2016年オートバックス全日本カート選手権 KF部門
Team Birel ART No.11 名取鉄平 インタビュー
いよいよ2016年オートバックス全日本カート選手権の開幕が明日に迫った。
レーシングカートといえば、費用面や環境面において実際にプレイするには敷居が高いと言われるモータースポーツにおいて、多くのレースファン、モータースポーツファンが趣味の一環として楽しむことができる、もっとも間口が広く、裾野を担うカテゴリーであると同時に、プロのレーシングドライバーを目指す青少年達が最初にドライブするレーシングマシンでもある。
そんなレーシングカートにおいて、国内で開催されるカートレースの最高峰に位置するのが全日本カート選手権 KF部門だ。KF部門は、フレーム(車体)、エンジン、タイヤと各々のメーカーがブランドの威信を掛けて戦うプロフェッショナルクラスで、タイヤメーカー3社(BS・DL・YH)が参入し開発競争を繰り広げており、これは世界的に見ても日本だけの特徴だ。
そんな国内カートレース最高峰カテゴリーに、将来の夢はF1ドライバーと言う、この春高校1年生になる1人のドライバーが今年から挑戦する。レーシングカートの魅力、夢を叶える為の努力、今年に懸ける意気込みなどについて話を聞いてみた。
プロフィール
- Team BirelART(チームビレルアート)
- No.11 名取 鉄平(なとりてっぺい)
- 2000年9月11日生まれ 15歳
レース戦歴
2008 | APG CUPミニカデットクラスに初参戦 |
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2009 | APG CUP ミニカデットクラス シリーズ4位 |
2010 | APG CUP カデットオープンクラス シリーズ5位 |
2011 | JAFジュニアカート選手権FP-Jrカデットクラスシリーズ2位(5戦中2勝)APG CUP カデットオープンクラス シリーズチャンピオン(8戦中7勝) |
2012 | JAFジュニアカート選手権FP-Jrクラス参戦APG CUP YAMAHA SSクラス シリーズチャンピオン(6戦中4勝) |
2013 | JAFジュニアカート選手権FP-Jrクラス シリーズ4位(5戦中1勝)CIK-FIA アジア・パシフィック選手権 FP-Jrクラス優勝鈴鹿選手権シリーズ YAMAHA SSクラス シリーズチャンピオン |
2014 | JAF地方カート選手権 FS-125クラス シリーズ3位PETRONAS Challenge CUP シリーズチャンピオン(10戦中4勝)ROK CUP INTERNATIONAL FINAL 世界大会 Junior ROKクラス6位 |
2015 | JAF全日本カート選手権FS-125クラス シリーズ6位 |
Q&A
Q.カートを始めたきっかけは?
A.5才の時、家族で富士スピードウェイにスーパーフォーミュラを見に行きました。その帰り道に立ち寄ったオートパラダイス御殿場というカートコースで、初めてレーシングカートを見たのがきっかけです。それから僕は「これに乗りたい」と思い、2年間両親に言い続け、SLライセンスが取得できる小学校2年生の5月に、念願のカートを買ってもらいました。
Q.レーシングカートの魅力とはなんですか?
A.日常生活では味わうことのできない、スリルと興奮を与えてくれます。ドライブすることはなによりも楽しく、カートを買ってもらった夏休みは28日間もコースに通い続けたほどです。また、優勝した時の達成感は他の何物にも代え難いです。
Q.あなたにとってレーシングカートとはどのような存在ですか?
A.15歳という今までの僕の人生をカートなしで語ることができないほど、僕にとってなくてはならない存在です。
Q.あなたの将来の夢はなんですか?
A.もちろん夢はF1ドライバーです!
Q.夢を実現させるためにクリアしなければならない課題はなんですか?課題解決のためにどのような取り組みをしていますか?
A.F1ドライバーになるという夢を叶える為、僕は今年、鈴鹿サーキット・レーシングスクール・フォーミュラ(SRS-Formula)に入校しまた。HONDAの育成ドライバーとして、F3、GP3、GP2、F1への駆け上がっていきたいです。その為には、SRSでスカラシップを獲得し、FIA-F4へのステップアップを確実にしなければなりません。とにかくライバル達を抑えて勝つことが重要ですが、僕はSRS-F受講生の中で最年少のため、経験も浅く、練習時間も少ないので、1セッション1セッションを大切にして、限られた時間の中でしっかりと経験を積み、実践していくことに集中しています。
Q. モータースポーツはサーキットに行かないと練習ができない為、練習時間が限られてしまいますが、サーキットでの練習走行以外に、日常生活において取り組んでいることや意識していることはありますか?
A. 日々のトレーニングです。KFにステップアップしたことでマシンは速くなり、グリップも増えました。横Gなど体への負荷が大きくなり、体力や筋力など不足している部分があります。ですので、専属トレーナーに指導を受けながら、自分の足りない所を強化することに専念しています。他には海外のレース動画をたくさん見て、多くのことを学び、レースで実践できるよう心がけています。
Q. レースにおいて勝敗を分ける”差”はなんだと思いますか?また、ライバルに対してその差をつける努力や取り組みはありますか?
A. レースウィークを通じていかにに自分流れを引き寄せられるかが重要だと思ってます。運や流れを自分に引き寄せられるような、考え方や行動を心がけています。そして勝つことが何よりも大切ですが、1番学ぶことが多いのは負けたレースです。負けてしまった要因をしっかりと突き止め、勝つためになにが足りなかったを考え、次のレースまでには改善するようにしています。
Q.理想とするドライバーはいますか? もしくは理想のドライバー像は?
A.どの車に乗っても速くて、世界のトップカテゴリーの上位で戦える強いドライバーです。回りに影響を与えられるようなドライバーになりたいです。
Q.今シーズンの意気込みと、応援してくれるファンに一言お願いします。
.A.アライヘルメット様、R’S DESIGN様にスポンサードをして頂き、今年もBirelARTのワークスドライバーとして、日本最高峰のKFクラスに参戦できることを感謝しています。今年BirelARTはKF復活の年となります。Birelには8年間お世話になっていますので、恩返しができるように僕の持てる全てを出し切って1戦1戦を大切に戦い、シリーズチャンピオンを目指して頑張っていきますので、応援宜しくお願いします!
Text & Photo: Hideshi KIKUYAMA