TCRJ第3戦決勝は8月11日(日)、モビリティリゾートもてぎで23分間+1周、計13周で行われ、ポールポジションから発進のチェ・ジョンウォン(KMSA MOTORSPORT N)がいったんは3位まで順位を落としたがそこから挽回、2位の加藤正将(KMSA MOTORSPORT N)を0.853秒差で振り切って連勝を飾った。
午前中の第2戦に続いて開催の第3戦決勝は午後2時10分コースイン開始。しかしながら予選4位のキム・ソンヒョン(KMSA MOTORSPORT N)のマシンがいったんはピット前に出されたものの、コースインせず、ピットボックスに押し戻される。エンジンが始動しない模様でエンジンフードを開いてチェック開始。午後2時15分のピットロード出口閉鎖までに間に合わず、さらにピットレーンスタートもかなわずレースからはリタイヤとなった。チームによるとセルモーターが回らない状態だという。
キムを除く3台がグリッドに整列してフォーメーションラップ開始前に今回も前後のタイヤ交換を行う。気温35度、路面温度は50度を超えている模様だ。午後2時25分にフォーメーションラップ開始、3台がグリッドに戻ってレーススタート。
今回もポールシッターのチェの出足が悪く、スタートで2番グリッドの加藤が前に出るとトップで第1コーナーへ、チェは第1コーナー進入でアウトにはらんで、3番手スタートの新倉涼介(Audi Team Mars)がインを突いて2位に進出。第3コーナーに向けて3位のチェは新倉のスキを窺うように動くがここは自重。テール・ツー・ノーズで新倉の背後につける。スピードで勝るだけにじっくりと狙うかのようだ。この間に加藤は2位以下を引き離していく。
チェはV字コーナー立ち上がりで新倉の左サイドに並ぶと、ヘアピンでラインをクロスさせて右サイドに。サイド・バイ・サイドでダウンヒルストレートを駆け降りると半車長新倉の前に出る。ここで新倉が粘ってインから90度コーナーのブレーキング勝負をチェに挑み、再度前に出るが、チェは90度出口でラインをクロスさせて新倉の右サイドへ並び出てセカンドアンダーブリッジ内で前に出て2位へ上がる。
新倉とチェがやり合う間に加藤は4.817秒までマージンをひろげてオープニングラップを終了。ここからは加藤がどこまで逃げ切れるかが注目だが、チェは2周目に早速2分1秒256とファステストラップをマークして加藤との差を4.208秒とすると、3周目、4周目も2分1秒台を連発して2秒台で走る加藤に対して3.270秒→2.151秒とじわじわ迫っていく。3位新倉は15秒後方を走る。
迎えた5周目、チェはここで一気にギャップを削り取り0.844秒差と加藤を射程圏内へ入れて6周目へ。加藤はプレッシャーを感じてか第3コーナーではラインを乱してグラベルへはみ出す。チェは加藤をロックオン。連なってダウンヒルストレートを通過するとテール・ツー・ノーズ状態で最終コーナーを立ち上がりメインストレートへ戻ると0.181秒差で7周目へ。
虎視眈々とチャンスを狙うチェは確実に加藤を仕留める場所として90度コーナーを選択。V字やヘアピンでゆさぶりをかけるとまずダウンヒルストレートで加藤の右サイドを窺う。これに反応した加藤が右にラインを変えて牽制するとチェは素早く左サイドにスイッチして90度コーナーに向けてブレーキング勝負、アウトから大外刈りで加藤と並んで立ち上がると一気に前に出てオーバーテイクを完了する。加藤も無理なブロックはせず、これでチェがトップ、加藤2位。
トップに立ったチェは第2戦とは違って余力を残していたのか8周目にスパート。2分3秒台で加藤を突き放しにかかり、2.3秒差とすると9周目も3.3秒差まで逃げる。しかし加藤も踏ん張り10周目は2.5秒差まで戻し、12周目は1.882秒差。ここで23分が経過し13周目がファイナルラップと宣言される。
ファイナルラップ、第2戦と同じようにチェがややペースダウン。加藤が間合いを詰めるがそのままフィニッシュラインまで走り切り0.853秒差のワン・ツー・フィニッシュを決めた。3位新倉はそこからは大きく遅れたが33秒差で3位。3戦全て表彰台フィニッシュで終えた。
ウイニングランでチェはコースサイドに手を振る。90度コーナーでは大きくコースを外れてフラッグポストに寄って3レースを支えたマーシャルに挨拶して行った。
TCRJはこの後第2ラウンドとして第4戦/第5戦が10月5日-6日鈴鹿サーキット、第3ラウンド第6戦/第7戦が10月19日-20日モビリティリゾートもてぎ、最終第4ラウンド第8戦/第9戦/第10戦が12月7日-8日モビリティリゾートもてぎで開催予定だ。
Text: Junichi SEKINEPhoto: Kazuhiro NOINE
Mizue NOINE
Asako SHIMA