2020オートバックス スーパーGT第3戦「藤巻グループ鈴鹿GT300kmレース」の公式予選が8月22日、三重県の鈴鹿サーキットで行われ、GT500クラスは#64伊沢拓也/大津弘樹組(Modulo NSX-GT)が予選Q1、Q2ともにトップタイムを記録してポールポジションを獲得、GT300クラスは#31嵯峨宏紀/中山友貴組(TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT)が久々のポールポジションを獲得した。
公式予選は午後2時30分よりノックアウト方式で行われた。予選Q1開始時点の気温は33℃、路面温度は53℃、湿度は74%と公式練習よりさらに上昇。厳しいコンディションでの戦いとなった。
予選Q1
GT500クラスの予選Q1は午後3時03分開始。10分間の走行で上位8台がQ2進出の権利を得る。
まずは#36サッシャ・フェネストラズ(au TOM'S GR Supra)、#3平手晃平 (CRAFTSPORTS MOTUL GT-R)が残り時間8分でコースイン。一方#23松田次生(MOTUL AUTECH GT-R)はコースオープンになってから漸くタイヤを装着するという余裕を見せる。
残り時間が7分を切る前には他のチームも続々とコースイン。23号車もここで戦列に加わった。
気温、路面温度共に高く、タイヤへの負担が大きいこともあり、今回は全てのドライバーがアウトラップに続いてウォームアップ走行を1周のみ行い、3周めにタイムアタックに入るというやり方をとった。
まずは#17塚越広大(KEIHIN NSX-GT)が1'46.764なかなかの好タイムを記録する。続いて#64大津弘樹(Modulo NSX-GT)が1'46.160を叩き出してトップに立つ。
#16笹原右京(Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT)も1'46.992で一時3位につけていたが、終盤に入ると#38石浦宏明(ZENT GR Supra)が1'46.631で2位に浮上、それを#23松田も1'46.秒500で上回って2位に割って入った。
最後にNo.19宮田莉朋(WedsSport ADVAN GR Supra)が1'46.931を記録したところでチェッカー。
#64 Modulo NSX-GTが1位。#23 MOTUL AUTECH GT-Rが2位、#38 ZENT GR Supraが3位とトップ3を分け合う形でQ1は終了した。
その中でもHonda NSX-GT勢は出走5台中4台がQ2進出を果たす圧倒的な速さを見せるが、唯一#8 福住仁嶺(ARTA NSX-GT)のみが14位と残念な結果に終わっている。
またポイントランキングトップの#36関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ組(au TOM'S GR Supra)は12位、ランキング2位の#37平川亮/ニック・キャシディ組(KeePer TOM'S GR Supra)は11位とトムス勢はウェイトハンデの影響もあってか揃ってQ1敗退という結果に終わった。
GT300クラスは今回もA、B二つの組に分かれてQ1を行い、各組の上位8台がQ2進出の権利を得る方式となった。
A組は午後2時30分から10分間の走行。#61井口卓人(SUBARU BRZ R&D SPORT)が1'59.921を記録したのを皮切りに、各車一斉にタイムアタックを開始した。
ここでトップに立ったのは#31中山友貴(TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT)で1'58.621。2位には#18小林崇志(UPGARAGE NSX GT3)、3位には#56藤波清斗(リアライズ 日産自動車大学校GT-R)が続いた。公式練習トップの#55高木真一(ARTA NSX GT3)も8位でQ2進出を果たし、#61井口は惜しくも9位で予選を終えることとなったが、8位と9位の差はわずか0.067秒という接戦だった。またランキングトップの#52川合孝汰(埼玉トヨペットGB GR Supra GT)も75kgものウェイトハンデを背負いながら5位でQ2進出を果たしている。
B組はルーキーの#244三宅淳詞(たかのこの湯RC F GT3)が1'58.959という驚きの速さをみせて序盤トップに立つが、残り時間1分で#11平中克幸(GAINER TANAX GT-R)が1'58.911を叩き出してトップを奪い、#244三宅はB組2位でQ2進出を果たすことに。#360柴田優作(RUNUP RIVAUX GT-R)が3番手タイムを記録するが、柴田は四輪脱輪でタイム抹消の裁定を受けて12位に後退、#34道上龍(Modulo KENWOOD NSX GT3)が3位。9位に終わった#65菅波冬悟(LEON PYRAMID AMG)も8位に繰り上がってQ2出走の権利を得た。
予選Q2
GT500クラスのQ2は午後3時41分から10分間の走行。残り時間が8分を切ったところで#17ベルトラン・バゲット(KEIHIN NSX-GT)が最初にコースイン。続いて#100牧野任祐(RAYBRIG NSX-GT)、#64伊沢拓也(Modulo NSX-GT)、#16武藤英紀(Red Bull MOTUL MUGEN NSX GT)とHonda NSX-GT勢が早めにタイムアタックを開始した。
一方、#23ロニー・クインタレッリ(MOTUL AUTECH GT-R)は残り時間5分30秒、#14 坪井翔(WAKO'S 4CR GR Supra)が残り4分30秒で最後にコースインして、各車アウトラップに続いて1周のウォームアップランと、予選Q1と同じ方法でタイムアタックを行った。
最初に動いた#17は1'47.635、#100牧野も1'48.122といまひとつタイムが伸びなかったが、#64 伊沢は1'46.239を記録してトップに立つ。
少し遅れて走行を開始した#23クインタレッリは第1区間でベストタイムを更新する速さを見せたものの、トップの伊沢には僅かに及ばず1'46.699で2位に終わったため、No.64 Modulo NSX-GTが公式練習、予選Q1、Q2と、全てのセッションでトップを独り占めする結果に。
これにより第2戦のNo.8 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺)に続いてHonda NSX-GTが今季2度目のポールポジションを獲得。伊沢にとっては意外にもこれが自身のアタックで獲得する初めてのPPとなった。
3位は#38立川祐路(ZENT GR Supra)で1'46.769。最後にタイムアタックを行った#14坪井は1'46.899で4位に食い込んでみせた。
GT300クラスは#244久保凜太郎(たかのこの湯RC F GT3)の1'58.889を皮切りに#55大湯都史樹(ARTA NSX GT3)が1'58.430、#31嵯峨宏紀(TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT)が1'58.189と1分58秒台が相次ぐ接戦となり、チェッカー寸前に#56ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(リアライズ 日産自動車大学校GT-R)が1'58.053を叩き出してトップに躍り出たが、オリベイラはスプーン出口で四輪脱輪をしたと見做されてトップタイム抹消に。これで31号車がトップに繰り上がったが、オリベイラはセカンドベストタイムでも3位に相当するタイムを記録しており、明日の決勝をセカンドローからスタートする権利をもぎ取っている。
#31嵯峨のポールポジション獲得は通算3回目。プリウスをフロントエンジン化してから開発に苦しんできたaprにとっては久々の嬉しいポールポジションとなった。