望むはプロスポーツ化
フォーミュラカーの面白さに魅了され、スーパーFJからSFライツまで数多くのレースに参戦してきた組田のフォーミュラに対する想いは熱い。
スーパーフォーミュラで争うドライバーの凄さを十分に知るからこそ、国内最高峰のフォーミュラカーレースは、純粋にドライバーの戦いであってほしい、プロスポーツであってほしいと強く願っている。
「他のプロスポーツでは、アスリートはスポンサーと対等であるのに比べ、スーパーフォーミュラではドライバーは自動車メーカーのサラリーマンのようになってしまっている」
「このため移籍も限定的で、これはプロスポーツとしての面白さをスポイルしている。トップフォーミュラに乗る選ばれたドライバーは、育成してくれたメーカーに縛られることなく自由に移籍ができるようになってほしい。そう思います」
「自動車メーカー、チーム、ドライバー、そしてメディアも、プロスポーツとしてスーパーフォーミュラをどう盛り上げていくのかを、真剣に考え、取り組んでほしい」
「ドライバーの争いだけではなく、技術競争の側面もあって、素晴らしいことをやっているのに、それが一般の人たちに伝わらないのが何とも歯痒いんです」
矢継ぎ早に溢れ出てくるトップフォーミュラへの想い。
この想いが形になるには時間がかかるだろうが「少しずつでも変えていきたい」と組田は言う。そのためには、まずは結果を出し、チームが力をつけることが必要だ。
スーパーフォーミュラは最高の勝負
組田はスーパーフォーミュラとスーパーGTの違いをこう表現する。
「スーパーGTは最高峰の“レース”、スーパーフォーミュラは最高の“勝負”」
勝負師の組田らしい表現だが、言い得て妙である。そして、こう付け加える。
「スーパーGTは、ハンデキャップ制であえて勝ち続けることができないルールになっています。魅せるレースとして大成功だと思います。重くなったり(燃料の流量を)絞られたり、そういう中で速く走らせる技術というのは本当に凄い。ただ、フォーカスされるのはドライバーよりもクルマです」
「一方、スーパーフォーミュラはドライバーの勝負です。今年でいえば野尻選手はずば抜けて速い。あの速さは手が付けられない。野尻は速い。もうそれに尽きます。クルマが速いとは誰も言いません」
→(10)に続く Text: Shigeru KITAMICHIPhoto: Katsuhiko KOBAYASHI
Shigeru KITAMICHI
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