OMRON Racing Team,Release 1991年11月20日 全日本F3000選手権 第11戦 “ミリオンカードカップ ファイナルラウンド 鈴鹿” オムロン・レーシングチーム ラマース7位,田中15位.そろって完走を果たす 1991年、鈴鹿サーキットにおける最後のF3000レースである、全日本F 3000選手権シリーズ第11戦「ミリオンカード カップ レース ファイナルラウ ンド 鈴鹿」が、11月16~17日、秋晴れの空の下に開催されました。 オムロン・レーシングチームは、ヤン・ラマース選手に「オムロン・ダンロップ F102」4号シャーシ、田中実選手に「オムロン・ダンロップF102」3号 シャーシを準備、共に万全のセッティングを施し、このレースに臨みました。 16日(土)の公式予選では両選手ともB組で出走。1~2回を通した公式予選 の結果は、ラマース選手がB組第7位、グリッド順は14番手となり、決勝レース は、7列目内側からのスタート、田中選手はB組14位、グリッド順は28番手と なり、14列目内側からのスタートとなりました。 17日(日)の決勝レース、全車きれいにスタート。14番手からスタートした ラマース選手は、ナイス・スタートを見せ一気に3台をパス。その後も徐々に追い 上げ中盤には8位まで進出、最終ラップにも1台をパスし7位でゴールしました が、惜しくもポイント獲得はなりませんでした。一方の田中選手は、最後尾スター トながらコンスタントに走り、15位でチェッカーフラッグを受けました。 ◎11月16日(土) ○公式予選第1回B組(10:50~11:30) 11月なかばとあってきれいな秋晴れであったが、A組の予選開始頃の気温は1 5度と少々肌寒さを感じる気候であった。 オムロン・レーシングチームのヤン・ラマースと田中実も、相次いでスタート。 ヤン・ラマースは、1分47秒305のタイムでピットイン。タイヤを左右入れ替 え再度アタックに飛び出していった。しかし、一度使用したタイヤではタイムアッ プは出来ず、ピットイン。残りの1セットは予選第2回へ温存することとし、マシ ンを降りた。田中実は、1分49秒655でピットイン。やはりタイヤを左右入れ 替えピットアウト、1分48秒578までタイムアップして、午前の予選を終えた。 ○公式予選第2回B組(14:30~15:10) 14時30分から開始された公式予選第2回、オムロン・レーシングチームの二 人のドライバーは、第1回で使用したタイヤを装着し、インターバルの間に変更さ れたギア比やサスペンションのセッティングを確認するため、コースインしていっ た。共に1分48秒台でピットイン。タイヤを温存していたセット2へ交換、共に コースインのタイミングをはかり、乗車したまま待機していた。14時50分、 ヤン・ラマースがコースイン、少し遅れて田中実もスタートしていった。ヤン・ ラマースは、1分46秒323をマークしてピットイン。タイヤを左右入れ替えコ ースインしていったが、ゆっくり走るクルマに引っかかり、途中でタイムアタック を中止し、そのままピットインして予選を終了した。田中実は、ニュータイヤで1 分47秒946をマークしてピットイン。タイヤを左右入れ替え、再度アタックを 行ったがタイムアップは出来ず、予選を終了した。この結果、ヤン・ラマースはB 組第7位、グリッド順は14番手、田中実は14位、グリッドは28番手からのス タートとなった。 ポールポジションは、A組から出走した#1星野一義選手、タイムは1分44秒 500のコースレコードであった。 予選終了後,ヤン・ラマース: 「もう少しタイムアップ出来ると思っていたが、午前午後とも遅いマシンに引っか かっ てしまった。決勝レースではスタート位置がまん中当りなので、スタートが 決め手と なるだろう。」 ◎11月17日(日) ○決勝レース 13:30→35Lap 前日と変わらぬ秋晴れの下、決勝レースがスタート、ヤン・ラマースは7列目、 14番手のスタート位置からナイス・スタートを見せ、1ラップ目のグランドスタ ンド前に戻ってきたときには、11位のポジションへジャンプアップしていた。 トップは2列目からスタートしたロス・チーバー、2位は星野一義と続いていた。 3周目、#99中谷明彦がオイルスモークを引きながらピットイン、リタイヤ。 15周目、#3片山右京がスピン、11位へ後退。17周目には、コーナー毎にロス ・チーバーを追いつめていた星野一義が、ヘアピン・コーナーで痛恨のスピン。そ のままリタイヤしてシリーズチャンピオン争いからも脱落してしまった。激しい先 行争いで次々に脱落してゆく上位陣を後目に、ヤン・ラマースは徐々に順位を上 げ、18周目には8位まで上昇していった。 その後、ヤン・ラマースのポジションは変わらず、このままゴールかと思われた が、最終ラップ、前を行く#57パウロ・カーカッシがスプーン・コーナー立ち上がり で一瞬ミスをした隙をつき、バック・ストレートで横に並び130Rでパス、7位 でチェッカーフラッグを受けた。 一方の田中実は、軽いトラブルを抱えた最後尾スタートながら終始コンスタント に走り、15位でレースを終了し、彼にとって波乱に富んだシーズンの幕を閉じた。 優勝は、2列目から一気にトップに立ちそのままゴールした#25ロス・チーバー で今期3勝目、2位は#34マウロ・マルティニ選手、3位は#10フォルカー・バイド ラー選手だった。シリーズ・ランキング・トップの片山右京選手は、10位となり チャンピオン決定は11月30日富士スピードウェイへ持ち越された。 ◎レース後,岸本雅義チーフエンジニア: 「F102は、F1を意識して設計されています。そのためにF3000マシンと して はオーバークオリティになっているようです。具体的にはシャーシ剛性が高 すぎます。 一つ一つのパーツとして見た場合は、それぞれ良い出来上りになって はいるんですが、 1台のマシンとして組み上げた場合、なかなか良いバランスを 見い出すのが難しい。 今回、田中君には気の毒でした。高速からのブレーキング時に振動が出て、そ の原 因が最後まで見つけられなかった。考えられるパーツは全て交換したんです が、収ま りませんでした。 最後の富士は、ラマースのスターティング・グリッドも決まっています(28 番手 スタート)が、少しでも上位へゆけるように万全のセッティングで臨みます。」 ◎レース後,ヤン・ラマース: 「スタートはうまくいって、オープニングラップで11位にまでジャンプアップで きた。 その後もマシンは快調で、徐々に順位を上げられた。最終ラップはエキサ イティング だった。#57パウロ・カーカッシがミスをしたスプーンで並び掛け、 バックストレート を併走、130Rの入口でアウトから押え込んだ。素晴らしい 一瞬だった。」 ◎レース後,田中 実: 「今日のレースは、ブレーキングとギア、そしてスタートで長谷見さんの後ろに 入って しまったことが全てでした。ブレーキは、高速からのブレーキングで異常 振動がでて しまい、130Rをノーブレーキで突っ込んだため心臓が飛び出しそ うでした。ギア は低くすぎてリミッターが作動してしまいました。そして長谷見 さんは抜かせてくれ ませんからね。何度も並びかけるところまでは行くのです が、前には出られませんで した。良い結果は残せませんでしたが、チャンスを与 えてくれたオムロン・レーシン グチームの皆さんに感謝しています。」 OMRON Racing Team, PRデスク 永田 基(TBE00015)