フロントロースタートながらエンジンストールで大きく出遅れ、スタートの瞬間に優勝のチャンスを失ってしまった岩佐歩夢(Red Bull MOTUL MUGEN SF23)は、レース後も硬い表情のままだった。
「ドライバーはエンジニアの指示通りの手順を踏んでスタートするわけですが、開幕戦からそこが決まらない。決してエンジニアのみの責任ではありませんが、チーム内で話し合っていかないといけないと思っています。今はスタートが上手くいく要素が見つからないという状況です」
「予選、決勝のペースは良いのに、スタートでそれらをすべて台無しにしてしまっています。正直、スタートに関しては、チームとしてポテンシャルを発揮できていないと感じています。それは結果を見てもらえば分かると思います」
終始、憮然とした表情で語る岩佐からは、怒りともいえる感情がにじみ出ていた。傍から見れば、チーム無限という恵まれた環境に身を置く岩佐だが、さらなる高みを目指しているだけに、チームの対応に不甲斐なさを感じているようだ。
Text & Photo: Shigeru KITAMICHI