SUPER FORMULA

第8戦鈴鹿JRPサタデーミーティング 近藤真彦会長「大湯のようなキャラクターは大切」

 全日本スーパーフォーミュラ選手権をプロモートする日本レースプロモーション(JRP)は10月28日、JAF鈴鹿グランプリの開催されている三重県の鈴鹿サーキットで恒例のサタデーミーティングを行った。今回は近藤真彦会長と上野禎久社長が出席、今大会で急遽ドライバー変更を行うことになったTGM Grand Prixについての見解や、今後の振興策について述べた。

 レースウィーク直前になって大湯都史樹の不参加と、大草りきの起用を立て続けに発表したTGMだが、この大草りきのエントリーについて近藤会長は「たまたま彼は速かったから、それで済んだけど、今後GT300のドライバーが乗って間違いが起きる可能性もゼロじゃない。JRPとしてもチームと相談して慎重に進めなければいけない。万が一箸にも棒にもかからないドライバーが出て来た時には考えないといけないが、大草選手は金曜の専有走行を見る限りは問題がなかった」との見解を述べた。

 続いて上野社長は今回の大草選手の参戦がライセンスの要件、予選基準タイムなど、JAFの定める全日本選手権の諸条件を全て満たした上でのものであることを明言、「彼はGT300で活躍しているだけでなくF3やフォーミュラリージョナルでも実績を残しているし、ポテンシャルが高いことはわかっていた。公式予選は惜しくもQ1で脱落となったが、セクター2で全体ベストを叩き出した時は溜飲が下がる思いだった」と述べたが、出走を取りやめた大湯については「いろんな事情があっただろうが、彼の走りを見たいと思っていたファンは沢山いるので、そういう意味では残念だ」とのこと。

 近藤会長も「チームとドライバーがギクシャクしているということはSUGO大会の時点で耳にしており、チーム代表の池田氏にも『シーズン途中でお手上げになりました』とならないよう話はしていた。今回のことはおそらく経済的な事情が大きかったのだろうと思うが、チームは最後まで参戦することができた。来年以降のビジョンもあり、実現するかどうかは今後次第であるものの、継続参戦の意向を確認している」という。

 また大湯選手については「日頃からドライバーの個性を大切にしたいと考えているので、彼のようなキャラクターは大切だと思う。大湯選手や小高のような存在がいて、真面目な選手がいて、いろんな選手がいていいと思う。チームには速さを求めるのはもちろんだが、個性を殺さないでほしいとお願いしている。トヨタやホンダの方々もそこは理解してくれている」と、ドライバーの個性、という側面もシリーズをアピールしていく大切な要素と捉えていることを明らかにした。

 また今年から本格的に導入されたSFgoを通じてレース中の無線が公開されていることに触れ、「レースについての情報のやり取りだけでなく、ファンへのメッセージをレース後に伝えても良いんじゃないか」とのアイディアを披露。ドライバーに対しても今以上にファンサービスに力を入れるよう要望を出しており、チームや選手からは好意的な反応を得ているという。

 このほか、ITOCHU ENEX TEAM IMPULの星野一義総監督からも「来年からグリッドボードにカーナンバーだけでなくドライバーの顔写真を入れたらどうか」という提案が出ていることを紹介した。

 こうした取り組みの成果からか、今季の観客動員数は軒並み前年を上回っており、この鈴鹿大会における前売り券の売上も前年比146%を記録しているという。

 また、予算などの制約ですぐには実現できないものの、長期的な方向として今後はレース数や参加台数を増やしていきたいとしており、真夏のレース開催についても決勝スタート時間を午前中に繰り上げ、ゴール後はプロモーションに時間を割くなどのアイディアが出ていることも紹介した。

 競技としての側面だけでなくプロモーションやファンサービスの面でも一層の変化を求めて動き出したスーパーフォーミュラとJRPの動向に、今後も注目していきたい。

Text: Kazuhisa SUEHIRO


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