8月24日にモビリティーリゾートもてぎで行われた、フォーミュラリージョナル全日本選手権第4戦レース9の決勝は、チェッカー後に2位のセバスチャン・マンソン(G FORCE F111/3)と3位の堀尾風允(Sutekina Racing)が接触するという大きなアクシデントが発生した。
16周で行われた決勝レースは、15周目にトップのマンソン、1秒2差で2位のミハエル・サウター(G FORCE F111/3)、0秒9差で3位の堀尾という順でコントロールラインを通過し、ファイナルラップに入った。
レースはこのままの順位で終了するかと思われたが、最終コーナー立ち上がりでトップのマンソンがオーバーランを喫し失速。2位につけていたサウターはマンソンをかわしトップに浮上。3位の堀尾も2位に落ちたマンソンの右側にマシンを振り、この2台はサイドバイサイドでストレートを並走。マンソンは堀尾をけん制するためにマシンを寄せ、このままチェッカーを受けた。
2位にはマンソン、0秒187差で3位には堀尾が入ったが、この直後にさらに堀尾にマシンを寄せたマンソンと堀尾がストレートで激しく接触、2台は絡みながら、1コーナーで停止した。
この時の模様を堀尾は語る。
「マンソンが自分のミスで最終コーナーで飛び出して戻ってきました。失速してたのでワンチャンあると思って、イン側に並走する形でゴールラインを通過しました。ぎりぎり3位だとわかり、普通にまっすぐ走っていたら、彼がハンドルを切ってきたので激突しました」
堀尾はレース後のアクシデントは経験がないといい、一定の理解を示しつつ、受け止め方も複雑だ。
「レース中ならレーシングアクシデントで話しは別ですが、受け止め方も複雑です。彼は最終コーナーでの自分のミスで、飛び出してむしゃくしゃしていたとは思いますが、他人に当たっていいことではないです。あのまま当たらなければ彼は2位だったのに、自分の順位まで落としてます」
堀尾はレース後、冷静にマンソンと話しをし、諭したという。
「怒っても意味がないです。レーシングカートじゃなくて、時速200kmを超えるフォーミュラカーで、自分の命も他人の命もかかってるわけで、そこはお互いにリスペクトしないといけない。彼も若いですし、将来プロになりたいならそんなことをしてる場合じゃないと。リスペクトしないのであれば誰も君とレースをしてくれないよと言いました。最初は反省を感じられなかったので、そういう説明をしました。最終的には謝ってくれました」
堀尾のとマンソンのマシンは修復も終わり、25日のレース10決勝には出走できそうだ。マンソンは2番グリッドから、堀尾は3番グリッドからスタートする。全選手を含めフェアなレースを期待したい。
Text: Yoshinori OHNISHIPhoto: Eiji TAKEUCHI
Yoshinori OHNISHI