'94全日本GT選手権 Rd1 富士スピードウェイ Date 4/30 11:00 4月30~5月1日 GT インサイド・レポート for FMOTOR4 8.由良拓也(#14 CCIあめんぼうシルビア) エアロダイナミクス界の第一人者である由良拓也は、空力的デバイスの装着が比 較的自由に行えるGTマシンについて、ノーマルを0(ほとんどの場合は+)とす ると、GTマシンのダウンフォースはマシン全体でCl-0.2~Cl-0.3位 になると考えている。この程度のダウンフォースを確保した上で、出来る限り空気 抵抗の少ないマシンを作ることが目標であり、彼のシルビアでは既に達成出来てい るようだ。 もっとも富士スピードウェイのハイスピード・イベントの場合は、ノーマルカー に近いCl±0としてストレート・スピードを重視して走るチームも出てくると、 由良拓也は考えている。 9.ルマン24時間レース、第一次エントリー受付締切 今年のルマンは、これまでとは全く違った役者によって演じられるようだ。 優勝候補の筆頭と言われるサード・トヨタ94CVは噂通りゼッケン1を獲得、 ダウアーの“962ロードカー”はGTプロトではなく、2メートルの車幅が許さ れるGT1でのエントリーが認められた。しかし、GT1クラスはブガッティEB 110、8㍑V10のダッジ・ヴァイパー、デトマソ・パンテーラといったスーパー カーが幅をきかせており、GT2クラスも新興勢力のポルシェ968ターボRSや フェラーリ348LM、チームクニミツを含むホンダNSX・Rらが、無敵の91 1RSRを完全に包囲してしまった。注目はIMSA・GTSクラスからエントリー した寺田陽次朗の4ローターRX7とカニンガムチームのニッサン300ZXであ る。カニンガム300ZXにデイトナとセブリングで破れたことが、ポルシエに9 93ターボのルマン・デビューを諦めさせたと言われており、サードは予想もしな かった強豪とルマンで交えることとなった。 10.#37 グレコ・レーシング・スープラ シフトポイントで開発中のスープラは、4/23のテスト中にエンジンを破損し てしまった。そのためマシン・セッティングを中断して、今週はエンジンのリビル トに追われることとなった。再び走り始めたのは4/29からである。エンジンが 破損する前までに1分43秒台で走行していたため、星野薫は1分40秒まではス ムーズにいけると考えている。 N1ベースであるため、完全なGTマシンに比べると足科せとなっている部分が 多く、パワーは十分にあるものの車重は1460㎏もある。 残念ながら、積み替えたばかりのエンジンの調子が悪いため、メカニック達は夜 なべ仕事で再びエンジン交換を行うこととなった。 11.#9 acomポルシェRSR ノバ・エンジニアリングのポルシェ911RSRは、4/23に富士スピードウ ェイでシェイクダウンを行った。基本的にはポルシェから到着したままの状態とは いうものの、太いブリジストンの18インチ320ー680というタイアを収める ために、フェンダーをカーボンファイバーで作り直さなければならなかった。M・ マルティニのドライブで30~40ラップを走行し、1分39秒台を記録している が、本番ではあと1~2秒は縮めてくることだろう。心配された音量は109デシ ベルに留まったためマフラーは必要なくなった。彼らはパワー勝負が予想される開 幕戦のFISCOよりも、第2戦のハイランドに狙いをしぼっている。 4/27~28のF3000テスト後の29日から最後のセッティングをチーム は行っていたが、昨日のテスト中に、エンジンがブローアップした#10のオイル にのってしまいヘアピンのアウト側ガードレールにクラッシュしてしまった。昨夜 徹夜で修理作業を行い、やっと予選に間に合わせた。午前中はセッティングに費や されることだろう。 提供:GTアソシエーション事務局 古屋 知幸 = MGG01235 =