全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第1戦の決勝が、オートポリスで行われ、ポールポジションスタートの木村偉織(HFDP WITH B-MAX RACING)が、完璧な形で逃げ切って今季1勝目を飾った。木村の優勝は、昨年の第15戦モビリティリゾートもてぎ以来、通算4勝目。
午後4時というスタートながら、日差しが照りつけるなか、今シーズンの幕を開けるレースがスタート。
スタートで概ね順位が確定してしまうだけに、各ドライバーは神経を集中させシグナルを見つめる。
ポールポジションの木村は抜群のスタートを決めるが、一方でフロントローに並んだイゴール・オオムラ・フラガ(FANATEC-GRAN TURISMO with B-MAX)はエンジンストールでほぼ最後尾まで順位を落としてしまう。
1周目のオーダーは、木村-平良響(モビリティ中京 TOM'S 320)-古谷悠河(Deloitte. HTP TOM'S 320)-デビッド・ビダーレス(B-MAX RACING 320)-小出峻(HFDP WITH TODA RACING)。ビダーレスはスタートで小出をかわしてポジションを1つ上げている。
木村は、早くも2周で2位平良との差を2秒にまで広げると、あとはタイヤを労るようにペースをコントロールするしたたかさを見せる。
順位の変動こそないものの、レース中盤あたりから、3位古谷が2位平良に少しずつ迫り、4位ビダーレスも一時は5秒まで開いた古谷との差を3秒まで詰める。
しかし、順位が変わるまでには至らず、結局、木村が最後にはまた差を少し広げて21周を走りきり、今季1勝目のチェッカーを受け、平良、古谷とともに、昨年に続く参戦組が表彰台を占めた。
ルーキーのトップは、手堅いレース運びを見せた4位のビダーレス。幼い頃からカートで実績を積み重ねてきた21歳は、日本国内でのステップアップを狙っている。
木村はこの優勝で明日行われる第3戦のポールポジションも手に入れた。今日の速さを見ると、3戦ポール・トゥ・ウィンも現実味を帯びてきた。
マスタークラスは、スタートではクラスポールの今田信宏(JMS RACING with B-MAX)がリードするものの、2周目に追い上げてきたフラガと接触。これによりDRAGON(TEAM DRAGON B-MAX 320)が逆転。一時は4秒近くまで差を広げたが、折返しから一気に今田がペースアップ。13周目に再逆転して、そのまま逃げ切った。
第2,3戦は明日の午前8時、午後0時25分から、ともに14周で決勝が行われる。
Text: Shigeru KITAMICHIPhoto: Katsuhiko KOBAYSSHI