鈴鹿サーキット モータースポーツファン感謝デーの名物企画、「新・永遠のライバル対決」は二日目を迎え、3位決定戦と決勝戦をそれぞれ3周でおこなった。今回使用されるのはシビックType Rだ。
まずは昨日のレース結果を踏まえ、敗れた道上龍と高木虎之介による「3位決定戦(脇阪寿一に言わせると『前座レース』)」が3周で行われた。JTCCやWTCCで活躍し、FF車での戦いを知り尽くした道上に対し、不安を隠せない高木。しかもそのクルマはホンダ車とまさにアウェイ状態だ。
その大きすぎるハンディキャップを立証するかの如く、スタートで先行したのは道上。その後ろで高木はあろうことか1コーナー立ち上がりで痛恨のスピンを喫してしまう。
「FF無理だよ!」と叫びながらコースに復帰する高木だったが、懸命の追い上げで道上のテールに食らいつき、2周目の1コーナーで果敢にインを窺う。
ここでは順位を守った道上だったが、高木は逆バンクで並びかけ、東ショートカットでインをついてトップに立った。
これに対し道上はファイナルラップの1コーナーで大外から高木を交わして再びトップに立つと、そのままチェッカーに飛び込んだ。
悔しさのあまり、コース外の芝生をタイヤにつけて帰ってきた高木。次のレースで同じクルマを使用する本山哲はコース上でタイヤを擦って芝生を落とし、ちゃっかりタイヤに熱を入れてグリッドに戻ってきた。
これには対戦相手の脇阪も納得しない様子だ。
遺恨を孕んだまま決勝戦はスタート。ここで脇阪はバックギヤにいれるボケをかまし、昨日に続いてスタートやり直しを目論むが、本山は素知らぬ顔でレースを続行した。
無慈悲な本山に忿懣やるかたない脇阪は2周目の1コーナーでインに鼻をねじ込む。一歩も引かない本山。2台は並走のままファイナルラップへ。1コーナーで先行した脇阪は笑いが止まらない状態でそのまま本山を従えたまま最終コーナーを立ち上がり、トップでチェッカーを受けた。
人差し指を立ててアピールしながらウィニングランを走ってきた脇阪は、高木に対しチャンピオンベルトを巻くように要求。
かくして「新・永遠のライバル対決」は脇阪のベルト防衛で幕を閉じた。
来年のファン感謝デーではいかなる戦いが待っているのか。そこには誰が加わるのか。高木の再参戦は実現するのか。そもそも「新・永遠のライバル対決」は行われるのか。今は何もわからないが、今から来年が待ち遠しくてならない。
Text: Kazuhisa SUEHIROPhoto: Motorsports Forum