筑波・富士S-FJ選手権

第3戦筑波決勝 小村明生がポール・ツー・ウインで3連勝

優勝は小村明生(ファーストガレージAKASO TKR)

 2023年JAF筑波/富士スーパーFJ選手権シリーズ地方選手権第3戦決勝が5月28日(日)に筑波サーキットで開催され、ポールポジションからスタートの小村明生(ファーストガレージAKASO TKR)がホールショットを奪うと一気に2位以下を引き離して17周を走り切り完勝。開幕3連勝を飾った。

 18周で行われる決勝のコースインは定刻から10分遅れて午後3時5分。朝9時の予選の時点では24度だった気温は26.5度と大差がないが、路面温度は36度から上昇して47.5度、本日最高の温度となっている。しかしながらコースには涼しい風が吹き抜けており、雲も増えていてことからレースの間に一気に冷えそうである。タイヤの内圧の合わせ込みに各車悩んでいる様で、スタート間際まで内圧を調整する姿が見られた。

 12台のマシンがフォーメーションラップを開始。しかしポールシッターの小村がグリッドに戻ってくる頃に11番手スタートの塚本成人(NRSエンドレスKK-S)がバックストレートの終わりでストップ、動かなくなってしまう。このためスタート進行は中断となる。チームによるとドライブシャフトが折れてしまったそうで、塚本は2年ぶりに参戦のレースをスタートすることなくリタイヤとなってしまった。

 レースは午後3時23分にフォーメーションラップ開始3分前からやり直しとなり、周回数も1周減算、17周で戦われることになった。

 2度目のフォーメーションラップは問題なく、塚本を除く11台がグリッドにつくとレッドライト消灯、レースがスタートした。

スタートシーン

 全車クリーンスタートを切り、ポールスタートの小村がスムーズに発進してホールショットを奪うと第1コーナーをトップでターンイン。これに対してフロントロウから出た武者の加速がやや鈍く3番手スタートの中澤凌(ZAP FOCS 10VED)が第1コーナーのインを狙う素振りを見せるが、ここは武者が抑えて2位を守る。後方では5番手スタートの角間光起(ELIVレーシング10VED)の蹴り出しが弱くストレートエンドまでに6番手スタートの内藤大輝(RaiseUP RCIT ED)に前に出られてしまい、さらに7番手スタートの安田航(ファーストガレージ&Sウインズ)も第1コーナー進入でアウトから角間に襲いかかる。

 勢いに乗る内藤は第1コーナーで4番手スタートの小田部憲幸(いえらいふZAP 10VED)のイン側からノーズをねじ込むが小田部はアウト側で踏ん張り、第2コーナーからS字にかけて並走すると第1ヘアピンでインを奪いポジションを守る。安田を振り切った角間も続いて内藤のインを突いて立ち上がるとダンロップコーナーでオーバーテイク、順位を取り戻す。

 1周目を終えてトップ小村は早くも2位武者に1.326秒のギャップを築く。2位以下は混戦で、3位中澤が武者と0.341秒差、さらに4位小田部が0.431秒差、5位角間0.228秒差、6位内藤0.189秒差と2~6位が密集している状態だ。後方では今回がフォーミュラカーでの初レースの木下祐希(ELEVレーシング制動屋HRF)が9番手スタートから順位を上げて8位にポジションアップしている。

 2周目は武者が0.1秒挽回して1.227秒差とする。しかしここから小村は3周目59秒315、4周目58秒905、とファステストラップを連発し続けて5周目には1.746秒差、さらに7周目には2.122秒差として独走態勢に持ち込む。武者も自己ベストで対抗していてこの2台のペースが速く、3位中澤はそこから2秒以上の差をつけられる。

 中盤はこの3位中澤以下のグループが一触即発な状況になり、7周目終了時点で3位中澤~4位小田部~5位角間の間隔がそれぞれ0.657秒、0.412秒と接近戦に。そして8周目終わりのメインストレートで角間が小田部に並びかけるとコントロールライン上で同タイム。9周目の第1コーナー進入でのブレーキング勝負となるが、角間は無理をせず小田部がポジションを守る。このバトルで3位中澤がいったんは逃げ、逆に6位内藤が前とのギャップを詰めて今度は小田部~角間~内藤という三つ巴に。3者は0.8秒以内のワンパックになりつつ3位中澤との間合いを削り始め、11周目に0.672秒あった差が14周目0.305秒とみるみるなくなっていき、4台による3位争いに突入する。

決勝2位は武者利仁(ZAP RA corsa ED)

 3位以下のバトルをよそに小村は着々と差をひろげ。10周目から13周目まで毎周ファステストラップを更新し続ける圧巻の走りで武者に3.813秒の差をつけると、そこからは僅かにペースを緩めレースをコントロール。17周のレースを誰にも脅かされることなくフィニッシュラインを通過、完勝でシリーズ3連勝を飾った。武者は3戦連続表彰台を獲得したが、小村に対して一度も仕掛けるチャンスの無い悔しいレースとなった。

決勝3位は中澤凌(ZAP FOCS 10V ED)

決勝4位は小田部憲幸(いえらいふZAP 10V ED)

決勝5位は角間光起(ELEVレーシング10V ED)

決勝6位は内藤大輝(RaiseUP RCIT ED)

 3位グループの接近戦は終盤まで続いたがいずれも決定的なチャンスは訪れず、中澤が3位の座を守り切った。以下4位小田部、5位角間、6位内藤選手でフィニッシュ。ルーキー木下は8位で無事にゴールした。

マスタークラス優勝は秋山健也(スーパーウィンズKKS・ED)

 塚本のリタイヤにより2台での争いとなったマスターズクラスでは、秋山健也(スーパーウィンズKKS・ED)がこちらも終始クラストップの座を守り、クラス2位本間隆史(MATレーシングPJ10V)に5秒以上の差をつけて全体9位でフィニッシュした。

表彰式

 これで小村は開幕3連勝、次戦富士ラウンドには欠場との事で、小村の居ぬ間に勝つのは誰か? 梅雨時の富士スピードウェイには波乱の予感が漂う。

Text: Junichi SEKINE
Photo: Asako SHIMA


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