては裏切られる、というのを繰り返してきました。長かったです」と、淡々とした口調で語る山下。
7年間、KONDOレーシング一筋でやってきた男は「今年はこれまでにないくらいの調子の良さを感じています」と言い、「本当に嬉しい。今までのレース人生で一番かもしれません。もう明日はどうでも良いです。勝てればラッキーくらいの気持ちです」と周囲を笑わせた。
最後のアタックで山下に僅かに届かなかった2位の太田格之進(DOCOMO DANDELION M6Y SF23)は、「クルマは最高でした。チームに感謝です。ポールを取れるクルマだったと思います。大きなミスではありませんが、コンサバになったコーナーとアグレッシブになり過ぎたコーナーがあって、Q1からの伸び率が少なかったと思います」と悔しさを滲ませた。
最後に逆転され3位となった大湯都史樹(VERTEX CERUMO・INGING SF23)は、「悔しい予選でした。今回も(富士に続いて)トップ3に入っているところは見せたいと思っていて、それが形になったのは良かったと思います。自分としては、ポールを取れたという確信を持ってピットに戻ってきましたが、3番手と聞いて悔しさしかなかったですね」と、やはり悔しさが残ったようだ。
決勝は雨予報も出ていて、ウェットレースになる可能性も高い。スタートで勝負が決着する可能性もありそうだが、脱力系ドライバー(?)山下が、肩の力を抜いて臨めば二度目のポールから二度目の優勝を飾る可能性は高そうだ。
Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Motorsports Forum
フォーミュラリージョナル全日本選手権第4戦は24日、モビリティーリゾートもてぎでレース9の決勝を行い、予選2位からスタートしたミハエル・サウター(G FORCE F111/3)が最終ラップの最終コーナーで逆転し優勝を飾った。
決勝は午後3時55分に相変わらず蒸し暑いなか、フォーメーションラップが始まった。直前までマシンの修復作業を行ってた猪爪杏奈(ユピテル羽衣6 F111/3)はグリッド試走に間に合わず、ピットスタートとなった。
スタートではポールポジション、セバスチャン・マンソン(G FORCE F111/3)の動き出しが鈍く、予選2位のサウターがインから並びかける。マンソンもサウターをけん制し、なんとかトップを死守。このため、1コーナー立ち上がりの鈍ったサウターを、予選3位の堀尾風允(Sutekina Racing)が2コーナーアウトからパスし2位に上がった。4位にはジェシー・レイシー(G FORCE F111/3)、5位には中村賢明(TOM'S FORMULA F111)が続く。
1周目、トップに立ったマンソンは2位堀尾を0秒7離して戻ってきた。直後に3位に落ちたサウターが続く。ピットスタートとなった猪爪はマシンのトラブルが完治してなかったようでピットに滑り込んできた。
トップのマンソンは2位の堀尾を1秒前後リードしつつレースは周回を消化。堀尾は3位のサウターの追撃に防戦一方だ。そこから大きく遅れて、レイシーと中村も接近戦を演じている。
5位の中村は、10周目、13周目にヘアピンでアウトから並びかけ、バックストレートで並走するも90度コーナーではレイシーにインを閉められパスするに至らない。
終盤の14周目にはスピードに勝る3位のサウターがついに堀尾の攻略に成功。2位に上がり、トップのマンソンを追う。しかし、マンソンも最後の力を振り絞り二人の間隔は1秒前後から詰まらない。
最終ラップとなった16周目、このままレースは終了するかと思われたが、トップのマンソンが最終ビクトリーコーナーアウトにマシンのタイヤを落とし、失速。立ち上がりの鈍ったマンソンをストレートでサウターがかわし優勝を飾った。マンソンは2位に落ち、堀尾は3位でゴールした。
チェッカー後、なんと2位のマンソンと3位の堀尾がストレートで激しく接触。両車ともマシンに大きなダメージを負うことになった。
4位レイシーと5位中村の接近戦は、最終コーナー立ち上がりで中村がレイシーに接近するも0秒088差と鼻先でレイシーが逃げ切った。
2台参加のマスタークラスは、YUKI(NILZZ Racing)が2位のYUGO(S2R Racing)を大きくリードして優勝した。
表彰式では、2位のマンソンと3位の堀尾がメディカルチェックのため欠席。サウター一人が登壇し、後味悪い結末となった。
レース後、マンソンに1周減算のペナルティーが科された。このため、2位堀尾、3位レイシー、4位中村、5位YUKIと繰り上がり、マンソンは6位に降格となった。
レース10は明日午前10時10分より16周または30分で行われる。大きくマシンを損傷したマンソンと堀尾が出走できるのか懸念される。
Text: Yoshinori OHNISHI
Photo: Atsushi BESSHO
もてぎ2&4レース -RIJ- (2024/08/24) Final Race Weather:Cloudy Course:Dry
2024 FORMULA REGIONAL JAPANESE CHAMPIONSHIP Round 9 モビリティリゾートもてぎ 4.801km
Pos | No | Cls | Cls Pos | Driver | Car Team | Lap | Time | Behind | Gap |
1 | 5 | | | ミハエル・サウター | G FORCE F111/3 BIRTH RACING PROJECT【BRP】 | 16 | 30'21.137 | - | - |
2 | 3 | | | 堀尾 風允 | Sutekina Racing SUTEKINA RACING TEAM | 16 | 30'22.230 | 1.093 | 1.093 |
3 | 53 | | | ジェシー・レイシー | G FORCE F111/3 Bionic Jack Racing | 16 | 30'37.775 | 16.638 | 15.545 |
4 | 28 | | | 中村 賢明 | TOM'S FORMULA F111 TOM'S FORMULA | 16 | 30'37.863 | 16.726 | 0.088 |
5 | 18 | M | 1 | YUKI | NILZZ Racing NILZZ Racing | 16 | 31'16.221 | 55.084 | 38.358 |
6 | *55 | | | セバスチャン・マンソン | G FORCE F111/3 BIRTH RACING PROJECT【BRP】 | 15 | 30'22.043 | 1Lap | 1Lap |
7 | 23 | M | 2 | YUGO | S2R Racing N-SPEED | 15 | 30'59.635 | 1Lap | 37.592 |
---- 以上規定周回数(75% - 12 Laps)完走 ---- |
- | 62 | | | 猪爪 杏奈 | ユピテル羽衣6 F111/3 HELM MOTORSPORTS | 3 | 10'29.379 | 13Laps | 12Laps |
- Fastest Lap: CarNo. 55 セバスチャン・マンソン(G FORCE F111/3) 1'52.915 (3/16) 153.067 km/h
- CarNo. 55は、2024 FR統一規則16.1.1違反により1周減算とした。
全日本スーパーフォーミュラ選手権第5戦の予選が、8月24日、栃木県・モビリティリゾートもてぎで行われ、山下健太(REALIZE Corporation KONDO SF23)が、7年ぶりとなる自身二度目のポールポジションを獲得した。
天気予報では、予選時はかなり高い確率で雨だったが、予報は外れ、日差しが照りつけ気温35度の蒸し暑さのなか、午後2時45分から予選が行われた。
■Q1 Aグループ
太田格之進(DOCOMO DANDELION M6Y SF23)が、2位以下をやや引き離す1分32秒270でトップタイム。前大会ではスタート前のトラブルで出走できなかった太田は今回こそ、という思いを感じさせる走りを見せた。
太田に続いたのは、朝のフリー走行でトップだった山下健太(REALIZE Corporation KONDO SF23)。以下、大湯都史樹(VERTEX CERUMO・INGING SF23)、坪井翔(VANTELIN TOM'S SF23)、佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)、国本雄資(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF23)と続き、ここまでがQ1通過。
岩佐歩夢(Red Bull MOTUL MUGEN SF23)は、1000分の2秒という超僅差で涙を飲んだ。
順位:山下-大湯-坪井-佐藤-国本/岩佐-大嶋-小林-大津-三宅
■Q1 Bグループ
Aグループの結果から、1分32秒台をマークすることがQ1通過の条件と思われるなか、福住仁嶺(Kids com KCMG Elyse SF23)が32秒739をマーク。山本も32秒786で続いた。
さらに、牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF23)が32秒550、野尻智紀(Red Bull MOTUL MUGEN SF23)も32秒597をマークして、この4人はQ1通過を決めた。
終了間際に、阪口晴南(VERTEX CERUMO・INGING SF23)、小高一斗(REALIZE Corporation KONDO SF23)も32秒台に入れてQ1通過。木村偉織(San-Ei Gen with B-Max SF23)は二人に押し出されるように7位に落ちQ1突破はならなかった。
今日から走り始めたニック・デ・フリース(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF23)も、さすがに予選アタックをまとめることはできずにQ1で予選を終えた。
順位:牧野-野尻-福住-山本-阪口-小高/木村-笹原-デ・フリース-Juju
■Q2
Q2進出は、KONDOレーシング、ダンディライアン、セルモ・インギング、NAKAJIMAレーシングが各2台、チーム無限、トムス、KCMG、IMPULが1台ずつという構成になった。
ポールポジションは、Q1でトップを分け合ったダンディライアンの牧野と太田の争いになると
思われたが、この二人を出し抜いたのが、唯一1分31秒台に入れた山下だった。
最後のアタックでは、まず野尻が32秒151でトップに立つも、大湯が1分32秒091をマークして逆転。本人も「ポールを取ったと思った」というほど良いラップだったが、さらにこれを山下が31秒995で塗り替えてポールに王手をかけた。
残る太田は渾身のアタックで山下に迫ったが、32秒074と僅かに届かず。山下が7年ぶりとなる自身二度目のポールポジションを獲得して、予選を締めくくった。
順位:山下-太田-大湯-野尻-牧野-山本-小高-坪井-佐藤-福住-阪口-国本
Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Atsushi BESSHO
もてぎ2&4レース -RIJ- (2024/08/24) Weather: Fine Course: Dry
2024 SUPER FORMULA Round 5 モビリティリゾートもてぎ 4.801km
Pos | No | Gr. | Driver | Car Team Engine | Q1 | Q2
|
1 | 3 | A | 山下 健太 | REALIZE Corporation KONDO SF23 KONDO RACING TOYOTA TRD 01F | 1'32.543 | 1'31.995 |
2 | 6 | A | 太田 格之進 | DOCOMO DANDELION M6Y SF23 DOCOMO TEAM DANDELION RACING Honda M-TEC HR-417E | 1'32.270 | 1'32.074 |
3 | 39 | A | 大湯 都史樹 | VERTEX CERUMO・INGING SF23 VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING TOYOTA TRD 01F | 1'32.616 | 1'32.091 |
4 | 16 | B | 野尻 智紀 | Red Bull MOTUL MUGEN SF23 TEAM MUGEN Honda M-TEC HR-417E | 1'32.597 | 1'32.151 |
5 | 5 | B | 牧野 任祐 | DOCOMO DANDELION M5S SF23 DOCOMO TEAM DANDELION RACING Honda M-TEC HR-417E | 1'32.550 | 1'32.173 |
6 | 64 | B | 山本 尚貴 | PONOS NAKAJIMA RACING SF23 PONOS NAKAJIMA RACING Honda M-TEC HR-417E | 1'32.786 | 1'32.238 |
7 | 4 | B | 小高 一斗 | REALIZE Corporation KONDO SF23 KONDO RACING TOYOTA TRD 01F | 1'32.897 | 1'32.248 |
8 | 36 | A | 坪井 翔 | VANTELIN TOM'S SF23 VANTELIN TEAM TOM’S TOYOTA TRD 01F | 1'32.674 | 1'32.278 |
9 | 65 | A | 佐藤 蓮 | PONOS NAKAJIMA RACING SF23 PONOS NAKAJIMA RACING Honda M-TEC HR-417E | 1'32.845 | 1'32.307 |
10 | 8 | B | 福住 仁嶺 | Kids com KCMG Elyse SF23 Kids com Team KCMG TOYOTA TRD 01F | 1'32.739 | 1'32.379 |
11 | 38 | B | 阪口 晴南 | VERTEX CERUMO・INGING SF23 VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING TOYOTA TRD 01F | 1'32.833 | 1'32.416 |
12 | 20 | A | 国本 雄資 | ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF23 ITOCHU ENEX TEAM IMPUL TOYOTA TRD01F | 1'32.912 | 1'32.517 |
---- 以上Q2で決定 ---- |
13 | 15 | A | 岩佐 歩夢 | Red Bull MOTUL MUGEN SF23 TEAM MUGEN Honda M-TEC HR-417E | 1'32.914 | |
14 | 50 | B | 木村 偉織 | San-Ei Gen with B-Max SF23 San-Ei Gen with B-Max Honda M-TEC HR-417E | 1'33.064 | |
15 | 14 | A | 大嶋 和也 | docomo business ROOKIE SF23 docomo business ROOKIE TOYOTA TRD 01F | 1'32.960 | |
16 | 37 | B | 笹原 右京 | VANTELIN TOM'S SF23 VANTELIN TEAM TOM’S TOYOTA TRD 01F | 1'33.252 | |
17 | 7 | A | 小林 可夢偉 | Kids com KCMG Cayman SF23 Kids com Team KCMG TOYOTA TRD 01F | 1'33.025 | |
18 | 19 | B | ニック・デ・フリース | ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF23 ITOCHU ENEX TEAM IMPUL TOYOTA TRD 01F | 1'33.804 | |
19 | 55 | A | 大津 弘樹 | TGM Grand Prix SF23 TGM Grand Prix Honda M-TEC HR-417E | 1'33.262 | |
20 | 53 | B | ジュジュ | TGM Grand Prix SF23 TGM Grand Prix Honda M-TEC HR-417E | 1'34.284 | |
---- 以上基準タイム予選通過 ---- |
- | 12 | A | 三宅 淳詞 | ThreeBond Drago CORSE SF23 ThreeBond Racing Honda M-TEC HR-417E | 2'03.954 | |
もてぎ2&4レース -RIJ- (2024/08/24) Knock Out Q2 Weather:Sunny Course:Dry
2024 SUPER FORMULA Round 5 モビリティリゾートもてぎ 4.801km
Pos | № | Gr | Driver | Car Team Engine | Time | Behind | Gap | km/h |
1 | 3 | A | 山下 健太 | REALIZE Corporation KONDO SF23 KONDO RACING TOYOTA TRD 01F | 1'31.995 | - | - | 187.875 |
2 | 6 | A | 太田 格之進 | DOCOMO DANDELION M6Y SF23 DOCOMO TEAM DANDELION RACING Honda M-TEC HR-417E | 1'32.074 | 0.079 | 0.079 | 187.714 |
3 | 39 | A | 大湯 都史樹 | VERTEX CERUMO・INGING SF23 VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING TOYOTA TRD 01F | 1'32.091 | 0.096 | 0.017 | 187.680 |
4 | 16 | B | 野尻 智紀 | Red Bull MOTUL MUGEN SF23 TEAM MUGEN Honda M-TEC HR-417E | 1'32.151 | 0.156 | 0.060 | 187.557 |
5 | 5 | B | 牧野 任祐 | DOCOMO DANDELION M5S SF23 DOCOMO TEAM DANDELION RACING Honda M-TEC HR-417E | 1'32.173 | 0.178 | 0.022 | 187.513 |
6 | 64 | B | 山本 尚貴 | PONOS NAKAJIMA RACING SF23 PONOS NAKAJIMA RACING Honda M-TEC HR-417E | 1'32.238 | 0.243 | 0.065 | 187.380 |
7 | 4 | B | 小高 一斗 | REALIZE Corporation KONDO SF23 KONDO RACING TOYOTA TRD 01F | 1'32.248 | 0.253 | 0.010 | 187.360 |
8 | 36 | A | 坪井 翔 | VANTELIN TOM'S SF23 VANTELIN TEAM TOM’S TOYOTA TRD 01F | 1'32.278 | 0.283 | 0.030 | 187.299 |
9 | 65 | A | 佐藤 蓮 | PONOS NAKAJIMA RACING SF23 PONOS NAKAJIMA RACING Honda M-TEC HR-417E | 1'32.307 | 0.312 | 0.029 | 187.240 |
10 | 8 | B | 福住 仁嶺 | Kids com KCMG Elyse SF23 Kids com Team KCMG TOYOTA TRD 01F | 1'32.379 | 0.384 | 0.072 | 187.094 |
11 | 38 | B | 阪口 晴南 | VERTEX CERUMO・INGING SF23 VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING TOYOTA TRD 01F | 1'32.416 | 0.421 | 0.037 | 187.020 |
12 | 20 | A | 国本 雄資 | ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF23 ITOCHU ENEX TEAM IMPUL TOYOTA TRD01F | 1'32.517 | 0.522 | 0.101 | 186.815 |
■Aグループ
もてぎ2&4レース -RIJ- (2024/08/24) Knock Out Q1 Weather:Cloudy Course:Dry
2024 SUPER FORMULA Round 5 class モビリティリゾートもてぎ 4.801km
Pos | No | Driver | Car Team Engine | Time | Behind | Gap | km/h |
1 | 6 | 太田 格之進 | DOCOMO DANDELION M6Y SF23 DOCOMO TEAM DANDELION RACING HondaM-TEC HR-417E | 1'32.270 | - | - | 187.315 |
2 | 3 | 山下 健太 | REALIZE Corporation KONDO SF23 KONDO RACING TOYOTATRD 01F | 1'32.543 | 0.273 | 0.273 | 186.763 |
3 | 39 | 大湯 都史樹 | VERTEX CERUMO・INGING SF23 VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING TOYOTATRD 01F | 1'32.616 | 0.346 | 0.073 | 186.616 |
4 | 36 | 坪井 翔 | VANTELIN TOM'S SF23 VANTELIN TEAM TOM’S TOYOTATRD 01F | 1'32.674 | 0.404 | 0.058 | 186.499 |
5 | 65 | 佐藤 蓮 | PONOS NAKAJIMA RACING SF23 PONOS NAKAJIMA RACING HondaM-TEC HR-417E | 1'32.845 | 0.575 | 0.171 | 186.155 |
6 | 20 | 国本 雄資 | ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF23 ITOCHU ENEX TEAM IMPUL TOYOTATRD01F | 1'32.912 | 0.642 | 0.067 | 186.021 |
---- 以上Q2進出 ---- |
7 | 15 | 岩佐 歩夢 | Red Bull MOTUL MUGEN SF23 TEAM MUGEN HondaM-TEC HR-417E | 1'32.914 | 0.644 | 0.002 | 186.017 |
8 | 14 | 大嶋 和也 | docomo business ROOKIE SF23 docomo business ROOKIE TOYOTATRD 01F | 1'32.960 | 0.690 | 0.046 | 185.925 |
9 | 7 | 小林 可夢偉 | Kids com KCMG Cayman SF23 Kids com Team KCMG TOYOTATRD 01F | 1'33.025 | 0.755 | 0.065 | 185.795 |
10 | 55 | 大津 弘樹 | TGM Grand Prix SF23 TGM Grand Prix HondaM-TEC HR-417E | 1'33.262 | 0.992 | 0.237 | 185.323 |
---- 以上基準タイム(107%)予選通過 ---- |
- | 12 | 三宅 淳詞 | ThreeBond Drago CORSE SF23 ThreeBond Racing HondaM-TEC HR-417E | 2'03.954 | 31.684 | 30.692 | 139.436 |
■Bグループ
もてぎ2&4レース -RIJ- (2024/08/24) Knock Out Q1 Weather:Cloudy Course:Dry
2024 SUPER FORMULA Round 5 class モビリティリゾートもてぎ 4.801km
Pos | No | Driver | Car Team Engine | Time | Behind | Gap | km/h |
1 | 5 | 牧野 任祐 | DOCOMO DANDELION M5S SF23 DOCOMO TEAM DANDELION RACING HondaM-TEC HR-417E | 1'32.550 | - | - | 186.749 |
2 | 16 | 野尻 智紀 | Red Bull MOTUL MUGEN SF23 TEAM MUGEN HondaM-TEC HR-417E | 1'32.597 | 0.047 | 0.047 | 186.654 |
3 | 8 | 福住 仁嶺 | Kids com KCMG Elyse SF23 Kids com Team KCMG TOYOTATRD 01F | 1'32.739 | 0.189 | 0.142 | 186.368 |
4 | 64 | 山本 尚貴 | PONOS NAKAJIMA RACING SF23 PONOS NAKAJIMA RACING HondaM-TEC HR-417E | 1'32.786 | 0.236 | 0.047 | 186.274 |
5 | 38 | 阪口 晴南 | VERTEX CERUMO・INGING SF23 VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING TOYOTATRD 01F | 1'32.833 | 0.283 | 0.047 | 186.179 |
6 | 4 | 小高 一斗 | REALIZE Corporation KONDO SF23 KONDO RACING TOYOTATRD 01F | 1'32.897 | 0.347 | 0.064 | 186.051 |
---- 以上Q2進出 ---- |
7 | 50 | 木村 偉織 | San-Ei Gen with B-Max SF23 San-Ei Gen with B-Max HondaM-TEC HR-417E | 1'33.064 | 0.514 | 0.167 | 185.717 |
8 | 37 | 笹原 右京 | VANTELIN TOM'S SF23 VANTELIN TEAM TOM’S TOYOTATRD 01F | 1'33.252 | 0.702 | 0.188 | 185.343 |
9 | 19 | ニック・デ・フリース | ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF23 ITOCHU ENEX TEAM IMPUL TOYOTATRD 01F | 1'33.804 | 1.254 | 0.552 | 184.252 |
10 | 53 | ジュジュ | TGM Grand Prix SF23 TGM Grand Prix HondaM-TEC HR-417E | 1'34.284 | 1.734 | 0.480 | 183.314 |
---- 以上基準タイム(107%)予選通過 ---- |
8月24日、スーパーフォーミュラ(SF)第5戦が開催されているモビリティリゾートもてぎにおいて、シリーズを運営する日本レースプロモーション(JRP)から来シーズンのレースカレンダーの詳細が発表された。
これまで、日本自動車連盟が発表した国際格式のカレンダーの登録申請では、8大会、うち海外戦(韓国)1大会となっていたが、今回発表されたのはその内訳や詳細。
まず、8大会のうち、2レース制を導入するのは5大会。鈴鹿2大会、富士2大会、もてぎ1大会はすべて2レース制となる。逆に1レース制として残るのは、九州大会(オートポリス)と東北大会(スポーツランドSUGO)。
これにより、韓国大会を含めて、シリーズのレース数は現行の9から13へと大きく増えることになった。レース数の増加が課題となっていたシリーズにとって、2レース制の大会を増やすという現実的な方法で応えた形だ。
また、韓国大会が開催されるサーキットは、「インジェ(麟蹄)スピーディウム」であることも発表された。
インジェスピーディウムは、2013年に開設された1周3.9kmのコース。こけら落としではスーパー耐久が開催されたこともある。
JRPの上野社長によると、複数のプロモーターから海外大会開催のアプローチがあったが、韓国大会を提案したプロモーターが、最もSFの価値を理解し考え方も合致したとのこと。すでに周辺の宿泊施設も含めて視察を終え、具体的な打ち合わせに入っているという。
2025年スーパーフォーミュラカレンダー(仮)
3月8-9日 第1,2戦 鈴鹿大会(2レース制)
4月19-20日 第3,4戦 もてぎ大会(2レース制)
5月17-18日 第5戦 九州大会
6月7-8日 第6戦 韓国大会
7月19-20日 第7,8戦 富士大会(2レース制)
8月9-10日 第9戦 東北大会
10月11-12日 第10,11戦 富士大会(2レース制)
11月22-23日 第12,13戦 鈴鹿大会(2レース制)
Text: Shigeru KITAMICHI
本日24日(土)午後2時45分から行われるノックアウト方式の予選Q1のグループ分けは、以下のとおり。各グループの上位6台がQ2に進み、その12台はQ2の順位でグリッドが決定する。
Group A(11台)
No.3 山下健太(REALIZE Corporation KONDO SF23)
No.6 太田格之進(DOCOMO DANDELION M6Y SF23)
No.7 小林可夢偉(Kids com KCMG Cayman SF23)
No.12 三宅淳詞(ThreeBond Drago CORSE SF23)
No.14 大嶋和也(docomo business ROOKIE SF23)
No.15 岩佐歩夢(Red Bull MOTUL MUGEN SF23)
No.20 国本雄資(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF23)
No.36 坪井 翔(VANTELIN TOM'S SF23)
No.39 大湯都史樹(VERTEX CERUMO・INGING SF23)
No.55 大津弘樹(TGM Grand Prix SF23)
No.65 佐藤 蓮(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)
Group B(10台)
No.4 小高一斗(REALIZE Corporation KONDO SF23)
No.5 牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF23)
No.8 福住仁嶺(Kids com KCMG Elyse SF23)
No.16 野尻智紀(Red Bull MOTUL MUGEN SF23)
No.19 ニック・デ・フリース(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF23)
No.37 笹原右京(VANTELIN TOM'S SF23)
No.38 阪口晴南(VERTEX CERUMO・INGING SF23)
No.50 木村偉織(San-Ei Gen with B-Max SF23)
No.53 Juju(TGM Grand Prix SF23)
No.64 山本尚貴(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)
フォーミュラリージョナル全日本選手権第4戦選手権は24日、モビリティーリゾートもてぎでレース9、10の公式予選を行い、レース9はセバスチャン・マンソン(G FORCE F111/3)が、レース10はミハエル・サウター(G FORCE F111/3)がポールポジション(PP)を獲得した。
■レース9公式予選(午前10時50分~11時5分)
もてぎは朝から上空に雲が広がっていたが、レース9の予選が始まる頃、雲間から強烈な太陽が顔を出し、酷暑の予選となった。
計測1周目にはサウターが1分54秒142でまずはトップにつける。2位にはマンソンがつけていたが、そのマンソンが同2周目に51秒452までタイムを伸ばしトップに立つ。サウターもタイムを1分51秒470まで縮めるも届かず。
路面温度が高いため、タイヤのライフが短いようで、サウターはセクター1で全体ベストを更新しながらアタックを継続するも全体をまとめきれず、マンソンのタイムに届かない。
結局、サウターが計測2周目に出したタイムでPPを獲得。サウターは2位で予選を終えた。
3位にはジェシー・レイシー(G FORCE F111/3)、中村賢明(TOM'S FORMULA F111)が顔を出していたが、計測3周目に1分51秒661をたたき出した堀尾風允(Sutekina Racing)が逆転で予選3位を獲得した。
4位にはレイシーが、5位には中村が入った。
マスタークラスのPPはYUKI(NILZZ Racing)が獲得した。
猪爪杏奈(ユピテル羽衣6 F111/3)は練習中から悩まされていたミッショントラブルが解消せず、この予選とレース10の予選を含めてタイム計測ならなかった。
■レース10公式予選(午前11時15分~11時30分)
相変わらず、厳しい日差しが降り注ぎ、酷暑のなかで予選は進行した。
ここでは、サウターが予選を圧倒。レース9予選では、タイヤの内圧が作動域に入っていなかったそうで、調整して見違えるように息を吹き返した。
計測1周目にはいきなり1分51秒992でトップに立つと、同2周目には50秒407と2位以下を1秒近くリード。最終の同4周目にはさらにタイムを50秒404まで伸ばし、PPを獲得した。
2位には0秒521差でマンソンが、3位にはレース9と同じ堀尾が入った。以下、中村、レイシーと続いている。
マスタークラスはここでもYUKIがPPを獲得した。
レース9決勝は本日午後3時55分から16周で、レース10決勝は明日午前10時10分から16周で行われる。両戦とも予報は雨、波乱含みの展開になるかも知れない。
Text: Yoshinori OHNISHI
Photo: Atsushi BESSHO
Yoshinori OHNISHI
もてぎ2&4レース -RIJ- (2024/08/24) Qualifying Weather:Cloudy Course:Dry
2024 FORMULA REGIONAL JAPANESE CHAMPIONSHIP Round 10 モビリティリゾートもてぎ 4.801km
Pos | № | Cls | Cls Pos | Driver | Car Team | Time | Behind | Gap | km/h |
1 | 5 | | | ミハエル・サウター | G FORCE F111/3 BIRTH RACING PROJECT【BRP】 | 1'50.404 | - | - | 156.549 |
2 | 55 | | | セバスチャン・マンソン | G FORCE F111/3 BIRTH RACING PROJECT【BRP】 | 1'50.925 | 0.521 | 0.521 | 155.813 |
3 | 3 | | | 堀尾 風允 | Sutekina Racing SUTEKINA RACING TEAM | 1'51.021 | 0.617 | 0.096 | 155.679 |
4 | 28 | | | 中村 賢明 | TOM'S FORMULA F111 TOM'S FORMULA | 1'51.237 | 0.833 | 0.216 | 155.376 |
5 | 53 | | | ジェシー・レイシー | G FORCE F111/3 Bionic Jack Racing | 1'51.359 | 0.955 | 0.122 | 155.206 |
6 | 18 | M | 1 | YUKI | NILZZ Racing NILZZ Racing | 1'57.773 | 7.369 | 6.414 | 146.754 |
7 | 23 | M | 2 | YUGO | S2R Racing N-SPEED | 1'59.691 | 9.287 | 1.918 | 144.402 |
---- 以上基準タイム(110% - 2'01.444)予選通過 ---- |
- | 62 | | | 猪爪 杏奈 | ユピテル羽衣6 F111/3 HELM MOTORSPORTS | no time | - | - | - |
8月24日、全日本スーパーフォーミュラ選手権第5戦が、栃木県・モビリティリゾートで開幕した。午前中に行われたフリー走行1回目は、ランキング5位の山下健太(REALIZE Corporation KONDO SF23)がトップタイムをマークした。
今大会前にITOCHU ENEX TEAM IMPULから、19号車にWECやフォーミュラEで活躍するニック・デ・フリースが、今大会と10月の富士大会に参戦することが発表された。F1にも参戦した世界レベルのトップドライバーの参戦はシリーズの活性化、注目度アップには大きな効果をもたらすはずだ。
午前8時55分から行われたフリー走行では、各チーム、予選に向けてのセットアップを進めるが、この日の天気予報は午後から雨。かなりの確率でウェットコンディションの予選になりそうだ。
開始30分。大湯都史樹(VERTEX CERUMO・INGING SF23)が1分33秒965をマークしてトップ。以下、坪井翔(VANTELIN TOM'S SF23)、阪口晴南(VERTEX CERUMO・INGING SF23)と続き、序盤はトヨタエンジンユーザーが上位を占めた。
注目のニック・デ・フリース(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF23)は1分35秒565で17番手だが、今日が初走行、まだ30分しか走っていないことを考えると、十分なタイムだ。
この後、各チームは1回目のニュータイヤを投入して、各車は次々にタイムアップ。
60分経過時には、佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)が1分32秒725でトップ。太田格之進(DOCOMO DANDELION M6Y SF23)32秒854、山下33秒046と続く。デ・フリースも果敢に攻め、33秒742まで詰めて8番手に浮上してきた。
残り15分となる頃から、2セット目のニュータイヤが投入されたことで動きが激しくなり、大湯が1分32秒634で佐藤のタイムを上回ると、終了間際のアタックでは、山本尚貴(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)32秒510、佐藤32秒438とトップタイムが更新され、最後に山下が32秒366を叩き出して、予選さながらのアタック合戦を締めくくった。
デ・フリースは、トップから遅れること0.946秒で16番手、Jujuは2.051秒遅れの21番手だった。
気になるのは、ドライバーズランキングで上位につけるチーム無限の二人、岩佐歩夢(Red Bull MOTUL MUGEN SF23)と野尻智紀(Red Bull MOTUL MUGEN SF23)が、12、13番手と中位に埋もれたことだ。
ただ、予選は雨になることを考えると、このフリー走行結果は、予選を占う上でほとんど参考にならないことになる。
予選は、午後2時45分から行われる。
Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Atsushi BESSHO
もてぎ2&4レース -RIJ- (2024/08/24) Qualifying Weather:Cloudy Course:Dry
2024 FORMULA REGIONAL JAPANESE CHAMPIONSHIP Round 9 モビリティリゾートもてぎ 4.801km
Pos | № | Cls | Cls Pos | Driver | Car Team | Time | Behind | Gap | km/h |
1 | 55 | | | セバスチャン・マンソン | G FORCE F111/3 BIRTH RACING PROJECT【BRP】 | 1'51.452 | - | - | 155.077 |
2 | 5 | | | ミハエル・サウター | G FORCE F111/3 BIRTH RACING PROJECT【BRP】 | 1'51.467 | 0.015 | 0.015 | 155.056 |
3 | 3 | | | 堀尾 風允 | Sutekina Racing SUTEKINA RACING TEAM | 1'51.661 | 0.209 | 0.194 | 154.786 |
4 | 53 | | | ジェシー・レイシー | G FORCE F111/3 Bionic Jack Racing | 1'51.969 | 0.517 | 0.308 | 154.361 |
5 | 28 | | | 中村 賢明 | TOM'S FORMULA F111 TOM'S FORMULA | 1'51.985 | 0.533 | 0.016 | 154.339 |
6 | 18 | M | 1 | YUKI | NILZZ Racing NILZZ Racing | 1'58.661 | 7.209 | 6.676 | 145.655 |
7 | 23 | M | 2 | YUGO | S2R Racing N-SPEED | 2'01.552 | 10.100 | 2.891 | 142.191 |
---- 以上基準タイム(110% - 2'02.596)予選通過 ---- |
- | 62 | | | 猪爪 杏奈 | ユピテル羽衣6 F111/3 HELM MOTORSPORTS | 6'00.053 | 4'08.601 | 3'58.501 | 48.003 |
もてぎ2&4レース -RIJ- (2024/08/24) Free Practice 1 Weather:Cloudy Course:Dry
2024 SUPER FORMULA Round 5 モビリティリゾートもてぎ 4.801km
Pos | № | Gr | Driver | Car Team Engine | Time | Behind | Gap | km/h |
1 | 3 | A | 山下 健太 | REALIZE Corporation KONDO SF23 KONDO RACING TOYOTA TRD 01F | 1'32.366 | - | - | 187.121 |
2 | 65 | A | 佐藤 蓮 | PONOS NAKAJIMA RACING SF23 PONOS NAKAJIMA RACING Honda M-TEC HR-417E | 1'32.438 | 0.072 | 0.072 | 186.975 |
3 | 64 | B | 山本 尚貴 | PONOS NAKAJIMA RACING SF23 PONOS NAKAJIMA RACING Honda M-TEC HR-417E | 1'32.510 | 0.144 | 0.072 | 186.830 |
4 | 39 | A | 大湯 都史樹 | VERTEX CERUMO・INGING SF23 VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING TOYOTA TRD 01F | 1'32.634 | 0.268 | 0.124 | 186.579 |
5 | 5 | B | 牧野 任祐 | DOCOMO DANDELION M5S SF23 DOCOMO TEAM DANDELION RACING Honda M-TEC HR-417E | 1'32.656 | 0.290 | 0.022 | 186.535 |
6 | 8 | B | 福住 仁嶺 | Kids com KCMG Elyse SF23 Kids com Team KCMG TOYOTA TRD 01F | 1'32.722 | 0.356 | 0.066 | 186.402 |
7 | 6 | A | 太田 格之進 | DOCOMO DANDELION M6Y SF23 DOCOMO TEAM DANDELION RACING Honda M-TEC HR-417E | 1'32.726 | 0.360 | 0.004 | 186.394 |
8 | 38 | B | 阪口 晴南 | VERTEX CERUMO・INGING SF23 VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING TOYOTA TRD 01F | 1'32.775 | 0.409 | 0.049 | 186.296 |
9 | 36 | A | 坪井 翔 | VANTELIN TOM'S SF23 VANTELIN TEAM TOM’S TOYOTA TRD 01F | 1'32.824 | 0.458 | 0.049 | 186.198 |
10 | 14 | A | 大嶋 和也 | docomo business ROOKIE SF23 docomo business ROOKIE TOYOTA TRD 01F | 1'32.953 | 0.587 | 0.129 | 185.939 |
11 | 50 | B | 木村 偉織 | San-Ei Gen with B-Max SF23 San-Ei Gen with B-Max Honda M-TEC HR-417E | 1'33.030 | 0.664 | 0.077 | 185.785 |
12 | 15 | A | 岩佐 歩夢 | Red Bull MOTUL MUGEN SF23 TEAM MUGEN Honda M-TEC HR-417E | 1'33.127 | 0.761 | 0.097 | 185.592 |
13 | 16 | B | 野尻 智紀 | Red Bull MOTUL MUGEN SF23 TEAM MUGEN Honda M-TEC HR-417E | 1'33.140 | 0.774 | 0.013 | 185.566 |
14 | 20 | A | 国本 雄資 | ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF23 ITOCHU ENEX TEAM IMPUL TOYOTA TRD01F | 1'33.217 | 0.851 | 0.077 | 185.413 |
15 | 37 | B | 笹原 右京 | VANTELIN TOM'S SF23 VANTELIN TEAM TOM’S TOYOTA TRD 01F | 1'33.221 | 0.855 | 0.004 | 185.405 |
16 | 19 | B | ニック・デ・フリース | ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF23 ITOCHU ENEX TEAM IMPUL TOYOTA TRD 01F | 1'33.312 | 0.946 | 0.091 | 185.224 |
17 | 4 | B | 小高 一斗 | REALIZE Corporation KONDO SF23 KONDO RACING TOYOTA TRD 01F | 1'33.340 | 0.974 | 0.028 | 185.168 |
18 | 7 | A | 小林 可夢偉 | Kids com KCMG Cayman SF23 Kids com Team KCMG TOYOTA TRD 01F | 1'33.439 | 1.073 | 0.099 | 184.972 |
19 | 55 | A | 大津 弘樹 | TGM Grand Prix SF23 TGM Grand Prix Honda M-TEC HR-417E | 1'33.557 | 1.191 | 0.118 | 184.739 |
20 | 12 | A | 三宅 淳詞 | ThreeBond Drago CORSE SF23 ThreeBond Racing Honda M-TEC HR-417E | 1'34.225 | 1.859 | 0.668 | 183.429 |
21 | 53 | B | ジュジュ | TGM Grand Prix SF23 TGM Grand Prix Honda M-TEC HR-417E | 1'34.417 | 2.051 | 0.192 | 183.056 |
今シーズン、スーパーフォーミュラ(SF)における目玉ドライバーの一人と思われたテオ・プルシェール(2023年FIA-F2チャンピオン)が、第1戦を走ったのみでチームを突然離脱。以降、ITOCHU ENEX TEAM IMPULの19号車は、第2戦をベン・バーニーコート(2023年IMSAスポーツカーGTD Proクラスチャンピオン)、第3、4戦を平良響(2023年SFライツ2位)がドライバーを務めてきた。
しかし、SFシリーズの世界における注目度を上げるためにも、橋渡し役となる現役の大物ドライバーの参戦が熱望されていた。そんななか、第5戦を迎えるにあたって、TEAM IMPULから発表されたニック・デ・フリースの参戦はまさしくその思いを形にするものだった。
デ・フリースは、2019年FIA-F2チャンピオン、2020-21年フォーミュラEチャンピオン、2022-23年F1参戦、今シーズンは、TOYOTA GAZOO RacingからWECのレギュラードライバーとして、また、フォーミュラEにも参戦するオランダ出身の29歳。現在、考えられるベストともいえるドライバーの参戦が実現したといえる。
レースウィークの金曜日、そのデ・フリースが会見で初のSF参戦に対する意気込みを語った。
「トヨタとIMPULに感謝している。実はチャンスがなくて実現には至らなかったけれど、2017年からSF参戦を目指していたんだ。SFに関してはまだオンボードの映像を見ただけで、シミュレーターでの経験もなく本当にまっさらな状態だけど、明日から走れるのが楽しみだよ。日本は大好きだし、ステップ・バイ・ステップでエンジョイできればと思っている」
こう語るデ・フリース。昨日シート合わせをしたばかりで準備は十分ではないとはいえ、表情からは気負いも不安も感じられない。終始、笑顔を浮かべての会見となった。
それには、多くのSFドライバーとも顔見知りであることもあるのだろう。WECでチームメイトの小林可夢偉はもちろんのこと、「福住とは2009年にKARTで戦ったし、F3ではチームメイトだった。牧野とは一緒にトレーニングしたこともあるし、笹原とも走ったことがあるよ。岩佐もF2でよく知っているよ」と、実に多くのドライバーと関わりを持っている。
TGMクランプリから今季残り5戦に参戦することが発表された大津弘樹も、デ・フリースとともに会見に臨み、「SFに世界で活躍するドライバーが参戦することはとても良いこと」と、参戦を歓迎し、会見中も二人で言葉を交わす場面も見られた。
実力もさることながら、このフレンドリーさも、デ・フリースがトップカテゴリーに参戦し続けている所以だろう。
「当面はWECとフォーミュラEに集中することになる」というデ・フリースは、今回の第5戦、10月に富士スピードウェイで行われる第6、7戦の3レースのみの参戦だが(鈴鹿の8、9戦は平良がドライブ)、明日のフリー走行から、どんな走りを見せ、そして決勝までにどんな進歩を見せてくれるのか、大いに注目したい。
Text&Photo: Shigeru KITAMICHI
2024年のKYOJO CUP第4戦が8月18日(日)に富士スピードウェイで開催され、ポールポジションからスタートした#17 斎藤愛未(Team M岡部自動車D.D.R VITA)が今季3勝目を挙げた。
今回は過去最大のエントリーで31台が参戦。午前8時00分から公式予選が行われた。コース上が混雑しながらも、各車がスペースを見つけてタイムを更新していくなか、先月スーパーフォーミュラと併催された第2戦・第3戦で2連勝を飾りランキング首位につける斎藤が、唯一2分00秒台を切る1分59秒822を記録し、今季2回目のポールポジションにつけた。2番手に#86 下野璃央(Dr.DRY VITA)、3番手に#50 永井歩夢(BBS VITA)が続いた。
午前10時55分から12周で争われた決勝レースは、斎藤が好スタートを切ってレースをリード。5番グリッドの#114 翁長実希(CarBeauty Pro RSS VITA)が2番手に浮上し、2台によるトップ争いが展開された。3周目に翁長がトップを奪うが、翌周のメインストレートでは斎藤が仕掛けていき、トップを奪い返す。こうしてバトルを展開している間に3番手の下野も追いつき、3台によるトップ争いが激化。そのなかで6周目にトップに立った斎藤が徐々にレースをリードしていく。これに翁長と下野も食らいつこうとしたが、終盤にはその差が広がっていく一方となった。
最後は1.4秒までリードを広げた斎藤がトップチェッカーを受け、初優勝となった第2戦から続けて3連勝を飾った。さらに8月18日は斎藤の誕生日で、自身の誕生日プレゼントとなる勝利に満面の笑みをみせていた。2位には翁長、3位には下野が続いた。
これで斎藤は合計81ポイントに伸ばし、2番手の翁長に対してのリードを24ポイントに広げた。次回のKYOJO CUPは10月6日(日)に富士スピードウェイで行われる予定だ。
- 第4戦優勝:#17 斎藤愛未(Team M岡部自動車D.D.R VITA)
-
「朝の予選では、ベストタイムを出した次の周が一番タイムが出ると思ってアタックしていましたが、最終セクターで前の車両に詰まってしまいました。アタックのタイミングを合わせられたかったのは、次回に向けて反省点かなと思っています。決勝では翁長選手に先行されましたが、序盤だったので焦らずにレースを進めました。ここまで課題としていた『レース後半でどうやってうまく乗り切るか?』というトレーニングもしてきましたし、前半にプッシュしても後半でしっかりと走り切れるように、体力面やドライビングの技術も良くなるように取り組んできました。それが形になってホッとしました。誕生日に優勝できて嬉しいです!」
株式会社インタープロトモータースポーツ
2024インタープロトシリーズPOWERED by KeePer第3・4戦が8月17日(土)・18日(日)に富士スピードウェイで開催され、予選2番手からスタートした#37 福住仁嶺(キーパー号)が開幕ラウンドに続いて両レースともに勝利し、開幕4連勝を果たした。
今回は11台のIP車両がエントリー。大会前日の金曜日は日本列島に接近した台風7号の影響により不安定な天候となったものの、土曜日以降は晴天となり、ドライコンディションで各セッションが進んだ。公式予選では、#44 山下健太(NAVUL)が1分46秒826で今季初ポールポジションを獲得。2番手に福住、3番手に#88 佐々木大樹(Pastel Motorsport)が続いた。
18日(日)15時25分から始まった第3戦決勝(9周)では、スタートから各所で激しいバトルが展開された。ポールポジションの山下はトップを守りながらレース中盤を迎えるが、2番手を走る福住が徐々に接近。後半に入って何度か山下の横に並びかけていくと、8周目のコカ・コーラコーナーで逆転に成功した。そのまま、一気にスパートをかけて2番手に1.5秒の差をつけて第3戦を制した。2番手以降の争いは最終周に入るところまで大混戦となり、最終的に#16 ロニー・クインタレッリ(ララパルーザ)が2位、山下は3位でチェッカーフラッグを受けた。
第3戦の結果順に、各車がグリッドに再整列して第4戦(9周)がスタート。2番グリッドのクインタレッリはスタートでやや出遅れ、代わりに4番グリッドからスタートダッシュを決めた#96 阪口晴南(岡山トヨペットK-tunes)が2番手に浮上する。そこに3番手につける山下が迫っていき、5周目に逆転。山下はトップの福住を追いかけようとするも、2番手以降が混戦模様になっている間に福住はリードを広げており、この5周目の時点で両者の差は3.3秒。トップ争いは順位が入れ替わることはなかった。最終ラップに1分46秒975のファステストラップを記録した福住がトップチェッカーを受け、開幕4連勝を記録。合計81ポイントに伸ばし、ランキングでも大きくリードを築いた。2位には山下、3位には阪口が入った。
4台がエントリーしたSUPRAクラスは、予選で総合トップタイムを記録した#17 坪井翔(HW GR Supra GT4 EVO)がスタートから順位を守り第3戦と第4戦で連勝を飾った。2台が参戦したCCS-Rクラスは、第3戦決勝から接近戦の展開となり、第3戦は#28 堤優威(KK CCS-R)が優勝。続く第4戦は抜きつ抜かれつの展開で前に出た#46 松井孝允(NTP CCS-R)が優勝を飾った。
次回のインタープロトシリーズは10月5日(土)・6日(日)に第5・6戦が開催される。
- IPS第3・4戦優勝:#37 福住仁嶺(キーパー号)
-
「1レース目は山下選手についていきましたが、最初の5周は抜けるような感じではなかったです。ただ、後半はこちらに部がありそうな感じだったので、様子を見ながらいきました。ブレーキ勝負に持ち込んだ時は山下選手のブロックが上手くて簡単には抜けませんでしたけど、トップに立ってから後ろが混戦になった隙に逃げられました。2レース目は序盤に阪口選手に追いつかれるかと思いましたが、途中から引き離すことができました。今年に入ってから僕たちのクルマは直線スピードの調子が良くて、そのメリットを活かしてレースができているのかなと思います」
株式会社インタープロトモータースポーツ
2024年JAF地方選手権スーパーFJもてぎ・SUGOシリーズ第5戦がモビリティリゾートもてぎでで開催され、22台がエントリー。その中に今回S-FJのレースデビューを迎えた新人ドライバーが一名。前日の練習走行前にショートインタビューを行った。
51号車「ファーストガレージKK-SII」をドライブする野々垣善也は昨年富士のFCR-Vitzレースにスポット参戦、今回は念願かなってフォーミュラカーレースデビューとあいなった。ファーストガレージと言えば若手を積極的に登用することで知られているが、野々垣のように29歳でチャンスを掴むケースもある。
――今までモータースポーツの経験は?
「一昨年FCR(富士チャンピオンカップレース)-Vitzに1回だけ出場したことがあります(2022年第5戦)。それ以外にはモータースポーツの経験はありません」
――練習はかなり積んだ?
「今まで1年くらい練習してきて、今回『出ていいよ』と言ってもらえたので、初めてスーパーFJに参戦する、という流れです。自分はずっとレーシングカーに乗るっていうのがやりたくて、いろいろあってできるタイミングが今になったということです。もてぎをメインでかなり練習してきました」
――それならコースの習熟はばっちり?
「だといいですね(笑)」
――実際にスーパーFJマシンをドライブしての感想は?
「めちゃめちゃ楽しいですね(笑)。「ホントにレーシングカーだ」って感じがするので、とてもいいクルマだなって思います」
――今回のレースの目標は?
「まず後悔がないように精一杯、いろんなことをやり切るのが目標になります」
迎えた初レース、22台が出走する中予選はトップから1.687秒差の18位、決勝はひとつ順位を上げて17位で無事に完走。前を追いかけ接近戦も経験し僅か0.267秒差のフニッシュという結果で、フィニッシュ後の満足そうな表情が印象的だった。今後の活躍を期待したい。
Text: Junichi SEKINE
Photo: Mizune NOINE
- 優勝 チェ・ジョンウォン(KMSA MOTORSPORT N)
-
「(スタートは?)もうちょっとゆっくり出ようとしたのですが、予定より早く追いついてしまいました。(それでもオーバーテイクには手間取った?)加藤さんがものすごく速くて、二人とも最強のマシンで戦ってるので、その点で厳しいものがありました。オーバーテイクした後は、昨日リタイヤしたおかげで加藤さんよりタイヤに余裕があって、プッシュできました。終盤は加藤さんと並んでフィニッシュしたかったので、ちょっとペースを調節しました」
- 2位 加藤正将(KMSA MOTORSPORT N)
-
「ちょっとマイナートラブルがあって、ギアの変速ができないことがしばしばあって、それで追いつかれちゃいましたね。(序盤はいい感じだった?)そうですね、ただトラブル抱えちゃうとあれが限界かな、という感じです」
- 3位 新倉涼介(Audi Team Mars)
-
「オープニングラップしか(見せ場が)無いと思っていたので、この週末はそこに賭けていました。チェ選手のミスもあったので前に出られて、魅せるならここだと(笑)1周目に全身全霊賭けたら7周目くらいからフロントタイヤが終わってしまいました。フロント2輪は新品タイヤでしたが、1周目2周目フルプッシュして、そのツケが来たかな、というところです。タイムどうこうより、3台しかいなかったので、少しでも見ていて面白いレースにできたらいいなという感じでした」
Text: Junichi SEKINE
Photo: Mizune NOINE
TCRJ第3戦決勝は8月11日(日)、モビリティリゾートもてぎで23分間+1周、計13周で行われ、ポールポジションから発進のチェ・ジョンウォン(KMSA MOTORSPORT N)がいったんは3位まで順位を落としたがそこから挽回、2位の加藤正将(KMSA MOTORSPORT N)を0.853秒差で振り切って連勝を飾った。
午前中の第2戦に続いて開催の第3戦決勝は午後2時10分コースイン開始。しかしながら予選4位のキム・ソンヒョン(KMSA MOTORSPORT N)のマシンがいったんはピット前に出されたものの、コースインせず、ピットボックスに押し戻される。エンジンが始動しない模様でエンジンフードを開いてチェック開始。午後2時15分のピットロード出口閉鎖までに間に合わず、さらにピットレーンスタートもかなわずレースからはリタイヤとなった。チームによるとセルモーターが回らない状態だという。
キムを除く3台がグリッドに整列してフォーメーションラップ開始前に今回も前後のタイヤ交換を行う。気温35度、路面温度は50度を超えている模様だ。午後2時25分にフォーメーションラップ開始、3台がグリッドに戻ってレーススタート。
今回もポールシッターのチェの出足が悪く、スタートで2番グリッドの加藤が前に出るとトップで第1コーナーへ、チェは第1コーナー進入でアウトにはらんで、3番手スタートの新倉涼介(Audi Team Mars)がインを突いて2位に進出。第3コーナーに向けて3位のチェは新倉のスキを窺うように動くがここは自重。テール・ツー・ノーズで新倉の背後につける。スピードで勝るだけにじっくりと狙うかのようだ。この間に加藤は2位以下を引き離していく。
チェはV字コーナー立ち上がりで新倉の左サイドに並ぶと、ヘアピンでラインをクロスさせて右サイドに。サイド・バイ・サイドでダウンヒルストレートを駆け降りると半車長新倉の前に出る。ここで新倉が粘ってインから90度コーナーのブレーキング勝負をチェに挑み、再度前に出るが、チェは90度出口でラインをクロスさせて新倉の右サイドへ並び出てセカンドアンダーブリッジ内で前に出て2位へ上がる。
新倉とチェがやり合う間に加藤は4.817秒までマージンをひろげてオープニングラップを終了。ここからは加藤がどこまで逃げ切れるかが注目だが、チェは2周目に早速2分1秒256とファステストラップをマークして加藤との差を4.208秒とすると、3周目、4周目も2分1秒台を連発して2秒台で走る加藤に対して3.270秒→2.151秒とじわじわ迫っていく。3位新倉は15秒後方を走る。
迎えた5周目、チェはここで一気にギャップを削り取り0.844秒差と加藤を射程圏内へ入れて6周目へ。加藤はプレッシャーを感じてか第3コーナーではラインを乱してグラベルへはみ出す。チェは加藤をロックオン。連なってダウンヒルストレートを通過するとテール・ツー・ノーズ状態で最終コーナーを立ち上がりメインストレートへ戻ると0.181秒差で7周目へ。
虎視眈々とチャンスを狙うチェは確実に加藤を仕留める場所として90度コーナーを選択。V字やヘアピンでゆさぶりをかけるとまずダウンヒルストレートで加藤の右サイドを窺う。これに反応した加藤が右にラインを変えて牽制するとチェは素早く左サイドにスイッチして90度コーナーに向けてブレーキング勝負、アウトから大外刈りで加藤と並んで立ち上がると一気に前に出てオーバーテイクを完了する。加藤も無理なブロックはせず、これでチェがトップ、加藤2位。
トップに立ったチェは第2戦とは違って余力を残していたのか8周目にスパート。2分3秒台で加藤を突き放しにかかり、2.3秒差とすると9周目も3.3秒差まで逃げる。しかし加藤も踏ん張り10周目は2.5秒差まで戻し、12周目は1.882秒差。ここで23分が経過し13周目がファイナルラップと宣言される。
ファイナルラップ、第2戦と同じようにチェがややペースダウン。加藤が間合いを詰めるがそのままフィニッシュラインまで走り切り0.853秒差のワン・ツー・フィニッシュを決めた。3位新倉はそこからは大きく遅れたが33秒差で3位。3戦全て表彰台フィニッシュで終えた。
ウイニングランでチェはコースサイドに手を振る。90度コーナーでは大きくコースを外れてフラッグポストに寄って3レースを支えたマーシャルに挨拶して行った。
TCRJはこの後第2ラウンドとして第4戦/第5戦が10月5日-6日鈴鹿サーキット、第3ラウンド第6戦/第7戦が10月19日-20日モビリティリゾートもてぎ、最終第4ラウンド第8戦/第9戦/第10戦が12月7日-8日モビリティリゾートもてぎで開催予定だ。
Text: Junichi SEKINE
Photo: Kazuhiro NOINE
Mizue NOINE
Asako SHIMA
もてぎチャンピオンカップレース第3戦 -RIJ- (2024/08/11) Final Race Weather:Sunny Course:Dry
2024 TCR JAPAN Round 3 モビリティリゾートもてぎ 4.801km
Pos | No | Driver | Maker Model Team | Lap | Time | Behind | Gap |
1 | 3 | チェ ジョンウォン | Hyundai Elantra N TCR KMSA MOTORSPORT N | 13 | 27'02.134 | - | - |
2 | 6 | 加藤 正将 | Hyundai Elantra N TCR KMSA MOTORSPORT N | 13 | 27'02.987 | 0.853 | 0.853 |
3 | 65 | 新倉 涼介 | Audi RS3 LMS Audi Team Mars | 13 | 27'35.608 | 33.474 | 32.621 |
---- 以上規定周回数(75% - 9 Laps)完走 ---- |
- | 36 | キム ソンヒョン | Hyundai i30 N TCR KMSA MOTORSPORT N | - | d.n.s | - | - |
- Fastest Lap: CarNo. 3 チェジョンウォン(KMSA MOTORSPORT N) 2'01.256 (2/13) 142.538 km/h
- 優勝 チェ・ジョンウォン(KMSA MOTORSPORT N)
-
「序盤はマシンのコンディションを確認するために、いろいろ試したのですが、そこからは調子がすばらしかったので、ペースを調節しながら走りました。中盤からのペースダウンも計画のうちでした。昨日のレースでほとんど走っていないので、タイヤに余裕もありました。次のレースでは面白さを出して、4番目から走ってみようかな、と思っています」
- 2位 加藤正将(KMSA MOTORSPORT N)
-
「(終盤の追い上げは?)タイヤの状況が多分3号車はかなりきつかったと思うのですが、序盤マネージメントをある程度したので、それで後半僕の方がペースが上がったのだと思います。ちょっと届かなかったですね。午後のレースはベストを尽くして勝ちを狙っていきます」
- 3位 新倉涼介(Audi Team Mars)
-
「昨日よりはタイムの落ち方が、ガクっと下がったわけではなくて、昨日よりは成長したかな、と思います。逆にスタートが、飛び出しはよかったのですが、その後ホイールスピンさせてしまって。あれがなければ前の2台に第3コーナーぐらいまでは楽しいレースができたかな、と思います。今回の経験を踏まえて、午後の第3戦もがんばります」
- 4位 キム・ソンヒョン(KMSA MOTORSPORT N)
-
「今回はちょっと苦労しました。何が悪いのかわからないのですが、タイムが出なかったです。次のレースはがんばってみます」
Text: Junichi SEKINE
Photo: Mizue NOINE
TCRJ第2戦決勝は8月11日(日)、モビリティリゾートもてぎで23分間+1周、計13周で行われ、ポールポジションから発進のチェ・ジョンウォン(KMSA MOTORSPORT N)がスタートで出遅れるもオープニングラップで挽回、そこからは2位以下を引き離して前半は独走、後半ペースダウンして2位の加藤正将(KMSA MOTORSPORT N)に詰め寄られるも0.612秒差でしのぎ切り優勝を飾った。
午前中の予選に続いて開催の第2戦決勝は午前11時にコースイン。4台がダミーグリッドに着くと前後のタイヤローテーションを実施。少しでも前後タイヤのコンディションを揃えようとしている。今回の大会では3セット12本のニュータイヤが使用可能ということで、第2戦ではスタート時点でフロントにニュータイヤ、リヤにユーズドを履かせるとのこと。
11時15分にフォーメーションラップ開始。気温は33度、前日同様気温も路面温度もかなり高い。4台がグリッドに戻ってレーススタート。
ポールシッターのチェの加速が伸びず、ホールショットを奪ったのは2番手スタートの加藤正将(KMSA MOTORSPORT N)で、トップでインから第1コーナーへ進入。チェはアウトから並びかけて第1~第2コーナーをクリア、第3コーナーではインから加藤を差してトップを奪い返す。3位新倉涼介(Audi Team Mars)、4位キム・ソンヒョン(KMSA MOTORSPORT N)の順で続く。
トップを奪回したチェはファーストアンダーブリッジから130R、S字とじわじわ加藤を引き離して行く。オープニングラップを終えてトップのチェと加藤の差は1.475秒。3位新倉は4.652秒差、4位キム8.798秒差と早くもチェがギャップを築き始める。
2周目もチェのペースは明らかに速く、予選並みの2分1秒164というタイムでプッシュ。2分2秒台の加藤との差は2.414秒までひろがる。3周目も2分1秒台で加藤を3.763秒差まで突き放す。
4周目にようやくチェのペースが2分2秒台にダウン。予選で言われていたことだがTCRJマシンのダンロップタイヤのピークは2~3ラップだということで、各車このあたりからタイヤをマネジメントしながらの走りになる。とはいえチェのペースは他を圧倒しており、5周目5.732秒、6周目6.496秒、7周目7.074秒と2位加藤を引き離し独走状態となる。
しかしながら8周目、チェは突如ペースダウン。この周2分6秒698というラップタイムで2分4秒台の加藤がギャップを5.3秒まで詰める。続く9周目、10周目もチェは2分6秒台で5秒台の加藤は4.29秒差→3.992秒差とギャップを削り取っていく。チェは前日の第1戦をエンジントラブルで落としているだけに、トラブル再発か、はたまたタイヤの摩耗か、というようなスピードダウンだ。3位新倉は25秒差、4位キムは1分11秒差に置いて行かれて、ひたすらチェと加藤とのギャップに注目が集まる。11周目、チェはペースを2分5秒台に戻し加藤との差を4.286秒に保持、しかし12周目は再び3.535秒差と縮まり、ここで23分が経過、次の13周目がファイナルラップとなる。
迎えた13周目、チェは大きくペースダウン、第4コーナーから第5コーナーへの短い直線で加藤が一気に近づいていき、5車長程度の間隔でS字を通過、V字の立ち上がりでは加藤がグラベルに片輪を落とすなどこちらも厳しいコンデションのようだが、さらに間合いを詰めてヘアピンからダウンヒルストレートへ。しかし90度コーナーで勝負を挑める距離までは届かず1車長の差でセカンドアンダーブリッジを通過、最終コーナーはテール・ツー・ノーズで立ち上がり、0.612秒差でチェが逃げ切った。加藤は2位、そこから24秒遅れたが新倉が3位で連続表彰台。4位キムという結果に。
トップチェッカーのチェは2位の加藤と共に、4位のキムを待ち受けて3台のヒョンデでウイニングランを行いポディウムへと戻って来るとマシンを降りてがっちり握手。前日果たせなかったワン・ツー・フィニッシュをアピールした。
TCRJ第3戦は本日8月11日、午後2時25分スタート予定だ。
Text: Junichi SEKINE
Photo: Kazuhiro NOINE
Mizue NOINE
Asako SHIMA
もてぎチャンピオンカップレース第3戦 -RIJ- (2024/08/11) Final Race Weather:Sunny Course:Dry
2024 TCR JAPAN Round 2 モビリティリゾートもてぎ 4.801km
Pos | No | Driver | Maker Model Team | Lap | Time | Behind | Gap |
1 | 3 | チェ ジョンウォン | Hyundai Elantra N TCR KMSA MOTORSPORT N | 13 | 27'06.039 | - | - |
2 | 6 | 加藤 正将 | Hyundai Elantra N TCR KMSA MOTORSPORT N | 13 | 27'06.651 | 0.612 | 0.612 |
3 | 65 | 新倉 涼介 | Audi RS3 LMS Audi Team Mars | 13 | 27'30.999 | 24.960 | 24.348 |
4 | 36 | キム ソンヒョン | Hyundai i30 N TCR KMSA MOTORSPORT N | 13 | 28'25.138 | 1'19.099 | 54.139 |
---- 以上規定周回数(75% - 9 Laps)完走 ---- |
- Fastest Lap: CarNo. 3 チェジョンウォン(KMSA MOTORSPORT N) 2'01.164 (2/13) 142.646 km/h
- 第2戦/第3戦ポールポジション チェ・ジョンウォン(KMSA MOTORSPORT N)2分0秒859/2分1秒322
-
「(マシンはすっかり直った?)このタイムが証明になると思います。コースレコードも出せましたし、目標よりいいペースで走れています。後はトラブルがなければ決勝はいいレースができると思います。このまま独走するより(加藤選手と)レースがしたいと思います」
- 第2戦/第3戦2位 加藤正将(KMSA MOTORSPORT N)2分1秒202/2分2秒322
-
「昨日にくらべるとちょっと(タイムが)離れましたね。今日は日照が強かったので、タイヤの内圧を外したかなというのが一番の原因です。そこが差にはなっているけれど、決勝ではそれをアジャストするので、いい戦いができると思います。いまのところチェさんとの勝負という流れになるんじゃないかなと思っています」
- 第2戦/第3戦3位 新倉涼介(Audi Team Mars)2分4秒309/2分4秒587
-
「定位置ですね(苦笑)。タイムは昨日よりはよかったですが、3周目のアタックがいい感じでセクターベストが出ていたのに、S字とV字でミスをしてしまって不甲斐ないタイムになってしまいました。調子自体はいいので、決勝はタイヤ、ブレーキのマネジメントしながら、前2台の姿が見える位置にはいたいなと思います。今日もスタートを決めて、飛び出さないように(笑)」
- 第2戦/第3戦4位 キム・ソンヒョン(KMSA MOTORSPORT N)2分8秒685/2分9秒498
-
「走る都度練習になって、コースにもずいぶん慣れてきました。タイムも自己ベストを更新できました。決勝ではこれよりもっとタイムを縮めてゴールすることが目標ですが、できると思います」
Text: Junichi SEKINE
Photo: Mizue NOINE
TCRJ第2戦/第3戦公式予選は8月11日、モビリティリゾートもてぎで行われ、チェ・ジョンウォン(KMSA MOTORSPORT N)がトップタイムで第2戦、セカンドベストタイムで第3戦のそれぞれポールポジションを獲得した。
公式予選は午前9時から15分間で実施。前日と同じく気温は早くも30度を超えて路面温度もかなり上昇している。出走は前日と同じ4台。第1戦決勝をエンジントラブルでリタイヤしたチェのマシンもトラブルを修復。チームによるとスパークプラグにつながるイグニッションコイルの一つが破損していたとのことで、スタート直後にトラブル発生を察知したチェがすぐにマシンを止めたためエンジン本体は無事で、破損したパーツの交換のみで復活した。
今回もコースイン直後にチェ、加藤正将(KMSA MOTORSPORT N)、新倉涼介(Audi Team Mars)の3台はピットイン。前後タイヤの交換を行う。キム・ソンヒョン(KMSA MOTORSPORT N)だけは走行を続ける。これはレース経験の少ないキムにとってはタイヤの性能より経験値を上げることが優先の為。
残り10分を切って、チェ、新倉、加藤が相次いでピットアウト、予選に復帰する。この時点でのトップは走行を続けているキムの2分9秒985、チェ、新倉、加藤は14秒~16秒台とウォームアップ中だ。
残り6分、チェがセクター2、セクター3と立て続けにベストタイムを出してコントロールラインを通過すると、コースレコードとなる2分0秒859を叩き出す。続いて新倉が4秒587で2番手につけけるが、直後に加藤が01秒202をマーク。これで加藤2番手、新倉3番手へ。
チェは続く周回で2分1秒323をマーク、これがセカンドタイムのトップということで第3戦のポールポジションも獲得すると、これで十分と判断したかスローダウン、マシンをピットに戻した。
2番手の加藤も同じタイミングでセカンドベストとなる2秒133を出し、第2戦、第3戦のフロントロウに並ぶことになった。セカンドロウは新倉が両レース共に3番手、キムが4番手というグリッドが確定した。
第2戦決勝はこのあと午前11時から、第3戦決勝は午後1時20分より行われる。
Text: Junichi SEKINE
Photo: Kazuhiro NOINE
もてぎチャンピオンカップレース第3戦 -RIJ- (2024/08/11) Qualifying Weather:Sunny Course:Dry
2024 TCR JAPAN Round 3 モビリティリゾートもてぎ 4.801km
Pos | № | Driver | Maker Model Team | Time | Behind | Gap | km/h | Lap |
1 | 3 | チェ ジョンウォン | Hyundai Elantra N TCR KMSA MOTORSPORT N | 2'01.322 | - | - | 142.461 | 4/4 |
2 | 6 | 加藤 正将 | Hyundai Elantra N TCR KMSA MOTORSPORT N | 2'02.133 | 0.811 | 0.811 | 141.515 | 4/4 |
3 | 65 | 新倉 涼介 | Audi RS3 LMS Audi Team Mars | 2'04.587 | 3.265 | 2.454 | 138.727 | 3/5 |
4 | 36 | キム ソンヒョン | Hyundai i30 N TCR KMSA MOTORSPORT N | 2'09.498 | 8.176 | 4.911 | 133.467 | 5/7 |
もてぎチャンピオンカップレース第3戦 -RIJ- (2024/08/11) Qualifying Weather:Sunny Course:Dry
2024 TCR JAPAN Round 2 モビリティリゾートもてぎ 4.801km
Pos | № | Driver | Maker Model Team | Time | Behind | Gap | km/h | Lap |
1 | 3 | チェ ジョンウォン | Hyundai Elantra N TCR KMSA MOTORSPORT N | R2'00.859 | - | - | 143.006 | 3/4 |
2 | 6 | 加藤 正将 | Hyundai Elantra N TCR KMSA MOTORSPORT N | 2'01.202 | 0.343 | 0.343 | 142.602 | 3/4 |
3 | 65 | 新倉 涼介 | Audi RS3 LMS Audi Team Mars | 2'04.309 | 3.450 | 3.107 | 139.037 | 4/5 |
4 | 36 | キム ソンヒョン | Hyundai i30 N TCR KMSA MOTORSPORT N | 2'08.685 | 7.826 | 4.376 | 134.309 | 4/7 |
- 'R'マークは従来のコースレコード(2'00.978)を更新した。
- 優勝 加藤正将(KMSA MOTORSPORT N)
-
「序盤は3号車のトラブルが自分も同じシステムなので(問題が出ないか)確認をしていました。ただ大丈夫そうだと思って、そこから普通にアクセル踏んでいきました。(スタート直後に新倉が迫ったが?)アウディは出だしがいいので、そこは彼がうまく活かしてくれたのでよかったです、僕の愛車なので(笑)。明日のレースは3号車(の調子)が完璧に戻ったら、どうなるかわからないですね。(ところで、トランスポーターに飾られているパンダは何?)(笑)これは韓国のエバーランドという動物園のパンダです。うちのメンバーがエバーランドが好きだということでKMSAさんからプレゼントされたものです」
- 2位 新倉涼介(Audi Team Mars)
-
「オープニングラップのコースアウトはブレーキングのミスです。仕掛けるなら1周目しかないと思っていたので、けっこう肩肘張ってスタートしたので。蹴り出しが悪くなかったので「こりゃもしかしたら一回前に出られるかな?」って思って第3コーナーで頑張ったら行っちゃいました(苦笑)。戻ってこられたのでよかったです。その後の走りにも影響なかったので。あとはもう加藤さんとのペース差がものすごくあったので、タイヤとブレーキのマネジメントを勉強しながら走る、というレースでした。タイヤは予選の時のものでキツくはなかったのですが、後半ブレーキがタレてきちゃって。その経験を、明日2レースあるので課題として考えます」
- 3位 キム・ソンヒョン(KMSA MOTORSPORT N)
-
「今回は台数が少ないですが、リタイヤせずに3位になることができて、皆さんに感謝しています。走りは楽しめました。明日も完走が目標です。今回初めてのレースで、いつもスポンサーとして関わりはありましたが、これからは自分で走りながら、だんだん腕を磨いて、いい成績を出せるよう頑張りたいです」
- R チェ・ジョンウォン(KMSA MOTORSPORT N)
-
「点火プラグの異常が発生して、明日のレースの為にクルマのコンディションを守るために、無理せずにリタイヤしました。すでに原因を把握していて直しましたので、明日もがんばります」
Text: Junichi SEKINE
Photo: Mizue NOINE
TCRJ第1戦決勝は8月10日、モビリティリゾートもてぎで行われ、ポールポジションから発進のチェ・ジョンウォン(KMSA MOTORSPORT N)がトップに立つも2周目にリタイヤ。フロントロウからスタートのチームメイト、加藤正将(KMSA MOTORSPORT N)がトップに立つと2位以下を毎周引き離す独走で23分間+1周、計12周を走り切り優勝を飾った。
午前中の予選に続いて開催の第1戦決勝は午後1時ちょうどにフォーメーションラップ開始。気温は33度、路面温度もかなり高くなっているのが感じられる。4台がグリッドについてレーススタート。
ポールシッターのチェが好スタートを切ったのに対して、2番手の加藤の加速がやや鈍く、3番グリッドからの加速がよかった新倉涼介(Audi Team Mars)が、加藤の背後につけて第1コーナーを通過する。新倉がドライブする「Audi RS3 LMS」 は加藤が所有するマシンで、加藤が「Hyundai Elantra N TCR」をドライブすることになったことで新倉にチャンスが回ってきたという経緯があり、熟成され加速の良さが武器のアウディでオーナーに仕掛ける新倉だったが、勢い余って第3コーナーでオーバーシュート。アウト側のグラベルを走って、4位にポジションダウン、キム・ソンヒョン(KMSA MOTORSPORT N)の後塵を拝することになる。
オープニングラップを終えてトップのチェは2位加藤に0.312秒の差。この2台が後続を大きく引き離し、3位キムは約9秒の遅れ。第3コーナーでコースアウトした新倉はそこからさっそくリカバリーをはじめ、ヘアピンからダウンヒルストレートにかけてキムの背後に迫るが仕留めるには至らず0.296秒の差で2周目に入ると、第1コーナーでようやくオーバーテイクに成功。3位にポジションを戻す。その直前に第1コーナーでは加藤がチェを攻略、トップに躍り出る。
トップに立った加藤とチェの間隔はじわじわとひらいていく。加藤が引き離しているというよりチェのスピードが鈍っているようで、新倉が次第に接近してセカンドアンダーブリッジを通過、そこでチェは進路を右にとりピットロードへ。そのまま1番ピット前に止まるとピットクルーがエンジンフードを開いてチェックを始める。チェはしばらくコックピットに座っていたが、レース復帰は無理という事でマシンを降りてリタイヤ。レース直後に聞いたところ点火系のトラブルで1気筒が失火しているとのことだ。
トップ加藤は2分5秒から4秒のペースで2位に上がった新倉との間合いをぐいぐいとひらき、3周目2.307秒、4周目4.485秒、5周目7.931秒と一人旅。唯一の不安はストップしたチェと同じマシンだということで当初はトラブルが出ないか様子を見ていたという。
加藤のペースはその後も揺らぐことはなく、容赦なく新倉とのギャップをひろげて10周目には24秒の差を気築いて11周目に突入。ここでスタートから23分が経過し、続く12周目がファイナルラップと宣言される。この周にも加藤は2分4秒243のファステストラップを叩き出してフィニッシュラインを通過。優勝を飾った。
2位は新倉、スーパーFJでタイトルを取ったもてぎとはいえ金曜日に初めてドライブしたマシン、初めてのFFの箱車ということでスピードの差はいかんともしがたく大差をつけられたが、しっかり完走しての2位は納得のリザルト。3位のキムも初めての本格的なレースを未知のもてぎでうれしい表彰台を獲得した。
TCRJ第2戦、第3戦は明日8月11日に同じくモビリティリゾートもてぎで開催される。
Text: Junichi SEKINE
Photo: Kazuhiro NOINE
Mizune NOINE
もてぎチャンピオンカップレース第3戦 -RIJ- (2024/08/10) Final Race Weather:Sunny Course:Dry
2024 TCR JAPAN Round 1 モビリティリゾートもてぎ 4.801km
Pos | No | Driver | Maker Model Team | Lap | Time | Behind | Gap |
1 | 6 | 加藤 正将 | Hyundai Elantra N TCR KMSA MOTORSPORT N | 12 | 25'19.185 | - | - |
2 | 65 | 新倉 涼介 | Audi RS3 LMS Audi Team Mars | 12 | 25'45.166 | 25.981 | 25.981 |
3 | 36 | キム ソンヒョン | Hyundai i30 N TCR KMSA MOTORSPORT N | 12 | 26'29.885 | 1'10.700 | 44.719 |
---- 以上規定周回数(75% - 9 Lpas)完走 ---- |
- | 3 | チェ ジョンウォン | Hyundai Elantra N TCR KMSA MOTORSPORT N | 1 | - | 11Laps | 11Laps |
- Fastest Lap: CarNo. 6 加藤正将(KMSA MOTORSPORT N) 2'04.243 (4/12) 139.111 km/h
- ポールポジション チェ・ジョンウォン(KMSA MOTORSPORT N)2分1秒221
-
「目標としたタイムは出ていないのですが、加藤さんといっしょにやりとりができて楽しかったです。(予選の際にタイヤを前後交換しなかったのは?)ウチは韓国のスタッフでやっていますが、加藤さんを中心でレースするために、私のクルマはタイヤ入れ替えしないセッティングを試しています。本当は入れ替えた方が速くなるのですが、予選の時間が短いので、2台を入れ替えるのは大変かもしれない、ということで、替えない方向でやっています。決勝はチームメイトと1-2でスタートするので、激しく競争はしないで、タイヤを管理しながらリスクなしで最後まで走りたいです」
- 2位 加藤正将(KMSA MOTORSPORT N)2分1秒312(+0.091秒)
-
「ちょっとアクシデントがありまして。ルームミラーがアタックラップ中のS字で落ちて、僕の方に降ってきまして(笑)。それで一瞬『おっと』となったのがこの差だと思います。それ以外はクルマのセットアップを昨日から試して、いい方向には向かっています。もてぎのセットアップデータがないクルマで、耐久用の仕様をリメイクしてスプリントに使っている状況です。(アウディとは違う?)だいぶ違いますね。性格はそれぞれ良さがあるので、だからドライバーが変えていかないといけないですが、ハマればちゃんとタイムが出ます」
- 3位 新倉涼介(Audi Team Mars)2分4秒702(+3.390秒)
-
「昨日は2分4秒2で、ミスがなければ3秒台入っていたかな、というぐらいのラップだったので、ちょっと不甲斐ないですね。まだクルマの事を理解しきれていない部分が多いので、ブレーキングポイントとかで甘さが出たなと思います。箱車でもてぎ走るのも初めてで、フォーミュラとは雰囲気が違うといいますか、なのでイチから勉強している感じです。決勝はまずクルマを壊さないでゴールまで持って行くのが第一で、後は、このタイム差だと単独走行になってしまうので、自分のラップをベストに近いところへできるだけ持って行って走ろうと思っています」
- 4位 キム・ソンヒョン(KMSA MOTORSPORT N))2分10秒592(+9.371秒)
-
「(もてぎの印象は?)韓国でレースをしたことがなくて、国際サーキットのレースはまったく初めてなので、すごい楽しかったです。施設がすばらしくて、路面もよくて、楽しく走れました。事故なしで最後まで走り切るのが目標なので、タイムより経験といういうことで、今回は精一杯走るのが目標で、初めてのタイムは満足しています」
Text: Junichi SEKINE
Photo: Mizune NOINE
TCRJ第1戦公式予選は8月10日、モビリティリゾートもてぎで行われ、チェ・ジョンウォン(KMSA MOTORSPORT N)が2位のチームメイト、加藤正将(KMSA MOTORSPORT N)を0.091秒差に下してポールポジションを獲得した。
例年に比べてかなり遅いシーズン開幕となったTCRジャパンシリーズ。これまではサタデーシリーズとサンデーシリーズと土日で別のシリーズとして開催されてきたが、今年は一本化され一つのチャンピオンシップで争われる。今回は10日(土)に1レース、11日(日)に2レースの計3レースが行われる。
第1戦公式予選は午前9時55分から15分間。気温は早くも29度まで上昇している。エントリーは4台で2台の最新モデル「Hyundai Elantra N TCR」をドライブするチェ、加藤に加えて旧モデルの「Hyundai i30 N TCR」をドライブして日本でレースに初出場のキム・ソンヒョン(KMSA MOTORSPORT N)、さらに「Audi RS2 LMS」をドライブする新倉涼介(Audi Team Mars) は2020年もてぎS-FJシリーズチャンピオンだ。
チェを先頭に4台がコースイン。加藤と新倉はコースを一周するとピットに戻り前後のタイヤを入れ替えるTCRJではよく見かける戦略を選択。ハイパワーFF車のためフロントタイヤの暖まりが早いので、少しでも前後タイヤの温度差を揃えたいという考え方だ。一方チェとキムはそのまま計測ラップに突入する。
残り9分を切って本格的なタイムアタックが始まると、チェがいきなり2分1秒221を叩き出す。2番手はキムの12秒171、新倉と加藤はまだタイムを出しに行っていない。前後交換したタイヤの発動を待っている状態か。
残り6分、新倉が2分5秒841の2番手タイムを出すとと直後にコントロールラインを通過した加藤が1秒312をマーク、チェに0.091秒の差で2番手へ浮上。新倉は3番手。4番手のキムは自己ベストを1.3秒短縮する10秒806。
残り3分、新倉は自己ベストを2分4秒702まで短縮するも3番手は変わらず。今回初のTCRJ参戦、TCRマシンもFF車も金曜日の練習で初めてドライブしたとのことで、まだトップ2台とは差がある。このタイミングで首位のチェはピットイン。
チェカードフラッグが振られて予選終了、チェが1回目のタイムアタックでマークした2分1秒221でポールポジションを獲得、同じマシンの加藤がこちらも最初のアタックのタイムで0.091差でフロントロウに並ぶ。3番手新倉、4番手キムという順でスターティンググリッドが決定した。
決勝はこのあと午後1時より23分+1周で行われる。
Text: Junichi SEKINE
Photo: Kazuhiro NOINE
もてぎチャンピオンカップレース第3戦 -RIJ- (2024/08/10) Qualifying Weather:Sunny Course:Dry
2024 TCR JAPAN Round 1 モビリティリゾートもてぎ 4.801km
Pos | № | Driver | Maker Model Team | Time | Behind | Gap | km/h | Lap |
1 | 3 | チェ ジョンウォン | Hyundai Elantra N TCR KMSA MOTORSPORT N | 2'01.221 | - | - | 142.579 | 3/4 |
2 | 6 | 加藤 正将 | Hyundai Elantra N TCR KMSA MOTORSPORT N | 2'01.312 | 0.091 | 0.091 | 142.472 | 3/4 |
3 | 65 | 新倉 涼介 | Audi RS3 LMS Audi Team Mars | 2'04.702 | 3.481 | 3.390 | 138.599 | 4/4 |
4 | 36 | キム ソンヒョン | Hyundai i30 N TCR KMSA MOTORSPORT N | 2'10.592 | 9.371 | 5.890 | 132.348 | 7/7 |
- 優勝 小田優(Drago CORSE TAKE FIRST)
-
「セッティングもうまく行って、スタートも決まって。途中すこしペースがなかったのですが最後までタイヤも持たせられたのが勝因かなと思います。(満足いく勝利?)そうですね」
- 2位 酒井翔太(ファーストガレージKK-SII)
-
「僕もミスした部分があるのですが、小田選手はやっぱりバトルが強くて、いい勉強になったかなという感じです。次こそは勝ちます」
- 3位 石井大雅(ファーストガレージ制動屋S2)
-
「水温が上がってしまって、出力も出なくなって。必死にエンジンを冷やそうと思ったのですが、それもかなわずで。前に行けそうなポテンシャルはあったので残念です。たぶん前の2台のスリップストリームに入っていたのが原因で。スリップを抜けたら温度上がらなくなったので、そこに早めに気づければっていう感じなので、残念です。(初めてのもてぎのレースはどうだった?)けっこうバトルができたので、楽しかったです」
- 4位 樺木大河(ZAP SPEED 10VED)
-
「思ったよりペースがよくて、意外とブレーキングですっと抜けたので嬉しいなって感じです(笑)。その後も前について行けないかと思ったのが後半もペースが保てて、これは表彰台行けるかな、と思ったのですが、ちょっと経験が足りてなかったな、と。最後90度コーナーの手前で前の人(石井)に仕掛けたけど……。ということでいろんな人から判断ミスだとお叱りをうけました(笑)。まだレース6回目なので、これを糧にしたいですが、正直悔しいです」
- 5位 渡会太一(FTKレヴレーシングガレージ)
-
「苦しいレースでしたが出来る限りのことはやれたかな、と思います。練習走行からスピードが足りない感じで、予選ですこしよくなって、決勝ではさらに改善しましたが、それでも戦うのは大変でした。(この後120分耐久レースだが?)さすがにしんどいです(苦笑)」
- 6位 豊島里空斗(C.S.I.Racing)
-
「バトルがまだ下手な感じがして、もっと練習が必要だなと思いました。(渡会とのバトルは?)自分が飛び込めていたら一発で抜けていたと思うのですが、それが微妙なところで入ってしまって。それで後ろもついて来ちゃったのが苦しかったです。自分の走り方なのか、マシンなのか、それはまだわからないので、今後の課題ですね」
Text: Junichi SEKINE
Photo: Mizue NOINE
2024年もてぎ・菅生士スーパーFJ選手権シリーズ第5戦決勝レースが8月11日(日)にモビリティリゾートもてぎで開催され、オープニングラップの先陣争いを制した小田優(Drago CORSE TAKE FIRST)が、ポールシッターの酒井翔太(ファーストガレージKK-SII)との接近戦を制して10周を走り切りトップチェッカー、優勝を飾った。
午前中の予選に続いて決勝は午後1時30分コースイン開始。真夏の太陽が照りつけるもてぎは気温35度を超え、路面温度も50度以上に達している中、22台のマシンがグリッドに整列、レッドライト消灯で決勝レースが始まった。
好スタートを見せたのが2番手スタートの小田で、ポールシッター酒井の右サイドから加速して、第1コーナーへインから進入、トップを奪った。後方で出足がよかったのが4番手スタートの豊島里空斗(C.S.I.Racing)で、前方の石井大雅(ファーストガレージ制動屋S2)の加速がやや弱かったのに対して、スルスルと前に出て、3位にポジションアップしてターンインする。さらに6番手スタートの樺木大河(ZAP SPEED 10VED)も渡会太一(FTKレヴレーシングガレージ)を仕留めて5位で第1コーナーへ。
4位に落ちた石井だが第3コーナーでアウトから豊島に並びかけるとサイド・バイ・サイドで第4コーナーをクリア、インとアウトが逆になる第5コーナーへのアプローチで豊島をオーバーテイク、3位のポジションを取り戻す。第5コーナーでは7位の小田部を予選9番手に沈んでいた松井啓人(FTKレヴレーシングガレージ)がインから差して攻略。ジャパンリーグのリーダー松井はこれで7位。
この後方では混乱があり、8番手スタートから順位を落とした中村ブンスーム(ファーストガレージ10V)が第5コーナーで鈴木悠太(ZAP SPEED KK-S2 ED)と接触、姿勢を乱してスピン、後続の大川烈弥(群馬トヨペット Team RiNoA ED)がこれを避けるべくアウト側のグラベルへ。両車再スタートするもポジションを大きく失う。中村は結局ピットに戻りリタイヤ。
トップに立った小田だが酒井も離れずテール・ツー・ノーズ状態。ダウンヒルストレートではスリップストリームから抜け出した酒井が前に出てインから90度コーナーへ進入。これでトップを奪い返すもビクトリーコーナーで小田がインから並びかけると最終コーナー手前で再逆転、メインストレートに向けて立ち上がる。
オープニングラップのコントロールライン上でトップ小田と2位酒井の差は0.102秒。2周目の第1コーナーに向けて酒井はアウト側からアプローチするが、小田はしっかりポジションを守って再逆転を許さない。3位石井は0.443差、そこから4位豊島は0.293秒差、5位渡会0.257秒差、6位樺木0.219秒差と3位グループはひと固まりで走行している。
2周目の第5コーナーでは6位樺木が渡会のアウトからオーバーテイクを狙い、ファーストアンダーブリッジをサイド・バイ・サイドで通過、130Rで前に出て5位に上がる。トップ小田と2位酒井、3位石井~4位豊島~5位樺木~6位渡会までがテール・ツー・ノーズ状態で連なってV字コーナーを立ち上がる。さらに後方12位グループでも接近戦、磐上隼人(アルビ富士吟景GIAED)~松原将也(ZAP MARUTOKU 10VED)~杉田悠真(LAPS with REV R)の3台が0.5秒差のワンパックでヘアピンに飛び込み、杉田の左フロントと松原の右フロントが接触、一瞬マシンが絡み合うような形になるが、両車無事にコーナーをクリアする。
2周目を終えてトップ小田と2位酒井の差は0.259秒。そこから0.7秒の間を開けて3位石井~4位豊島~5位樺木~6位渡会は0.2~0.3秒差のほぼ等間隔で走る。この4台の中で勢いがあるのが樺木で、石井との間合いをじわじわと削り取りテール・ツー・ノーズ状態でS字を通過、さらに豊島も樺木のリヤに食らいつくとヘアピンでインから前を窺いダウンヒルストレートでの勝負に持ち込む。90度コーナーへのブレーキング勝負では豊島イン側、樺木アウト側からターンイン。樺木がポジションを死守してセカンドアンダーブリッジに入る。
3周目に入ると小田は2分5秒933と酒井を0.5秒近く上回るペースで走り0.867秒差まで差をひろげ、酒井は逆に3位石井から0.423秒差とプレッシャーのかかる状況になるが、ここで酒井もギアを上げたか4周目に2分5秒755とここまでのファステストラップを出して、逆に小田とのギャップを0.254秒まで追い詰める。後方では石井がやや抜け出し、樺木~豊島~渡会は三つ巴のバトルから第3コーナーで渡会が豊島のインを差して5位に浮上するも豊島が食らいつき、ここに松井も追いついてくる。一方樺木は集団から抜け出し単独走行に。5周目の第1コーナーでは渡会~豊島~松井が3ワイドで第1コーナーへアプローチ。松井が豊島のインを差すと6位にポジションアップ。
小田は5周目に2分5秒704とファステストラップを更新。しかし酒井の追撃は続きレースを折り返した6周目には小田のテールを捕らえてダウンヒルストレートエンドではアウト側からブレーキング勝負。インを守った小田が前で最終コーナーまで走り抜けるが、コントロールライン上でその差は0.191秒。テール・ツー・ノーズ状態だ。
7周目も両車の間隔は変わらず一触即発の状態で0.260秒差。しかし8周目に0.453秒まで差がひらき、このあたりで酒井が苦しくなってきたのかと思われたが9周目には再び0.223秒と接近。いよいよファイナルラップに突入する。その手前では豊島が松井にやり返して6位の座を奪回している。
ファイナルラップ、酒井は小田のテールに食らいつきチャンスをうかがう。後方では石井の背後の樺木がつけて、こちらは表彰台をかけた戦いだ。迎えたダウンヒルストレート、酒井は小田のスリップストリームに入り90度コーナーでの勝負に向けて虎視眈々の構えからアウト側にマシンを振ってブレーキングへ。一方そのすぐ後方では石井と樺木が早くもサイド・バイ・サイドとなって駆け降りると、こちらは樺木がインからアウトへとラインを変える。それぞれ小田と石井がイン側のポジションを守ってターン。逆転劇は起こらなかった。
酒井は最後のメインストレートでぎりぎり前に出ようともがくが0.092秒届かず、昨年の日本一決定戦王者の小田が優勝を決めた。石井対樺木の表彰台争いも0.097秒の差で石井が先着となった。樺木は悔しい4位。以下5位渡会、6位豊島というトップ6になった。
ポディウムにやってきた小田は関係者と握手をかわすとヘルメットを脱いで計量へ。その後は猛暑の中息詰まる神経戦を制した直後とは思えないクールな表情で表彰台に上がった。
もてぎ・菅生士スーパーFJ選手権シリーズ第6戦は3か月のインターバルで11月10日にスポーツランドSUGOで開催、最終戦は11月24日もてぎで開催される。ランキングは小田が54点でトップ、2位豊島が53点で続く。2大会で最大42点が加算されることからシリーズの行方はまだまだわからない。
Text: Junichi SEKINE
Photo: Kazuhiro NOINE
Mizue NOINE
もてぎチャンピオンカップレース第3戦 -RIJ- (2024/08/11) Final Race Weather:Sunny Course:Dry
2024 スーパーFJもてぎ・菅生シリーズ Round 5 モビリティリゾートもてぎ 4.801km
Pos | No | Driver | Car Maker Model | Lap | Time | Behind | Gap |
1 | 43 | 小田 優 | Drago CORSE TAKE FIRST MYST KK-S2 | 10 | 21'06.854 | - | - |
2 | 22 | 酒井 翔太 | ファーストガレージKK-SII MYST KK-S2 | 10 | 21'06.946 | 0.092 | 0.092 |
3 | 53 | 石井 大雅 | ファーストガレージ制動屋S2 MYST KK-S2 | 10 | 21'08.427 | 1.573 | 1.481 |
4 | 15 | 樺木 大河 | ZAP SPEED 10V ED TOKYO R&D RD10V | 10 | 21'08.524 | 1.670 | 0.097 |
5 | 9 | 渡会 太一 | FTKレヴレーシングガレージ MYST KK-S2 | 10 | 21'11.595 | 4.741 | 3.071 |
6 | 27 | 豊島 里空斗 | C.S.I Racing MYST KK-S2 | 10 | 21'12.267 | 5.413 | 0.672 |
7 | 7 | 松井 啓人 | FTKレヴレーシングガレージ MYST KK-S2 | 10 | 21'12.904 | 6.050 | 0.637 |
8 | 78 | 小田部 憲幸 | フォースリンクこたべZAP ED MYST KK-S2 | 10 | 21'16.671 | 9.817 | 3.767 |
9 | 59 | 落合 蓮音 | ファーストガレージKKS-2 MYST KK-S2 | 10 | 21'22.610 | 15.756 | 5.939 |
10 | 8 | 松原 将也 | ZAP MARUTOKU 10V ED TOKYO R&D RD10V | 10 | 21'22.680 | 15.826 | 0.070 |
11 | 58 | 鈴木 悠太 | ZAP SPEED KK-S2 ED MYST KK-S2 | 10 | 21'23.165 | 16.311 | 0.485 |
12 | 79 | 中澤 凌 | ZAP NAKs 10V ED TOKYO R&D RD10V | 10 | 21'23.267 | 16.413 | 0.102 |
13 | 81 | 丸山 陽平 | 群馬トヨペットTEAM RiNoA MYST KK-S2 | 10 | 21'23.758 | 16.904 | 0.491 |
14 | 33 | 磐上 隼斗 | アルビ富士吟景GIA ED MYST KK-S2 | 10 | 21'25.300 | 18.446 | 1.542 |
15 | 10 | 杉田 悠真 | LAPS with REV R MYST KK-S2 | 10 | 21'25.685 | 18.831 | 0.385 |
16 | 82 | 大川 烈弥 | 群馬トヨペットTeam RiNoA ED MYST KK-S2 | 10 | 21'26.403 | 19.549 | 0.718 |
17 | 51 | 野々垣 善也 | ファーストガレージKK-SII MYST KK-S2 | 10 | 21'26.670 | 19.816 | 0.267 |
18 | 36 | 小林 留魁 | アルビ開志国際新潟第一ホテルED TOKYO R&D RD10V | 10 | 21'34.056 | 27.202 | 7.386 |
19 | 37 | 青木 諒太 | ワビトワークスwithアルビED TOKYO R&D RD10V | 10 | 21'38.796 | 31.942 | 4.740 |
20 | 35 | 中島 哲也 | アルビレックスGAIA ED KK-S MYST KK-S2 | 10 | 21'48.216 | 41.362 | 9.420 |
21 | 2 | 室 龍太郎 | HAMMER 10V TOKYO R&D RD10V | 10 | 22'02.530 | 55.676 | 14.314 |
---- 以上規定周回数(90% - 9 Laps)完走 ---- |
- | 54 | 中村 ブンスーム | ファーストガレージ10V TOKYO R&D RD10V | 0 | - | 10Laps | 10Laps |
- Fastest Lap: CarNo. 43 小田優(Drago CORSE TAKE FIRST) 2'05.704 (5/10) 137.494 km/h
- ポールポジション 酒井翔太(ファーストガレージKK-SII)2分4秒667
-
「レースウィーク入ってからポンっと速かったかなと思っていたので。この週末順調にセットアップも決まっていて、金曜日の時点でクルマは完璧に仕上がっていたので、土曜日は走らずに他の選手の走りをコースサイドから見て、自分が悪かったところよかったところとか、相手の選手のよいところとか結構見きわめられました。今日は単独で勝負に出るしかないなと思っていて、その通りポールポジション取れたのでよかったです。小田選手はここで日本一取っている選手で、バトルになると思うので気を抜かずにしっかり抑えこんで勝てればいいなと思っています」
- 2位 小田優(Drago CORSE TAKE FIRST)2分4秒883 +0.216秒
-
「クルマのセッティングとかいろいろ変えたりしていたのですけれど、うまくまだ決まっていないというのが現状なので、決勝に向けてどこまで(よい状態に)持って来られるか、だと思います。バトルに持ち込めたらいいと思うので、行けると思います」
- 3位 石井大雅(ファーストガレージ制動屋S2)2分5秒006 +0.339秒
-
「けっこういい結果ですね(笑)。セクター2あたりでトラクションをミスしてしまって、なおかつ最終コーナーでもミスがあったので、そこがなければ2番手は行けたかな、という感じです。決勝は(前に)ついて行ければ、優勝を争えるので、がんばります。ファーストガレージのワン・ツー狙いたいですね。6月以来ダルマに目を入れられていないので、そろそろ勝ちたいです(笑)」
- 4位 豊島里空斗(C.S.I.Racing)2分5秒253 +0.586秒
-
「ちょっとギアのトラブルがあって、2速が入らなくて、最初の方全然タイムアップできなくて。走っている間にだんだん2速に入るようになってタイムアップしたのですけれど、その頃にはタイヤがタレてきていて、タイムが伸びなかったですね。あとスリップストリームを使えなかったのもちょっときつかったです。決勝はギアがちゃんとしていれば(上位に)行けると思います」
- 5位 渡会太一(FTKレヴレーシングガレージ)2分5秒273 +0.606秒
-
「とりあえず、キツい状態だったので、その中で5位はマシなほうかなと思います。前(のクルマ)と比べたら(タイム差は)けっこうつらいのですが、なんとかして前がごちゃっとしてくれたらレースになるかなと思います」
- 6位 樺木大河(ZAP SPEED 10VED)2分5秒304 +0.637秒
-
「ホントはもうちょっと早い段階で決めたかったのですが、昨日走っていなかったのもあって、リズム掴むのにちょっと時間かかったのかな。最後いい感じだったのですけれど、ちょっとコースが汚れたりしていて、1周をまとめられずで。ホントはもうちょっと上(の順位)が見えていたなという感触はあります。ただSUGOの時にことごとく西の鈴鹿勢にやられちゃって、すっと7位だったので、トップ6に割って入れたのは収穫だと思います。4月の時も暑い時がよくない傾向があったので、そこはどうなるか。ただ思ったより前と近いしペースもあるかなと思うので一矢報いることができたらいいなと思います」
Text: Junichi SEKINE
Photo: Mizue NOINE
2024年もてぎ・菅生士スーパーFJ選手権シリーズ第5戦公式予選が8月11日(日)にモビリティリゾートもてぎで開催され、もてぎ初参戦の酒井翔太(ファーストガレージKK-SII)が2位以下に0.216秒の差をつけてポールポジションを獲得した。
4月の第2戦以来ひさびさとなるもてぎでのS-FJレース。朝から気温30度を超える厳しいコンデションで、各チームはピットにスポットクーラーや扇風機を設置したり、ピット裏にビニールプールを置いたりと暑さ対策に余念がない。本大会は各地で開催される「S-FJジャパンリーグ」の第8戦も兼ねており、そのためもてぎ・SUGOシリーズのレギュラー参戦組に加えて有力な選手がエントリーリストに名を連ねている。
20分間の予選は午前9時30分にコースオープン。もてぎがホームのTeam RiNoAの大川烈弥(群馬トヨペット Team RiNoA ED)、丸山陽平(群馬トヨペット TEAM RiNoA)の2台を先頭に22台のマシンがスリックタイヤでコースインしていく。気温31度、路面温度も40度程度まで上がっている。
まずは残り15分、渡会太一(FTKレヴレーシングガレージ)が2分5秒595をマークしてトップに立つ。2番手にはもてぎSUGOシリーズ初参戦の石井大雅(ファーストガレージ制動屋S2)が5秒780、3番手に松井啓人(FTKレヴレーシングガレージ)が6秒277、4番手に落合蓮音(ファーストガレージKKS-2)が6秒453、5番手中村ブンスーム(ファーストガレージRD10V)の6秒510、6番手杉田悠真(LAPS with REV R)の7秒054、と2番手から6番手までに今回がもてぎでの初レースという面々が並んだ。
残り13分30秒、酒井が2分5秒535のトップタイム、続いて丸山が6秒378で5番手へあがる。さらに残り12分50秒、小田優(Drago CORSE TAKE FIRST)が5秒235を出して酒井を上回りトップへ立つ。小田は鈴鹿・岡山シリーズとS-FJジャパンリーグを主戦場としているが、7月にSUGOで行われた大会で優勝/3位とポイントを荒稼ぎして現在もてぎ・SUGOシリーズのランキングでも2位につけている。
酒井2番手、渡会3番手にダウンするが、酒井は負けじと2分5秒182をマークして再びトップへ。しかし残り11分、小田が2分5秒を切って4秒994を出して再度トップ。酒井は0.188秒差の2番手。3番手は石井でトップからは0.572秒差と、このあたりからポールポジション争いは小田対酒井という様相になってくる。さらに渡会が5秒337で3番手へあがり、予選は残り10分を切って後半戦へ。
残り8分30秒、ここまで7位以下に沈んでいたシリーズランキングトップの豊島里空斗(C.S.I.Racing)が2分5秒273を出して4番手へ浮上する。ここまでの順位は
- トップ 小田 2分4秒994
- 2位 酒井 +0.188秒
- 3位 渡会 +0.279秒
- 4位 豊島 +0.376秒
- 5位 石井 +0.384秒
- 6位 村田 +0.622秒
残り7分、酒井が2分4秒667を出してみたびトップの座につける。小田0.327秒差の2位へドロップ。石井が5秒118で3番手へ浮上、渡会4番手、豊島5番手、6番手には7月の筑波でS-FJレースデビューした鈴木悠太(ZAP SPEED KK-S2 ED)が5秒507で上がってくる。残り5分を切って豊島が渡会を上回り5秒253で4番手へ。
さらにここで大きく順位を上げてきたのが樺木大河(ZAP SPEED 10VED)で、それまで予選前半はトップグループから3秒以上離された20位前後を走っていたのが後半になり目が覚めたようにペースを上げ、残り7分30秒に5秒644と一気に3秒近くタイムを上げて7番手へジャンプアップ、さらに5秒507と自己ベストを削り取り6番手へと上がってきた。
残り3分30分、小田は自己ベストを2分4秒883まで短縮するも2番手で変わらず。ここでポジションを上げたのが今年からもてぎ・SUGOシリーズに戦いの場を移した小田部憲幸(フォースリンク こたべ ZAP ED)で、これまで白一色のモノカラーだったマシンの随所に赤の配色を追加。「これで視認性が上がったでしょ?」とのことだったがタイムでも目立つところを見せて5秒339を出して樺木を上回り6番手へ。
残り1分、石井がセクター2、3と自己ベストを短縮してコントロールラインに戻ると2分5秒006をマークするが3番手変わらず。
20分が経過しチェッカードフラッグが降られる中最後まで自己ベストを更新したのが樺木で2分5秒304と小田部を逆転、6番手のポジションを奪い返して予選が終了した。
ポールポジションは2分4秒667の酒井、0.216秒差の2番手で小田がフロントロウに並び、初めてのもてぎながら石井3番手、4番手豊島と並んでセカンドロウ、3列目には渡会と樺木が並んでレースをスタートすることとなった。
もてぎ・菅生士スーパーFJ選手権シリーズ第5戦決勝は午後1時20分コースイン予定。暑さもピークになろうかという時間帯でマシンにも選手にも厳しい環境での戦いとなる。
Text: Junichi SEKINE
Photo: Kazuhiro NOINE