
VITA筑波シリーズ第6戦決勝は11月23日(日)に行われ、欠場のイシカワヨシオに代わって急遽参戦が決まった川福健太(東京IRCvovoニルズVITA)が、ホールショットを奪うとそのまま2位以下を突き放して後半から独走すると15周のレースを走り切って、16年前に果たせなかった筑波での優勝を遂げた。
つくばVITAシリーズ最終戦決勝は予定よりやや遅れて12時13分にフォーメーションラップ開始。気温14度で朝よりは上がったものの曇り空のせいか肌寒い。路面温度18.5度とあがってきてレースにはいいコンディションだ。ポールポジションの川福はストレートの戻ったところでタイヤをバーンアウト、タイヤに熱を入れてスタートダッシュに賭けている様子が見てとれる。16台がグリッドに整列するとレッドライトが消灯してレーススタート。
トップ川福が蹴り出しよく加速、2番手の柿沼一峰(G/P@ 恵比寿NUTEC制動屋アラゴスタVITA)は僅かに反応が遅れたか、セカンドロウのいむらせいじ(オートルックVITA-01)が3番手から並びかけて第1コーナーでインを伺う。しかし柿沼がアウトから被せるように前に出てターンイン。2位のポジションを守る。いむら3位、4位西濱康行(ETA白波ワークスVITA)、5位山本龍(お先にどうぞ⭐︎VITA)、6位大沢良明(ビーンズスポーツVITA)とグリッド順に第1コーナーを通過する。
好スタートの川福は2位以下をぐんぐん引き離し、第2ヘアピン進入までに後続と10メートル程度の差をつける。2位柿沼も3位いむらとの差を広げてオープニングラップを終了。トップ川福と2位柿沼は1.163秒の差、そこから0.905秒差でいむら、0.459秒差で4位西濱、0.221秒差で5位7山本、0.336秒の6位#27大沢、0.394秒差の7位並木海和(ViVa ETA VITA)まで連なった状態で3位グループが形成されている。
2周目に入り柿沼がペースを上げて川福を上回るラップタイムで周回し1.070秒差と間合いを詰める。しかし川福はここで2段目ロケットに点火したか1分2秒990とペースアップ、ギャップを1.588秒までひろげると4周目には1.653秒差。しかし#83柿沼も負けじと5周目に1分2秒951の最速ラップで追う。
後続も順位変動こそないものの、いむらを先頭とした3位グループは西濱0.187秒差、山本0.208秒差、大沢0.244秒差とトレイン状態で神経戦が続いている。さらに7位並木と8位チームメイトの佐藤考洋(tipo ETA VITA)が0.336秒差、9位#渡邊晴也(ELEVレーシングVITA)と10位土屋伊津季(ディープレーシングVITA)0.232秒差。14位倉田道夫(RSロゴスVITA)と15位内田美保乃(Raise UP miiisuke VITA)0.382秒差と随所で接近戦が広げらている。
後続のバトルをよそにトップ川福は2位柿沼に対して7周目には1分2秒746と最速タイムを更新して2.037秒差とリードをひろげていく。いむらと西濱による3位争いは0.122秒差で7周目に入ると、第1セクターで西濱がいむらを捕らえてオーバーテイク、3位に浮上する。ここで7位を走っていた並木がコースサイドにマシンを止める。レース後の聞いたところでは急にエンジンが止まってしまったとのことだ。これで佐藤7位、以下各車ひとつずつ順位が上がる。この中で勢いのあるのが佐藤で、8周目には大沢を攻略して6位へと進出する。
トップ川福は9周目1分2秒735と最速ラップを更新。10周目も1分2秒台で走ると、ここで勝負あったと判断したのかややペースを緩めた柿沼に4.201秒差と独走態勢を築き始めると、12周目に本日のファステストラップ、1分2秒712を叩き出して柿沼との差を6.764秒にすると、もはや彼を脅かすものはなく、ようやく手綱を緩めたか14周目に1分4秒台までペースダウンしてファイナルラップへと入る。この間にそれまで9位で頑張っていた渡邊が中島正之(ビーンズスポーツ3年目VITA)のオーバーテイク許して10位にダウン、中島9位。おきねぇ(ORCシライワ設備ワコーズVITA)もジェネリック内田(RaiseUP コミネVITA)を仕留めて11位に上げる。
チェカードフラッグが振られる中、川福は余裕のゴールイン。療養中のイシカワヨシオから託されたマシンをフィニッシュまで運びポール・ツー・ウインの完勝を飾った。以下2位柿沼、3位西濱が表彰台を獲得、西濱は5位フィニッシュの山本とのシリーズ2位争いを制した。4位いむら、6位佐藤というトップ6となった。
これにて2025年VITA筑波シリーズは終了。来シーズンに向けた決意表明を語った選手もおり、早くも来シーズンが待ち遠しい。








Photo: Junichi SEKINE
Asako SHIMA
