2026年NGKスパークプラグ全日本スーパーフォーミュラ選手権第5戦の決勝が5月24日、三重県鈴鹿市の鈴鹿サーキットで行われ、ポールポジションからスタートした福住仁嶺(NTT docomo Business ROOKIE SF23)がレース終盤の息詰まる接戦を制し、今季初優勝。そしてNTT docomo Business ROOKIEに創設以来初の勝利をもたらした。
(天候:晴れ コース:ドライ)
第5戦決勝は午後2時45分より31周で行われた。スタート時の気温は25℃、路面温度は40℃まで上昇している。
スタートでトップに立ったのはポールの福住。予選2位の岩佐歩夢(AUTOBACS MUGEN SF23)、予選3位の牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF23 )と続き、4番手に予選5位の坪井翔(VANTELIN TOM'S SF23)。予選4位の野村勇斗(San-Ei Gen with B-Max SF23)は5番手に退き、予選8位の小林利徠斗(KDDI TGMGP TGR-DC SF23)が6番手にジャンプアップしてきた。
しかし予選9位からスタートした太田格之進(DOCOMO DANDELION M6Y SF23 )がサッシャ・フェネストラズ(VANTELIN TOM'S SF23)、阪口晴南(SANKI VERTEX CERUMO・INGING SF23 )そして小林利徠斗を次々に抜き去って6番手でコントロールラインに戻ってきた。
しかしその後方で、アステモシケインでザック・オサリバン(WECARS IMPUL with SDG SF23)がスピン。これを回避しようとした大湯都史樹(SANKI VERTEX CERUMO・INGING SF23)が野尻智紀(AUTOBACS MUGEN SF23)に追突するアクシデントが発生。大湯の車はフロントウィングにダメージを負い、コース状にパーツが散乱したことにより、2周目からセーフティーカーが導入される。
パーツ回収ののちセーフティーカーは4周目にピットイン。5周目からレースが再開されると、すかさず牧野が1コーナーで岩佐のインに飛び込み2番手に浮上。後方では太田がインから野村を抜いて5番手に上がってきた。
さらに牧野はオーバーテイクシステム(OTS)を使って福住を追う。後方では阪口も野村を抜いてきた。
6周終わって福住のリードは2秒297
7周目のスプーンで太田がオーバーラン、すかさず阪口がシケインでアウトから太田を抜くが、すかさず太田も8周目の1コーナーでOTSを使ってインから抜き返した。
8周終わって福住のリードは4秒008。ここからタイヤ交換が可能となり、牧野、イゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)、小林利徠斗、野尻、チャーリー・ブルツ(TEAM GOH SF23)、大湯がピットイン。9周目には野村、松下信治(DELiGHTWORKS SF23)がピットインしてきた。
そして11周目に坪井がピットイン。牧野の前でピットアウトしたものの、あっという間に抜き去られた。
13周終わって福住のリードは4秒052。タイヤ交換を終えた中では最上位の牧野とは39秒501の差。ペースの伸び悩む牧野に自己ベストで坪井が接近すると、14周目のアステモシケインでアウトから牧野をパス。ファステストを更新して福住との差を38秒644とする。まだタイヤ交換を終えていない福住と2番手岩佐とは3秒803の差だ。
21周目に漸く岩佐と阪口がピットイン。岩佐は坪井の前でコースへ。みるみる追いつく坪井。岩佐は坪井を従えたままヘアピンを立ち上がる。スプーンで坪井が岩佐のアウトに飛び込むが、ここで痛恨のオーバーラン。
そして22周目。ついにトップの福住がピットイン。太田もそれに続き、岩佐の前でコースに戻った。
23周目の逆バンクで岩佐が半ば強引に太田のインをこじ開け、福住に次ぐ7番手に。この時点ではまだ小林可夢偉(KDDI TGMGP TGR-DC SF23 )、佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)、ルーク・ブラウニング(REALIZE Corporation KONDO SF23 )、ロマン・スタネック(ナビクルBuzz MK SF23)そして小出峻(ThreeBond SF23 )の5台はタイヤ交換を終えていなかった。
23周終わりで佐藤と小出がようやくピットイン。これで福住は4番手。岩佐、太田、坪井と続いて阪口が8番手だ。
25周目にスタネックがピットイン。可夢偉とブラウニングはまだ入らない。福住と岩佐は0秒398、岩佐と太田は0秒965
26周目の130Rで岩佐がついにOTSを使ってアウトから福住を抜き去った。後方では野村が佐藤を抜いて11番手に。
しかし福住も27周目にOTSを使って岩佐を追い上げ、ホームストレートでアウトから抜き返す。
岩佐は28周目にOTSを使ってアウトから福住に並びかけるが、1コーナーでインを守った福住が先行を許さない。ここで小林可夢偉がピットイン。
29周目のスプーンから太田がOTSを作動。ホームストレートで岩佐のアウトに並びかけるが、岩佐も巧みなラインどりでこれを退ける。ブラウニングはようやくここでピットへ。福住が再びトップに返り咲いた。
いよいよファイナルラップ。岩佐のOTSは残り24秒。太田は残り54秒そしてトップの福住は僅か3秒だ。岩佐はヘアピン立ち上がりからOTSを作動。太田もNIPPOコーナーからOTSを使って追い上げを図る。
しかしトップの福住仁嶺は残り3秒のOTSをバックストレートで使い切って2台のホンダ勢の追撃を退け、ルーキーレーシングに初の勝利をもたらした。
2位に終わった岩佐歩夢との差はわずか0秒240。3位の太田格之進と岩佐の差も0秒380だった。
奇しくもこの日は1989年に全日本F3000選手権でチャンピオンを獲得し、トヨタのエースとして全日本スポーツプロトタイプ選手権や世界スポーツカー選手権でも活躍した小河等さんの命日。トヨタエンジンで戦う福住が因縁の地鈴鹿でNTT docomo Business ROOKIEにチーム創設以来初の勝利をもたらしたのも何かの縁かもしれない。
全日本スーパーフォーミュラ選手権はこのあと6月30日と7月1日の両日、富士スピードウェイにて公式テストを実施し、同じ富士で7月18−19日に第6戦、第7戦そして延期となっていた第3戦の決勝を行う。
Text:Kazuhisa SUEHIRO