2024年JAF筑波/富士スーパーFJ選手権シリーズ地方選手権第3戦公式予選が5月5日(日・祝)に筑波サーキットで開催され、終盤のタイムアタアック合戦を制したセンドラ船戸アレックス翔太(TRS・10V・ED)が残り1分を切ってトップタイムを叩き出し、開幕3連勝に向けてポールポジションを獲得した。
毎年5月5日こどもの日に行われる「筑波サーキット・カーフェスティバル」。今年は入場料無料、パドックフリーで、フェラーリや往年のスポーツカーの展示やデモラン、子供向けのアトラクションなども行われて多くの家族連れでサーキットは賑わった。
朝から雲一つない好天気で初夏の雰囲気の筑波サーキットは、予選開始時刻の午前9時25分時点で気温24.5度、路面温度39.6度のドライコンディション。前回のレースのフィニッシュ順に、アレックスを先頭に13台がコースイン。20分間の予選が開始された。
各車ウォームアップを終えて4分経過あたりからタイムアタックが始まり、まずはアレックスが58秒916をマークするが、ただちに伊藤駿(ZAP SPEED 10VED)が58秒915と0.001秒差でトップ、さらに石井大雅(ファーストガレージ制動屋S2)が58秒781、角間光起(ELEVレーシング10VED)が58秒71と立て続けにトップタイムが更新される。今回必勝を期しているという角間は髪をバッサリと切ったスポーツ刈りで現れた。
残り14分、伊藤が58秒765で2番手。津田光輝(ファーストガレージKK-SII)が58秒864の4番手タイム。そしてアレックスが58秒708で再度トップに浮上するも伊藤が58秒567を出して再びトップ、津田も58秒572までタイムを縮め2番手、石井58秒694で3番手となりアレックスは一気に4番手へドロップ。後方では今回からついに「MYST KKS-2」を導入したマスターズクラスの秋山健也(スーパーウィンズKKS2)が13位から7位までポジションを上げる。残り13分、アレックスが58秒644まで自己ベストを縮め3番手へ上がると角間がそれを上回る。
残り11分、1年ぶりにスーパーFJ参戦の木下祐希(ELIVレーシング制動屋S2)が59秒175で8位進出。木下のマシンは前日のスポーツ走行の際にミッショントラブルに見舞われ、ガレージで深夜まで修理を行い出走にこぎつけたという。
残り10分を切って予選は折り返し。ここまでの順位は
- トップ 伊藤 58秒567
- 2番手 石井 58秒572(+0.005秒)
- 3番手 角間 58秒596(+0.029秒)
- 4番手 アレックス 58秒644(+0.077秒)
- 5番手 津田 58秒678(+0.111秒)
- 6番手 内藤大輝(RCIT RaiseUP ED)58秒754(+0.187秒)
上位6台が0.2秒以内にひしめく筑波らしい予選が続く。
ここでアレックスが58秒530を出して再びトップ浮上。2番手に落ちた伊藤はここでピットイン。タイヤの内圧を調整した模様で、すぐにピットアウトする。
アレックスの「東京R&D RD10V」は他のチームのマシンと違って、ノーズコーンに空気を取り込むダクトが設けられ「ALEX COOLER」との表示がある。チームによると暑がりのアレックスの為にコックピットへ導風するように改造したという。その効果があったかアレックスはトップタイムを58秒482まで短縮する。
残り6分、伊藤が58秒454でみたびトップ。2番手以下は変わらずアレックス~石井~角間~津田と続き、6番手にここまで下位に埋もれていた黒川史哉(ZAP SPEED 10V)が58秒739で上がってくる。残り4分で角間が58秒547で3番手へ。マスターズクラストップは全体8番手の秋山、クラス2位の畠山退三(zap speed KK-S2)は12番手につける。
気温と路面温度はさらに上昇してタイヤに厳しいコンディションになりつつあるようで、各車タイムが伸び悩んできており、これで予選グリッドは確定かと思われたが残り1分5秒、アレックスが58秒384を叩き出して逆転、トップに立つ。そしてチェカードフラッグが出て最後のタイムアタックが行われる中、角間が58秒429をマークしてフロントロウを獲得する。伊藤は0.025秒及ばすセカンドロウへ。以下4番手石井、5番手津田、6番手黒川という順位で予選は終了した。
その後津田は走路外走行のペナルティで4グリッド降格、9番手ヘダウン。替わって6番手に上がった内藤も同様に2グリッド降格で、3列目には黒川とマスターズクラストップの秋山が並ぶことになった。
決勝は午後1時30分コースイン予定。気温、路面温度ともに本日の最高になると予想される時間帯で、ドライバーの敵はライバルより暑さかもしれない。そして気になるのはここまで2戦ともフロントロウから出遅れているアレックスのスタートだ。
Text: Junichi SEKINEPhoto: Kazuhiro NOINE