2026JAF筑波/富士スーパーFJ(S-FJ)/FJ1500選手権シリーズ第4戦/第5戦が6月21日(日)に富士スピードウェイで開催される。本大会にはFJ150が8台、S-FJが15台の計23台がエントリーしている。その中で今回レースデビューを迎える新人と、普段は同シリーズに参戦するチームの代表が3シーズンぶりに参戦という対照的な2名が共にS-FJに出場している。レースを前日に控えた練習走行の前とレース後に話を聞いた。
36号車「アルビGIA訪問介護こころ 10V」をドライブする井伊諒河は今回がS-FJデビュー。東日本のS-FJではお馴染みの「新潟国際自動車大学校(GIA)の学生でもある。昨年まではJAFカート新潟選手権に参戦。2024年ランキング3位、2025年同5位の実績を残している。この時のライバルは今年もてぎSUGOシリーズで初優勝した小林留魁だ。
練習走行前インタビュー
――これまでのモータースポーツ歴は?
「高校生からずっとカートに乗っていて、4輪はフォーミュラもふくめてほとんど初めてになります。ですのでけっこう緊張しています。今はGIAの生徒ですが、校内でのドライバーのオーディションでは去年千分の1秒差で負けてしまって、メカニックとして帯同していました」
――練習はかなり積んだ?
「練習の機会もミニサーキットで乗れたのが2回か3回、シフト練習ぐらいでした。こういう大きなコースは感覚が違います。今週の月曜日に初めて(富士を)走って、その後が今日なので、未経験のことが多くて、探り探りな所があります」
――富士スピードウェイの印象は?
「道がすごく広いので、走行ラインとか初めてだとすごく迷います。いまだにまったく詰めきれていないところがいっぱいあるので、難しいけれどそれ以上にハイスピードで楽しいです」
――カートと感触の違いは?
「違いますね。カートはタイヤからフレームへダイレクトにつながっているので、すぐに車両の反応というか、操作からの応力が出るのですが、フォーミュラとか4輪はバネがついているので、車体からの反応を待つ時間が少しあります。自分の中でその感覚が育っていないので、そこが難しいですね」
――今日は雨だがウエットで走るのは初めて?
「初めてですね。4輪を含めても雨は初めてなので、わからないことだらけです」
――カート時代はウエットで速かった?
「特別速かったということはないですが、それなりには乗れていました。ただ車体のセッティングに頼っていた部分があって、ドライバーの実力で走れていたという感じがないです。(36号車は実績のあるマシンだが?)そこはクルマに頼らないドライバーになりたいですが、しっかりクルマを信じて頑張っていきたいです」
レース後コメント(第4戦はオープニングラップにリタイヤ、第5戦は19位完走)
「一つ目のレースは車両を壊してしまって、気が落ち込んでいることもあったのですが、そこも経験ということで。(気持ちの)切替えを自分なりにしっかりやりました。マシンを直してくれた皆さんに感謝です。そして2レース目にジェントルマンの方の後ろについて引っ張ってもらったので、今日の朝よりも車両の動きに対する理解度が深まった気がします。特にセクター3とか自己ベストで走れて、周りの人に教えて貰った車両の動きも体感できたので、今後につながるいい勉強になったと思います」
そして久々実戦のチーム代表は72号車「ELEVレーシングドリームKKSⅡ」の前田大道。「ELEVレーシングドリーム」の代表としてチームを率いて、今は選手を指導する立場だが、元はといえばS-FJのドライバーであり、2020年の「スーパーFJ日本一決定戦」では15台抜きでジャンプアップ賞を獲得するなど実績がある。最後にS-FJに出たのは2023年筑波の開幕戦ということで3シーズンぶりの参戦だ。
練習走行前インタビュー
――今回参戦の目的は?
「久しぶりに公式戦に出て、どれぐらい戦えるかという興味もありますし、あと最近うちのチームからFIA-F4とかKYOJO Formulaとか大きな舞台に出て行っている選手がたくさんいる中で、新しく育っていくドライバーさんがいて『レースに強いドライバーとは何なのか』ということをもう一度しっかりと見つめ直してコーチングして行けたらいいな、ということで半分(自分の)修行だと思って今回参戦しました」
――参戦に向けてトレーニングは行った?
「フィジカル面でも久しぶりだったので、しっかりスタミナや筋力をつけました。それに関しては今週月曜日の富士のスポーツ走行枠で40分を3回問題なく走行できました。ただ、その時はドライの走行しかできなかったので、(富士の)レインでの経験はないので、そこがちょっと不安です」
――富士でもレース経験は?
「2年前の5月にFCR-VITAに1戦さけ参戦させていただきましたが、フォーミュラで富士を走るのは今回初めてなのです。お恥ずかしいことで(笑)。どこまで戦えるかはわからない状態ではありますが、やれるだけやっていって、初心に戻って、自分の走り、クルマの動きを確認しながら、少しずつペース上げられたらなと思います」
――3年前と比べてS-FJの感触は変わった?
「3年前は感じられなかったコーナーの中での曲がり方の変化や、『車体がこれくらい動くからタイヤのグリップが変化するのか』というような、3年前では感じ取るでことができなかった部分も今はすごく感じられるようになりました。そしてマシン自体もバージョンアップしてきているので、フロントのアライメントまわりとか変更してきているので、違った走りができるのではないかなと思っています」
レース後コメント(第4戦は17位、第5戦は10位で共に完走)
「久しぶりのレースでしたが、予選は雨、1レース目も雨で途中からドライになってきて、レインタイヤだと苦しい展開で。2レースはドライで、今日1日難しいコンディションだったと思います。ジャパンリーグということで西の方の速いチームさんドライバーさんがいて、さらにFJ1500とS-FJの混走というのが自分の経験で初めてで。早いFJ1500の人は先に行ってくれるからいいですが、S-FJの間にいるFJ1500がブレーキング開始は早いけれどコーナリングは速い、とすごく難しかったですね。ウェットタイヤの選択は自分の判断で、1コーナーとセクター2が心配で選びましたが、完全にミスでしたね。後悔したのはフォーメーションラップが終わってグリッドに並んだ瞬間でした。左側のレコードラインがかなり乾いていましたので。あと5周目にリヤタイヤのブロックが剥離する感触が背中に伝わってきて、その後急にリヤが苦しくなりました。タワーを見たら『6周目』とあって、これはまずいと(苦笑)。その後は頑張りましたが抜かれて、最後に同じレインの43号車を抜けたのはちょっと良かったのかな、と思います」
「久しぶりにレースに出ていろいろなチームの方から『いい汗かいた?』といった会話もあれば『もっと速く走らなきゃいけないだろう』みたいなポジティブな喝もいただけたので、またこっそりと(笑)S-FJに参戦したいな、と思っています」
対照的な両名がそれぞれにいい経験を積めたということで、今後が楽しみだ。
Text: Junichi SEKINEPhoto: Kazuhiro NOINE




