2026オートバックス スーパーGT第4戦「富士GT300kmレース」の決勝が8月2日、静岡県小山町の富士スピードウェイで行われ、GT500クラスは予選2位からスタートした100号車STANLEY HRC PRELUDE-GT(山本尚貴/牧野任祐)が今季初優勝。開幕戦から苦戦続きだったホンダHRCプレリュードGTに最初の勝利をもたらす結果となった。2位にも8号車#8 ARTA MUGEN HRC PRELUDE-GT(太田格之進/大津弘樹)が入り、ホンダが1-2フィニッシュを達成した。
スタートに先立って行われたウォームアップ走行はドライコンディションで行われたが、スタート進行が始まるや否や上空から雨が降り始め、路面はウェットコンディションに変わっていった。
これに対応していくつかのチームがウェットタイヤに履き替えたが、スタート時刻が近づくにつれて雨は止み、各チームメカニック退去を前に再びドライに戻し始める。結局GT500クラスは全車ドライに。第4戦決勝は午後1時30分にセーフティーカースタートにより66周の戦いが始まった。
SCは4周目に消灯。ピットへ。5周目からグリーンフラッグが振られ、追い越しが可能となったが、その直後にホームストレート上でイゴール・オオムラ・フラガ(Modulo HRC PRELUDE-GT)、高星明誠(MOTUL Niterra Z)、ベルトラン・バゲット(TRS IMPUL with SDG Z)が絡むアクシデントが発生。これにより64号車がスピン状態に陥って宙を舞い、ピットウォールに激しく衝突してしまう。これを受けて直ちに赤旗が提示され、レースは中断となった。
幸いフラガには意識があったが、減速Gの大きさを鑑みてFROが救出、そのままメディカルセンターへ搬送されることに。レースは64号車の回収を待って午後2時15分にセーフティーカーの先導で再開された。
なお、このアクシデントを受け、12号車には他車への接触に対する90秒間のペナルティストップと、SC中の追い越しに対するドライブスルーペナルティが課せられ、完全に勝負権を失うことに。23号車もダメージの修復のため長時間の修復作業を強いられ、一旦は26周遅れでレースに復帰したものの、すぐにガレージに戻ってリタイヤとなっている。
セーフティーカーは9周終わりでピットへ。メインポストからグリーンフラッグが振られて10周目から追い越しが可能となると、すかさず山本尚貴(STANLEY HRC PRELUDE-GT)が1コーナーで大外からポールシッターの大津弘樹(#8 ARTA MUGEN HRC PRELUDE-GT)をかわしてトップに躍り出た。
以下2番手に8号車、3番手に野村勇斗(Astemo HRC PRELUDE-GT)、4番手に小林利徠斗(KeePer CERUMO GR Supra)、5番手に野尻智紀(#16 ARTA MUGEN HRC PRELUDE-GT)、そして6番手に笹原右京(Deloitte TOM'S GR Supra)と2番手以降は予選順位通りで10周目を終了。14周目に入ったところで上空から再び雨が降り出してきたが、規定周回の1/3である22周には達していないことから各車ドライタイヤのまま我慢の走りを続ける。そのうちに雨は止み、路面は再び乾いていった。
この間に37号車が15周目の最終コーナーで16号車を抜いて5番手に。
21周目の1コーナーでは38号車が17号車のインに飛び込み、3番手。
22周目には37号車が17号車をアウトから攻略。さらにコカコーラコーナーで38号車をも抜き去って3番手に躍り出る。
トップの100号車はこの間に2番手以下との差を着実に広げにかかり、17周目までに2秒532、22周目には2秒599のリードを築き上げる。
この辺りからピット作業に取り掛かるチームが相次いだ。まずは38号車、16号車、19号車が22周目にピットイン。ここで38号車は16号車の先行を許すことになる。
続いて23周目に17号車がピットイン。25秒の作業時間で塚越がピットを離れた。
24周目に8号車がピットイン。トップの100号車は25周目にピットに入り、牧野任祐が8号車の太田格之進の前でコースに復帰する。
28周目には山下健太(au TOM'S GR Supra)と大嶋和也(ENEOS X PRIME GR Supra)がピットイン。36号車の坪井翔が14号車の福住仁嶺の前でピットを離れた。その後方からは27周目の1コーナーで佐藤蓮(#16 ARTA MUGEN HRC PRELUDE-GT)を抜き返した大湯都史樹(KeePer CERUMO GR Supra)が迫る。
29周目に37号車と三宅淳詞(リアライズコーポレーションZ)がピットイン。ここでジュリアーノ・アレジ(Deloitte TOM'S GR Supra)は8号車の前でコースに復帰する。
30周目の1コーナーで38号車が36号車を捉えて6番手に。まだピット作業を済ませていない関口雄飛(DENSO KOBELCO SARD GR Supra)を除けば実質5番手だ。
32周目にようやく39号車がピットイン。これで再び100号車がトップに立った。
33周目のダンロップで14号車がサッシャ・フェネストラズ(DENSO KOBELCO SARD GR Supra)を抜いて7番手に。この時点で100号車は37号車に対して7秒614のリードを築き上げた。35周目にはその差が8秒278にまで広がる。
しかしここから2番手、3番手がトップを上回るペースで徐々に差を詰めていく。100号車は徐々に低下する路面温度に対して選択したハードタイヤが次第にマッチしなくなり、我慢の走りを強いられていたのだ。
40周目に入るとそのリードは6秒631となり、45周目には5秒881、50周目には5秒441となる。100号車の牧野はそれでも55周目にはその差を6秒102まで挽回するが、59周目のダンロップで8号車が37号車をアウトから抜いて2番手を奪い返すと、その後は周回を重ねるごとにみるみるその差を詰めにかかる。
その差は61周目に5秒778、62周目に4秒831、63周目には4秒179となり、100号車が周回遅れに引っかかった64周目には2秒646にまで縮まった。
そしてついに65周目に1秒078差にまで縮まってファイナルラップへ。
しかし8号車の追撃もここまで。1コーナー、ヘアピン、ダンロップと8号車は次第に接近するものの、オーバーテイクするには至らず、最後は0秒662の僅差で100号車STANLEY HRC PRELUDE-GT(山本尚貴/牧野任祐)は8号車#8 ARTA MUGEN HRC PRELUDE-GT(太田格之進/大津弘樹)の追撃を退けてフィニッシュ。ホンダHRCプレリュードGTが今季初優勝をものにすると同時に1-2フィニッシュをも達成する結果となった。
3位には笹原右京(Deloitte TOM'S GR Supra)が入った。
一方、予選11位からスタートしたポイントリーダーの36号車au TOM'S GR Supra(坪井翔/山下健太)は54周目に38号車を捉えて5番手に浮上すると、60周目の1コーナーでは17号車のインをついて4位でフィニッシュ。ドライバーズポイントを48とし、7位に終わったランキング2位の14号車ENEOS X PRIME GR Supra(福住仁嶺/大嶋和也)との差を24にまで広げた。
次戦の舞台は三重県の鈴鹿サーキット。8月22日決勝だ。
Text:Kazuhisa SUEHIRO