今季#55ARTA NSX GT3でスーパーGTにデビューする佐藤蓮は、2018年にFIA-F4選手権にデビュー。2019年には圧倒的な速さを見せつけて第11戦SUGOで早々とタイトルを獲得してみせた。2020年にはフランスでFIA-F4に参戦し、岩佐歩夢に次ぐランキング2位という成績を残している。
そんな彼だが、今季は国内レースに復帰してGT300クラスと全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権の二つのシリーズを戦うことになった。
来月のデビュー戦を控え、佐藤選手に今季の意気込みを聞いた。
- 佐藤蓮(ARTA)
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ーまずは昨年のフランス武者修行時代の話と、今回の参戦に至った経緯を聞かせてくださいー
フランスではヨーロッパという環境を経験することができました。向こうのドライバーとレースのやり方の違いを感じ、多くの勉強ができていい経験になりました。今年はホンダさんと(鈴木)亜久里さんからチャンスをいただき、ドライバー育成の一環としてARTAさんでGT300に乗ることになりました。いただいたチャンスをしっかり掴んで、結果につなげていきたいと思います。
ーコロナ禍での海外レース活動は大変でしたかー
そうですね。ロックダウンによって一時帰国せざるを得なかったり、レースカレンダーが変則的になったりしたので、大変でしたが、精神的には鍛えられてタフになったかなと思います。
ー初めてNSXに乗ったのはー
先週富士でプライベートテストを行ったのが初走行で、今回のテストが2回目です。今まで乗ってきたフォーミュラカーとは車重も違いますし、ABSを使うのも初めてです。今回のテストも二日目に入ってきてからだいぶマシンのこともわかってきて、安定して乗りこなせてるかなという感じになってきました。この調子でいけば開幕からいい結果を出すことができそうな気がしています。ただ500クラスとの混走ということで、常に後ろを気にかけていなければいけないという点は、今まで経験してこなかったことですね。レースでいかにロスをせずに相手を行かせるか、という点については技術が必要になってきますから、もう少し伸ばしていきたいなと思います。
ーペアを組む高木慎一選手からはどのようなアドバイスをもらっていますかー
ベテランの方なので、多くのことを教えていただいています。後ろとのタイミングを見てどういう場所でGT500を前に出すか、どの場所では自分のポジションを守るかなど、臨機応変の駆け引きをしなさいと教わっています。このチームには亜久里さんを含めてホンダドライバーの先輩方が沢山いらっしゃるので、高木さん以外の方からも多くのことを学ばせていただいています。
ー今季の目標と、デビュー戦への抱負をー
目標はもちろんチャンピオンの獲得です。開幕から優勝を狙っていきたいですが、その前にミスを減らして絶対にポイントを取りこぼさないように、全戦を通じて安定してポイントを獲得できるよう、チーム全体で努力していきたいです。テストの段階でもかなりいいフィーリングを得られているので、開幕戦からいい結果を得られるのではないかなと思っています。
ー今季はスーパーフォーミュラ・ライツにも参戦すると聞いているがー
GT300とSFLは全く規格の違う車両ですが、ハコはハコ、フォーミュラはフォーミュラと自分の中でしっかりイメージの切り替えができていれば問題なく両方乗りこなせると思います。来季以降のGT500、そしてスーパーフォーミュラへのステップアップのためにも、とにかく今できることをしっかりやって、結果につなげていきたいと思います。
Photo: Katsuhiko KOBAYASHI