優勝したエンドレスアドバンGT-Rとそのクルー、木下みつひろと青木孝之 (Photo: K.Takeshita)
11日、鈴鹿サーキットで行われたスーパー耐久第2戦は、予選2位からスタートした#1 エンドレスアドバンGT-Rが、ポルシェ勢より1回多いピットストップのため一時は2位に後退するものの終盤74周目に#25 アドバンポルシェを逆転。トップに立つと執拗な#25 アドバンポルシェの追撃を振り切ってそのまま82周を走り切り優勝、開幕から2連勝を飾った。
(観衆12,500人、気温17度、路面温度18度)
一時、小康状態だった雨足は、FD決勝レースの終盤から本降りとなり、スタート進行を終え、スーパー耐久決勝の始まる午後2時には、コースは完全にウエット状態となった。
レースはローリングスタート。トップで1コーナーに飛び込んだのはポールスタート、#25 アドバンポルシェの織戸学、2位に予選2位の#1 エンドレスアドバンGT-R。3位は#109 ランドリーアドバンGT3。#25 アドバンポルシェは、1周目を終わって2位に6秒の大差をつけ逃げにかかる。やはり雨でのポルシェは速い。一方、浅溝レインタイヤを選択した#1エンドレスアドバンGT-Rは苦しい。2周目には3位に上がった#33ファルケンポルシェにかわされ3位まで後退。5周を終わっての順位は、トップ#25 アドバンポルシェ、2位#33 ファルケンポルシェ、3位#1 エンドレスアドバンGT-R、4位#109 ランドリーアドバンGT3、5位#19 JMCダンロップGT-R、6位#99 CRTピレリポルシェ。
10周を終わって、2位に上がった#33 ファルケンポルシェをドライブする田中哲也がトップとの差を徐々に詰め始める。その差は5秒8。その後ろ3位の#1 エンドレスアドバンGT-Rとは20秒以上の差が開いている。4位を走っていた#109 ランドリーアドバンGT-Rはミッションにトラブルをかかえピットイン、上位戦線から脱落した。
17周を終える頃から、雨足が弱まり、#1 エンドレスアドバンGT-Rの反撃が始まった。トップ2台と2秒弱速いラップタイムでその差を縮め始めた。20周を終わって、トップ#25 アドバンポルシェと#33 ファルケンポルシェの差は1秒を切った。その後ろ20秒弱まで差をつめた#1 エンドレスアドバンGT-Rが3位。4位は#19 JMCダンロップGT-R、5位はクラス2のトップ#22 avexインプレッサ、6位は#99 CRTピレリポルシェ。
24周目、#33 ファルケンポルシェがついに1コーナー進入でアウトから#25 アドバンポルシェを捕らえてトップに出た。#25 アドバンポルシェは2位に。2位に落ちた#25はタイヤがきついのか徐々に遅れ始める。そして、27周目に入るストレートで猛追の#1 エンドレスアドバンGT-Rがついに前に出た。そして、28周を終わって#1 エンドレスアドバンGT-Rがピットイン。タイヤを替えずに給油のみでドライバーを木下みつひろから青木孝之にチェンジ。
40周を前後して、クラス1のポルシェ勢が続々とピットイン。どうやらポルシェ勢は1ストップ作戦のようだ。37周を終わって#24 PCJ アドバンポルシェが、39周を終わって2位の#25 アドバンポルシェが、41周を終わってトップの#33 ファルケンポルシェがピットイン、給油、タイヤ交換、ドライバーチェンジをしてピットアウトした。
ここでトップに踊り出たのが#1 エンドレスアドバンGT-R。43周を終わっての順位は、トップ#1 エンドレスアドバンGT-R、1分以上の差で2位#33 ファルケンポルシェ、さらに30秒以上遅れて3位#25 アドバンポルシェ。4位はクラス2トップの#2 FUJITSUBOインプレッサ、5位は#19 JMCダンロップGT-R、6位はクラス2 2位の#22 avexインプレッサ。
雨足が再び強くなってきた。そして、ピットアウト後、2位の#33 ファルケンポルシェのペースが上がらない。47周目の1コーナーで3位の#25 アドバンポルシェが#33 ファルケンポルシェを捕らえて2位に、#33 ファルケンポルシェは3位に後退。
54周を終わって2位#25 アドバンポルシェとの差が1分13秒のトップ走行の#1 エンドレスアドバンGT-Rがピットイン。給油、タイヤを深溝レインに交換、ドライバーチェンジをしてピットアウト。しかし、その間2位の#25 アドバンポルシェががストレートを通過してトップに立つ。#1 エンドレスアドバンGT-Rは2位に落ちた。
56周を終わってトップは、#25 アドバンポルシェ、2位は26秒遅れて#1 エンドレスアドバンGT-R、3位はさらに8秒差で#33 ファルケンポルシェ、4位にはなんとクラスN+トップの#5 5ZIGENインテグラが上がってきた。5位に#24 PCJアドバンポルシェ、6位にクラス2トップの#22 avexインプレッサ。
ラップタイムは、トップの#25 アドバンポルシェより2位の#1 エンドレスアドバンGT-Rのほうが3秒弱速い。57周を終わってトップ#25 アドバンポルシェと2位#1 エンドレスアドバンGT-Rの差は23秒、60周で16秒、64周を終わってついにその差は10秒を切った。
69周を終わっても雨足は強いまま。ひたひたとトップ#25 アドバンポルシェに迫る#1 エンドレスアドバンGT-Rとの差はついに5秒を切り、74周目の1コーナーでついに#1 エンドレスアドバンGT-Rは#25 アドバンポルシェの背後に迫った。そしんてなんとこの周のシケイン進入でで#25が痛恨のブレーキングミス、ショートカットを通る間についに#1 エンドレスアドバンGT-Rがトップを奪い返した。
78周目、残り5周、トップに立ち一時は2位との差を3秒以上と開いた#1 エンドレスアドバンGT-Rのペースが上がらない。2位、#25 アドバンポルシェが1秒を切る差で背後に迫ってきた。しかし79周目の1コーナーで、#25 アドバンポルシェは周回遅れの処理をミス、グラベルに飛び出し追撃もここまでとなった。
レースはこのまま終了。優勝は、#1 エンドレスアドバンGT-R、2位はチェッカー1周前にガス欠給油のためピットインしたものの順位をゆずることなかった#25 アドバンポルシェが、3位は#33 ファルケンポルシェ、4位は#99 CRTピレリポルシェ、5位は#24 PCJアドバンポルシェ、6位はクラスN+トップの#5 5ZIGENインテグラが入った。
なお、クラス2優勝は#2 FUJITSUBOインプレッサ、クラス3優勝は#83 BPアドバンNSX、クラス4優勝は#8 ACID英進館S2000、クラスN+優勝は#5 5ZIGENインテグラとなった。
木下みつひろ(クラス1優勝エンドレスアドバンGT-R ドライバー)のコメント
「序盤は浅溝のタイヤで行ったんですけれど、路面が良くならずに雨量の少ない路面コンディションの時間が短かったんです。2ストップでしたから青木君につないで終盤また乗ったんですが、最後はヘビーウエットで鈴鹿で初めて履くタイヤでとまどいがありました。思ったよりは持ちこたえてくれて前(のポルシェ)に追いつけることができました。後半はタイヤの摩耗に対して雨量が多くコントロールが難しかったです。追いつくのも、タイムを出して相手にプレッシャーかけるのも有効でしたね。ヒヤヒヤの2連勝でしたが、レースやってる実感はありましたね。次戦に向けてタイヤもセッティングもよりシビアなところを探って速くしたいですね」
2003年5月11日 鈴鹿サーキット(三重県) 決勝 天候:雨/コース:ウェット
鈴鹿300マイル -RIJ- (2003/05/11) Weather:Rainy Course:Wet 2003 Super Taikyu Series Round 2 鈴鹿サーキット 5.807km | |||||||
Pos | No | Cls | P | Driver | Car/Type | Lap | Time/Bihind |
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1 | 1 | 1 | 1 | 木下 みつひろ 青木 孝行 | エンドレス アドバン GT-R BNR34 | 82 | 3:32'15.542 |
2 | 25 | 1 | 2 | 織戸 学 羽根 幸浩 | ADVAN PORSCHE 996 | 82 | -43.753 |
3 | 33 | 1 | 3 | 竹内 浩典 田中 哲也 | FALKEN☆PORCSHE 996 | 81 | -1 Lap |
4 | 99 | 1 | 4 | 砂子 塾長 壷林 貴也 | CRT-PIRELLIポルシェ 996 | 81 | -1 Lap |
5 | 24 | 1 | 5 | 井上 貴志 堤 明彦 | PCJ ADVAN PORSCHE 996 | 81 | -1 Lap |
6 | 5 | N+ | 1 | 道上 龍 服部 尚貴 | 5ZIGEN INTEGRA DC5 | 81 | -1 Lap |
7 | 2 | 2 | 1 | 吉田 寿博 清水 和夫 | FUJITSUBOインプレッサ GH-GDB | 80 | -2 Laps |
8 | 22 | 2 | 2 | 村山 智之 松田 晃司 | avex・Impreza GH-GDB | 80 | -2 Laps |
9 | 19 | 1 | 6 | 輿水 敏明 阪口 良平 | JMCダンロップGT-R・ED BNR34 | 80 | -2 Laps |
10 | 36 | N+ | 2 | 黒澤 琢弥 佐々木 孝太 | MAZIORA Kosei SXE SXE10 | 79 | -3 Laps |
11 | 56 | 2 | 3 | 松本 達哉 日部 利晃 | NUTEC ランサー エボⅧ CT9A | 79 | -3 Laps |
12 | 83 | 3 | 1 | 古橋 譲 玉木 秀幸 小林 正吾 | BP ADVAN NSX NA2 | 79 | -3 Laps |
13 | 57 | 2 | 4 | 大橋 正澄 松浦 俊之 松井 猛敏 | グラムライツ ランサーエボⅧ CT9A | 79 | -3 Laps |
14 | 3 | 2 | 5 | 村田 信博 サトウ カイチ | エンドレスアドバン座間エボ CT9A | 79 | -3 Laps |
15 | 27 | 3 | 2 | 古谷 直広 長島 正興 | FINA BMW M3 E36 | 79 | -3 Laps |
16 | 37 | N+ | 3 | 影山 正彦 井入 宏之 | SPIRIT Kosei SXE SXE10 | 78 | -4 Laps |
17 | 13 | 2 | 6 | 原田 一政 脇田 一輝 山本 和正 | KSAUTO-LANCER CP9A | 78 | -4 Laps |
18 | 54 | N+ | 4 | 山内 伸弥 浅見 武 | ADVANアンクルインテグラ DC5 | 78 | -4 Laps |
19 | 39 | 3 | 3 | 八木 宏之 植田 正幸 | DELPHI ADVAN NSX NA2 | 78 | -4 Laps |
20 | 55 | N+ | 5 | 田ヶ原 章蔵 片岡 龍也 | ARTA FOS アルテッツア SXE10 | 78 | -4 Laps |
21 | 20 | 2 | 7 | 橋澤 宏 小林 且雄 伊藤 勝一 | RSオガワADVANランサー CT9A | 77 | -5 Laps |
22 | 8 | 4 | 1 | 筒井 克彦 谷川 達也 | ACID英進館YH S2000 AP1 | 77 | -5 Laps |
23 | *69 | 4 | 2 | 梅本 淳一 長野 賢也 | J'S RACING S2000 YH AP1 | 77 | -5 Laps |
24 | 14 | 3 | 4 | 今村 大輔 山崎 学 小松 一臣 | REDLINEダイトウRX-7 FD3S | 77 | -5 Laps |
25 | *82 | 4 | 3 | 西村 元希 高橋 しげる 津川 偉章 | KTパサージュベルノ宮城FK DC5 | 77 | -5 Laps |
26 | 73 | 4 | 4 | 山本 すばる 高良 匡紀 | ロイヤルハウスA-ONE無限μ DC5 | 76 | -6 Laps |
27 | 70 | 2 | 8 | 三上 和美 藤沢 哲也 福田川 優 | リニューカーTCPROアドバン CP9A | 76 | -6 Laps |
28 | 77 | 3 | 5 | 吉岡 一博 池田 克久 | TRUST ADVAN RX7 FD3S | 76 | -6 Laps |
29 | 21 | 4 | 5 | 三船 剛 和田 久 袖山 誠一 | クムホ・エクスタ・S2000 AP1 | 75 | -7 Laps |
30 | 6 | 2 | 9 | 冨桝 朋広 関 豊 | ファルケン☆ランサーEVOⅧ CT9A | 75 | -7 Laps |
31 | 18 | 4 | 6 | 浅野 武夫 笠原 智行 | FK/マッシモADVAN DC5 DC5 | 74 | -8 Laps |
32 | 58 | 4 | 7 | 佐藤 衛 富沢 勝 斎藤 多聞 | モンド スピードDL 2000 AP1 | 74 | -8 Laps |
33 | 23 | 3 | 6 | 尾本 直史 星野 一樹 | C-WEST アドバン Z33 UA-Z33 | 73 | -9 Laps |
34 | *60 | 4 | 8 | 小幡 弘 成澤 隆二 枡田 雄幸 | RCB・DL・インテグラ DC5 | 73 | -9 Laps |
35 | 98 | 4 | 9 | 田嶋 栄一 海老澤 紳一 千田 隆平 | Mooncraft S2000 AP1 | 73 | -9 Laps |
36 | 66 | 4 | 10 | 福田 よしのぶ たになか むねあき | EXEDY シグナルオート DC5 DC5 | 72 | -10 Laps |
37 | 10 | 4 | 11 | 菊地 靖 渡辺 明 | RED LINEベルノ東海DL DC5 | 69 | -13 Laps |
38 | *12 | 2 | 10 | 田中 壮一郎 筒井 紀美子 寺下 昌宏 | クイーンスクエア.ネットエボⅧ CT9A | 69 | -13 Laps |
39 | *280 | 3 | 7 | 大城 一 前嶋 秀司 川越 賢二 | PIRELLI花博I&Plus NA2 | 68 | -14 Laps |
40 | 29 | 4 | 12 | 谷口 美穂 谷口 いずみ | オベロン読売江東理工専DC5 DC5 | 67 | -15 Laps |
41 | 17 | N+ | 6 | 田中 篤 テツ・清水 山本 信 | キーパー★ingsカワサキDL DC5 | 63 | -19 Laps |
42 | 34 | 4 | 13 | 川口 正敬 岡 滋人 浅野 哲夫 | タイヤガーデンBP-DC5 DC5 | 59 | -23 Laps |
------- < 以上 認定順位 > -------- | |||||||
- | 96 | N+ | 7 | 藤田 孝博 山口 明 大村 亜津子 | ネッツ大分アドバンアルテッツア SXE10 | 71 | -11 Laps |
- | *11 | 2 | 11 | 中谷 明彦 木下 隆之 | ジアラランサー CT9A | 44 | -38 Laps |
- | 15 | 3 | 8 | 長島 正明 山田 英二 入口 秀輝 | ORCアドバンRX-7 FD3S | 15 | -67 Laps |
- | *109 | 1 | 7 | 飯田 章 西澤 和之 落合 俊之 | ランドリーOGBアドバンGT3 996 | 9 | -73 Laps |
- Fastest Lap: No.1 エンドレスアドバンGT-R 2'27.470 18/82 141.76km/h
- 規定周回数 C1: 57Laps / C2: 56Laps / C3: 55Laps / C4: 53Laps / N+: 56Laps
- ペナルティ No.11 スーパー耐久シリーズ規則第10条(10)違反(反則スタート)により、ペナルティストップ10秒を課した。
- ペナルティ No.109 スーパー耐久シリーズ規則第11条(9)違反(ピット作業違反)により、ペナルティストップ10秒を課した。(リタイアのため未消化)
- ペナルティ No.12 スーパー耐久シリーズ規則第11条(12)違反(給油中のエンジン未停止)により、ペナルティストップ10秒を課した。
- ペナルティ No.82 スーパー耐久シリーズ規則第11条(12)違反(給油中のエンジン始動)により、ペナルティストップ10秒を課した。
- ペナルティ No.280 スーパー耐久シリーズ規則第11条(11)違反(給油中のジャッキ作動)によりペナルティストップ10秒を課した。
- ペナルティ No.60 スーパー耐久鈴鹿300マイル特別規則書第46条~2)違反(ピットレーン通過速度)により、ドライビングスルーペナルティを課した。
- ペナルティ No.69 スーパー耐久シリーズ規則第11条(9)違反(ピット作業違反)により、ペナルティストップ10秒を課した。