SUPER GT

第8戦もてぎ公式予選 牧野任祐渾身の1周! No. 100 STANLEY NSX-GTが今季初のPP獲得

GT500クラスポールポジションはSTANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐)

GT300クラスポールポジションはARTA NSX GT3(武藤英紀/木村偉織)

 2022オートバックス スーパーGT第8戦「もてぎGT300kmレース グランドファイナル」の公式予選が11月5日、栃木県茂木町のモビリティリゾートもてぎで行われ、GT500クラスはNo. 100 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐)が、GT300クラスはNo. 55 ARTA NSX GT3(武藤英紀/木村偉織)が、いずれも従来のコースレコードを上回るタイムを叩き出してポールポジションを獲得した。

 公式予選は午後2時20分よりノックアウト方式で行われた。天候は晴れ。路面はドライだ。

予選Q1 No. 100 STANLEY NSX-GTがトップ通過

 GT500クラスの予選Q1は午後2時53分に走行開始。まずは千代勝正(CRAFTSPORTS MOTUL Z)がアウトラップに続いてウォームアップラップ1周で1分36秒129を記録。ミシュランタイヤのウォームアップ性能の良さを窺わせる。

 これをウォームアップ2周でアタックに入ったのヨコヤマタイヤの佐々木大樹(リアライズコーポレーションADVAN Z)と山本尚貴(STANLEY NSX-GT)が相次いで上回り、佐々木が1分35秒762で2番手、山本が1分35秒615でトップに立つ。山本のタイムは従来のコースレコードである1分35秒550(野尻智紀/ARTA NSX-GT、2018年第8戦Q2)に迫るものだ。

 佐々木はさらに次の周でもアタックを行い、1分35秒736までタイムを縮めてきた。続いて同じヨコヤマタイヤを履く国本雄資(WedsSport ADVAN GR Supra)がウォームアップ3周で1分35秒924を記録して3番手につける。チェッカー直前にはウォームアップ4周の大湯都史樹(Red Bull MOTUL MUGEN NSX GT)が1分35秒951で4番手に飛び込んできた。

 以下、大津弘樹(Modulo NSX-GT)、野尻智紀(ARTA NSX-GT)、千代勝正(CRAFTSPORTS MOTUL Z)そして平峰一貴(カルソニックIMPUL Z)の8台がQ2に進出した。

 一方、タイトル争いの可能性を残す松下信治(Astemo NSX-GT)、山下
山下、宮田莉朋(KeePer TOM'S GR Supra)がここでノックアウトされてしまった。これによりポール・トゥ・ウィンが必須条件だった大嶋/山下組のチャンピオンの可能性は完全に消滅した。

 GT300クラスA組の公式予選は午後2時20分走行開始。まずは富田竜一郎(TANAX GAINER GT-R)がアウトラップ、ウォームアップラップに続いて3周目に1分45秒939をマーク。続いて元嶋佑弥(Weibo Primezランボルギーニ GT3)がウォームアップ2周に続いて4周目に1分46秒237。藤波清斗(リアライズ 日産メカニックチャレンジGT-R)も4周目に1分45秒985。武藤英紀(ARTA NSX GT3)は5周目に1分46秒039を記録した。

 この結果、トップは富田。2番手に藤波そして武藤が3番手という結果に。

 また谷口信輝(グッドスマイル初音ミクAMG)も1分46秒504を記録して8番手でQ2進出を果たした。

 一方、安田裕信(GAINER TANAX GT-R)は1分46秒805で10番手。GT300クラスのコースレコードホルダーであり、今回No. 360 RUNUP RIVAUX GT-Rからスポット参戦を果たした名取鉄平は1分46秒646で惜しくも9番手で予選を終えている。

今季初参戦の名取鉄平(RUNUP RIVAUX GT-R)はQ1で敗退

 B組の公式予選は午後2時38分に走行を開始。まずは井口卓人(SUBARU BRZ R&D SPORT)がウォームアップ2周で1分45秒863をマークしてトップに立ち、ケイ・コッツォリーノ(PACIFIC hololive NAC Ferrari)が1分45秒886で2番手につける。

 これに対し、セッション終盤にウォームアップ3周でアタックに入った小林崇志(UPGARAGE NSX GT3)が1分45秒351を叩き出し、見事トップでQ2進出を果たす。同じくウォームアップ3周でアタックし1分45秒674を出した篠原拓朗(LEON PYRAMID AMG)が2番手につけ、井口は3番手でQ2に進むことになった。

 高木真一(K-tunes RC F GT3)も終了間際に1分45秒995を叩き出して5番手。最後に冨林勇佑(マッハ車検エアバスターMC86マッハ号)が1分46秒115で6番手に滑り込んだ所で走行は終了したが、この冨林のアタックにおいて走路外走行があったとしてタイムが抹消されてしまう。

 それでも冨林は4周目に1分46秒719をマークしており、8番手に踏みとどまってQ2進出をものにした。

予選Q2  コースレコード更新でNo. 100 STANLEY NSX-GTがPPを獲得

 GT500クラスの予選Q2は午後3時44分に走行開始。日が傾き、路面温度は18℃という難しいコンディションでの走行となった。

 まずは今季4度のPP獲得を誇る阪口晴南(WedsSport ADVAN GR Supra)が1分35秒306を記録、続いて高星明誠(CRAFTSPORTS MOTUL Z)が1分35秒916を叩き出す。

 続々とコースに出ていくライバルたちを尻目に残り6分30秒でようやく動き出した高星。千代に続いてミシュランのウォームアップ性能に自信があるのか。

 公式練習の終了間際にトップタイムを叩き出したベルトラン・バゲット(カルソニックIMPUL Z)は、区間ベストを叩き出しつつもタイムは1分35秒752と阪口にあと一歩及ばない。

 しかし最後にアタックに入った牧野任祐(STANLEY NSX-GT)はセクター1で23秒925というダントツのタイムを記録すると、セクター2、セクター3でも自己ベストを更新、最後のセクター4も全体ベストで締めくくり、1分35秒194を叩き出し、野尻の持つコースレコードを更新してみせた。

 これによりNo. 100 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐)は今季初のポールポジションを獲得。逆転チャンピオン獲得に向けて貴重な1ポイントを手にした。

 予選2番手はNo. 19 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/阪口晴南)が入り、ドライバーズランキング2位のNo. 12 カルソニックIMPUL Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット)が3番手。

 ポイントリーダーのNo. 3 CRAFTSPORTS MOTUL Z(千代勝正/高星明誠)は4番手から明日の決勝を戦うことになった。

GT500クラス予選2位はWedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/阪口晴南)

GT500クラス予選3位はカルソニックIMPUL Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット)

 GT300クラスの予選Q2はウォームアップ1周でアタックに入った山内英輝(SUBARU BRZ R&D SPORT)が最終コーナー立ち上がりで縁石に乗り上げ、まさかのスピン。ピットウォールにリヤから激しくぶつかってそのままストップしてしまった。これによりセッションは残り4分で赤旗中断となってしまう。クルマを降り、がっくりと項垂れる山内。

山内英輝(SUBARU BRZ R&D SPORT)はアタックラップでクラッシュ

 大破した61号車を回収した後、予選Q2は午後3時31分より残り時間5分で再開となった。一斉にコースに飛び出していく15名のドライバー。もうタイヤにじっくり熱を入れている時間はない。

 まずは木村偉織(ARTA NSX GT3)がウォームアップ1周で1分45秒904をマーク。これを太田格之進(UPGARAGE NSX GT3)が1分45秒121で上回ってトップに立つ。アウグスト・ファルフス(Studie BMW M4)は1分45秒938で3番手だ。

 しかし木村は2周連続でアタックに入っており、次の周で1分44秒798までタイムを上げて再びトップに躍り出た。一方、太田はそのままピットへ。最後に片岡龍也(グッドスマイル初音ミクAMG)が1分45秒170を記録したところでチェッカー。

 この結果、GT300クラスはNo. 55 ARTA NSX GT3(武藤英紀/木村偉織)がポールポジションを獲得。No. 18 UPGARAGE NSX GT3(小林崇志/太田格之進)が2番手につけ、No. 4 グッドスマイル初音ミクAMG(谷口信輝/片岡龍也)が3番手という結果になった。

GT300クラス予選2位はUPGARAGE NSX GT3(小林崇志/太田格之進)

GT300クラス予選3位はグッドスマイル初音ミクAMG(谷口信輝/片岡龍也)

 一方、ポイントリーダーのオリベイラは公式練習でコースレコードを上回るこうタイムを記録していたが、このQ2でのタイムは1分45秒985にとどまり、No. 56 リアライズ 日産メカニックチャレンジGT-R(藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)はまさかの7番手で予選を終えている。

 最後に栄冠を手にするのは果たしてどのチームなのか。第8戦決勝は6日の午後1時より63周で行われる。

Text: Kazuhisa SUEHIRO
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI


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