フォーミュラリージョナル全日本選手権第4戦は24日、モビリティーリゾートもてぎでレース9の決勝を行い、予選2位からスタートしたミハエル・サウター(G FORCE F111/3)が最終ラップの最終コーナーで逆転し優勝を飾った。
決勝は午後3時55分に相変わらず蒸し暑いなか、フォーメーションラップが始まった。直前までマシンの修復作業を行ってた猪爪杏奈(ユピテル羽衣6 F111/3)はグリッド試走に間に合わず、ピットスタートとなった。
スタートではポールポジション、セバスチャン・マンソン(G FORCE F111/3)の動き出しが鈍く、予選2位のサウターがインから並びかける。マンソンもサウターをけん制し、なんとかトップを死守。このため、1コーナー立ち上がりの鈍ったサウターを、予選3位の堀尾風允(Sutekina Racing)が2コーナーアウトからパスし2位に上がった。4位にはジェシー・レイシー(G FORCE F111/3)、5位には中村賢明(TOM'S FORMULA F111)が続く。
1周目、トップに立ったマンソンは2位堀尾を0秒7離して戻ってきた。直後に3位に落ちたサウターが続く。ピットスタートとなった猪爪はマシンのトラブルが完治してなかったようでピットに滑り込んできた。
トップのマンソンは2位の堀尾を1秒前後リードしつつレースは周回を消化。堀尾は3位のサウターの追撃に防戦一方だ。そこから大きく遅れて、レイシーと中村も接近戦を演じている。
5位の中村は、10周目、13周目にヘアピンでアウトから並びかけ、バックストレートで並走するも90度コーナーではレイシーにインを閉められパスするに至らない。
終盤の14周目にはスピードに勝る3位のサウターがついに堀尾の攻略に成功。2位に上がり、トップのマンソンを追う。しかし、マンソンも最後の力を振り絞り二人の間隔は1秒前後から詰まらない。
最終ラップとなった16周目、このままレースは終了するかと思われたが、トップのマンソンが最終ビクトリーコーナーアウトにマシンのタイヤを落とし、失速。立ち上がりの鈍ったマンソンをストレートでサウターがかわし優勝を飾った。マンソンは2位に落ち、堀尾は3位でゴールした。
チェッカー後、なんと2位のマンソンと3位の堀尾がストレートで激しく接触。両車ともマシンに大きなダメージを負うことになった。
4位レイシーと5位中村の接近戦は、最終コーナー立ち上がりで中村がレイシーに接近するも0秒088差と鼻先でレイシーが逃げ切った。
2台参加のマスタークラスは、YUKI(NILZZ Racing)が2位のYUGO(S2R Racing)を大きくリードして優勝した。
表彰式では、2位のマンソンと3位の堀尾がメディカルチェックのため欠席。サウター一人が登壇し、後味悪い結末となった。
レース後、マンソンに1周減算のペナルティーが科された。このため、2位堀尾、3位レイシー、4位中村、5位YUKIと繰り上がり、マンソンは6位に降格となった。
レース10は明日午前10時10分より16周または30分で行われる。大きくマシンを損傷したマンソンと堀尾が出走できるのか懸念される。
Text: Yoshinori OHNISHIPhoto: Atsushi BESSHO