全日本F3000

童夢インサイドレポート Rd.3-1

           エイベックス童夢レーシングチーム
   1995年 全日本F3000選手権シリーズ第3戦 レースレポート
     「7位完走! 中野信治、F3000の自己最高位をゲット」
 大会名:F3000 MINE ALL STAR
 日時・場所:1995年5月7日(予選6日) MINEサーキット(3.238km)
 天候:曇り(予選・快晴)
 気温:23℃
 コースコンディション:ドライ
 観客数:39,600人(決勝日)
 5月7日、山口県のMINEサーキットで開催された全日本F3000選手権シリ
ーズ第3戦「F3000 MINE ALL STAR」において、予選14番手から
スタートしたエイベックス童夢レーシングチームの中野信治選手(童夢F104/無
限MF308)は、62周回の決勝レースで健闘して今季初の完走、自己最上位の7位
でフィニッシュしました。
<土曜日>
 雨の富士から一転、ゴールデンウィークの最後の週末の山口県MINEサーキット
は、これ以上ないほどの上天気に恵まれました。
 しかし、エイベックス童夢チームをはじめとする、ヨコハマ(YH)・タイヤ勢の
面々は、快晴のお天気に似合わない、ちょっと渋い表情でした。
 なぜかというと、3月末に行われたMINEタイヤ・テストの時と、180度正反
対のコンディションだったからです。
 年間8~9回、レースの一ヵ月から数週間前の各サーキットでタイヤ・テストが行
われ、その時々のデータを参考に、タイヤ・メーカーはレース時に使用されるタイヤ
を作るのですが、3月末は雨が続いたうえに気温も低く、走行時間も短かったために
、データらしいデータがほとんど取れなかったのでした。
 条件ならライバルのブリジストン(BS)・タイヤ勢とて同じなのですが、何とい
ってもあちらの台数はヨコハマ勢の二倍の12台。単純に考えても、ヨコハマ勢の二倍
のデータを収集できます。
 もちろん、ヨコハマ・タイヤも精一杯の努力はしていますが、いかんせん、データ
量の差が、レース用タイヤの出来ばえの差につながる感は否めません。
 そんな事情で出来上がった今回のレース・タイヤですが、一回目の公式予選を終え
て、ヨコハマ勢のドライバーの誰もが”ハズレじゃないけど当たってもいない”とい
う印象を持っているようでした。
 どうやら、25度ちかい気温に対するタイヤ全体の剛性が弱いのです。
 ヨコハマ勢のトップは1分13秒924をマークした前年度チャンピオンのM・アピ
チェラ選手ですが、それでも総合8番手どまり。1分14秒570で中野選手がアピチ
ェラ選手に続きましたが、総合では12番手です。
「ブレーキング時にタイヤがこじれて、波うつ」という中野選手は訴えますが、すで
に出来上がっているタイヤを今さら作り変えることはできません。
「まあ、ある物を有効に使うしかないな」と、松本恵二監督は励ますように、中野選
手の肩を叩きました。
 チームとして、こんな時にできる対策はただひとつ。タイヤの内圧の調整です。
 今回のような場合は、タイヤ内圧を少しだけ高くすることで、タイヤの剛性感をカ
バーすることができます。
 タイヤ内の空気圧は、マシンが止まっている時と、地面との摩擦でタイヤ表面の温
度が上がる走行時とでは、当然異なってきますので、走行時の内圧がベストになるよ
うに、あらかじめ設定しなければなりません。
 本来ならば、こういったことを事前のタイヤ・テストで行うのですが、前に書きま
したように、3月末のタイヤ・テストがテストにならなかったのですから仕方ありま
せん。
 午後のフリープラクティスでは、ガソリン量が重い決勝レースを想定した調整も行
い、翌日の予選・決勝のどちらについても、現状でほぼ満足のいく設定値を見つけま
した。
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