SUPER GT

第3戦鈴鹿決勝 レースは大クラッシュにより赤旗終了 19号車WedsSport ADVAN GR Supraが初勝利を挙げる

GT500クラス優勝はWedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/阪口晴南)

GT300クラス優勝はStudie BMW M4(荒聖治/柳田真孝)

 2023オートバックス スーパーGT第3戦「鈴鹿GT450kmレース」の決勝が6月4日、三重県の鈴鹿サーキットで行われた。レースは終盤に大きなクラッシュが発生したため、赤旗中断となり、そのまま終了の決定がなされたため、その時点で給油義務を消化したチームの中でトップにいた19号車WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/阪口晴南)が今季初優勝という結果となった。(天候:晴れ コース:ドライ 観客動員数:予選日11,000人/決勝日22,000人/大会総入場者数33,000人)

パレードラップが始まった

 第3戦決勝は午後1時30分に三重県警の白バイ7台、パトロールカー3台の先導によるパレードランに続いて行われた。周回数は77。第2戦富士に続いての450kmレースだ。

GT500クラスのスタートシーン

 ポールポジションの坪井翔(au TOM'S GR Supra)がそのままトップで1コーナーへ飛び込み、国本雄資(WedsSport ADVAN GR Supra)が2位、牧野任祐(STANLEY NSX-GT)が3位と上位陣は予選順位のままでオープニングラップを終了。

 その後方ではタイム抹消で最後尾スタートとなった平手晃平(リアライズコーポレーションADVAN Z)が立川祐路(ZENT CERUMO GR Supra)を抜いて14位で戻ってきた。

 3周終わって坪井は2位1秒314秒差をつける。4周目は1秒650と僅かづつリードを広げていく。

 その後方では7周目にベルトラン・バゲット(MARELLI IMPUL Z)がシケインでアウトから牧野任祐(STANLEY NSX-GT)を抜いて3位に浮上する。

 坪井はこの間もトップを快走していたが、8周目に入ったところで小出峻(UPGARAGE NSX GT3)がホイール脱落によりヘアピンでストップするアクシデントが発生。これによりフルコースイエローが宣言され、9周目に入ったところでセーフティーカー(SC)が導入されたことで坪井が築き上げたリードは失われてしまう。

 車両回収に続いてSCは12周終わりでピットイン。13周目にレースが再開されると、坪井は再び後続との差を広げにかかる。

 この間に3位の1号車は19周目、2位の19号車は26周目に最初の給油を行った。19号車はここで早くも阪口晴南に交代する。

 トップの36号車は29周目に最初のピットイン。ここで坪井から宮田莉朋に交代する。ここで19号車、1号車の先行を許してしまったばかりか、ロニー・クインタレッリ(MOTUL AUTECH Z)にもアウトラップでかわされ、4位にまで後退してしまった。

 これにより19号車がトップに浮上。これを1号車が僅差で追う展開となる。

 しかし1号車は42周目に2度目のピット作業を行い、バゲットから平峰一貴に交代。

 これに対しトップの19号車と3位の23号車は46周目に2度目のピット作業を行い、ここで23号車は松田次男に交代した。

 これで再び36号車がトップに。宮田は48周目まで引っ張って2度目のピット作業を行い、19号車と1号車そして23号車の前でピットアウトする。直後の1コーナーで19号車の先行を許した宮田は一時6秒以上の差を坂口につけられたが、タイヤに熱が入ってからは阪口を1秒以上上回るハイペースで追い上げに転じ、58周目には2秒094までその差を縮める。

 このままいけば宮田が坂口の背後に食らいつくのは時間の問題かと思われた。

 しかしその直後、シケインの手前で並走する2台のGT300車両を大外から一気にかわそうとした松田がそのうちの一台と接触、コントロールを失ってもう一台を巻き込む形でタイヤバリアに突っ込むアクシデントを引き起こしてしまう。

 これにより23号車は大破。乗っていた松田は直ちに救出され、一命を取り留めたものの、レースはここで赤旗中断となり、そのまま終了との裁定が下された。

GT500クラス優勝と思われたNiterra MOTUL Z(千代勝正/高星明誠)はペナルティーで降格し4位

 これによりレースは58周終了時点の順位に基づき、当初はその時点で暫定トップにいた3号車Niterra MOTUL Z(千代勝正/高星明誠)がそのまま優勝とされた。

 しかし3号車はこの時点でただ1台だけ2度目の給油を終えていなかったことから、GT500クラスに参戦する10のチームより抗議が提出された。その結果、競技団はその抗議を正当なものとして受け入れ、3号車に対してピットストップ相当分の60秒のタイムペナルティを課すとの裁定を下した。

GT500クラス決勝2位はau TOM\'S GR Supra(坪井翔/宮田莉朋)

GT500クラス決勝3位はMARELLI IMPUL Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット)

 その結果、給油義務を消化した中で最上位にいた19号車WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/阪口晴南)が優勝、36号車au TOM'S GR Supra(坪井翔/宮田莉朋)が2位そして1号車MARELLI IMPUL Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット)が3位となった。

GT300クラスのスタートシーン

 GT300クラスは序盤に最初の給油を済ませた7号車Studie BMW M4(荒聖治/柳田真孝)と2号車muta Racing GR86 GT(堤優威/平良響/加藤寛規)、そして52号車埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰)が正攻法でトップをひた走る61号車SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)を出し抜く形でレース中盤からトップグループを形成。

 その中で27周目に川合孝汰(埼玉トヨペットGB GR Supra GT)をデグナーで抜いた平良響(muta Racing GR86 GT)が29周目にトップに立つが、2度目のピット作業を終えた39周目に、すでにピット作業を終えていた柳田真孝(Studie BMW M4)にデグナーでインから抜かれ、2位に後退してしまう。

GT300クラス決勝2位はmuta Racing GR86 GT(堤優威/平良響/加藤寛規)

GT300クラス決勝3位は埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰)

 その後もテール・トゥ・ノーズの状態で周回を重ねていた7号車と2号車だったが、56周目に入ったところでレースが赤旗終了となったため、その時点でトップにいた7号車Studie BMW M4(荒聖治/柳田真孝)がそのまま優勝、2号車muta Racing GR86 GT(堤優威/平良響/加藤寛規)が2位に入り、52号車埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰)が3位という結果となった。

 次戦の舞台は今季2度目の富士スピードウェイ。8月6日に450kmレースを行う。

GT500クラスの表彰式

GT300クラスの表彰式

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI


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