スーパーGTをプロモートするGTアソシエイション(GTA)は3月16日、公式テストが行われている岡山県美作市の岡山国際サーキットにおいて、先日発表した2024年版のスポーティングレギュレーションについての説明会を開催した。
今回の改訂の1番のポイントはタイヤの持ち込みセット数の削減と、それに伴う予選フォーマットの改訂だ。
まずドライタイヤの持ち込み本数は昨年の5セットから1セット減の4セット(16本)となる(300kmレースの場合)。これにより、コロナ前の2019年には61セットだった年間使用数を40セットにまで削減することができる。これはレースタイヤの製造時に投入される資源やエネルギーの削減を目的としたものだ。参考までに2019年の総レース距離は3,050kmだったが、今年は更に多い3,160kmが予定されている。
なお持ち込みセット数はレース距離によって異なり、3時間レース(第2戦富士、第3戦鈴鹿、第7戦オートポリス)は6セット、350kmレース(第4戦富士、第5戦鈴鹿)は5セットとなる。
そしてこのタイヤ本数の削減に伴い、公式予選においてはQ1、Q2を通じて使用できるドライタイヤは1セットのみとなり、これを決勝レースのスタートにも使用しなければならなくなった。
また、公式予選の順位はQ1とQ2のタイム合算によって決められるとともに、GT500、GT300ともに全車がQ2に出走することになった。
特にGT300は、従来通りA組、B組に分かれてQ1を行い、各組の上位8台(グループ1)とそれ以下の車両(グループ2)に分かれてQ2を走る方式に改められた。
さらにグループ1で13位以下になった車両と、グループ2の上位4台の計8台についてはタイム順で順位の入れ替えを行う。これによりQ2の走行を見合わせてタイヤを温存する作戦が採りにくくなる。
またA、Bの組み分けは前戦のリザルトを元にGTAブルテンにて公示するが、出走順は前戦のGT300クラスの優勝ドライバーがくじ引きを行なって決定する。
この新方式に対応するため、Q1、Q2の合算をリアルタイムで表示する専用の計時システムをGTAが用意し、レースを開催する各サーキットに持ち込むことになった。またライブタイミングを表示できるiPhone用の公式アプリも既に岡山テストからこの方式に対応している。
この日の午後のセッション2では早速この予選方式のシミュレーションが実施され、GT500クラスは36号車au TOM'S GR Supra(坪井翔/山下健太)が、GT300クラスは31号車apr LC500h GT(小高一斗/中村仁)がトップとなっている。
新たな予選方式の導入でこれまでにない面白さとレース展開が大いに期待できそうな2024シーズン。開幕戦は4月13-14日にこの岡山国際サーキットで行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIROPhoto: Katsuhiko KOBAYASHI