2026オートバックスSUPER GT第4戦「FUJI GT 300km RACE 」の決勝が、8月2日、静岡県・富士スピードウェイで行われ、52号車Green Brave GR Supra GT(吉田広樹/野中誠太)が、ピット作業でタイヤ2本交換の作戦を敢行し、チームとしてもチャンピオンを獲得した2023年以来の優勝を飾った。
2位は、最後の最後にフェラーリ2台との攻防を制した32号車ENEOS X PRIME AMG GT3(石浦宏明/鈴木斗輝哉)、3位には7号車CARGUY Ferrari 296 GT3 EVO(ザック・オサリバン/梅垣清)が入った。ピット作業までトップを快走したポールスタートの45号車PONOS FERRARI 296 EVO(篠原拓朗/川端伸太朗)は悔しい4位フィニッシュ。

グリッドに全車が並び、スタートまで30分を切ったところで、雨が落ちてきてあっという間にコースを濡らした。慌ただしくレインタイヤに履き替える車両もあったが、15分も経たない内に日が差してくるという気まぐれな天候に翻弄され、スタートはセーフティカー(SC)先導となった。
ほとんどの車両はスリックタイヤでスタートを迎えるが、61号車SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人)と、最後尾スタートの22号車アールキューズ AMG GT3(加納政樹)は、レインを選択するという賭けに出た。
気まぐれな天候で始まったレースは、4周目を終えてリスタートを迎えるが、そのストレートで大きなアクシデントが発生する。詳細は現時点で不明だが、並走状態となっていたGT500クラスの12号車TRS IMPUL with SDG Z(ベルトラン・バゲット)が、23号車MOTUL Niterra Z(高星明誠)に接触、不意を突かれた23号車が64号車Modulo HRC PRELUDE-GT(イゴール・オオムラ・フラガ)と接触し、コントロールを失った64号車が、スピン状態になり浮き上がって宙を舞ってしまったという状況だったようだ。
このアクシデントでレースは中断。ストレートに車両が整列し、約35分の中断の後、再びSC先導でレースが始まった。
9周を終えてSCが外れ、実質のレーススタートとなると、ポールシッターの45号車PONOS FERRARI(篠原拓朗)が、快調なペースで2位60号車Syntium LMcorsa LC500 GT(河野駿佑)、3位には6号車UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARI(片山義章)との差を開いていく。
路面は完全にドライとなり、レインタイヤでスタートを切った61号車、22号車はSCランが終了すると、即座にピットに入ってスリックに交換した。
12周を過ぎたあたりから、再び雨が落ちてくると、52号車Green Brave(野中)、32号車ENEOS X PRIME AMG GT3(鈴木斗輝哉)が、徐々に順位を上げ、20周目のオーダーは、45号車PONOS、60号車Syntium、52号車Green Brave、32号車ENEOS X PRIME AMG GT3(鈴木斗輝哉)、7号車CARGUY Ferrari 296 GT3 EVO(梅垣清)、6号車UNI-ROBOとなった。
その後、雨は止み、追い上げ激しい32号車が2位に上がったところで、上位では5位7号車CARGUYが最も早くピット作業を行い、ザック・オサリバンにステアリングを託す。
30周目の順位は、3位52号車、4位60号車、5位56号車リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R(木村偉織)、6位2号車HYPER WATER INGING GR86 GT(卜部和久)と続き、ここから上位陣のピット作業が始まる。
31周目、ピットに滑り込んだのはトップの45号車PONOS(篠原→川端伸太朗)。32周目には、60号車Syntium(河野→吉本大樹)、56号車リアライズ(木村→JPオリベイラ)、2号車HYPER WATER(卜部→堤優威)。33周目には32号車ENEOS(鈴木→石浦宏明)と、次々にタイヤ交換、給油を終えていく。
上位のなかで唯一このタイミングを外して引っ張ったのが、52号車Green Braveだった。野中の感触で「フロントのみの交換でいける」と判断したチームは、41周目にピットインすると、このクルマを知り尽くした吉田広樹にチェンジし、フロントタイヤ2本のみを交換して、コースに送り出した。
この奇策とも言える作戦が功を奏し、トップだった45号車の2秒前でコースに復帰することに成功した。しかし、タイヤが温まるまでの間に、その差を詰められ、44周目には0.4秒にまで迫られた。
この週末、速さを見せつけているフェラーリGT3がトップに出るのは時間の問題と思われた。しかし、52号車を操る吉田は、並走にまで持ち込まれても冷静に45号車を抑え続け、逆に差を広げて、50周目には2秒のギャップを築いてみせた。
そこからは周を重ねるたびにギャップを広げ、55周目には安全圏といえる5秒にまでその差を開いた。

終盤、激しさを増したのは45号車(川端)、7号車(オサリバン)、32号車(石浦)のフェラーリとメルセデスGT3車両による2位争い。ラスト1周までは45号車(川端)がその座を守っていたが、最終ラップに32号車が前に出て、この争いは決着。
2023年以来の優勝となったGreen Brave GR Supra GT。このクルマを造り上げてきた吉田、そして加入3年目で初優勝となった野中の二人は、嬉しさに男泣き。今大会、速さを見せていたフェラーリGT3の牙城を崩した、見事なチームワークの勝利だった。
この優勝で、52号車は25点を加えシリーズポイントを40 とし、2号車と並んでトップに躍り出た(手元集計)。
次の大会は3週間後。真夏の決戦第二弾となる8月22-23日の鈴鹿大会だ。
Text: Shigeru KITAMICHIPhoto: Kazuhiro NOINE


