Forumula Beat

第2戦富士決勝 卜部和久が2位以下を寄せ付けない完勝で優勝

優勝は卜部和久(H・R F108)

 2024年Forumula Beat(F-Be)地方選手権第2戦の決勝は4月13日(土)に富士スピードウェイで開催され、13周のレースはスタート直後のアクシデントでセーフティカー(SC)ランとなるが、4周目のリスタートからポールシッターの卜部和久(H・R・F108)が毎ラップリードを拡大する完璧なレース運びで優勝を飾った。

 F-Be決勝は午前10時40分コースイン開始。朝から穏やかに晴れた富士スピードウェイは気温18度。気温はこれから上がる予報だが、現時点ではほどほどの温度で絶好のレース日和だ。16台のマシンがグリッドにつくとレッドライトが消灯してレーススタート。

決勝のスタートシーン

 ポールシッターの卜部、2番手徳升広平(BLUE☆MAX-AAA-RK)はスムーズに発進する一方で3番手の酒井翔太(ファーストガレージFG108)は加速が弱くセカンドロウに並んだチームメイト椎橋祐介(ファーストガレージ)の先行を許してしまう。

 さらにその後方では混乱が発生。5番手スタートのKAMIKAZE(FIRSTGARAGE&04W)はピクリとも動かずグリッドに釘付けに。後続車両は右に左にこれを回避するが、13番手スタートの富澤もぐら(松伏光運転代行ハンマーR疾風)がKAMIKAZEに接触してコース脇にストップしてしまう。これでただちにSCランが宣言される。

 KAMIKAZEによるとスタートでエンジンストール、再度発進しようとしたがここでもストールしてしまったとのこと。「SYNARGY RD04W」の低速トルクが不足気味なのかスタンディングスタートが難しく、特にレーススタートとなるとドライバーも操作がラフになる部分があり、それでスタートできなかったという。マシンの特性としてはジェントルマンクラスのドライバーでも操作しやすくピーキーな部分がないので、今後さらに熟成させる中で改善したいそうだ。

 この混乱の中スタートがよかったのが7番手のISHIKEN(HMRハンマーR☆ハヤテ)で、動かないKAMIKAZEをかわすと第1コーナー立ち上がりで植田正幸(Rnsports制動屋KKZS)もオーバーテイク。5位にポジションを上げている。

 SCラン開始時点での順位はトップ卜部、2位徳升に続いて3位椎橋~4位酒井~5位ISHIKENと続き、6位ジェントルマンクラスのトップ植田、7位同クラス2位のみきてぃ(LP・Shop kts24)という順。みきてぃもスタートの混乱に乗じて10番グリッドからポジションを上げている。

 SCランは3周目まで続き、4周目からリスタート。ここでも卜部はしっかりペースをコントロールし、最終コーナーから一気に加速。徳升に3車身程度の差をつけてコントロールラインを通過、レースを再開する。後方ではISHIKENが酒井に仕掛けて、アウトからTGRコーナーにアプローチするがここは酒井がポジションを守る。

 卜部はそのまま徳升をじわじわと引き離し、1.545秒の差をつけて4周目を終了。3位椎橋に対してISHIKENを抑えた酒井が接近。アドバンコーナー進入でぐっと車間を詰めると0.451秒差まで接近して5周目に入ると第2セクターでテール・ツー・ノーズ状態に持ち込み、最終コーナー出口で椎橋をオーバーテイク。3位のポジションを奪い返す。

 6周目、卜部は1分43秒514とここまでのファステストラップをマーク。徳升との差を2.551秒までひろげる。3位酒井は椎橋をしりぞけた後は1.474秒までギャップをひろげるが、徳升とは4.9秒の差。ISHIKENは5位をキープするが6位、ジェントルマンクラスのトップ植田がISHIKENより速いラップタイムで間合いを0.725秒に詰めている。

 植田は続く7周目にISHIKENをオーバーテイク、5位にポジションを上げる。加えてISHIKENにはスタート手順違反があり、決勝タイムに10秒加算が宣言される。

 8周目、卜部はファステストラップを再度更新、1分43秒177をマークし徳升との差を4.657秒まで拡大。3位酒井~4位椎橋~5位植田~6位ISHIKENの間隔もじわじわとひろがっている。ジェントルマンクラス2位は総合7位を走る松井俊二(ファーストガレージFG108)で同3位は総合8位の渡邊義人(エクシズレーシングWXR-MkII)。

 レースはこのまま膠着状態になり、卜部は毎ラップ徳升との差を1秒ずつひろげ、10周目6.3秒、11周目7.2秒、12周目8.5秒と完全な独走状態。3位以下も動きがない中で緊張が高まったのがジェントルマンクラスの入賞争いで、クラス6位を走っていた田中論(ミスト制動屋)にSCラン中の追い越しによるドライビングスルーのペナルティが宣言され、これにより9周目時点で7位の村瀬和也(ミスト関口:制動屋:勝男武士)と8位の鈴木尊文(ウルトラ☆ハンマー疾風)が0.814秒の間合いで6位入賞を争うこととなる。両者は10周目1.210秒、11周目0.156秒、12周目1.070秒とつかず離れずのままでファイナルラップに突入する。

 卜部はそのまま徳升を突き放し続けて9.23秒までギャップをひろげてフィニッシュ。ポール・ツー・ウインの完勝を飾り、FIA-F4トヨタ育成ドライバーの実力を見せつけた。徳升は最後まで自己ベストを更新し続けて卜部を追ったが一度もチャンスを得ることなく2位でフィニッシュ。3位酒井は椎橋を逆転した後はつけ入る隙を見せず3秒差で開幕戦優勝に続いて連続の表彰台を獲得した。F-Beデビュー戦の椎橋が4位。

 5位にはジェントルマンクラス優勝の植田、6位ISHIKENは10秒のタイムペナルティが加算されたがそれでもポジションを守った。ジェントルマンクラスの2位は総合7位の松井、クラス3位は総合8位の渡邊という結果になった。ドライビングスルーペナルティ未消化の田中は失格となり、ファイナルラップまで入賞を争ったジェントルマンクラスの6位は村瀬が0.649秒の差で守り切った。

 F-Be第3戦決勝は4月28日にモビリティリゾートもてぎで開催される。

決勝2位は徳升広平(BLUE☆MAX-AAA-RK)

決勝3位は酒井翔太(ファーストガレージFG108)

決勝4位は椎橋祐介(ファーストガレージ)

決勝5位、ジェントルマンクラス優勝は植田正幸(Rn-sports制動屋KK-ZS)

表彰式

ジェントルマンクラスの表彰式

Text: Junichi SEKINE
Photo: Kazuhiro NOINE
Mizue NOINE


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