スーパーFJ地方選手権鈴鹿・岡山シリーズ最終第6戦は12月7日、鈴鹿サーキットで行われた「鈴鹿チャンピオンカップレースファイナルラウンド」で決勝を行い、ポールポジションからスタートした吉田馨(TAKE FIRST KKS-2)が盤石のレース運びで、一度もトップを譲ることなくポールトゥウイン。逆転で同選手権のチャンピオンを獲得した。
レースは午後1時55分にフォーメーションラップが始まった。天候は快晴で、昨日に比べ気温も上がり気味。初冬の鈴鹿は穏やかな気候のなかで決勝を迎えた。25台(うち4台はジェントルマンクラス)が、参加したが、後方の堀隼登(レヴレーシングガレージ#3)が動けず、ピットに押し戻されピットスタートとなった。
ポールポジションの吉田は勝てば逆転チャンピオン。チャンピオンを争う現在ポイントリーダーで予選6位の酒井翔太(ファーストガレージKK-S2)は吉田の前でゴールしなければチャンピオンを逃がす状況だ。
好スタートを切ったのはポールポジションの吉田でトップで1コーナーへ向かう。予選2位の箕浦稜己(MYST SEIDOYA KK-SII)は加速が悪く、同3位の鈴木七瀬(ネッツトヨタ三重with FORM)が2位に上がる。逆に抜群のスタートを切ったのが予選6位でチャンピオンを争う酒井。酒井はイン側から素晴らしい加速で前車をパスし4位に上がると、1コーナーで3位に後退していた箕浦を捉えて3位に上がった。4位に落ちた箕浦の後ろには5位の西田光来(FTK・REV RACING GARAGE)が続く。
その後方では6位争いをしていた土橋皇太(Rn-sports制動屋KK-S2)と板倉慎哉(AMORE TOKYO☆表参道☆KKSII)がS字コーナーで接触。イン巻きしてきた板倉と宮本颯斗(MYST KKS2)も絡んで3台がコースアウトした。3台とも順位を落としたもののコースに復帰したため、セーフティーカー(SC)が導入されることはなかった。
またデグナーではデビューレースを予選13位からスタートした田崎脩馬(制動屋MYST)がスピン。レースに復帰したものの最後尾近くまで順位を落とした。
トップに立った吉田は早くも後続を引き離しにかかる。2位争いは、鈴木、酒井、箕浦の3台が接近戦。シケインでは酒井が鈴木のインを差し2位に上がった。酒井はオープニングラップで予選順位の6位から2位まで順位を上げた。
1周目、トップ吉田は後続を1秒4離して戻ってきた。2位酒井、3位鈴木、4位箕浦、5位西田で、6位にはオープニングラップの混乱をかわした杉田悠真(LAPS with REV RACING GARAGE)が上がってきた。
3周目、トップ吉田は2位の酒井を1秒7離した。3位鈴木、4位箕浦だが、ペースの上がらない西田が1コーナーで杉田にかわされ6位に落ちた。
4周目、総合9位と健闘していたジェントルマンクラスのトップ山根一人(光精工TK-Sport MYST)がS字コーナーでクラッシュ。山根のマシンの排除のためSCが導入さる。これで吉田のリードは水泡に帰す。SCは6周終わりでピットイン、レースは7周目から再開された。
リスタートでは、トップ吉田が130Rを立ち上がってから加速。シケイン立ち上がりの加速がよく、2位酒井とのギャップを作ってコントロールラインを通過。3位には鈴木が続くが、4位箕浦と5位杉田はテールトゥノーズ。1コーナーで杉田はインから箕浦をパスして4位浮上、箕浦は5位に落ちた。しかし箕浦も負けていない。130Rでは杉田のアウトから並びかけシケイン手前で4位を奪い返した。
7周目、トップ吉田は2位酒井を1秒1差に従えて戻ってきた。吉田をパスしないと戴冠できない酒井はなんとしても吉田を捉えたいところだがその差は縮まらない。
8周目、トップ吉田と2位酒井の差は1秒2と開く。3位鈴木はさらに1秒6後方だが、その後ろには4位争いを演じてきた箕浦と杉田が迫り、やがてこの3台はワンパックとなった。6位にはペースの上がらない西田をかわした藤井翔太(Drago CORSE)が上がってきた。
トップ吉田は盤石の走りで2位の酒井を徐々にリード。10周を回って今季3勝目、初のポールトゥウインを飾った。2位は酒井が続いた。3位争いの鈴木、箕浦、杉田は互いに決め手がなくこのままの順位のままゴール。6位には大きく遅れて藤井が入った。
マスタークラスは総合で16位に入った中嶋匠(AVIATOR A ONE)が優勝した。
優勝した吉田は優勝ポイント20を加え、選手ポイントを87に伸ばした。一方、酒井は有効ポイント制のため3ポイントしか加算できず85ポイント。このため鈴鹿・岡山シリーズのチャンピオンは2ポイントという僅差で吉田の頭上に輝いた。
また全戦がポイント対象となる鈴鹿独自のチャレンジカップレースチャンピオンは、全戦で表彰台に登った酒井が獲得した。
このレースをもって今シーズンの鈴鹿・岡山シリーズは終了。この後、12月20~21日はスーパーFJ日本一決定戦が富士スピードウェイで開催される。各ドライバーが「目指すのは日本一決定戦優勝」と口をそろえるクリスマス前の熱い戦いに注目だ。
Text: Yoshinori OHNISHIPhoto: Atsushi BESSHO
Yosinori OHNISHI











