
全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権の公式テスト(2日目/最終日)が、12月17日、三重県・鈴鹿サーキットで行われ、エヴァン・ジルテール(B-MAX RACING TEAM)が、昨日に続いて非凡なところを見せ、午前、午後の両セッションを制した。
テスト2日目は、朝方は上空に雲が多かったものの、午前の走行前には雲も晴れて好天となった。ただ、夕方からは雨予報も出ており、午後のコンディションが気になるところだ。
2日目に新たに登場したのは、フォーミュラ・リージョナル・ヨーロッパ選手権(FRECA)でランキング6位のアクシャイ・ボーラ(TOM'S)。1日目に同選手権5位のエヴァン・ジルテール(B-MAX RACING TEAM)が好走を見せただけに、期待が高まる。
DELiGHTWORKSは、今季レギュラーの三井優介(DELiGHTWORKS)が2日目の3号車を担当。そして、昨日トムスのクルマでトップタイムをマークした卜部和久(DELiGHTWORKS)が2号車をドライブする。
また、三宅淳詞(B-MAX RACING TEAM)が8号車に乗り、こちらは来季に向けての新たな機能(OTS?)をテストしているようだ。
Session3
午前のセッション3は、途中フィリップ・ウグラン(B-MAX RACING TEAM)がクラッシュ。車両からオイルが出てしまい、その処理で20分間ほどの中断があった。
このセッションを制したのは、昨日の午後のセッションでトップだったジルテール。終盤、梅垣清(TOM'S)が1分51秒633をマークして、それまでのジルテールのトップタイムを更新するが、ジルテールは最後のアタックで1分51秒498を叩き出し、あっさり最逆転してしまった。
3位は、梅垣から遅れることコンマ1秒で鈴木斗輝哉(TOM'S)。トムスの若手二人は昨日に続くドライブだが、確実にSFライツを乗りこなしつつある。
4位三井優介(DELiGHTWORKS)を挟んで、5位、6位にはホンダ育成の佐藤凛太郎(B-MAX RACING TEAM)と新原光太郎(B-MAX RACING TEAM)が並んだ。二人は昨日から車両を入れ替えてテストをしている。
期待のボーラは9位に留まった。午後のセッションに期待だ。
Session4
B-Maxのエースカーともいえる50号車に再び野村勇斗(B-MAX RACING TEAM)が乗り込み、セッション序盤から、ジルテールとの異次元のトップタイム争いを繰り広げた。
開始30分となる頃に、まず野村が1分51秒919のトップタイムを出すと、即座にジルテールが1分51秒653で塗り替える。すると次の周には野村が51秒594で再びトップへ。ジルテールは51秒692で及ばなかったが、通常2周で終えるアタックを継続。3周連続アタックで、51秒473と僅かに野村を上回った。
セッション終盤、残り30分となったところで、ボーラがようやく4位にまで上がってきて、ジルベール、野村、三井優介、ボーラ、オスカー・ブルツ(TOM'S)、卜部の順となる。
残り20分となったところで、鈴木が2周連続でアタックするが、1分51秒624とトップ2台には及ばず3位。
そして、残り8分となり、最後のアタックが始まった。
まず、動いたのはジルテール。1分51秒174と、それまでの自身のタイムをコンマ3秒縮める。このあと、トムスの二人と野村がアタック。梅垣は、1分51秒319まで上げて2位、鈴木は1分51秒350で3位、野村はこのセッションで来季用の様々なセットを試していたこともあって、4位に留まった。5位は三井、6位にはボーラが入った。
このセッションで、SFライツ初ドライブに臨んだ百瀬翔(B-MAX RACING TEAM)は、最終的に1分53秒606までタイムアップしたものの、12位だった。
マスタークラスは、KEN ALEX(BUZZ RACING)が、1分55秒064までタイムアップを果たした。なお、DRAGON車は、クルマを壊してしまったウグランが使用したため、DRAGONは最後のセッションは走行しなかった。











Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Atushi BESSHO

全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権の公式テスト(1日目)が、12月16日、三重県・鈴鹿サーキットで行われ、1日目の午前、午後トータルで卜部和久(TOM'S)がトップタイムをマークした。2位にはSFライツも鈴鹿も初体験のエヴァン・ジルテール(B-MAX RACING TEAM)がつけた。
今季最後のテストには、各チームが来季を見据えたドライバーを起用し、国内組、海外組が入り乱れての白熱したセッションが繰り広げられた。
1日目、注目されたのは、今季、フォーミュラ・リージョナル・ヨーロッパ選手権(FRECA)5位、同中東選手権(FRMEC)でチャンピオンとなったエヴァン・ジルテール(B-MAX RACING TEAM)。
そして、先日のSFテストで関係者を驚かせた鈴木斗輝哉(TOM'S)、ホンダ育成の二人、今季FIA-F4を戦った新原光太郎(B-MAX RACING TEAM)とフランスF4で1勝を挙げ、マカオF4でも表彰台に上った佐藤凛太郎(B-MAX RACING TEAM)といったところ。
Session1&2
テスト1日目は、午前、午後、2時間ずつのセッションが行われたが、ここで安定した速さを見せたのが、今シーズンB-Maxから参戦し、1日目はトムスの車両に乗った卜部和久(TOM'S)。午前中はトップタイムを奪い、午後も4位につけた。午前に卜部がマークした1分51秒094は1日目の総合トップタイムとなった。
そして、やはり速かったのが、午後のセッションでトップタイムを奪ったジルテール。初めて尽くしながら、走り込む度にタイムを上げ、午後のセッションでは僅差ながらトップを奪い、関係者を驚かせた。
この二人に続いたのは、今シーズンのフォーミュラ・リージョナルチャンピオンの梅垣清(TOM'S)。そして、松下信治(DELiGHTWORKS)を挟んで、新原、鈴木が続いた。
梅垣は、先週行われたSFテストにも参加したが、そこではチームメイトの鈴木に遅れをとってしまっただけに、SFライツで巻き返したい。
すでに来季SFへの参戦が決定している松下は、チームのクルマと自らにポテンシャルがあることを証明。新原はこのテストで速さを示して、来季のシートに繋げたいところだ。
テストは、明日も午前、午後に2時間ずつの2セッションが予定されている。




























Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Atushi BESSHO

全日本スーパーフォーミュラ選手権の合同・ルーキーテスト(3日目)が、12月12日、三重県・鈴鹿サーキットで行われた。ウーゴ・ウグチュクウ(VANTELIN TOM'S SF23)が、最後に格の違いを見せる驚愕のトップタイムで、3日間のテストを締めくくった。
テスト3日目はルーキーのみが走ることができるルーキーディ。すでに2日目から走っているルーキーもいるが、この日から走行を始める選手のなかで、注目はトムスの車両に乗るウグチュクウとフレディ・スレイター(VANTELIN TOM'S SF23)の二人。
ウグチュクウは、アメリカ国籍の18歳。カート時代にマクラーレンF1チームと契約をした逸材。昨年のマカオGP勝者でもある。フレディ・スレイターは、英国籍の17歳。激戦のフォーミュラ・リージョナル・ヨーロッパ選手権(FRECA)でチャンピオンを獲得。今年のマカオGPでトップ争いを繰り広げたことは記憶に新しい。
そして、今年SFライツにフル参戦したザック・デビッド(San-Ei Gen with B-Max SF23)も、注目株の一人だ。B-Maxから参戦し、野村勇斗の影に隠れた感はあるが、チームの評価は高い。
Session5
午前10時から始まったセッションは、風があり路面温度が下がっていたこともあって、開始早々に鈴木斗輝哉(Kids com KCMG Elyse SF23)がシケインで、梅垣清(docomo business ROOKIE SF23)がヘアピンでスピンを喫し、いきなり赤旗が出されてしまった。
さらに、クラッシュ続きのジャック・ドゥーハン(REALIZE Corporation KONDO SF23)が、またしてもデグナーで3日連続のクラッシュを演じ、序盤は中断ばかりになってしまった。
しかし、そんななかでもずば抜けた速さを見せたのが注目のウグチュクウだ。開始まもなく1分40秒台をマークすると、その30分後には1分39秒台に上げ、セッション最後のアタックでは、何と1分37秒770まで削ってきた。
このタイムは、2日目までの総合結果と比較しても、10位に相当するタイムだ。それを僅か1時間しか走っていないSF初体験、鈴鹿初体験のドライバーが叩き出してしまうのだから恐ろしい。
ただ、ウグチュクウはベストタイムを出したあとにスピンをして、他の選手のアタックを妨げてしまった。これはいただけなかった。
2位以下の選手は、鈴木を除いて、最後のアタックができずに終わってしまったが、昨日から速さを見せているルーク・ブラウニング(REALIZE Corporation KONDO SF23)、同じく2日目となる荒尾創大(ThreeBond SF23)と鈴木。そして今日が初走行のデビッドまでが1分38秒台をマークした。
Session6
このセッションも、開始早々荒尾がシケインでスピンしてしまい、赤旗から始まった。
再開後も梅垣清(docomo business ROOKIE SF23)がスプーンでコースアウトして、早くもセッション二度目の赤旗となった。
ここまでの順位は、小林利徠斗(KDDI TGMGP TGR-DC SF23)、ブラウニング、スレイター、チャーリー・ブルツ(TEAM GOH)、デビッドと、ここまでが1分38秒台。
動きが出てきたのは、開始40分過ぎ。ブラウニングが1分37秒570でトップタイムを塗り替えたのを皮切りに、荒尾1分37秒791、鈴木1分37秒633、ウグチュクウ1分37秒526、スレイター1分37秒480、小林1分37秒665と、軒並み37秒台にタイムを上げた。
残り30分を切ったところで、デビッドからステアリングを引き継いだ清水康弘(San-Ei Gen with B-Max SF23)が、アウトラップのS字でコントロールを失いクラッシュ。このセッション三度目の赤旗が提示される。
そして、再開後、最後のアタック合戦が始まるが、ここでの主役はやはりウグチュクウだった。他の選手が1分37秒台に留まるなか、3日間のテストで誰もマークしていない1分36秒862という、異次元のタイムを記録した。すでに煮詰まっている坪井車、追い風のコンディションにも恵まれたということを差し引いても、初の鈴鹿で、殊勲の2番手タイムをマークした鈴木に、0.5秒近い差をつけてのトップは、やはり格の違いを感じざるを得ない。
2番手タイムの鈴木も、F4とリージョナルの経験だけでSFに乗り、すでにSF経験のある小林を抑えたことは、チームや関係者に対するアピールに繋がったことは間違いない。来季が楽しみだ。
4位以下は、スレイター、ブラウニング、大草りき(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)、荒尾、卜部和久(SANKI VERTEX CERUMOINGING SF23)と続いた。
これで、今年のスーパーフォーミュラの走行は終了。次は年明け2月の開幕前テストだ。概ね今回のテストでメンバーは見えてきたとはいえ、最終的にどんな顔ぶれが揃うのか楽しみだ。










Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Atushi BESSHO

全日本スーパーフォーミュラ選手権の合同・ルーキーテスト(2日目)が、12月11日、三重県・鈴鹿サーキットで行われ、福住仁嶺(docomo business ROOKIE SF23)が、最後のセッションでトップタイムをマーク。最終戦ではホンダエンジンユーザーが圧倒的有利な状況だったが、テストとはいえ、久しぶりにトヨタエンジンユーザーが、鈴鹿でトップタイムをマークした。
テスト2日目も、1日目同様2セッションが行われたが、何人かのドライバーに変更があった。KCMGの8号車は注目のWRC王者・ロバンペラが昨日、発作性のめまいを発症したとして、予定を繰り上げて、FIA-F4王者の鈴木斗輝哉が搭乗。KONDOの4号車は、名取鉄平からFIA-F2の上位ランカーであるルーク・ブラウニングへ。ThreeBondの12号車には、小出峻に代わって荒尾創大が乗り込み、TGMの28号車は小林可夢偉から国本雄資にバトンタッチした。
Session3
午前9時から始まったセッション3は、昨日も精力的に走行を重ねたザック・オサリバン(ITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPUL SF23)が、開始からトップタイムを記録するなど、今日も好調。来シーズンのタイトル奪取を目論む牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF23)も、序盤オサリバンのタイムを上回るなど、気合の入った走りを見せる。
ナカジマレーシングの二人も、佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)が2番手、イゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)が4位と好調だったが、開始48分に、フラガのマシンのギヤボックスにトラブルが出て、シケインからストレートにかけてオイルを出してしまった。これで走行は30分近く中断されてしまった。
このセッション、最後のアタックでは、牧野、坪井翔(VANTELIN TOM'S SF23)、阪口晴南(SANKI VERTEX CERUMOINGING SF23)、佐藤、福住仁嶺(docomo business ROOKIE SF23)、山下健太(Kids com KCMG Cayman SF23)の順で終えたが、オサリバンも7番手と、昨日に続いて安定した速さを見せた。
また、最後のアタックを行わず順位は下位だったが、今日がSFも鈴鹿も初走行となったルーク・ブラウニング(REALIZE Corporation KONDO SF23)は適応力の高さを見せた。
そして、健闘が光ったのが、来季3シーズン目を迎えるJuju(HAZAMA ANDO Triple Tree SF23)だ。トップから1.6秒遅れの17位ながら、その差は確実に縮まってきている。
Session4
レギュラードライバーは、今年の走り納めになるこのセッション。開始から各ドライバーが、気合十分という感じだ。
開始30分経過したところで、ジャック・ドゥーハン(REALIZE Corporation KONDO SF23)が昨日に続いてデグナーでコースアウト。バリアに突っ込んでしまい、赤旗中断。再開したものの、今度は鈴木斗輝哉(Kids com KCMG Elyse SF23)がコースオフして再び中断となった。
その後、このセッションをリードしたのは岩佐歩夢(AUTOBACS MUGEN SF23)。1分38秒595、37秒680、37秒362と常にトップタイムを刻み続けた。これに続いたのは、太田、佐藤、フラガ、坪井、牧野、オサリバン、福住とレギュラードライバー勢。初走行のブラウニングもトップ10に留まっている。
最後は2組に分けてのアタックタイムが設けられ、トヨタエンジンユーザーの福住が岩佐のタイムを上回り、1分37秒221でトップへ。牧野、フラガが続いて、ここまでがトップ3。最後のアタック前に脱輪してアタックできなかった岩佐が4位、5位太田、6位山下と続き、ミスでタイム更新ならなかった佐藤は7位。坪井は8位。今回のテストで好調のオサリバンは9位につけ、レギュラー陣は、このセッションで今シーズンの走行を終えた。
ルーキーでは、12位のブラウニングが最上位。最後のアタック中に前車が脱輪し砂煙でアクセルを緩めざるを得なかった野村勇斗(San-Ei Gen with B-Max SF23)が16位で続いた。
明日のテストはルーキーが対象。午前10時からと午後2時から1時間30分ずつのセッションが予定されている。








Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Atushi BESSHO

全日本スーパーフォーミュラ選手権の合同・ルーキーテスト(1日目)が、12月10日、三重県・鈴鹿サーキットで行われ、イゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)がトップタイムをマークした。
2025シーズンが幕を閉じたばかりだが、恒例のシーズンオフのテストが3日間の予定で始まった。
このテストには例年、来季チームが起用するドライバーがドライブすることが多く、その意味でも注目されるが、チーム無限、ダンディライアン、トムス、ナカジマのトップ4チームは、2日目まではレギュラードライバーが乗ることになっている。
ホンダエンジンを搭載するチームは、来季に向け動きが少なそうだが、今回のテストでは、B-Maxの50号車をSFライツチャンピオンの野村勇斗が、ThreeBondの12号車を今シーズンB-Maxで走った小出峻がドライブする。
一方で、トヨタエンジン搭載チームは、かなり移籍がありそうだ。今回も、山下健太(KONDO→KCMG)、ザック・オサリバン(KONDO→IMPUL)、小林可夢偉(KCMG→TGMGP)、福住仁嶺(KCMG→ROOKIE)と、乗り換えが行われている。
また、今回のテストには話題性のある外国人ドライバーも参加している。筆頭は世界ラリー選手権を2度制しているカッレ、ロバンペラ(ROOKIE)だろう。また、元F1ドライバーを父に持つチャーリー・ブルツ(TEAM GOH)、F1経験のあるジャック・ドゥーハン(KONDO)などが、レギュラードライバーに伍してどこまでやるのか、興味は尽きなかった。
しかし、蓋を開けてみれば、午前、午後のセッションともにレギュラードライバーが上位を占めた。
両セッションでトップタイムをマークしたのは、イゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)。チームメイトの佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)も4位、2位と好調で、ナカジマレーシングは最終戦の勢いを維持している感じだ。
ダンディライアンの二人、牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF23)、太田格之進(DOCOMO DANDELION M6Y SF23)も相変わらず安定した速さを見せており、移籍のなさそうなトップチームは来季も盤石だ。
今季で引退した大嶋和也の後を引き継いだ福住仁嶺(docomo business ROOKIE SF23)も5位、6位と、来季は上位の常連になりそうな気配だ。
また、今回のテストは1台のみの参加となっているIMPULから出走の、ザック・オサリバン(ITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPUL SF23)も本来の速さを示し、低迷しているチームは来季に向けての手応えを感じているようだ。
そして、レギュラーに劣らない速さを見せたのが、SF初体験の野村勇斗(San-Ei Gen with B-Max SF23)だ。順位こそ、12位、13位ではあったが、最初のセッションから光るものを感じさせた。
外国勢は、ロバンペラは午前は走行したもののアタックするまでには至らず、午後は体調不良で出走を取りやめた。ドゥーハンは午後のセッションの1時間経過したところでデグナーでクラッシュ。ブルツは、笹原右京が午前にマシンチェックをした後、午後にドライブしたが、20位に沈んだ。
テストは、明日も午前、午後に2時間15分ずつのセッションが予定されている。



Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Atushi BESSHO

全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第18戦の決勝が、11月30日、モビリティリゾートもてぎで行われ、ポールスタートの野村勇斗(HFDP WITH B-MAX RACING)が、前レースに続いて小林利徠斗(モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL)の追走を抑えて、ポール・トゥ・ウィンで今大会3連勝、今シーズン12勝目を飾った。
マスタークラスも、クラスポールの清水康弘(GNSY RACING 324)が逃げ切って、今大会2勝目を挙げ、両チャンピオンが有終の美を飾って、2025シーズンを締めくくった。
午前中のアクシデントにより、ザック・デビッド(B-MAX RACING 324)はマシンの修復が間に合わずに出走を取り消した。松井啓人(B-MAX RACING 324)は、ぎりぎりまで作業を続け、何とかグリッドにクルマを並べることができた。
スタートは、この週末、三度(みたび)野村が制し、第16、17戦と同じく小林が続く。小林はスタートで少しホイールスピンをして、2位を守ることに専念せざるを得ず、その間に野村がリードを広げる。
3位には三井優介(DELiGHTWORKS)が上がるが、佐野雄城(モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL)との競り合いでやや失速してしまい、山越陽悠(DELiGHTWORKS)にも先行を許して、三井は5位に後退してしまう。
1周目は、野村、小林、佐野、山越、三井、古谷悠河(Deloitte. HTP TOM'S SFL)、卜部和久(B-MAX RACING 324)の順。ここからトップ2台はハイペースで3位以下とのギャップを広げていく。
空力マシンであるSFライツは、もてぎのコースでは順位を入れ替えることは難しく、隊列は徐々に縦に長くなっていく。
レース折り返しとなる10周目。野村と小林の差は1.1秒。2.8秒遅れて3位佐野、さらに6.8秒遅れて、4位山越と5位三井が4位争いを繰り広げるという展開となった。
レース後半も、各車の間隔は広がることはあっても、順位が変わることはなく、野村が19周を走りきって、この週末3連勝となるチェッカーを受けた。
2位小林、3位佐野と、この週末3戦の表彰台は、すべて同じ顔ぶれ、同じ順位となった。
マスタークラスは、クラスポールの清水が、DRAGON(TEAM DRAGON 324)とKEN ALEX(BUZZ RACING)が競り合う間に差を広げ、最終的に6秒近い差をつけて、今大会2勝目を飾った。
2025年シーズンは、最終戦で野村と清水のチャンピオン二人が有終の美を飾って幕を閉じた。チームタイトルは2023年以来1年ぶりにB-Maxが獲得した。









Text: Shigeru KITAMICHI


全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第17戦の決勝が、11月30日、モビリティリゾートもてぎで行われ、ポールスタートの野村勇斗(HFDP WITH B-MAX RACING)が、小林利徠斗(モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL)の追走を抑えきって、昨日の第16戦に続くポール・トゥ・ウィンで11勝目を挙げた。
マスタークラスは、KEN ALEX(BUZZ RACING)がスタートで遅れたものの、アクシデントをくぐり抜け、参戦2レース目で初優勝を飾った。。
午前9時5分、朝の涼しさはあるものの、快晴のなかスタートを迎えた。
ポールの野村はトップを守り、2位には好スタートを決めた小林がつけ、佐野雄城(モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL)、ポジションを上げた三井優介(DELiGHTWORKS)、山越陽悠(DELiGHTWORKS)が続いて、レースが始まった。
しかし、その後方でアクシデントが続き、オープニングラップで6台がリタイアしてしまう。
まず、5コーナーで、先行した古谷悠河(Deloitte. HTP TOM'S SFL)に、松井啓人(B-MAX RACING 324)が接触。2台はもつれるようにコースアウトしてストップ。
さらに、S字カーブで8位を争っていたザック・デビッド(B-MAX RACING 324)と卜部和久(B-MAX RACING 324)も並走状態で接触。卜部はスピオンしてコース上でストップしたため、マスタークラスのDRAGON(TEAM DRAGON 324)がフルブレーキ。これを避けきれずに清水康弘(GNSY RACING 324)が追突してしまった。
古谷、DRAGON、清水はピットには戻ったものの、修復はならずにリタイア。コース上に残った3台とあわせて、実に6台が1周目で姿を消すことになってしまった。
このアクシデントでセーフティカーが入るが、影響のなかった上位グループは、タイヤを温めつつ再開を待ち、5周目に入るところでリスタート。
トップ野村は、昨日に続く再スタートも冷静に決めて、小林を従えてラップを重ねていく。小林は、昨日とは異なり、野村に引き離されることなく、ピタリと背後につける。
ほとんど同じラップタイムを刻む二人の差は、周回によって多少変化はあるが、ほぼ0.5秒のまま緊迫した状態が続いた。
トップ野村は、「プレッシャーはあった」と言いながらも、最後までミスなく14周を走りきり、またひとつ勝ち星を増やし、今季11勝目を飾った。
2位小林、3位佐野、4位三井、5位山越までは、昨日の第16戦と同じ顔ぶれとなった。
マスタークラスは、ポールのALEXが、スタートでクラス4位まで落ちてしまったものの、1周目のアクシデントをくぐり抜けたところでトップに立ち、今田信宏(JMS RACING TEAM)との差を開いて逃げ切った。
スタートにはまだ課題はあるものの、レースペースは、今田、清水、DRAGONの常連三人を確実に上回っており、若手にも迫る勢いを見せるALEX。来季も参戦の予定のようだが、マスタークラスに新たな風を起こしそうだ。
第18戦の決勝は、本日午後1時30分から、今大会で最も長い19周で行われる。










Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOINE

全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第16戦の決勝が、11月29日、モビリティリゾートもてぎで行われ、ポールスタートの野村勇斗(HFDP WITH B-MAX RACING)が、スタートでトップを守ると、そのまま逃げ切ってポール・トゥ・ウィンで10勝目を挙げた。
マスタークラスは、ポールのKEN ALEX(BUZZ RACING)がスタートで遅れ、清水康弘(GNSY RACING 324)が今シーズンのチャンピオンを決める優勝を飾った。。
午後2時10分、日差しが強くなるなかスタートを迎えた。
勝負はスタートで決まった。好スタートの野村はトップを守って1コーナーへ。一方、2番グリッドの佐野は、スタートに賭ける気持ちが空回りしてしまい、小林利徠斗(モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL)、三井優介(DELiGHTWORKS)に次ぐ4位にまで順位を落としてしまう。
佐野はすぐに三井をかわして1つ順位を回復したものの、その間にトップ2台に差を開かれてしまった。
逃げる野村、追う小林。レースは、今シーズン活躍した若手を代表する二人の一騎打ちとなった。しかし、このカテゴリーでの野村の強さは秀でており、ギャップは5周目に1.5秒にまで広がった。
3位以下は、佐野、三井、山越陽悠(DELiGHTWORKS)、古谷悠河(Deloitte. HTP TOM'S SFL)、卜部和久(B-MAX RACING 324)と続いた。
トップ二人の差が、2秒に広がった9周目。マスタークラスの今田信宏(JMS RACING TEAM)がヘアピンでコースオフ。グラベルに止まってしまい、セーフティカーが入った。これで各車の間隔は詰まり、隊列を整えて再スタートを待つことになった。
残り2周でリスタートを迎えるが、トップ野村に死角はなく、小林につけ入る隙を与えず、小林を従えてチェッカーを受けた。
「ポールを取れたことが大きかった」と語る野村は、これで16戦10勝。その勝利すべてがポール・トゥ・ウィンという記録は、野村の言葉どおり、SFライツにおいてはいかに予選が重要で、かつ野村がいかにスタートでミスをしていないかの証左である。
マスタークラスは、クラスポールスタートのALEXがスタートで大きく遅れ、好スタートの清水がトップに立つと、2位DRAGON(TEAM DRAGON 324)との差を開いていく。3位走行の今田は今回なぜか歯車が噛み合っておらず、9周目のヘアピンでコースオフしてレースを終えた。
セーフティカーランで、清水、DRAGON、ALEXが連なり、リスタート後はALEXがDRAGONを攻めたが、順位は変わらずゴールを迎えた。清水は8勝目。フル参戦2年目でマスタークラスチャンピオンを手中に収めた。
第17戦の決勝は、明日の午前9時5分から14周で、第18戦は午後1時30分から19周で行われる。











Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOINE


全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第16、17戦の公式予選が、11月29日、モビリティリゾートもてぎで行われ、すでに前大会でチャンピオンを決めている野村勇斗(HFDP WITH B-MAX RACING)が、頭ひとつ抜けた速さを見せ、第16戦、第17戦ともにはポールポジションを獲得した。
マスタークラスは、初参戦のKEN ALEX(BUZZ RACING)が、他の三人を圧倒し、ダブルクラスポールを奪った。
前回の富士大会から2か月以上のインターバルで最終大会を迎えた。すでに、ドライバーズタイトルは野村が手にしているが、チームタイトル、マスターズクラスのタイトルは、この週末で決定する。
ドライバーも若干変更があった。DELiGHTWORKSは、海外のF4で活躍し来季はFIA-F3への参戦が決定している山越陽悠を追加エントリー。B-Maxは、ケイレン・フレデリックに代わって、今季FIA-F4に参戦していた松井啓人がスポットで参戦。また、マスターズには同じくFIA-F4に参戦したKEN ALEXが新たに加わった。
第16戦公式予選
午前8時50分から行われた予選は、雲ひとつない快晴のもと行われた。
3周のウォームアップで、徐々にタイムアップした各車がアタックに入ると、小林利徠斗(モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL)が4周目1分43秒570、5周目1分43秒292と、続けてトップタイム
をマーク。
対する野村は、1分43秒950、1分43秒414と、小林に遅れを取っていたが、6周目に集中して攻め、1分43秒135で逆転。ランキング2位の佐野雄城(モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL)も1分43秒147で野村に迫り、小林を3位に押し下げた。
4番手以下は、三井優介(DELiGHTWORKS)、ザック・デビッド(B-MAX RACING 324)、山越陽悠(DELiGHTWORKS)と続き、トップ6はB-Max、トムス、DELiGHTWORKSが2台ずつとなった。
マスタークラスは、練習走行から速さを見せていたKEN ALEXが、2位の清水康弘(GNSY RACING 324)に1.1秒という大差をつけて、クラスポールを獲得した。
第17戦公式予選
10分間のインターバルを挟んで行われた第17戦予選も、野村、佐野、小林によるポール争いが繰り広げられた。
4周目は、佐野が1分43秒091でトップ。5周目は小林が1分42秒965で逆転するという僅差の争いを見せたが、これらのタイムを6周目に大幅に更新したのは、やはり野村。コース前半の区間タイムを軒並み更新し、1分42秒597という新コースレコードとなる驚速タイムを叩き出した。(従来のレコードは昨年の最終大会で小出峻が記録した1分42秒613)
佐野も何とか野村に迫ろうとしたが、1分42秒904と、このカテゴリーでは大差といえる0.3秒もの差をつけられてしまった。
4番手以下は、山越、三井、そして、1回目から大きく順位を上げた松井 啓人(B-MAX RACING 324)が入った。
マスタークラスは、KEN ALEXがまたしても0.9秒の大差で連続クラスポール。DRAGON(TEAM DRAGON 324)が2番手に食い込んだ。
第16戦の決勝は、本日、午後2時10分から14周で、第17戦の決勝は、明日の午前9時5分から14周で、第18戦は午後1時30分から19周で行われる。




Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOINE

全日本スーパーフォーミュラ選手権第10戦(富士大会の延期レース)の決勝が、11月23日、三重県・鈴鹿サーキットで行われ、オープニングラップの1コーナーでトップに立ったイゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)が、ルーキーイヤーで初優勝を飾った。
混戦のチャンピオ争いは、7位フィニッシュの坪井翔(VANTELIN TOM'S SF23)が、牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF23)、太田格之進(DOCOMO DANDELION M6Y SF23)、岩佐歩夢(AUTOBACS MUGEN SF23)を抑えて、依然リードを保っており、午後の最終戦で決着することになった。
ピットイン義務のない19周のスプリントレースの勝負はスタートで決した。フラガは、フロントローイン側の2番グリッドから、太田を牽制しつつ牧野のアウト側から一気にトップに躍り出る。
フラガ、牧野、太田、岩佐、野尻智紀(AUTOBACS MUGEN SF23)、佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)、そしてポイントリーダーの坪井と続いて、オープニングラップを終えると、上位は膠着状態となった。
序盤、1分39秒台のハイペースを維持するフラガに対し、2位牧野も必死に食らいつくが、周回を重ねる度に僅かずつフラガが引き離しにかかり、レース折り返しの10周目でその差は1.7秒となった。
3位以下の上位グループも、太田、岩佐、野尻、佐藤と、約2秒の等間隔となって、縦に長い展開に。
6位の佐藤から6秒遅れた坪井は、終始、大湯都史樹(SANKI VERTEX CERUMOINGING SF23)に攻められる形となるが、タイトル争いを考えるとポジションを落とすことは許されず、OTS(オーバーテイクシステム)を駆使しながら、上手く防戦し続けた。
レース後半になっても、上位陣の状況は変わることなく、フラガがスーパーフォーミュラ参戦1年目ながら初優勝を飾り、ナカジマレーシングにとっても、3年ぶりの勝利をもたらした。
この結果、シリーズポイントは、坪井が116.5p、太田と牧野が107p、岩佐104pとなり、最終第12戦は、実質この4人によるチャンピオン争い決定戦となった。
注目の最終戦、第12戦決勝は、午後2時30分から31周で行われる。









Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Atsushi BESSHO

全日本スーパーフォーミュラ選手権第11戦の決勝が、11月22日、三重県・鈴鹿サーキットで行われ、スタートでトップに立った野尻智紀(AUTOBACS MUGEN SF23)が、逃げ切って今シーズン初優勝を飾った。
2位は、最後まで野尻を追い続けたイゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)、3位には牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF23)が入った。
波乱の前兆はフォーメーションラップからあった。10番グリッドの小高一斗(KDDI TGMGP TGR-DC SF23)が、スロットルトラブルでストップ。これでスタートはやり直し。レースは1周減算され26周で行われることとなった。

そして、1周目には予想もつかなかった大波乱が起きる。
予選まで完全に今大会の主役だった岩佐歩夢(AUTOBACS MUGEN SF23)が、スタートで出遅れ、野尻に先行を許すと、逆バンクで後方横に並んだフラガと接触。バリアにクラッシュしてしまい、早々に姿を消してしまったのだ。
これで、野尻、フラガ、佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)、大きく順位を上げた牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF23)が続いた。
逆転チャンピオンを狙う岩佐にとっては悪夢のような出来事だったが、チームメイトの野尻がトップに立っており、タイトルを争う牧野が4位、坪井は6位、太田格之進(DOCOMO DANDELION M6Y SF23)がスタートで大きく遅れていたことはまだ救いだったかもしれない。
波乱はまだ終わらず、今度は9周目の1コーナーで、14位を走行していたザック・オサリバン(REALIZE Corporation KONDO SF23)がクラッシュ。これでセーフティカー(SC)が入ったが、タイヤ交換が許される10周終了時までSCランが続いたことで、全車がピットに滑り込みピットロードは大混乱となった。
この状況で、あおりを食ってしまったのが3位を走行していた佐藤。チームは上位のフラガを優先して作業をするため、佐藤は14位まで大きく順位を下げることになってしまった。
このピット作業を終えての順位は、野尻、フラガ、牧野、坪井、大嶋和也(docomo business ROOKIE SF23)、福住仁嶺(Kids com KCMG Elyse SF23)、山下健太(REALIZE Corporation KONDO SF23)、太田……。
ここからレース後半を盛り上げたのは太田。タイトル奪取に向け1つでもポジションを上げたい太田は、14周目に山下を、16周目に福住を、さらに18周目に大嶋を抜くという、鬼神の追い上げを見せた。そして、終盤には4位の坪井の背後まで迫り、シケインで仕掛けるなど、観客を大いに沸かせた。
また、太田の影には隠れてしまったが、佐藤も14位から9位まで挽回する走りを見せた。
レースは、26周を盤石の走りで逃げ切った野尻の横綱レースで幕を閉じ、野尻は最終大会でようやく今季初優勝を飾った。2位のフラガは自己最高位。3位の牧野は悲願のタイトル獲得に向け、踏みとどまった。
第11戦が思わぬ波乱となり、シリーズポイントは、4位に入った坪井が112.5pまで伸ばして、現時点ではやや優位になった。ただ、太田と岩佐が96p、牧野92p、野尻87.5pで続いており、明日のレースは坪井のグリッドがライバルに比べ下位であることを考えると、まだまだ読めない状況が続いている。
第10戦決勝は明日午前9時50分から19周で、第12戦決勝は午後2時30分から31周で行われる。









Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Atsushi BESSHO

全日本スーパーフォーミュラ選手権第11戦のの公式予選が、11月22日、三重県・鈴鹿サーキットで行われ、岩佐歩夢(AUTOBACS MUGEN SF23)が、第11戦に続く連続ポールを奪い、逆転チャンピオンに向けて、また一歩前進した。
■Q1グループA
第11戦でポールを奪い、3ポイントを獲得した岩佐は、Q1から段違いの速さを見せた。
福住仁嶺(Kids com KCMG Elyse SF23)1分36秒999、牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF23)1分36秒483と、タイムを刻むなか、次にアタックした岩佐は1分36秒027と、ライバルを引き離すタイムをマーク。
ルーキーとは思えない速さを見せるイゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)も1分36秒584と、岩佐のタイムに迫ることはできずにQ1を終えた。
大健闘だったのは、最後にアタックした野中誠太(KDDI TGMGP TGR-DC SF23)。並みいる先輩ドライバーを押しのけ5番手に食い込んだ。野中の好走により、大湯都史樹(SANKI VERTEX CERUMOINGING SF23)が弾き出されQ1敗退となった。
順位:岩佐-牧野-フラガ-フェネストラズ-野中-福住/大湯-大嶋-オサリバン-ラスムッセン-三宅
■Q1 Bグループ
Jujuを除く全車がアウトインのウォームアップを行い、Jujuはコースがクリアななかでアタックをするべく、他車がピットに入ってくるタイミングでコースに出た。しかし、タイムは伸び悩み1分38秒台と、第11戦に続きQ1最下位からの脱出はならなかった。
最初に好タイムをマークしたのは太田格之進(DOCOMO DANDELION M6Y SF23)。1分36秒291とグループAの岩佐に迫るタイムを出した。続いて、佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)も太田を僅かに上回る1分36秒244で、この組トップで余裕でQ2に進んだ。
野尻智紀(AUTOBACS MUGEN SF23)はやや伸び悩んだ感はあったが3番手。そして、4番手には、第11戦予選ではトラブルに泣いた小出峻(San-Ei Gen with B-Max SF23)が、最後にタイムを出して食い込んだ。
苦しい予選となっているトヨタエンジン勢は、坪井翔(VANTELIN TOM'S SF23)、阪口晴南(SANKI VERTEX CERUMOINGING SF23)が5、6番手に入った。
順位:佐藤-太田-野尻-小出-坪井-阪口/小高-山下-小林-高星-Juju
■Q2
Q2進出の内訳は、チーム無限2台、ナカジマ2台、ダンデライアン2台、トムス2台、KCMG1台、TGM1台、セルモ1台、B-Max1台。
最初に阪口が1分36秒674をマークすると、そのすぐ後にアタックした野尻は1分35秒973と、阪口のタイムを大きく上回った。
続く福住は1分36秒400、太田、牧野のダンデコンビも36秒前半のタイムに留まるなか、岩佐が野尻のタイムを100分の6秒上回る1分35秒910をマーク。連続のポールポジションを決めるとともに、チーム無限は、第11戦に続いてフロントローを独占した。
変則スケジュールのため、連続して予選が行われたが、明らかに、ホンダエンジン勢が優位に立っており、そのなかでも無限2台の速さが際立っている。
2つの予選を終え、逆転チャンピオンを目論む岩佐は、ポールポジションポイントを加えて96ポイント。坪井との差を8.5ポイントとしし、この勢いが続けば逆転は確実な状況だ。窮地に立たされた坪井と名門トムスの逆襲はなるのか、まずは今日行われる第11戦の決勝に注目したい。
順位:岩佐-野尻-佐藤-太田-牧野-フラガ-坪井-福住-フェネストラズ-阪口-野中-小出
第12戦の決勝は、明日23日午後2時30分から31周で行われる。






Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Atsushi BESSHO

全日本スーパーフォーミュラ選手権第11戦のの公式予選が、11月22日、三重県・鈴鹿サーキットで行われ、岩佐歩夢(AUTOBACS MUGEN SF23)が、チームメイトの野尻智紀(AUTOBACS MUGEN SF23)を抑えてポールポジションを獲得した。
■Q1グループA
いつもとは異なる早朝8時から始まった予選。グループAの注目は、逆転チャンピオンを狙う岩佐と牧野。予選のポイントを得るためにも、Q1から速さを示したいところだ。
その岩佐は、2周のウォームアップ後に最初にアタックに入り、1分36秒693を叩き出した。3番目にアタックに入った牧野は1分36秒916で2位につける。
その後、佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)、福住仁嶺(Kids com KCMG Elyse SF23)が二人の間に割って入り、牧野は4位にドロップするが、Q1は余裕をもって通過。
サッシャ・フェネストラズ(VANTELIN TOM'S SF23)が5番手、今季限りで引退を表明した大嶋和也(docomo business ROOKIE SF23)が6番手でQ2に駒を進めた。
順位:岩佐-佐藤-福住-牧野-フェネストラズ-大嶋/オサリバン-野中-阪口-高星-Juju
■Q1 Bグループ
他のチームがユーズドタイヤで1周のアウトインのウォームアップを行うなか、独自のスタイルを貫く野尻智紀(AUTOBACS MUGEN SF23)は、アウトインを行わずに、クリアな位置でコースイン。最初にアタックに入る。
その野尻は1分36秒614をマークするが、これをイゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)、タイトルを狙う太田格之進(DOCOMO DANDELION M6Y SF23)が逆転。ポイントリーダーの坪井翔(VANTELIN TOM'S SF23)は4番手タイムでQ2に進んだ。
作戦ミスを犯してしまったのは、三宅淳詞(ThreeBond SF23)。アタックに入ろうとした周にチェッカーが出てしまい、アタックができず最下位に沈んだ。
また、セクター1をトップタイムで通過した小出峻(San-Ei Gen with B-Max SF23)は、途中からエンジンがばらついてしまい加速せず。フリー走行から好調だっただけに悔しい結果となった。
順位:太田-フラガ-野尻-坪井-小高-山下/大湯-小林-ラスムッセン-小出-三宅
■Q2
Q2進出の内訳は、チーム無限2台、ナカジマ2台、ダンデライアン2台、トムス2台、KCMG1台、TGM1台、コンドー1台、ルーキー1台。
このなかで、他チームと異なる作戦を取ったのがチーム無限。他車が続々とコースインするなか、ピットでステイ。残り4分30秒となったところで、コースに入った。
1周少ないウォームアップで最初にアタックに入った野尻と岩佐は、その作戦が功を奏し、岩佐が1分35秒736、野尻が1分35秒945と、揃って35秒台に入れワンツー。二人がフロントローに並ぶという最高の予選となった。
フリー走行から速さを見せていたフラガも、35秒台をマークして無限の二人に続き、チームメイトの佐藤が4番手。ナカジマレーシングが2列目に並んだ。
以下、太田、フェネストラズ、牧野、福住と続き、ポイントリーダーの坪井は、トップ岩佐から1秒遅れの9番手と苦しい位置からのスタートとなった。
予選の結果、岩佐がPPポイントの3ポイントを加えて、逆転チャンピオンに向けて、まずは第一関門をクリアした。
順位:岩佐-野尻-フラガ-佐藤-太田-フェネストラズ-牧野-福住-坪井-小高-山下-大嶋
決勝は、本日、午後2時30分から27周で争われる。






Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Atsushi BESSHO

全日本スーパーフォーミュラ選手権第10、11、12戦のフリー走行が、11月21日、三重県・鈴鹿サーキットで行われ、イゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)がトップタイムをマークした。
シーズンもいよいよ最終大会。最後までもつれたチャンピオン争いは、ディフェンディングチャンピオンの坪井翔(104.5p)がややリードを広げ、岩佐歩夢(90p)、太田格之進(90p)、牧野任祐(81p)、野尻智紀(63.5p)が追う展開となっている。
濃霧で中止になった第10戦が、最終大会に組み込まれ3レース制となったため、計算上は野尻より下位のドライバーにも可能性はないとはいえないが、上位5人の争いになることは間違いない。
レースウィークの金曜日。秋晴れとなった鈴鹿で、午前11時05分から1時間、午後2時10分から1時間のフリー走行が行われた。

両セッションとも残り5分から予選さながらのアタックが行われ、午前のトップ6は、牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF23)、坪井翔(VANTELIN TOM'S SF23)、フラガ、太田格之進(DOCOMO DANDELION M6Y SF23)、野尻智紀(AUTOBACS MUGEN SF23)。
午後は、フラガ、岩佐歩夢(AUTOBACS MUGEN SF23)、佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)、福住仁嶺(Kids com KCMG Elyse SF23)、太田、牧野がトップ6となった。

タイムは、総じて午後の方が良く、トータルではフラガがトップとなったが、チャンピオンを争う面々は概ね好調。明日の予選では、熾烈なグリッドの奪い合いが見られそうだ。
明日は、午前8時から第11戦予選、午前10時05分から第12戦予選、午後2時30分から第11戦決勝(27周)が行われる。
Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Atushi BESSHO

2025オートバックスSUPER GT第8戦「MOTEGI GT 300km RACE」の決勝が、11月2日、栃木県・モビリティリゾートもてぎで行われ、マッハ車検エアバスターMC86マッハ号(塩津佑介/木村偉織)が初優勝を飾った。
最終戦までもつれ込んだドライバーズタイトルは、6位でフィニッシュしたLEON PYRAMID AMGを駆る蒲生尚弥と菅波冬悟が獲得した。

秋のモビリティリゾートもてぎは、やや肌寒いものの、過ごしやすい天候となった。午後1時、チャンピオンの決まる最終戦のスタートが切れらた。
序盤は、予選から抜き出た速さを見せていた61号車SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人)が逃げ、5号車マッハ車検 MC86(塩津)、52号車Green Brave GR Supra GT(野中誠太)、56号車リアライズGT-R(平手晃平)、4号車グッドスマイル初音ミクAMG(片岡龍也)、666号車seven×seven PORSCHE GT3R(藤波清斗)が追うという展開が続いた。
15周目、快調に飛ばす61号車SUBARU BRZが、2位の52号車に対し7秒という大量リードを築き、56号車、5号車、4号車が2〜3秒間隔で続いた。ここまでは完全にSUBARUがレースの主導権を握っていた。
この状況に変化が生じたのは、19周目から始まったピットイン。いの一番にピットに飛び込んだ5号車マッハ車検は、タイヤ無交換作戦を敢行。ステアリングは木村に託され、残る約40周を走り切る作戦だ。
これを皮切りに、20周目に11位を走行していたポイントリーダーの65号車LEON AMG(菅波→蒲生)、21周目に6位の666号車seven×sevenポルシェ(藤波→キング)、23周目に3位の56号車リアライズGT-R(平手→JPオリベイラ)と5位の4号車グッドスマイルAMG(片岡→谷口)、26周目にトップの61号車SUBARU(井口→山内)、27周目に2位の52号車Green Brave(野中→吉田)と、次々にピットイン。
レース後半にピットインをする作戦をとったチームもあったが、上位グループは前半でピットインを済ませた。
レース折り返しとなる30周目。ピットインしていない車両はあったものの、実質のトップは5号車マッハ車検(木村)、3秒遅れて61号車SUBARU(山内)、さらに3秒遅れて52号車Green Brave(吉田)という順となった。
ここから5号車の快走が始まる。マザーシャーシを使用する旧型とも言えるマシン、さらにタイヤ無交換という状況で、木村は、GT500にかわされながらも安定して1分50秒台のタイムを刻み、61号車SUBARU(山内)との差を、40周目4秒、45周目6秒、50周目には8秒と、確実に開いていった。
終盤には、61号車SUBARU(山内)に追いついた52号車Green Brave(吉田)、666号車seven×sevenポルシェ(キング)、56号車リアライズGT-R(JPオリベイラ)が、4台による2位争いを繰り広げ、これもトップの5号車マッハ車検(木村)にとっては有利に働いた。
最後までペースの落ちなかった5号車(木村)は、独走で59周を走りきって初優勝。チーム発足から22年、マザーシャーシを使い始めてから11年の悲願の勝利だった。


2位には61号車SUBARU、3位には、58周目に52号車を抜いた666号車seven×sevenポルシェが入った。
最後まで攻め続けたリアライズGT-R(JPオリベイラ)は、3位と0.3秒差の4位。もし、3位に入っていれば、チームメイトの平手晃平がドライバーズチャンピオンになる計算だったが、僅かに届かなかった。
今季チーム・マッハに加入した木村は、昨年末にスーパーフォーミュラのシートを失い、一時は、今シーズンのレース参戦が危ぶまれた。しかし、PCCJ(ポルシェ・カレラ・カップ・ジャパン)でチャンピオンを獲得、スーパーGTでも優勝するなど、与えられたチャンスを確実にものにし、ドライバーとしてのポテンシャルを証明してみせた。

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Motorsports Forum


11月2日、2025FIA-F4選手権シリーズの第14戦(最終戦)が、栃木県・モビリティリゾートもてぎで行われ、チャンピオンクラスは白崎稜(Kageyama YBS Verve MCS4)が、インディペンデントクラスは、KENTARO(Baum Beauty Clinic)が制した。
最終戦までもつれ、5.5ポイント差で迎えたチャンピオンクラスのタイトル争いは、今シーズンをリードし続けた佐藤樹(KageyamaチームスタイルMCS4)と鈴木斗輝哉(TGR-DC RS F4)の意地がぶつかり合う展開となったが、大逆転で鈴木が獲得した。
同様に7.5ポイント差で迎えたインディペンデントクラスのタイトルは、今田信宏(JMS RACING with B-MAX)が、KENTARO(Baum Beauty Clinic)を僅か0.5ポイント差で下して、初のFIA-F4タイトルを手にした。
この結果、両クラスとも最終大会で逆転によりタイトルが決まるという、劇的な幕切れとなった。

■チャンピオンクラス
タイトルを争う二人がフロントローに並ぶという絵に描いたようなシチュエーションとなったが、オープニングラップはさらに劇的な展開が待っていた。
ポールポジションの佐藤はやや出遅れ、鈴木が前に出るが、2コーナーでインに入った佐藤が鈴木を押し出す形で前に出る。二人の先陣争いはこれでは終わらず、続く3〜4コーナーでは、今度は鈴木がインから佐藤を押し出し、佐藤はたまらずコースオフして順位を大きく落としてしまった。
この接触で、ややスピードの鈍った鈴木は、続く5コーナーで白崎に先行を許してしまい、2位へ後退。しかし、佐藤の脱落でタイトル争いでは俄然有利な状況になった。
レースは、コースオフした車両の処理で、2周から4周目までセーフティカーランとなるが、5周目のリスタート後は、白崎、鈴木、梅垣清(TGR-DC RS F4)、三浦柚貴(TGR-DC RS F4)、洞地遼⼤(PONOS RACING MCS-24)、迫隆眞(PONOS RACING MCS4-24)の順で進んだ。
折り返しを迎えた7周目に、1周目の押し出し行為に対し、佐藤と鈴木に両成敗となるプラス5秒のペナルティが課された。
上位陣は、その後も順位に変動はなく、白崎が13周を走りきって、今シーズン3勝目のチェッカーを受けた。2位フィニッシュの鈴木はプラス5秒ペナルティを加えて4位。12ポイントを加算し、逆転でチャンピオンに輝いた。
一方、25位まで落ちた佐藤は、鬼神の追い上げで順位を挽回し、13位でゴールしたものの、ペナルティで最終結果は14位。昨日のリタイアに続き、2レース続けてノーポイントという、佐藤とチームにとっては悪夢のような週末になってしまった。







■インディペンデントクラス
クラスポールのKEN ALEX(BUZZ RACING)がエンジンストール、2番グリッドの清水康弘(ART TASTE F4)もミスで遅れ、今田がトップでオープニングラップを終える。
5周目にSCランからリスタートすると、逆転チャンピオンに向けて勝つしかないKENTAROが意地を見せ、5周目に清水を、7周目に今田をかわしてトップに躍り出る。2位に下がった今田だが、この順位のままでもタイトル獲得はできるため、無理にKENTAROを抑えることはせず、以降は確実に2位をキープすることに徹した。
11周目、3位清水がチャンピオンクラスの車両と絡む間に、追い上げてきたDRAGON(B-MAX TEAM DRAGON)が3位に浮上。その際、両者が接触し、清水はフロントウィングを失い、ペースダウン。徐々に順位を落とすことになる。
レースは、KENTAROが制し今季6勝目。今田、DRAGONの順でチェッカーを受けた。
KENTAROは、14戦中6勝と最も多い勝ち星をあげたが、3勝ながらコンスタントにポイントを稼いだ今田に僅か0.5ポイント及ばなかった。
初めてFIA-F4のチャンピオンとなった今田は、これで、フォーミュラ・リージョナル、SFライツ、FIA-F4と、フォーミュラ3クラスの制覇を成し遂げた。




Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOINE


11月1日、2025FIA-F4選手権シリーズの第13戦が、栃木県・モビリティリゾートもてぎで行われ、チャンピオンクラスは、新原光太郎(HFDP with B-Max Racing)がポールポジションから逃げ切って今季2勝目を飾った。
インディペンデントクラスは、前大会でFIA-F4にデビューした清水康弘(ART TASTE F4)が3レース目にして優勝を飾った。
注目のタイトル争いは、チャンピオンクラスは、ランキングトップの佐藤樹(KageyamaチームスタイルMCS4)が電気系トラブルでリタイア。ランキング2位の鈴木斗輝哉(TGR-DC RS F4)が2位に入ったことで、23.5ポイントあった両者の差が、一気に5.5ポイントとなり、勝負は最終戦に持ち込まれることになった。
インディペンデントクラスは、ランキングトップのKENTARO(Baum Beauty Clinic)が5位、今田信宏(JMS RACING with B-MAX)が2位となったことで、今田が逆転。7.5ポイントのリードを築いて、明日の最終戦を迎えることになった。

■チャンピオンクラス
全車がグリッドについたところで、スタートシグナルのトラブルがあり、再度フォーメーションラップから仕切り直しとなったため、12周レースとして行われた。
ポールシッターの新原が好スタート。2位鈴木との差を広げながらオープニングラップを終えるが、2周目に後方でコースオフした車両があり、セーフティカー(SC)が導入され、リードは一旦リセットされた。
5周目に入るところで先導していたSCがコースを外れ、リスタート。ここでも新原は上手くスタートを決め、鈴木に1.1秒のギャップを築いて5周目を終える。3位は6番グリッドからポジションを上げた洞地遼⼤(PONOS RACING MCS-24)、以下、4位三浦柚貴(TGR-DC RS F4)、5位梅垣清(TGR-DC RS F4)、6位迫隆眞(PONOS RACING MCS4-24)と続く。
7周目、5位梅垣が、前を行く三浦を捕らえて4位に浮上。以降、上位陣での順位変動は起こらず。新原が、毎周ファステストラップを更新する走りで、徐々に独走状態に持ち込み、最後は4秒近い差をつけてチェッカーを受けた。
新原は、第7戦鈴鹿大会に続く、今季2勝目。鈴鹿ではSC先導でのゴールだったため、初めてガッツポーズでチェッカーを受けることができた、と喜んだ。




■インディペンデントクラス
クラスポールスタートのKEN ALEX(BUZZ RACING)がオープニングラップで遅れ、清水、今田、SAKAI WILLIAM(HELM MOTORSPORTS F4)、DRAGON(B-MAX TEAM DRAGON)、KENTARO(Baum Beauty Clinic)、ALEXの順で1周目を終える。
SCランを終えても上位陣の順位は変わらなかったが、トップ清水のペースが速く、折り返しの6周目には、今田に対し1.4秒のギャップを築いた。今田もタイトルがかかっており無理に追うことはせず、両者の差は、レース後半に入るとさらに開いていった。
このレースがFIA-F4での3レース目となる清水だが、堂々たる走りで独走に持ち込み、そのままチェッカーを受けた。
2位以下は僅差の戦いになったが、順位は変わらず、今田、SAKAI、DRAGONの順でフィニッシュ。しかし、DRAGONは複数回他車を押し出したとして、ペナルティが課され降格となった。




第14戦決勝は、明日の午前8時25分から、13周(または30分間)で行われる。
Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOINE

2025オートバックスSUPER GT第8戦「MOTEGI GT 300km RACE」の公式予選が、栃木県・モビリティリゾートもてぎで行われ、GT300クラスは、SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)が、第5戦鈴鹿大会に続いてポールポジションを獲得。CARGUYフェラーリの連続ポールを阻止した。
予選で、SUBARU BRZが躍動した。今シーズン、予選では上位につけながらも、なかなか結果が残らないレースが続いていたが、その鬱憤を晴らすチャンスがノーウェイトとなった最終大会で巡ってきた。公開練習、予選Q1でもトップタイムを奪い、予選までは順調に進んでいる。あとは決勝で結果を残すだけだ。
2位は、マザーシャーシを使用し、今や旧型とも言えるマッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号(塩津佑介/木村偉織)。Q2の木村のアタックでフロントローを得た。
なお、前回、前々回と予選で速さを示し、連続ポールを獲得してきたCARGUY FERRARI 296 GT3(ザック・オサリバン/小林利徠斗)は、10位に沈んだ。
■予選Q1
A、Bグループに分けられたGT300クラスの予選は、各グループ上位9台までがQ2に進出。
Aグループでは61号車SUBARU BRZ(井口卓人)が2位を0.8秒近く引き離す1分46秒048でトップ。前大会で優勝を飾った666号車seven × seven PORSCHE GT3R(藤波清斗)、4号車グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝)が続いた。
ランキング2位の56号車リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R(平手晃平)は9位でQ1を通過した。
Bグループでは、前回の大クラッシュから復活を遂げた11号車GAINER TANAX Z(富田竜一郎)が1分46秒417のトップタイムをマーク。2位、0号車VENTENY Lamborghini GT3(小暮卓史)、3位、96号車K-tunes RC F GT3(高木真一)と続き、7位にポイントリーダーの65号車LEON PYRAMID AMG(菅波冬悟)がつけ、ランキング上位陣は順当にQ2に駒を進めた。
5号車マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号(塩津佑介)は、最後に9位に滑り込み、ギリギリでQ1を突破した。
■予選Q2
Q2では、最初に1分46秒台に入れた18号車UPGARAGE AMG GT3(野村勇斗)がマークした1分46秒411をターゲットに、各車が次々にアタック。
4号車グッドスマイルAMG(片岡龍也)1分46秒466、0号車VENTENYランボルギーニ (元嶋佑弥)1分46秒600と、46秒台半ばのタイムが続くなか、61号車SUBARU BRZ(山内英輝)が他を圧倒する1分45秒192と驚速タイムを叩き出す。
さすがに、このタイムに迫る者は出なかったが、最後に僅差の2位争いに終止符を打ったのは、5号車マッハ車検 MC86 (木村偉織)。渾身のアタックで、1分46秒341、1分46秒263と、削り取るようにタイムを短縮し、表彰台に上った第5戦鈴鹿大会の予選順位3位を上回った。
決勝は、明日2日の午後1時から63周(300km)で行われる。


Text: Shigeru KITAMICHI
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2025オートバックスSUPER GT第8戦「MOTEGI GT 300km RACE」の公式練習が、栃木県・モビリティリゾートもてぎで行われ、GT300クラスは、SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)がトップタイムをマークした。
夜半に降った雨も上がり、絶好のレース日和となった予選日。午前9時10分から2時間の公開練習が行われた。
今シーズン、トラブルに泣かされている61号車SUBARU BRZは、第5戦鈴鹿で2位表彰台は得たものの、第2戦富士では優勝を目前にしてストップ、前オートポリス大会でも予選でエンジンが悲鳴を上げてしまうなど、厳しいレースが続いている。
そんな不運を振り払うように、走行開始から計測6ラップ目に山内が1分46秒404のトップとなるタイムをマークすると、残る時間は決勝想定のロングランに終止した。タイトル争いからは離脱してしまっているが、最後に一矢報いたいところだ。
2番手は、0号車VENTENY Lamborghini GT3(小暮卓史/元嶋佑弥)。こちらも現時点でシリーズ11位と厳しい位置にいるが、昨年のもてぎ戦では優勝しているだけに、ノーウェイトとなる今大会で優勝を飾る可能性はありそうだ。
3番手は、4号車グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也)。今シーズン優勝はないものの、トップから12.5ポイント差のランキング4位と、好位置につけている。最終戦の大逆転はあるのか、注目したい。
4番手以下は、ランキング5位の56号車リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/平手晃平)、666号車seven × seven PORSCHE GT3R(ハリー・キング/藤波清斗)、52号車 Green Brave GR Supra GT(吉田広樹/野中誠太)と続いた。
気になるランキング上位陣は、ランキングトップの65号車LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/菅波冬悟)が12位、7号車CARGUY FERRARI 296 GT3(ザック・オサリバン/小林利徠斗)が9位につけている。
ただ、多くの車両が、序盤にベストタイムを出しており、殆どの走行時間を決勝セットに費やしていると思われ、公式練習の順位はあまり気にすることはないようだ。
予選は、本日午後2時から行われる。



Text: Shigeru KITAMICHI
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11月1日、FIA-F4選手権第13、14戦の予選が、モビリティリゾートもてぎで行われ、チャンピオンクラスは、ベストタイムは新原光太郎(HFDP with B-Max Racing)、セカンドベストは佐藤樹(KageyamaチームスタイルMCS4)がトップを取り、それぞれ第13戦、14戦のポールポジションンを獲得した。
インディペンデントクラスは、KEN ALEX(BUZZ RACING)が、ベスト、セカンドベストともにトップタイムをマークし、両レースでポールポジションを獲得した。
いよいよ最終大会を迎えた。タイトル争いは、チャンピオンクラスは、佐藤樹212.5p、鈴木斗輝哉189pと、二人の一騎討ち。一方、インディペンデントクラスは、KENTARO190.5p、今田信宏190p、DRAGON175.5pと、こちらは三人の闘いとなっている。
前日の夜半にかなり強い雨が降ったものの、早朝には日が差して快晴となった。ただ、路面はうっすらと濡れた状態のまま予選を迎えた。
■チャンピオンクラス
午前8時から始まった予選は、最初はスリッピーだったものの、刻々と乾いていく難しい路面状況となった。
まず、予選をリードしたのは、新原と鈴木斗輝哉(TGR-DC RS F4)。二人は、2分05秒台、03秒台、01秒台と、予選終盤まで競い合うようにタイムを出し合った。
終盤、路面状況が改善されてくると、ここに白崎稜(Kageyama YBS Verve MCS4)と佐藤樹(KageyamaチームスタイルMCS4)が絡んで、最後は4人が100分の数秒という僅差で争うという展開となった。
結局、全員ベストタイムは最終周に記録することになり、新原、白崎、鈴木、佐藤という順で、第13戦のグリッドが決まった。
セカンドタイムで決まる第14戦のグリッドは、最後の2ラップを上手くまとめた佐藤がポールを奪い、鈴木が2位。新原は、前車に引っかかりタイムが出ずに6位だった。
逆転チャンピオンに向け、23.5ポイント差を埋めなければならない鈴木にとっては、佐藤のグリッド位置が気になるところだったが、佐藤が第13戦で鈴木の1つ後ろ、第14戦ではポールを獲得したことで、逆転はかなり厳しくなった。
第13戦予選結果(Top10):新原-白崎-鈴木斗-佐藤-三浦-洞地-迫-鈴木恵-落合-梅垣
第14戦予選結果(Top10):佐藤-鈴木斗-白崎-梅垣-三浦-新原-迫-百瀬-落合-鈴木恵


■インディペンデントクラス
SFライツレギュラーで、前大会からFIA-F4にも参戦を開始した清水康弘(ART TASTE F4)が、序盤から、やや抜き出たラップタイムをマークして、このままポールを奪いそうな勢いを見せた。
これに食い下がったのが、KEN ALEX(BUZZ RACING)。途中、赤旗提示による中断を挟んだ最後の2ラップでは、見事なアタックを見せ、2分00秒748、00秒458と、清水を抑えて両レースでポールポジションを奪うことに成功した。
タイトル争いを繰り広げる今田信宏(JMS RACING with B-MAX)は、第13戦、第14戦ともに、ポイントリーダーのKENTARO(Baum Beauty Clinic)の1つ前のグリッド、4位と3位を獲得し、逆転チャンピオンに向けて、まずは1つハードルを超えた。
シリーズ3位につけ、この週末は連勝を目論んでいたDRAGON(B-MAX TEAM DRAGON)は、ちょい濡れの路面にクルマを合わせ切れずに9位、5位に沈み、タイトル奪取はかなり厳しくなった。
第13戦予選結果(Top8):ALEX-清水-SAKAI-今田-KENTARO-IKARI-赤松-齋藤
第14戦予選結果(Top8):ALEX-清水-今田-KENTARO-DRAGON-SAKAI-赤松-IKARI
第13戦の決勝は、本日の午後0時50分から、第14戦の決勝は、明日の午前8時25分から13周(または上限30分)で行われる。



Text: Shigeru KITAMICHI
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2025オートバックスSUPER GT第7戦「AUTOPOLIS GT 3HOURS RACE」の決勝が、10月19日、大分県・オートポリスで行われ、seven×seven PORSCHE GT3R(ハリー・キング/藤波清斗/近藤翼)が初優勝を飾った。

朝の霧から晴れに変わり、スーパーGTがスタートを迎える頃にはどんよりと曇ってきた。さらに降雨予報も出ているという、読みづらい天候の下、スタートが切られた。
昨日の予選でクラッシュしてしまった11号車GAINER TANAX Z(富田竜一郎/大木一輝)は、出走を取りやめ、26台が決勝グリッドに並んだ。
25分を経過したところで、GT500の車両が接触からクラッシュ。このアクシデントでフルコースイエロー(FCY)になり、続けてセーフティカー(SC)が入った。トップの7号車CARGUYフェラーリ(小林利徠斗)はここまでに11秒の大量リードを築いていたが、これがリセットされた。
ここまでのトップ6は、7号車CARGUYフェラーリ、0号車VENTENYランボルギーニ (元嶋佑弥)、2号車HYPER WATER GR86 (堤優威)、65号車LEON AMG(蒲生尚弥)、6号車UNI-ROBO FERRARI(ロベルト・メリ)、87号車METALIVESランボルギーニ(坂口夏月)、666号車seven×sevenポルシェ(藤波清斗)。
1時間経過した頃から1度目のピットインが始まるが、この頃から7号車と0号車の一騎討ちの様相を呈してきた。7号車CARGUYフェラーリは小林からオサリバンへ。0号車VENTENYランボルギーニは元嶋のまま、2スティント目に入る。
このスティントでは0号車ランボルギーニが徐々に差をつけ始め、二度目のピットインを終えた時点では7号車フェラーリ(小林)に16秒以上のリードを築いていた。ところが、ここで0号車(小暮)に「FCY解除時の速度超過」でドライブスルーペナルティが課される。
これで7号車が逆に15秒のリードを得ることになるが、さらにその15分後には、7号車と0号車の双方に「黄旗区間の追い越し」でドライブスルーペナルティが課された。
このトップ2台に課されたペナルティで、一気のトップ争いに浮上してきたのが、今シーズンから参戦を開始した唯一のポルシェGT3である666号車seven×sevenポルシェ(キング)。
それでも、トップでコースに戻った7号車フェラーリと666号車ポルシェの差は6秒。ペースはほとんど変わらないため、このままフィニッシュを迎えると誰もが思った。
ところが、最後のどんでん返しは残り7分にやってきた。トップを快走していた7号車フェラーリが突然ピットに滑り込んだのだ。何が起こったのかと思いきや、燃料切れ。最小限のガス補給をして2位でコースに戻ったものの、手中に収めたと思われた優勝を目前で逃すことになった。
666号車ポルシェを初優勝に導いた藤波清斗は、一時はレース活動を休止していたが、昨年からスーパーGTに復帰。今シーズンは新チームに加入し、初年度で結果を出した。
3位は0号車ランボルギーニ、以下、56号車リアライズGT-R、6号車UNI-ROBO FERRARI、65号車LEON AMGと続いた
この結果、第7戦終了時点のランキングは、65号車LEON AMG(79p)、56号車リアライズGT-R(平手/77.5p)、7号車CARGUY FERRARI(74.5p)、4号車グッドスマイルAMG(66.5p)、666号車seven×sevenポルシェ(63.5p)となって最終戦に臨むことになった。(※ポイントは手元集計です)
最終戦、第8戦は、11月1〜2日にモビリティリゾートもてぎで行われる。




Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOINE

11月19日、2025FIA-F4選手権シリーズ第12戦チャンピオンクラスの決勝が、大分県・オートポリスで行われ、好スタートを決めた白崎稜(Kageyama YBS Verve MCS4)が、独走で優勝を飾った。
朝、最初に行われたインディペンデントクラスの決勝は、霧が立ち込めてセーフティカー先導のスタートとなったが、チャンピオンクラスの決勝がスタートする頃には、霧も晴れて視界もクリアになった。

ポールポジションの森山冬星(JMS RACING with B-MAX)が出遅れ、2番グリッドの白崎がトップで1コーナーに飛び込む。その後方では、森山と佐藤樹(KageyamaチームスタイルMCS4)が並走し激しく競り合う展開となったが、森山が意地で2位を守り、佐藤は若干遅れることになった。
1周目の上位のオーダーは、白崎、森山、百瀬翔(HFDP with B-Max Racing)、鈴木斗輝哉(TGR-DC RS F4)、佐藤、洞地遼⼤(PONOS RACING MCS-24)、武藤雅奈(TGR-DC RS F4)、新原光太郎(HFDP with B-Max Racing)。
2周目以降は、唯一人1分54秒前半のラップを刻み続けるトップの白崎が、2位森山との差を周回ごとに0.3から0.5秒開いていく。その差は、レース折り返しとなる7周目には3.9秒となり、白崎は完全に独り旅となった。
2位以下も各車が僅差で続くが、上位陣は膠着状態。トップグループではミスを犯す選手もなく、レースは淡々と進んだ。
結局、上位陣は1周目の攻防以降、順位は変わらないままフィニッシュを迎え、白崎が第2戦富士以来となる2勝目を飾った。
気になる佐藤と鈴木によるチャンピオン争いだが、佐藤が5位(10点)、鈴木が4位(12点)を加え、両者の差は2点縮まったものの、23.5点差(212.5対189)で、最終もてぎ大会を迎えることになった。




Text: Shigeru KITAMICHI
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2025オートバックスSUPER GT第7戦「AUTOPOLIS GT 3HOURS RACE」の公式予選が、大分県・オートポリスで行われ、GT300クラスは、CARGUY FERRARI 296 GT3(ザック・オサリバン/小林利徠斗/澤圭太)が、前戦SUGO大会に続いてポールポジションを獲得した。
まるで、SUGO大会の再現のような予選だった。またしてもQ2でCARGUYフェラーリのステアリングを握った小林利徠斗が、最後のアタックで大逆転を見せて、ポールポジションを奪った。
■予選Q1
A、Bの2グループに分けて行われたGT300クラスの予選は、各グループ上位9台までがQ2に進出できる。
Aグループは、7号車CARGUYフェラーリ(ザック・オサリバン)がマークした1分44秒056をターゲットタイムに、各車がアタックするが、61号車SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人)は1分44秒514、56号車リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R(JP・デ・オリベイラ)も1分44秒700と届かず。
このまま予選は終了と思われたが、2番手タイムを出していたSUBARU BRZが、白煙を上げてコースサイドにストップ。来シーズンから新エンジンを投入することを発表したばかりの61号車だが、エキゾーストパイプからは炎とともにオイルも出ており、かなり深刻なトラブルのようだ。
Bグループは、練習走行でもトップを奪った0号車VENTENYランボルギーニ (元嶋佑弥)が、最初に1分44秒466のトップタイムをマークし、2号車HYPER WATER INGING GR86 GT(平良響)、65号車LEON PYRAMID AMG(菅波冬悟)らが、これを上回ろうとアタックするが、45秒を切ることができなかった。
最後に、5号車マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号(塩津佑介)が、1分44秒553とあと少しのところまで迫るが届かなかった。
■予選Q2
Q2が始まる頃から雨が降り出し、各チームはスリックかレインタイヤか頭を悩ますことになった。
この微妙なコンディションに、18号車UPGARAGE AMG GT3(野村勇斗)は、レインを選択。しかし、この選択は誤りだったようで、1分53秒台をマークしたところで、ピットに滑り込み、スリックに交換することになった。
スリックでタイムを上げていたのが、60号車Syntium LMcorsa LC500 GT(吉本大樹)と666号車seven×seven PORSCHE GT3R(藤波清斗)。ともに1分45秒台までタイムを上げた。
2号車HYPER WATER GR86(堤優威)、6号車UNI-ROBOフェラーリ(ロベルト・メリ)も次々に1分45秒台に入れるが、これらのタイムを一気に上回ったのが0号車VENTENYランボルギーニ(小暮卓史)。
0号車は、1分44秒619、1分44秒070とタイムアップし、これでポールは決まりかと思われた。しかし、最後にアタックをしていた7号車CARGUYフェラーリの小林が、0号車のタイムを大きく上回る1分43秒496を叩き出し、SUGO大会に続いて、逆転でのポールポジションを決めた。
ランキングトップ3の65号車LEON PYRAMID AMGは4位、56号車リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rは15位、4号車グッドスマイル 初音ミク AMGは13位だった。
なお、終了間際に11号車GAINER TANAX Z(大木一輝)がクラッシュし、リアセクションを大きく破損してしまった。


決勝は、明日19日の午後1時10分から3時間で行われる。
Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOINE

11月18日、2025FIA-F4選手権シリーズ第11戦チャンピオンクラスの決勝が、大分県・オートポリスで行われ、ランキング2位の鈴木斗輝哉(TGR-DC RS F4)がポール・トゥ・ウィンで今季4勝目。ランキングトップの佐藤樹(KageyamaチームスタイルMCS4)が2位に入った。
残り2大会。シリーズも大詰めに入った。今大会を迎える前の時点でランキングトップの佐藤(184.5p)と鈴木(152p)の差は32.5p。佐藤が圧倒的優位となっている。4戦でこの差を逆転するのは至難の業だが、鈴木としては連勝を続けるしかない。
スタート前に、細かな雨粒が落ちてきたが、路面を濡らすほどではない。

好スタートを見せたポールの鈴木に対し、2番グリッドの森山冬星(JMS RACING with B-MAX)はストール気味になってしまい、後方の車両に飲み込まれてしまった。代わって佐藤が2位に上がる。
オープニングラップは、鈴木、佐藤、武藤雅奈(TGR-DC RS F4)、白崎稜(Kageyama YBS Verve MCS4)、森山、新原光太郎(HFDP with B-Max Racing)の順。
安定して1分54秒フラットを刻むトップの鈴木は、2位佐藤との差を、4周目に1秒、6周目には2.4秒にまで開いて、独走状態に持ち込む。
7周目に再び雨粒が落ちてくるが、レースに影響を与えることはなかった。この頃から熾烈になったのが6位争い。新原に、チームメイトの百瀬翔(HFDP with B-Max Racing)、昨年はホンダの育成チームで走っていた洞地遼⼤(PONOS RACING MCS-24)が迫った。
ペースの上がらない新原は、無理に抑えることはしなかったものの、8周目に百瀬、9周目に洞地に抜かれ、8位に後退してしまった。
終盤になってもペースの落ちないトップ鈴木は、2位佐藤に6秒以上の差をつけ、今季4勝目のチェッカーを受けた。これで25ポイントを加えて177p。18ポイントを加えた佐藤(202.5p)とのポイント差は25.5に縮まった。
3位には初表彰台の武藤が入った。堂々としたレース運びを見せた武藤は2009年生まれの16歳。今後が楽しみなドライバーだ。
第12戦決勝は、明日午前9時15分からから、13周(または30分間)で行われる。




Text: Shigeru KITAMICHI
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2025オートバックスSUPER GT第7戦「AUTOPOLIS GT 3HOURS RACE」の公式練習が、大分県・オートポリスで行われ、GT300クラスは、VENTENY Lamborghini GT3(小暮卓史/元嶋佑弥)がトップタイムをマークした。
関東以北はすっかり秋に入っているが、九州地方は連日30度近い気温となり、まだ夏が続いているようだ。
予選日は、雨予報が出ていたが、朝は曇り空ながら雨の気配はなかった。しかし、練習走行の終了間際に設けられたGT300クラスの専有走行時間帯あたりから雨が落ち始めた。
練習走行でトップタイムをマークしたのは、ランキングでは下位に沈んでいる0号車VENTENY Lamborghini GT3。最後の専有時間帯に、元嶋がタイムを更新した。サクセスウェイトが軽い今回はチャンスなだけに、優勝で一矢報いたいところだ。
2番手は、7号車CARGUY FERRARI 296 GT3(ザック・オサリバン/小林利徠斗)。こちらも最後の時間帯に小林がタイムを上げてきた。第5戦の鈴鹿で見事な優勝を飾っているだけに、残り2戦でどこまでランキングを上げてくるのか注目だ。
3番手は、18号車UPGARAGE AMG GT3(小林崇志/野村勇斗)。こちらも第3戦セパンで優勝してからコンスタントにポイントを重ねている。SFライツチャンピオンとなった旬なドライバー・野村が勝利を呼び込むのか、こちらも目が離せない。
4番手以下は、2号車HYPER WATER INGING GR86 GT(堤優威/平良響)、52号車Green Brave GR Supra GT(吉田広樹/野中誠太)、61号車SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)と続いた。
気になるランキング上位陣は、65号車LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/菅波冬悟)が11位、56号車リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R(JP・デ・オリベイラ/平手晃平)が18位、4号車グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也)が14位と、最後にタイムを出しに行っていないため、微妙な位置につけている。
予選は、本日午後2時45分から行われる。


Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOINE



10月17日、FIA-F4選手権第11、12戦の予選が、オートポリスで行われ、チャンピオンクラスは、第11戦は鈴木斗輝哉(TGR-DC RS F4)が、第12戦は森山冬星(JMS RACING with B-MAX)がポールポジションンを獲得した。
インディペンデントクラスは、KENTARO(Baum Beauty Clinic)が、両レースともポールポジションを獲得した。
いよいよシリーズも残すところ2大会4戦となった。気になるタイトル争いだが、チャンピオンクラスのトップ3は、佐藤樹184.5p、鈴木斗輝哉152p、白崎稜100.5pとなっており、実質、佐藤と鈴木の二人に絞られたと言ってもいいだろう。
インディペンデントクラスは、DRAGON163.5p、KENTARO150.5p、今田信宏147pと、こちらは三つ巴の戦いとなっている。
朝から、夏の陽気となったオートポリス。今大会は、両クラスが予選、決勝ともに、混走ではなく独立して行われるため、レースウィークの金曜日に予選が行われた。
■チャンピオンクラス
路面温度が40度超えとなり、多くのチームが、1周のウォームアップの後に2周アタックという作戦を取った。
トップタイムをマークしたのはランキング2位の鈴木斗輝哉。計測2周目に1分53秒535をマーク。しかし、鈴木は 3周目にタイムを出せず、セカンドベストは7位に沈んだ。
対照的に、2ラップとも上手くまとめたのが、森山冬星(JMS RACING with B-MAX)。ベストは鈴木に遅れること100分の1秒の2位、セカンドベストはトップで、今季初のポールポジションを手に入れた。
ポイントリーダーの佐藤樹(KageyamaチームスタイルMCS4)は、森山には及ばなかったものの、両レースともに3番グリッドを得て、今大会も安定した速さを見せている。チームメイトの白崎稜(Kageyama YBS Verve MCS4)も5位、2位と好調だ。
第11戦予選結果(Top10):鈴木-森山-佐藤-武藤-白崎-百瀬-洞地-新原-梅垣-三浦
第12戦予選結果(Top10):森山-白崎-佐藤-百瀬-武藤-洞地-鈴木-梅垣-新原-熊谷


■インディペンデントクラス
DRAGON(B-MAX TEAM DRAGON)、KENTARO(Baum Beauty Clinic)、今田信宏(JMS RACING with B-MAX)の三強の争いになると思われた予選だが、アタック前に赤旗が出て予選が中断したことが明暗を分けた。
1周のウォークアップ後にアタックに入っていたDRAGONは、赤旗で完全に予定が狂ってしまい、ベストで6位、セカンドベストで7位と予想外の下位に沈んだ。
ポールを奪ったのは、再開後、立て続けにベストタイムを出したKENTARO 。両レースでトップとなり、完璧な予選となった。特にベストタイムでは、2位の今田に0.4秒という大差をつける速さを見せた。
その今田は、両レースで2番グリッドを得て、KENTAROとともにフロントローに並ぶことになった。タイトルを争う二人の後塵を拝したDRAGONは、決勝でどこまで巻き返すのか、タイトルの行方とともに気になるところだ。
ベスト、セカンドベストともに3番手タイムをマークしたのは、今回がFIA-F4デビューとなる清水康弘(ART TASTE F4)。今季スーパーフォーミュラ・ライツに参戦している実力を発揮して好位置に付けた。
第11戦予選結果(Top8):KENTARO-今田-清水-植田-ALEX-DRAGON-赤松-IKARI
第12戦予選結果(Top8):KENTARO-今田-清水-植田-ALEX-赤松-DRAGON-中島
第11戦の決勝は、明日土曜日の午前8時15分からインディペンデント、午後1時40分からチャンピオンクラスが、また、第12戦の決勝は、日曜日の午前8時15分からインディペンデント、午前9時15分からチャンピオンクラスの決勝が、すべて13周(または上限30分)で行われる。


Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOINE
全日本スーパーフォーミュラ選手権第10戦の決勝は、10月12日、静岡県・富士スピードウェイで行われる予定だったが、霧のために中止となった。
レース開始1時間前からコースを霧が包み込み、主催者はスタート時刻を遅らせる措置を取ったものの、霧が晴れることはなく、日没も迫ってきたため、15時35分に中止が発表された。
シリーズを運営する日本レースプロモーションによると、第10戦の代替レースについては、開催の有無も含めて、富士スピードウェイ、鈴鹿サーキットと協議を進めるとのことだが、今回の予選結果を生かすのか、予選ポイントを与えるのかについても現時点では未定とのことだ。
タイトル争いも佳境に入っているだけに、代替レースの開催については関係者やファンも気になるところ。発表を待ちたい。





Text: Shigeru KITAMICHI
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全日本スーパーフォーミュラ選手権第10戦の予選が、10月11日、静岡県・富士スピードウェイで行われ、逆転チャンピオンを狙う牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF23)が、ポールポジションを獲得した。
昨日の第9戦を終えてのランキングは、坪井(104.5p)、岩佐(90p)、太田(89p)、牧野(78p)、野尻(63.5p)、フェネストラズ(47p)。第10戦でチャンピオン候補が絞られることを考えると、パッシングが可能な富士とはいえ、予選のポイントも含め、スターティンググリッドの位置は大きな意味を持つ。
富士スピードウェイ上空は朝から厚い雲に覆われたものの、雨の心配はなさそうだ。夜半の雨で濡れていた路面も、予選開始時刻にはほぼドライとなった。
■Q1グループA
午前10時10分から始まったグループAの予選Q1では、まだ路面に所々濡れている部分があり、各ドライバーは慎重にタイヤを温めながらラップを重ねた。
最初に1分22秒台に入れたのは、牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF23)。1分22秒759は、路面の状況を考えるとかなり速いタイムだ。これに続いたのが、1分22秒793をマークしたイゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)。今やルーキーであることを忘れるほどの堂々たる走りを見せて、牧野に迫った。
22秒台をマークしたのはこの二人のみ。グループAは、完全に牧野vsフラガの構図となった。
3番手以下は、福住仁嶺(Kids com KCMG Elyse SF23)、阪口晴南(SANKI VERTEX CERUMOINGING SF23)、岩佐歩夢(AUTOBACS MUGEN SF23)、大嶋和也(docomo business ROOKIE SF23)と、ここまでがQ2進出。
昨日の第9戦で優勝を飾ったサッシャ・フェネストラズ(VANTELIN TOM'S SF23)は、途中100Rでコースオフしてリズムを崩し、アタックラップでも1コーナーでタイヤをロックさせてしまい、9位に沈んだ。
ザック・オサリバン(REALIZE Corporation KONDO SF23)は、電気系のトラブルでエンジンが始動せず、出走できなかった。
順位:牧野-フラガ-福住-阪口-岩佐-大嶋/高星-野中-フェネストラズ-Juju-オサリバン
■Q1 グループB
グループAより、路面コンディションがかなり改善されたが、それでも路面温度は低いため、各車じっくりとタイヤを温めてからアタックに入った。
このグループでもダンディライアンチームは早いアタックを仕掛け、太田格之進(DOCOMO DANDELION M6Y SF23)が、最初に1分22秒651をマーク。
他のドライバーは、このタイムをターゲットに次々にアタックをするが、結局最後まで太田のタイムを破る者は現れず、坪井翔(VANTELIN TOM'S SF23)、野尻智紀(AUTOBACS MUGEN SF23)、佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)、大湯都史樹(SANKI VERTEX CERUMOINGING SF23)が、揃って1分22秒7台のほぼ同タイムで続いた。
6番目でQ2に駒を進めたのは、フリー走行で好調だった小出峻(San-Ei Gen with B-Max SF23)。小高一斗(KDDI TGMGP TGR-DC SF23)を0.1秒差で退けた。
順位:太田-坪井-野尻-佐藤-大湯-小出/小高-三宅-山下-小林-ラスムッセン
■Q2
Q2への進出は、トムス1台、無限2台、ナカジマ2台、ダンディライアン2台、セルモ2台、KCMG1台、ルーキー1台、B-Max1台と、第9戦とはやや異なる顔ぶれとなった。
Q2でもポール争いを繰り広げたのは、Q1グループAの二人だった。
牧野が定石となった早目のアタックで、1分22秒123をマーク。その直後にチームメイトの太田が1分22秒263、岩佐が1分22秒291と迫るが、太田のタイムには届かず。
Q1の雪辱を果たしポールを奪いたいフラガが、渾身のアタックをするも1分22秒199と、100分の7秒足りずに、太田のポールポジションが決定した。
この結果、タイトルを争う五人は、PP牧野(81p)、3位太田(90p)、4位岩佐(90p)、5位野尻(63.5p)、7位坪井(104.5p)と、全員が上位グリッドを獲得した。
順位:牧野-フラガ-太田-岩佐-野尻-佐藤-坪井-大湯-小出-福住-阪口-大嶋
決勝は、本日、午後3時00分から41周で争われる。


Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Motorsports Forum

全日本スーパーフォーミュラ選手権第9戦の決勝が、10月11日、静岡県・富士スピードウェイで行われ、レースは悪天候で二度の中断の末、サッシャ・フェネストラズ(VANTELIN TOM'S SF23)が優勝を飾った。

スタート時刻の午後3時には、雨量はさほど多くはなかったが、コンディション不良によりセーフティカー(SC)先導でスタート。
予選でクラッシュし、エンジン交換をした岩佐歩夢(AUTOBACS MUGEN SF23)は、規定により10グリッド降格となり、最後尾からのスタートとなった。
また、スタート後に、チームクルーがエンジン冷却用のファンを外し忘れてしまった小出峻(San-Ei Gen with B-Max SF23)は、自力で外したファンをピットに入ってクルーに渡したため、岩佐の後ろに付くことになった。

SC先導のラップが6周目に入ったところで、視界が悪く危険と判断されレースは中断。30分後に再開されたが、14周目に再び中断となり、結局そのまま終了。グリッド順にパレードラップとなったため、ポールスタートのフェネストラズが優勝、2位坪井翔(VANTELIN TOM'S SF23)、3位野尻智紀(AUTOBACS MUGEN SF23)という結果で幕を閉じた。
レースは、12周終了時が正式結果となり、当初周回数(36周)の75パーセントに満たないため、ポイントはハーフポイント。この結果、坪井(104.5p)、岩佐(90p)、太田(89p)、牧野(78p)、野尻(63.5p)、フェネストラズ(47p)となって、坪井が2位岩佐との差を5pから14.5pに開いて、明日の第10戦を迎えることとなった。
明日の第10戦は、予選が午前10時10分から、決勝が午後3時00分から41周で行われる。





Text: Shigeru KITAMICHI
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全日本スーパーフォーミュラ選手権第9戦の予選が、10月11日、静岡県・富士スピードウェイで行われ、今季シリーズに復帰したサッシャ・フェネストラズ(VANTELIN TOM'S SF23)が、スーパーフォーミュラで自身初となるポールポジションを獲得した。
いよいよシリーズも終盤戦。タイトル争いも佳境に入ってきた。2レース制の今大会でチャンピオン候補が絞られることは間違いなさそうだ。
その舞台となる富士スピードウェイは、朝から小雨が降り続いた。
ウェットコンディションのなか、ランキング上位の坪井翔(95p)、岩佐歩夢(90p)、太田格之進(87p)、牧野任祐(74p)、野尻智紀(57p)らが、予選でどの位置につけるのか注目された。
■Q1グループA
午前10時10分、グループAの公式予選Q1が始まった。雨は弱まったものの、路面はウェットだ。
まず、牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF23)が1分32秒台に入れてリードするが、これを岩佐歩夢(AUTOBACS MUGEN SF23)が1分32秒497で逆転。さらに、サッシャ・フェネストラズ(VANTELIN TOM'S SF23)が1分32秒330で上回るという目まぐるしいトップ争いが繰り広げられた。
終了間際、阪口晴南(SANKI VERTEX CERUMOINGING SF23)が1分32秒182でトップに躍り出るが、岩佐が最後に1分31秒884を叩き出して、このセッションを締めくくった。
昨年のこのレースでポールを獲得した福住仁嶺(Kids com KCMG Elyse SF23)は、7位でQ2進出はならなかった。
順位:岩佐-阪口-フェネストラズ-牧野-オサリバン-佐藤/福住-大嶋-小高-ラスムッセン-三宅
■Q1 グループB
このグループでは、ディフェンディングチャンピオンの坪井翔(VANTELIN TOM'S SF23)と、チャンピオン奪還を狙う野尻智紀(AUTOBACS MUGEN SF23)、そして山下健太(REALIZE Corporation KONDO SF23)の三つ巴の争いとなった。
計測4周目までは、1分32秒907をマークした山下が、野尻、坪井を抑えてトップを守っていたが、最後のアタックで、野尻が1分32秒905、坪井が1分32秒725と、相次いでトップタイムを更新し、坪井がこのグループトップでQ2に進出した。
昨日のフリー走行から好調さを見せていた小出峻(San-Ei Gen with B-Max SF23)は、最後のアタックで自らのタイムを更新して6位に上がったが、最後の最後で大湯都史樹(SANKI VERTEX CERUMOINGING SF23)に逆転され、惜しくもQ1敗退となった。
順位:坪井-野尻-山下-太田-フラガ-大湯/小出-小林-高星-野中-Juju
■Q2
Q2への進出は、トムス、無限、ナカジマ、ダンディライアン、KONDO、セルモと、2台体制の6チームとなった。
雨足がやや強くなるなか行われたQ2は、岩佐を中心に進んだ。岩佐は計測2周目に1分33秒196と断トツとなるタイムをマーク。この時点で2位のフェネストラズに0.8秒、坪井には約1秒という大差を生んでいた。
しかし、このまま終わるはずもなく、勝負は最後のアタックに入った。
さらなるタイムアップを狙った岩佐は、コカコーラコーナーを抜け、100Rにアプローチしたが、リアタイヤがグリップを失い、滑るようにアウト側バリアにクラッシュしてしまった。
このアクシデントで、赤旗が提示され予選は中断。その間に雨足も強くなり、施設の修復も必要なことから、結局再開されることなく予選は終了となった。
赤旗の原因を作った岩佐は、規定によりノータイムとなりQ2最下位。今季スーパーフォーミュラに復帰したフェネストラズが、参戦4シーズン目にして自身初のポールポジションを獲得。2位以下にはタイトルを争う坪井、野尻、牧野が続いた。
山下、ザック・オサリバン(REALIZE Corporation KONDO SF23)は、アタックすることなく終わってしまい、10、11位。
順位:フェネストラズ-坪井-野尻-牧野-佐藤-大湯-太田-フラガ-阪口-山下-オサリバン-岩佐
決勝は、本日、午後3時00分から36周で争われる。



Text&Photo: Shigeru KITAMICHI
Photo: Motorsports Forum


全日本スーパーフォーミュラ選手権第9,10戦のフリー走行が、10月10日、静岡県・富士スピードウェイで行われ、午前はイゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)が、午後は牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF23)がトップタイムをマークした。
シーズンも残り2大会、4戦となった。ここまで、ランキング上位は、VANTELIN TOM'Sの坪井翔(95p)、SUGO大会で完勝した無限の岩佐歩夢(90p)、ドコモ・ダンディライアンの太田格之進(87p)、牧野任祐(74p)と、この4人からチャンピオンが出る可能性が高い。5位の野尻智紀(57p)は、今大会の2連戦次第ではあるものの、かなり厳しい状況だ。
今大会は、土曜日、日曜日とものに決勝が行われる2レース制のため、金曜日の午前、午後に1時間ずつフリー走行が行われた。
■フリー走行1回目
午前11時から始まったセッションで好調だったのは、ナカジマレーシングの二人。特に、65号車を駆るルーキーのイゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)は、セッション開始からトップを守り続けた。
開始30分を過ぎての順位は、フラガ、福住仁嶺(Kids com KCMG Elyse SF23)、坪井翔(VANTELIN TOM'S SF23)、牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF23)、大湯都史樹(SANKI VERTEX CERUMOINGING SF23)、太田格之進(DOCOMO DANDELION M6Y SF23)。
40分過ぎにJuju(HAZAMA ANDO Triple Tree SF23)が、ダンロップコーナーで白煙を上げてストップ。この処理で走行は一時中断されたが、再開後は予選さながらのアタックが行われた。
この最後のアタックでも、トップを奪ったのはフラガ(1分22秒792)。僅差でチームメイトの佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)、以下、チーム無限の岩佐歩夢(AUTOBACS MUGEN SF23)と野尻智紀(AUTOBACS MUGEN SF23)、小林可夢偉(Kids com KCMG Cayman SF23)、サッシャ・フェネストラズ(VANTELIN TOM'S SF23)と続いた。
タイトルを争うダンディライアンの牧野は7位、太田は12位だった。
■フリー走行2回目
午後2時20分からの午後のセッションでも、フラガが序盤に1分23秒168までタイムアップしてトップに立つが、これを野尻(1分23秒108)、牧野(1分22秒842)が次々に塗り替える。
午前のセッションで8位と気を吐いた小出峻(San-Ei Gen with B-Max SF23)も5位に留まり好調さを窺わせている。
37分経過時に、小林可夢偉(Kids com KCMG Cayman SF23)がヘアピン先でストップ。これで走行は中断。
再開後、牧野、野尻、太田、大湯、フラガ、小出、坪井、岩佐の順で走行は進み、最後のアタックを迎えた。
まず、岩佐が1分22秒215をマークしてトップに立つ。阪口晴南(SANKI VERTEX CERUMOINGING SF23)、野尻も、これに迫ろうとするが、0.3〜0.4秒届かず。その後にアタックした牧野が1分22秒125と、岩佐のタイムを僅かに上回るトップタイムを叩き出した。
フラガも最後に1分22秒187まで詰めたが、牧野のタイムに100分の6秒届かなかった。
直近3戦は上位入賞が叶わず、苦しい戦いが続いている牧野だが、逆転チャンピオンに向け、好スタートを切った。
明日は第9戦の予選が午前10時10分から、決勝が午後3時から36周で行われる。


Text: Shigeru KITAMICHI
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フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ選手権第5戦レース12の決勝が、9月27日、富士スピードウェイで行われ、梅垣清(PONOS RACING TOM’S TGR-DC FR)が、ポールポジションから逃げ切って、今大会2連勝。タイトル争いでも大きくリードすることになった。
マスタークラスも、アキタ(ACR FRegional)がクラスポールから優勝を果たした。
すっかり夕暮れの雰囲気のなか、午後5時にレースがスタート。
梅垣、鈴木斗輝哉(マツモトキヨシTOM’S TGR-DC FR)、卜部和久(B-MAX RACING F111)と、トップ3はグリッド順で1〜2コーナーをクリア。卜部は鈴木のアウトから仕掛けるが前に出ることは叶わなかった。
オープニングラップのヘアピンで、大宮賢人(PONOS RACING F111/3)が、三浦愛 (AIWIN)を抜き4位へ。以降、7周目まで上位のオーダーは変わらず、レースは進んだ。
8周目の14コーナー。4位で卜部を追っていた大宮の姿勢が崩れたかと思った途端、右リアタイヤが外れ、大宮はランオフエリアにストップ。これで卜部は単独3位となった。
レース折り返し以降、トップ梅垣を追い詰めていた鈴木だったが、11周目の100Rで痛恨のスピン。幸いコースを外れることはなく、すぐに復帰したが、10秒余りをロス。順位も卜部の後ろ、3位に落ちてしまった。
それでも、残り4周、ペースの良かった鈴木はそこから2位を取り戻すべく攻め続け、卜部との差を確実に縮めていった。そして、14周目、卜部の背後に迫った鈴木は、盛んに仕掛けようとするが、卜部も巧みに抑え、最後は鈴木が横に出て並走するも僅かに届かず。0.06秒差で卜部が2位の座を死守した。
独走で優勝した梅垣は、今大会連勝を果たし、タイトル争いでも鈴木に23.5ポイント差とつけ、かなり有利な状況で、残る最終戦、鈴鹿の3レースに臨むことになった。
マスタークラスは、クラスポールのアキタが独走。2位赤松昌一朗(SHOEI-GIGS Ride-Eagle)が若手とバトルを繰り広げる間に、徐々に引き離して、クラス初優勝を飾った。
次戦、第6戦(レース13、14、15)は、11月22〜23日、スーパーフォーミュラ最終大会のサポートレースとして、鈴鹿サーキットで行われる。
Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOINE
フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ選手権第5戦レース11の決勝が、9月27日、富士スピードウェイで行われ、ポールスタートの鈴木斗輝哉(マツモトキヨシTOM’S TGR-DC FR)が、 トップでチェッカーを受けたものの、走路外走行のペナルティで降格。梅垣清(PONOS RACING TOM’S TGR-DC FR)が優勝を飾った。
マスタークラスは、赤松昌一朗(SHOEI-GIGS Ride-Eagle)が、アキタ(ACR FRegional)の脱落もあり独走でクラスウィン。
午後になって、気温も25度とやや暖かくなるなか、1時30分にスタートを迎えた。
フロントローの鈴木、梅垣がグリッド順で1コーナーに飛び込み、これに続いたのが、卜部和久(B-MAX RACING F111)をかわした4番グリッドスタートの大宮賢人(PONOS RACING F111/3)。
トムスチームの2台、鈴木と梅垣のペースは1分37秒台と速く、38秒台で周回する3番手以下を徐々に引き離していく。
レース折り返しの8周目から、急に差が縮まったのが、3位大宮と4位卜部。一時は2秒近い差のあった二人だが、卜部がじわじわと追い上げ、8周目には0.9秒、10周目には0.5秒となり、11周目には大宮の背後につき、スリップストリームを使って、12周目の1コーナーでアウトから一発で仕留めた。

4位に落ちた大宮は、今度は三浦愛 (AIWIN)に迫られ、終盤は防戦一方となってしまった。
終盤トップ二人は若干近づいたが、鈴木がポールからトップを守り切って、チェッカーを受けた。しかし、暫定結果では、トップチェッカーの鈴木に複数回の走路外走行があったとして、プラス5秒のペナルティが課され、2位に降格。梅垣が優勝となった。
3位はグリッドポジションに戻した卜部。以下、大宮、三浦、リン・チェンファ(BALR.RAGNO MOTOR SPORT with TLM F111/3)の順でフィニッシュ。
優勝した梅垣は6勝目。この勝利でシリーズポイントを210とし、2位鈴木(196.5p)に13.5ポイント差をつけた。鈴木は勝っていれば、梅垣に並べただけに惜しいレースを落とすことになった。
マスタークラスは、総合でも8番グリッドと好位置につけたクラスポールの赤松が、序盤から大きくリード。クラス2番グリッドのアキタが、接触でフロントウィングを痛めて3周目にリタイアしたこともあり、赤松が独走でクラス優勝を飾った。
レース12は、本日夕方、午後5時から15周で行われる。
Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOINE
フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ選手権第5戦Race11、12の公式予選が、9月27日、富士スピードウェイスで行われ、レース11は鈴木斗輝哉(マツモトキヨシTOM’S TGR-DC FR)が、レース12は梅垣清(PONOS RACING TOM’S TGR-DC FR)がポールポジションを獲得した。
マスタークラスも、赤松昌一朗(SHOEI-GIGS Ride-Eagle)とアキタ(ACR FRegional)が、ポールを分け合った。
年一度の世界耐久選手権「富士6時間レース」のサポートレースとして組まれたレースには、総合優勝を狙う若手11台とマスタークラス4台の計15台がエントリー。マスタークラス常勝の鳥羽豊は欠場し、13号車は三浦愛 (AIWIN)がドライブする。
前日の金曜日に行われた練習走行では、やはり鈴木、梅垣、大宮賢人(PONOS RACING F111/3)、卜部和久(B-MAX RACING F111)のランキング上位者が速く、予選、レースはこの4人を中心に進むものと思われた。
曇天となった土曜日。午前8時30分からレース11、午前9時からレース12の予選が、それぞれ15分間行われた。

レース11予選
鈴木が常にリードし、これに梅垣が食い下がり、大宮、卜部が迫るといった、予想どおりの展開となった。
鈴木は、徐々にペースを上げ、計測4周目に1分37秒31のトップタイムをマークすると、アタックを終了。ピットに入って他車の様子を見る余裕を見せた。
この時点で梅垣は37秒65とやや差をつけられていたが、その後37秒51、クールダウンラップを挟んで37秒49と必死にタイムを削った。しかし、鈴木のタイムには僅かに届かず。卜部も最後まで攻めたが37秒86まで詰めるのがやっとだった。
4位以下は、大宮、三浦、ワン・ジョンウェイ(SKYMOTORSPORTS F111/3)と続いた。
マスタークラスは赤松が、アキタ(ACR FRegional)を抑えてクラスポールを獲得した。

レース12予選
15分のインターバルで始まったレース12の予選も、鈴木と梅垣のトムス勢の戦いとなった。
鈴木が計測4周目に、レース11予選のタイムを大きく上回る1分36秒57をマーク。次の周も36秒55と僅かながらタイムアップ。これに対し、梅垣も36秒63、36秒57と、ほぼ同タイムで追随し、次の周に36秒47と、ついに鈴木を逆転することに成功した。
3位はレース11と同じく卜部だったが、タイムは37秒15と、トップ2人には引き離された。4位には三浦が大宮を抑えて入った。
マスタークラスは、1分38秒84をマークした赤松が連続クラスポールかと思われたが、終了間際にアキタが1分38秒68をマークして逆転した。
レース11の決勝は、本日午後1時30分から、レース12は、午後5時から15周で行われる。
Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOINE

2025オートバックスSUPER GT第5戦「SUGO GT 300km RACE」の決勝が、9月21日、宮城県・スポーツランドSUGOで行われた。レースは途中に起きたアクシデントで中断。1時間後に30分レースとして再開され、GT300クラスは、Syntium LMcorsa LC500 GT(吉本大樹/河野駿佑)が優勝を飾った。
前日までの不安定な天候から、秋らしさの漂うレース日和となった決勝日。
注目は、そろそろ気になるチャンピオン争いだ。現在のランキングは、65号車LEON AMG(64p)、777号車D'station Vantage(56.5p)、2号車HYPER WATER GR86(52.5p)、4号車グッドスマイルAMG(47.5p)、7号車CARGUY FERRARI(44.5p)となっている。
ところが、レースがスタートすると、ランキング上位車に、次々に不運が襲いかかる。
ポールからスタートしたランキング5位の7号車CARGUY FERRARI 296 GT3(オサリバン)は、ペースが上がらずに周回を重ねる度に順位を落としてしまう。
代わってトップに立った60号車Syntium LC500(吉本)は、4号車グッドスマイル初音ミク AMG(片岡)、56号車リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R(平手)、31号車apr LC500h GT(小山)を従えて、首位を快走する。
15周目、10位を走っていたランキングトップの65号車LEON PYRAMID AMG(菅波)が、3コーナーで他車と接触してスピン。大きく遅れてしまった。
さらに、次の周には、5番グリッドからスタートし順位を落としていた、ランキング3位の2号車HYPER WATER INGING GR86 GT(平良)がトラブルを抱えスローダウン。SPコーナーでストップしてしまった。
これで、タイトル争いで俄然有利になった777号車D'station Vantage GT3(ファグ)は、3位(実質4位)まで順位を上げたところで、30周目にルーティンのピットイン。藤井にドライバーチェンジをしてトップを追う。
その少し前、28周目にはトップを走っていた60号車Syntium LC500もピットに入って吉本から河野にチェンジ。3位の56号車リアライズGT-Rも34周目、2位の4号車グッドスマイル初音ミクAMGも36周目にピットインをしてゴールを目指した。
レースは折り返しを過ぎ、60号車、56号車、777号車、31号車、4号車の順で進んだが、48周目に、今度はランキング2位の777号車が自ら大きな不運を招いてしまう。
詳しい状況は不明だが、最終コーナーの上り坂区間で、777号車D'station Vantage GT3(藤井)がダートに片輪を落とし、コースに戻ったところで、31号車apr LC500h GT(ラスムッセン)と接触。777号車は反動でアウト側バリアに激しくクラッシュし、その際に外れたタイヤが、20号車シェイドレーシング GR86 GT(平中)に当たってしまった。20号車はコントロールを失い、これを避けようとしたGT500クラスの64号車モデューロNSX(大草)も巻き込んでのマルチクラッシュに発展してしまった。(※9/24追記修正)
このアクシデントでレースは赤旗中断。コース施設の修復などを経て、約1時間後に再開された。
再開後は、60号車Syntium LC500(河野)と56号車リアライズGT-R(オリベイラ)の一騎討ちとなった。一時は、逃げる河野が2秒近くまでその差を開いたが、最後はオリベイラが詰め寄り、0.6秒差でチェッカーとなった。
3位は、序盤から好位置をキープしていた666号車seven×seven PORSCHE GT3R(近藤翼/ハリー・キング)、4位は、途中まで優勝の可能性もあった4号車グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也)、以下、5位は11号車GAINER TANAX Z(富田竜一郎/大木一輝)、6位には52号車Green Brave GR Supra GT(吉田広樹/野中誠太)が入り、ここまでがトップ6。
PPスタートの7号車CARGUY FERRARI 296 GT3(ザック・オサリバン/小林利徠斗)は、徐々に順位を下げてしまい、8位でゴールした。
この結果、第6戦終了時点のランキングは、65号車LEON AMG(68p)がトップを守り、2位には56号車リアライズGT-R(平手/64.5p)、3位には4号車グッドスマイルAMG(60.5p)が浮上。ノーポイントに終わった777号車D'station Vantage(56.5p)は4位、7号車CARGUY FERRARI(52.5p)は5位、2号車HYPER WATER GR86(52.5p)は6位に後退することになった。(※ポイントは手元集計)





次戦、第7戦は、10月18〜19日にオートポリスで行われる。
Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOINE


9月21日、2025FIA-F4選手権シリーズの第10戦が、宮城県・スポーツランドSUGOで行われ、チャンピオンクラスは、佐藤樹(KageyamaチームスタイルMCS4)がポール・トゥ・ウィン。また一歩タイトルに近づいた。インディペンデントクラスも今田信宏(JMS RACING with B-MAX)がポールから逃げ切って優勝を飾り、こちらのタイトル争いは混沌としてきた。
昨日の第8戦、第9戦で連勝した鈴木斗輝哉(TGR-DC RS F4)が、佐藤に25.5ポイント差まで迫ったが、第10戦を佐藤が勝利したことで、その差は再び32.5ポイントへ。佐藤の安定した速さを考えると、残る4戦での逆転はかなり厳しそうだ。
一方、インディペンデントクラスは、今田が優勝(147p)、DRAGON3位(163.5p)、KENTAROリタイア(150.6p)で三つ巴となってきた。
■チャンピオンクラス
昨日同様に、路面に濡れた部分があり、スタートで不公平とならないようセーフティカー(SC)先導でのスタートとなった。

2周を終えて、SCが外れると、PP佐藤はトップで1コーナーへ。上位は予選順に、鈴木、白崎稜(Kageyama YBS Verve MCS4)、梅垣清(TGR-DC RS F4)、熊谷憲太(OTG DL F4 CHALLENGE)、百瀬翔(HFDP with B-Max Racing)と続いた。
上位に順位変動はなくレースは進むが、10周目の馬の背コーナーで、9位争いをしていた翁長実希(OTG Motor Sports MCS4)と、そのインを差した洞地遼⼤(PONOS RACING MCS-24)が接触。両車はストップし、これでSCが導入された。
チャンピオンクラスの目立ったアクシデントは、この1度のみ。リスタートも決めた佐藤が逃げ切って、今季5勝目を飾った。佐藤とタイトルを争う鈴木は、2位を堅持したものの、昨日縮めた7ポイントを押し戻される形になった。



■インディペンデントクラス
今田、KEN ALEX(BUZZ RACING)、KENTARO(Baum Beauty Clinic)、⾚松昌⼀朗(SHOEI-GIGS Ride with ES)、DRAGON(B-MAX TEAM DRAGON)のオーダーで、グリッド順にレースは進んだ。


上位で大きな動きがあったのは、SCラン明けの14周目。10周目に赤松を抜いて、4位に上がっていたDRAGONが、前を行くKENTAROの動きを見定めて、2コーナーから3コーナーで並走。ヘアピン(4コーナー)でインを差して前へ出たところで、KENTAROが堪えて両者は接触。KENTAROはアウト側のバリアにクラッシュしてしまった。
レースは、今田が優勝を飾り、KEN AREXに次いでDRAGONが3位に入った。



この結果、今田は25ポイント、DRAGONは15ポイントを積み重ねたが、ポイントリーダーだったKENTAROはノーポイント。3人によるタイトル争いは、残る4戦でますます加熱しそうな気配だ。
次の大会、第11、12戦は10月18、19日にオートポリスで行われる。
Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOINE


9月20日、2025FIA-F4選手権シリーズの第9戦が、宮城県・スポーツランドSUGOで行われ、チャンピオンクラスは、鈴木斗輝哉(TGR-DC RS F4)が午前中のレースに続く連勝で今季3勝目。インディペンデントクラスもKENTARO(Baum Beauty Clinic)が連勝で、ランキングトップに躍り出た。
午前の第8戦に続いて、鈴木は、佐藤樹(KageyamaチームスタイルMCS4)との一騎討ちを制したことで、ポイント差をまた7縮めた。それでもまだ25.5ポイントある。明日の第10戦では佐藤がポールスタートとなるが、何とか勝って次の大会に繋げるしかない。
インディペンデントクラスは、KENTAROがDRAGON(B-MAX TEAM DRAGON)を2レース続けて抑えて優勝したことで、KENTAROが150.6ポイントでシリーズリーダーとなり、2ポイント差でDRAGON(148.5ポイント)、今田信宏(JMS RACING with B-MAX)は122ポイントとやや離されたが、明日の第10戦はポールスタートだけに、まだタイトルの行方は見えてこない。
■チャンピオンクラス

第8戦同様に、路面に濡れた部分があり、スタートで不公平とならないようセーフティカー(SC)先導でのスタートとなった。
SCが外れると、トップの鈴木は上手く加速して、1周目から2位菊池貴博(TGR-DC RS F4)を引き離して戻ってきた。
6周目、ペースの良い3位佐藤が、1コーナーの飛び込みで2位菊池に襲いかかり、菊池がイン側に切り込んだことで両者は接触。菊池はスピンして大きく順位を落としてしまった。
2位に上がった佐藤は、ここからトップ鈴木との差を丁寧に削り取っていく。その差は、6周目3.7秒、8周目3.1秒、10周目2.6秒と、確実に縮まっていく。この佐藤のプレッシャーに動揺した鈴木は、14周目のレインボーコーナー立ち上がりで姿勢を崩してしまい、両者の差は一気に0.5秒となる。
佐藤に背後にまで迫られた鈴木だが、残り2周は冷静さを取り戻して逃げ切った。
3位は白崎稜(Kageyama YBS Verve MCS4)、以下、迫隆眞(PONOS RACING MCS4-24)、松井啓人(ATEAM Buzz Racing)、新原光太郎(HFDP with B-Max Racing) の順でチェッカーを受けたが、松井は危険なドライブ行為(幅寄せ)があったとして、プラス5秒ペナルティで、14位に降格となった。



■インディペンデントクラス
午前の第8戦と同じく、クラスポールスタートのKENTAROが逃げ、DRAGONが追うという展開になった。
レース前半、DRAGONは、KENTAROの背後につけてチャンスを窺うが、KENTAROもがっちりガードして隙を見せず。コンマ数秒の緊張したバトルが続いた。
しかし、中盤以降は、KENTAROのペースがやや上回り、徐々にDARGONを引き離していき、連勝のチェッカーを受けた。
3位は、スタートからポジションを守りきった中島功(Rn.SHINSEI.MCS4)、4位は植田正幸(Rn-sports MCS4)、5位に今田が入った。
第10戦決勝は、明日の午前9時15分から、17周(または30分間)で行われる。



Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOINE
Yoshinori OHNISHI

2025オートバックスSUPER GT第5戦「SUGO GT 300km RACE」の公式予選が、宮城県・スポーツランドSUGOで行われ、GT300クラスは、CARGUY FERRARI 296 GT3(ザック・オサリバン/小林利徠斗)が、ポールポジションを獲得した。
まさに魅せる予選だった。前回の鈴鹿大会で初優勝を遂げた勢いそのままに、Q2でスアリングを握った小林利徠斗は、Syntium LMcorsa LC500 GTの吉本大樹がマークしたトップタイムを、最後に一発のアタックを決めて100分の2秒上回った。
今季、2年目のスーパーフォーミュラ・ライツでは、チャンピオン最右翼と言われながら、ここまで1勝のみで、チャンピオンを逃してしまった。小林はその鬱憤を晴らす走りをスーパーGTで見せている。
予選Q1
午後2時5分から始まったGT300クラスの予選は、A、Bの2グループに分けて行われた。各グループ上位9台までがQ2に進出できる。
Aグループでトップタイム1分17秒596をマークしたのは、7号車CARGUY FERRARI 296 GT3(ザック・オサリバン)。前回の鈴鹿戦同様にグループトップで、Q2の小林利徠斗に引き継いだ。
2番手の56号車リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R(JP・デ・オリベイラ)、3番手の2号車HYPER WATER INGING GR86 GT(平良響)が1分17秒台で続いた。2号車はフルウェイトながら予選においても安定した速さを見せている。
Bグループは、60号車Syntium LMcorsa LC500 GT(河野駿佑)が、2周続けてのアタックで、1分17秒569、17秒363と好タイムを連発し、グループトップを奪った。
2番手は、87号車METALIVE S Lamborghini GT3(松浦孝亮)。サクセスウェイトの軽さを武器に1分17秒台に入れてみせた。3番手は、4号車グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝)。
なお、ランキングトップの65号車LEON PYRAMID AMG(菅波冬悟)はAグループ6位、ランキング2位の777号車D'station Vantage GT3(チャーリー・ファグ)もBグループ8位でQ2に駒を進めた。
予選Q2
まず、2号車HYPER WATER INGING GR86 GT(堤優威)が、1分17秒761でアタックの口火を切ると、次にアタックをかけたBグループトップの60号車Syntium LMcorsa LC500 GT(吉本大樹)は、Q1のタイムを大きく上回る1分16秒987をマークしてトップに立った。
その後のアタックで2番手に上がった0号車VENTENY Lamborghini GT3(小暮卓史)のタイムが、1分17秒640であることを考えると、驚異的なタイムだ。
終了間際まで、この状態が続き、60号車のポールは確定と思われた。
ところが、最後にアタックをかけていた7号車CARGUY(小林利徠斗)が、「クルマは非常に良い状態だった。一発で決めることができて良かった」と、60号車のタイムを僅かに逆転してポールポジションを奪うことに成功した。
ランキングトップ3の65号車LEON PYRAMID AMGは8位、777号車D'station Vantage GT3は10位、2号車HYPER WATER INGING GR86 GTは5位につけた。
決勝は、明日、21日(日)の午後1時30分から84周(300km)で行われる。


Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOINE


9月20日、2025FIA-F4選手権シリーズの第8戦が、宮城県・スポーツランドSUGOで行われ、チャンピオンクラスは、ランキング2位の鈴木斗輝哉が今季2勝目。インディペンデントクラスも、ランキング2位のKENTARO(Baum Beauty Clinic)が今季3勝目を飾った。
残り3大会となって、ここからタイトル争いを意識した戦いが繰り広げられていくが、チャンピオンクラスは佐藤樹(KageyamaチームスタイルMCS4)が、39.5ポイント差と大きくリードしており、ランキング2位の鈴木にとってはすでに背水の陣といえる状況になっている。
インディペンデントクラスは、KENTARO、DRAGON(B-MAX TEAM DRAGON)、今田信宏(JMS RACING with B-MAX)による三つ巴の様相を見せており、ここから取りこぼしなく、上位フィニッシュすることが求められるという状況だ。
また、このレースのベストラップが、明日の第10戦のグリッドを決めるとあって、タイトルの行方を左右する非常に重要な1戦となった。
■チャンピオンクラス

路面にまだ濡れた部分があり、スターティググリッドのイン側とアウト側で不公平が生じるとの理由で、レースはセーフティカー(SC)先導でのスタートとなった。

鈴木を先頭に、ほぼグリッド順でレースは進むが、初めて2番グリッドからスタートした菊池貴博(TGR-DC RS F4)は、2周目、4周目に立て続けにミスを犯して、自ら順位を下げてしまった。
鈴木と佐藤のトップ2台は、スタート後こそ、鈴木が1秒以上の差をつけていたが、周回を重ねるたびに佐藤が少しずつ迫り、10周目には0.4秒差にまで詰め寄った。しかし、ここから鈴木が巧みに抑え込み、それ以上、二人の差が詰まることはなかった。
残り4周となっところで、10位を走行していた吉田馨(BALR. RAGNO MOTOR SPORT F4)が、SPコーナーで飛び出してしまい、コースサイドにストップ。これでSCが入ることになり、再開は微妙な状況になる。
結局、車両回収が終わらずに、SC先導のままフィニッシュを迎え、鈴木がポール・トゥ・ウィン。2位佐藤とのポイント差を7ポイント詰めた。
2人からは遅れたが、3位熊谷憲太(OTG DL F4 CHALLENGE)は初の表彰台を射止めた。4位白崎稜(Kageyama YBS Verve MCS4)、5位落合蓮音(TGM Grand Prix F4)、梅垣清(TGR-DC RS F4)は、序盤から変わらず。
なお、ファステストラップは佐藤が奪い、第10戦のポールポジションを手に入れた。


■インディペンデントクラス
クラスポールスタートのKENTAROが逃げ、1周目に2位に上がったDRAGONが追うという展開が、スタートから続いた。
二人の差が最も近くなったのが、8周目。ストレートでKENTAROの背後についたDRAGONは、1コーナーでアウトから並びかけるが、KENTAROも上手く抑えた。これ以降は、僅かずつKENTAROが差を開き、逆に3位の今田がハイペースでDRAGONに迫りつつあった。
しかし、今田の追い上げもSCが入ったことで終了となり、KENTARO、DRAGON。今田の順でフィニッシュ。
この結果、12ポイントあったDRAGONとKENTAROの差は、5ポイントまで縮まり、今大会で逆転の可能性も出てきた。
なお、今田がファステストラップを記録し、第10戦のポールとなった。
第9戦決勝は、本日午後4時から、第10戦決勝は明日の午前9時15分から、17周(または30分間)で行われる。



Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOINE

2025オートバックスSUPER GT第5戦「SUGO GT 300km RACE」の公式練習が、宮城県・スポーツランドSUGOで行われ、GT300クラスは、Green Brave GR Supra GT(吉田広樹/野中誠太)がトップタイムをマークした。
レースウィークに入って、仙台地方は急に秋めいてきた。予選日の土曜日は朝から雨模様で、肌寒い天候となった。セッションの開始される午前9時15分には雨も上がり、路面も急速に乾いていった。
練習走行でトップタイムをマークしたのは、現在ランキング8位(40.5p)の52号車Green Brave GR Supra GT。残り3戦で逆転の可能性もあるだけに、今回のレースでは優勝を狙いたいところ。
2番手タイムは、逆転チャンピオンを狙う2号車HYPER WATER INGING GR86 GT(堤優威/平良響)。今季、ここまで優勝はないものの、コンスタントに上位入賞を続け、ランキング3位(52.5p)につけている。
3番手タイムは、666号車seven × seven PORSCHE GT3R(近藤翼/ハリー・キング)。タイトル争いでは大きく遅れて入るものの、サクセスウェイトも45kgと少ないだけに、ポルシェGT3の実力を引き出せれば、上位入賞の可能性も高い。
4番手以下は、31号車apr LC500h GT(オリバー・ラスムッセン/小山美姫)、60号車Syntium LMcorsa LC500 GT(吉本大樹/河野駿佑)、48号車脱毛ケーズフロンティアGO&FUN猫猫GT-R(井田太陽/柴田優作)と続いた。
現在ランキングトップの、65号車LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/菅波冬悟)は9位につけ、順調な仕上がりを見せている一方で、気になるのは、ランキング2位の777号車D'station Vantage GT3(藤井誠暢/チャーリー・ファグ)。満足に周回できずに、最後はトラブルでコース上でストップしてしまった。
ランキング上位は、サクセスウェイトはマックスの100kg(運用で+50kgと給油リストリクター制限)となっており、予選では厳しい戦いを強いられる可能性が高いが、決勝ペースをいかにうまくまとめるのかが勝負の鍵になる。
とりあえずは、現時点でランキングトップ3の65号車、777号車、2号車の戦いぶりに注目だ。
予選は、本日午後2時5分から行われる。


Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOINE


9月20日、FIA-F4選手権第8、9戦の予選が、スポーツランドSUGOで行われ、チャンピオンクラスは鈴木斗輝哉(TGR-DC RS F4)が、インディペンデントクラスはKENTARO(Baum Beauty Clinic)が、ベスト、セカンドベストともにトップタイムをマークし、両レースともにポールポジションを獲得した。
朝から、小雨模様の天候となり、コンディションはウェット。気温もぐっと下がるなか、午前8時からチャンピオンクラス、8時35分からインディペンデントクラスの予選が行われた。
■チャンピオンクラス
開始から、好調にタイムを上げたのは、現在シリーズランキング2位の鈴木斗輝哉。20分の予選時間の前半を終えた時点で、唯一、1分32秒台に入れて、2番手のランキングトップ佐藤樹(KageyamaチームスタイルMCS4)以下を引き離していった。
後半になって、路面状況が徐々に改善してくると、好調の鈴木は1分32秒355までタイムアップ。2番手には菊池貴博(TGR-DC RS F4)が1分32秒788で上がり、トヨタ育成ドライバーがワンツーとなった。
一方、ホンダ育成ドライバーの2人はタイムが伸びず、前回の鈴鹿で優勝を飾った新原光太郎(HFDP with B-Max Racing)、初表彰台を得た百瀬翔(HFDP with B-Max Racing)ともに、10位あたりで苦しみ続けた。
結局、この勢力図は変わらないまま予選は終了。
ベストタイムで決まる第8戦のトップ6は、鈴木、菊池、佐藤、熊谷憲太(OTG DL F4 CHALLENGE)、鈴木恵武(TGR-DC RS F4)、白崎稜(Kageyama YBS Verve MCS4)。
第9戦のグリッドを決めるセカンドベストは、トップ3は、鈴木、菊池、佐藤と変わらず。4位以下は、白崎、熊谷、迫隆眞(PONOS RACING MCS4-24)の順となった。
ホンダ育成の新原は、12位と7位、百瀬はコースインの際にホワイトラインカットがあったとして、ベストタイム抹消となり、13位と14位と、抜きどころの少ないSUGOで厳しい位置からのスタートとなった。
■インディペンデントクラス
予選序盤から、タイトルを争うDRAGON(B-MAX TEAM DRAGON)とKENTAROが、激しいポール争いを繰り広げ、これに中島功(Rn.SHINSEI.MCS4)と植田正幸(Rn-sports MCS4)が絡むという展開で予選が進んだ。
序盤から、優位に予選を進めたのはKENTARO。1分35秒417、1分35秒192とトップタイムを更新し続け、途中、DRAGONが1分34秒752でトップを奪うも、すぐに1分34秒425で逆転。常に予選をリードし続けた。
路面が回復した終了直前、中島が1分34分676までタイムアップし2番手に。KENTAROは1分34秒325までタイムを縮め、トップを盤石なものとした。
ベストタイムで決まる第8戦は、KENTARO、中島、DRAGON、植田、今田信宏(JMS RACING with B-MAX)、IKARI(Bionic Jack Racing)がトップ6。
セカンドタイムで決まる第9戦は、中島とDRAGONが順位を入れ替えたが、トップ6は同じ顔ぶれとなった。
なお、今大会の3レース目、第10戦のグリッドは第8戦決勝中のベストタイムで決定する。
第8戦の決勝は、本日午前11時50分から、第9戦決勝は午後4時から、第10戦決勝は明日の午前9時15分から、すべて17周(または30分間)で行われる。




Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOINE

9月14日、インターコンチネンタルGTチャレンジ(IGTC)の第4戦として開催された伝統のレース「鈴鹿1000km」に、国内トップドライバーを擁して臨んだ「チーム・ハンドワーク・チャレンジ」は、ゴールまで2時間を残してトラブルが発生。リタイアに終わった。
それでも、今回監督を務めたB-Maxレーシングチームの組田総代表は、参戦による収穫はあったとして、来年以降のGTカーレースへの参戦を示唆した。
参戦目的はGTカーレースを視野に入れたチームの強化
「ハンドワーク・チャレンジ」は、国内フォーミュラシリーズを中心に戦うB-Maxレーシングチームが属する、B-MAXグループの企業名を冠したプロジェクト。本来は、GTカーレースへの参戦を希望するジェントルマンドライバーのために立ち上げたものだ。
ただ、今回の鈴鹿1000kmへの参戦は「プロジェクト継続のための⾞両性能確認」を謳いながらも、国際イベントへの参加によってチームの経験値を上げ、近い将来のGTカーレース参戦を視野に入れている。

国内トップドライバーを揃え、保有するGT-Rで上位進出を狙う
チームの経験値を上げ、リザルトを残すために、ドライバーは強力トリオに白羽の矢を立てた。1人目は、B-Maxと縁のある現役SUPER GT・GT500ドライバーの佐々木大樹。2人目は、佐々木のパートナーであり、スーパーフォーミュラ(SF)にも参戦する三宅淳詞、そして、3人目は、昨シーズンB-MaxからSFに参戦し、今年はSUPER GTなどで活躍する木村偉織だ。
車両は、フェラーリ296など新たな高性能GT3車両が次々と登場するなかで、旧型ともいえるGT-RニスモGT3を使用する。それでも、長丁場のレースなら上位入賞の可能性は十分にあると踏んでの参戦だ。
トラブルから始まったレースウィーク
走行初日の金曜日は、昼間と夜間に練習走行が組まれたが、エンジンが始動しないトラブルに見舞われ、十分に走行することができなかった。
深夜までかかって、原因と思われる配線を交換し、翌日午前中の走行では、総合7位、プロクラス4位のタイムをマーク。ようやく本来の力を発揮してチームスタッフも胸をなでおろした。

予選では国際レースの洗礼を受け、14グリッド降格
3人の平均タイムで決まる予選では、木村、三宅、佐々木がともに、2分1秒から2秒台のタイムをマークし、暫定結果では総合12位と、まずまずの位置で予選を終えた。
しかし、夜になって、佐々木は赤旗提示時の減速が十分ではなかったとして、ベストタイム抹消。これで総合順位は21位にドロップ。さらに、木村も黄旗が提示された際の減速が不十分だったとして、決勝グリッドを5つ降格のペナルティを課せられてしまった。
安全に対して厳格な運営をする国際シリーズの裁定基準を、十分に把握していなかったことによるものだった。国内レースでは見過ごされることも、国際イベントではそうはならず、12番グリッドから一気に26番グリッドスタートになるという代償を払うことになった。

トラブルでレースを終えるも、GTレースへの継続参戦の可能性は高まる
決勝は、予選上位のBMW、メルセデス、ポルシェのワークス勢が逃げる展開になり、ハンドワーク・チャレンジGT-Rは、中団の総合13位あたりで、国内チームの5ZIGEN GT-R、グッドスマイル・メルセデスなどと国内チーム首位の座を争うことになった。
結局、ハンドワークは、2巡目の三宅がドライブ中に、2時間を残してエンジントラブルでリタイアしてしまい、リザルトを残すことはできなかった。
しかし、レース後、組田総代表は、この参戦を足がかりに、GTカーレースに継続参戦し、近い将来、国際基準のシリーズに参戦することを示唆した。
国内ではいまだ人気の高いGT-Rだが、性能調整があるとはいえ、ポテンシャル的にはやや厳しいものがある。B-Maxがレース活動で培ったノウハウでどこまでやることができるのか、その挑戦が楽しみだ。
Text&Photo: Shigeru KITAMICHI

全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第15戦の決勝が、9月7日、富士スピードウェイスで行われ、ポールポジションからスタートした野村勇斗(HFDP WITH B-MAX RACING)が優勝。タイトルを争う佐野雄城(モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL)が4位だったため、最終戦を待たずに今シーズンのチャンピオンに輝いた。
マスタークラスは、清水康弘(GNSY RACING 324)が三つ巴の戦いを制して、今大会1勝目を挙げた。
タイトル争いは、野村が優勝した場合、佐野は表彰台に上らないと、野村のチャンピオンが決まるという状況のなか、まずはスタートに注目が集まった。

ポールの野村は、まずまずのスタートだったが、ニュータイヤをこのレースに温存していた古谷悠河(Deloitte. HTP TOM'S SFL)が3番グリッドから急追。野村を脅かすが、抜くまでには至らなかった。
1周目は野村、古谷、三井優介(DELiGHTWORKS)、ザック・デビッド(B-MAX RACING 324)、佐野雄城(モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL)、ケイレン・フレデリック(Pilot ONE Racing with B-MAX)、そして、11番グリッドスタートの小林利徠斗(モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL)と続いた。
背水の陣の佐野が、2周目4位に上がり、さらに勢いのある小林は、2周目6位、4周目5位へとポジションを上げる。
4周目以降は、トップの2台、野村と古谷が、3位三井以下を引き離すが、三井には佐野と小林が迫り、8周目から3位争いは熾烈になっていく。
9周目には小林が佐野の前に出て、三井攻略を開始する。そして、13周目、三井と小林が競り合う間に、今度は佐野が両者をかわすという大バトルを見せる。
トップ野村は、最後まで古谷を従えたままチェッカーを受け、今大会2勝目。今シーズン9勝目を飾った。最終ラップまでもつれた3位争いは、三井が100Rで脱落し、小林、佐野の順でフィニッシュ。
この結果、野村(121p)と佐野(89p)のポイント差は32に開き、最終大会での逆転は不可能となった。「チェッカー後の1コーナーで、チャンピオンが決まったことを知った」という野村は、参戦1年目のルーキーとしてのチャンピオン獲得となった。
マスタークラスは、序盤は三者が並走するなど、三つ巴の戦いを見せたが、6周目に清水が抜け出すと、食い下がる今田信宏(JMS RACING TEAM)を振り切って今季7勝目のチェッカーを受けた。これで、今大会は3人が仲良く1勝ずつとなった。








Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOINE

全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第14戦の決勝が、9月7日、富士スピードウェイスで行われ、ポールスタートの小林利徠斗(モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL)が逃げ切って、今季初優勝を飾った。三井優介(DELiGHTWORKS)は2位で初表彰台を射止めた。
注目のタイトル争いは、野村勇斗(HFDP WITH B-MAX RACING)と佐野雄城(モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL)が、3位と4位フィニッシュで、チャンピオン決定は、午後のレースに持ち越された。
マスタークラスは、2周目にクラストップに立った今田信宏(JMS RACING TEAM)が、今季6勝目を飾った。
大会2日目を迎え、昨日の野村の優勝でチャンピオン争いも佳境に入ってきた。野村と佐野のポイント差は、昨日の第13戦を終えた時点で23点。今大会を終えた時点で、野村が佐野に32ポイント差をつければ、最終戦を待たずにチャンピオンが決定することになる。
上空には雲が多く、秋らしい風が吹くなか、午前9時5分にスタート。

今季初ポールポジションを獲得した小林が好スタートを決め、同じく好ダッシュを決めた4番グリッドの三井が続いた。2番グリッドの野村はホイールスピンをさせて遅れたものの、1〜2コーナーの混乱で順位を戻して、三井の後ろにつけた。
トップ小林は、2位三井との差を、じわじわと広げながら快走。その後方で、三井を野村が追うという展開が続いた。三井はこのレースにニュータイヤを投入しており、野村はなかなかその差を詰めることができない。
レース折り返しを過ぎた8周目。小林は、2位三井に2秒のマージンを築き、安全圏へ。三井は、野村にプレッシャーをかけられながらも2位を死守し続けた。4位には野村とチャンピオンを争う佐野雄城(モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL)がつけるが、ペースは上がらず、野村から3秒遅れてしまった。
結局、レースはこのままチェッカーを迎え、小林は今季初優勝。今季から新チームで参戦のルーキー三井も初表彰台を得た。タイトルを争う野村と佐野が、3、4位に入り、両者のポイント差は25に広がった。
マスタークラスは、クラスポールの清水康弘(GNSY RACING 324)のペースが上がらず、2周目の1コーナーでトップに立った今田が逃げ切った。2位は、スタートでギヤが抜けて遅れたものの、6周目に清水を捕らえたDRAGON(TEAM DRAGON 324)が入った。
第15戦の決勝は、本日、午後1時5分から15周で行われる。





Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOINE

全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第13戦の決勝が、9月6日、富士スピードウェイスで行われ、ポールスタートの野村勇斗(HFDP WITH B-MAX RACING)が、オープニングラップで遅れたものの、最後は運も味方に優勝を飾った。野村はこれで8連勝。
マスタークラスも、ペナルティあり、トラブルありのレースとなり、DRAGON(TEAM DRAGON 324)が、今季2度目のクラスウィンを遂げた。
気温は30度近いが少し秋の気配も感じるなか、予定より少し遅れて午後1時25分に、21周のレースがスタート。

2番グリッドの小林利徠斗(モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL)が抜群のスタートで、トップを奪い、その後方で佐野雄城(モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL)と野村が競り合うという形で幕を開けたレースは、1周目から波乱の展開となった。
オープニングラップのダンロップコーナーで、トップ小林に、2位に浮上した佐野が接触して小林がスピン。直後にいた野村は、コース外に逃げるしかなく、大きく遅れてしまった。
1周目を終えた順位は、佐野、エステバン・マッソン(PONOS Racing TOM'S TGR-DC SFL) 、古谷悠河(Deloitte. HTP TOM'S SFL)、三井優介(DELiGHTWORKS)、ザック・デビッド(B-MAX RACING 324)、そして6位に野村。
しかし、ここから野村は諦めることなく追い続け、2周目5位、3周目4位、6周目には3位と着実に順位を挽回していく。
この周に、1周目の接触は佐野に非があるとして、結果にプラス5秒のペナルティの裁定が下る。
これで、佐野は2位を5秒以上引き離さなければ優勝を手に入れられなくなり、ここから全力でプッシュし続ける。2位マッソンに対するリードは、8周目3.1秒、10周目3.5秒と開き、13周目にはマッソンと野村が競り合う間にさらに差を広げる。
13周目、野村がマッソンを捕らえて2位に上がるが、この周の佐野と野村の差4.8秒。そして15周目には5秒となり、このままフィニッシュすれば佐野が優勝し、野村とのポイント差を縮めることになった。
ところが、15周目のダンロップコーナーでマスタークラスの清水康弘(GNSY RACING 324)が、駆動系のトラブルからコース上にストップ。セーフティカー(SC)が入ってしまう。
このSCランで、佐野の努力は水の泡となり、余裕を持って2番手でチェッカーを受けた野村が優勝。自身の連勝記録を8に伸ばした。
佐野はペナルティ加算により、2位マッソン、3位古谷、4位三井に次ぐ5位。これでシリーズポイントは、野村106ポイント、佐野83ポイントとなり23点差。今大会の残る2レースでチャンピオンが決定する可能性も出てきた。
なお、好スタートの小林もフライングの判定で、プラス10秒のペナルティ。7位まで挽回したが、結果は11位だった。
マスタークラスは、レース中盤からは、清水と今田信宏(JMS RACING TEAM)が、トップを競り合ったが、清水のリタイア後は、今田の独走。しかし、今田にはフライングスタートの裁定(プラス5秒)が出ており、DRAGONがすっきりしない形ではあるものの、今季2勝目を上げることとなった。
第14、15戦の決勝は、明日の午前9時5分、午後1時5分から、それぞれ15周で行われる。





Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOINE


全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第13戦、第14戦の公式予選が、9月6日、富士スピードウェイで行われ、第13戦は野村勇斗(HFDP WITH B-MAX RACING)が、第14戦は小林利徠斗(モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL)が、ポールポジションを獲得した。
マスタークラスは、清水康弘(GNSY RACING 324)が、ダブルクラスポールとなった。
先週の菅生大会から2週連続の開催となった今大会。シリーズ全18戦中12戦を終えて、岡山大会からの7連勝で逆転シリーズリーダーとなった野村が95ポイント、開幕から4連勝を飾った佐野雄城(モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL)が81ポイントと、タイトルはルーキーの二人に絞られた感じだ。
近年、最終大会でタイトルが決まることが多いが、今大会の結果によっては、最終大会を待たずに決する可能性もある。予選は、タイトルを争う両者にとって重圧のかかるものとなった。
第13戦公式予選
午前9時5分から行われた予選は、前日の荒天から一転、台風一過の晴天のもと行われた。
3周のウォームアップの後、各車アタックに入り、野村が1分33秒082とトップタイム。これに小林が1分33秒248で続いた。佐野はこの周1分33秒447と二人に遅れを取り、連続アタックで1分33秒290まで詰めたが3番手。
4番手以下は、三井優介(DELiGHTWORKS)、古谷悠河(Deloitte. HTP TOM'S SFL)、エステバン・マッソン(PONOS Racing TOM'S TGR-DC SFL)と続き、総じてトムス勢が上位につけている。B-Max勢は、野村が一人、気を吐いている状況だ。
マスタークラスは、菅生大会では今田信宏(JMS RACING TEAM)の後塵を拝した清水が、抜き出たタイムでクラスポールを獲得した。



第14戦公式予選
10分間のインターバルを挟んで行われた第14戦予選でも、野村と小林のポール争奪戦が繰り広げられた。
野村が、4周目からの連続アタックで1分33秒661、1分33秒482とタイムアップして、トップに立つ。古谷(1分33秒538)、三井(1分33秒546)が迫るが、僅かに届かず。野村のダブルポールが確定かと思われた。
しかし、そこまで1分34秒809で下位に甘んじていた小林が、最後のアタックで1分33秒376を叩き出して、野村を逆転。岡山大会から続いていた野村の連続ポールを阻止した。
今大会で野村とのポイント差を縮めたい佐野は、5位に沈み、まだ予選の段階ではあるものの、チャンピオン争いはやや厳しい状況に追い込まれた。
マスタークラスは、清水の速さが際立っており、2位の今田を0.4秒引き離して、連続ポールを手にした。
第13戦の決勝は、本日、午後1時5分から21周で、第14、15戦の決勝は、明日の午前9時5分、午後1時5分から、それぞれ15周で行われる。



Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOINE

全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第6戦(延期分)の決勝が、8月31日、スポーツランドSUGOで行われ、今大会ここまで無敗の野村勇斗(HFDP WITH B-MAX RACING)が、今レースもポールからトップを譲ることなく19周を走り切って、4連続ポール・トゥ・ウィンで今大会を締めくくった。
マスタークラスは、同じく今大会絶好調の今田信宏(JMS RACING TEAM)が、優勝を飾り、こちらも今大会4連勝を飾った。
スタート前、弱い雨が落ちてきたが、コースを濡らすまでには至らず、全車ドライタイヤでスタートを迎えた。

ポールポジションの野村は、スタートで佐野雄城(モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL)に迫られたものの、1コーナで巧みに抑えると、勝ちパターンに持ち込もうと、僅かずつ差を広げていく。しかし、今回佐野は序盤から粘って、7周以降は逆に少しずつ差を縮めていく。
3位以下は、古谷悠河(Deloitte. HTP TOM'S SFL)、三井優介(DELiGHTWORKS)、小林利徠斗(モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL)、卜部和久(B-MAX RACING 324)と予選順で続いた。
僅差の攻防を繰り広げる野村と佐野だったが、6周目に佐野にはフライングの裁定で、結果にプラス5秒のペナルティが課された。しかし、二人の攻防はペナルティの有る無しにかかわらず、後続を引き離しながら続いていく。
14周目には、二人の差は0.3秒にまで縮まったが、佐野の追走もここまで。最後は野村が再び差を広げて逃げ切った。3位には古谷が入り、今大会2度目の表彰台に上った。
今大会を無敗で終えた野村は、前岡山大会の初優勝から無傷の7連勝。どこまで連勝を伸ばすのか、来週末に行われる富士大会に注目だ。
マスタークラスは、序盤こそ、トップ今田に、清水康弘(GNSY RACING 324)とDRAGON(TEAM DRAGON 324)が僅差で続いたが、レース折り返しから今田選手が二人を引き離して、今大会4連勝を飾った。





Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOINE


フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ選手権第4戦レース10の決勝が、8月31日、スポーツランドSUGOで行われ、2番グリッドの梅垣清(PONOS RACING TOM’S TGR-DC FR)が、レース9の再現のようなスタートからトップに出て優勝を飾った。
マスタークラスは、ラバル不在の鳥羽豊 (AIWIN)が優勝を飾った。
曇り空の下、気温25度と過ごしやすい天候のなかスタートが切られた。
午前中に行われたレース9では、スタート遅れてしまったポールシッターの鈴木斗輝哉(マツモトキヨシTOM’S TGR-DC FR)だが、あろうことか、またしても出遅れて、梅垣だけでなく、大宮賢人(PONOS RACING F111/3)にまで、先行を許してしまった。
ここから3人が連なる形で、後続を引き離しながらレースは進んだ。実力拮抗の3者の差は、1秒と開くことはなく、レース折り返しまでは、その状態が続いた。
しかし、15周を過ぎたあたりから、梅垣が大宮との差を開き始め、18周目に1.3秒、20周目には1.6秒まで広がった。
終盤は、3位鈴木が2位大宮に迫ったが、仕掛けるまでには至らず、梅垣、大宮、鈴木の順でフィニッシュを迎えた。
梅垣は、今大会2勝をあげ、シリーズでも鈴木を逆転。僅差ながらトップに躍り出た。
4位は、14周目の1コーナーで、ジャ・ジャンビン(B-MAX RACING F111)を捕らえた小田優(Rn-sports F111/3)が入った。
マスタークラスは、総合8位の鳥羽が制した。








Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOINE

全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第12戦の決勝が、8月31日、スポーツランドSUGOで行われ、ポールスタートの野村勇斗(HFDP WITH B-MAX RACING)が、レース後半、佐野雄城(モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL)の追走をかわして6連続ポール・トゥ・ウィンを飾った。
マスタークラスは、今田信宏(JMS RACING TEAM)が、段違いの速さを見せて、こちらも今大会無敗の3連勝を飾った。
スタート前、僅かに雨粒が落ちてきたが、すぐに止み、曇り空の下、ドライコンディションで午前11時20分にスタートを迎えた。

ポールポジションの野村は好スタートを切り、佐野を従えて1コーナーをクリア。後方では、7位の三井優介(DELiGHTWORKS)と、8位の卜部和久(B-MAX RACING 324)が、2コーナー立ち上がりで接触。三井はスピンを喫し、卜部はピットに戻ってノーズを交換。ともに大きく遅れてしまった。
トップグループには、この混乱による影響はなく、野村は1分13秒台を連発して佐野を引き離しにかかった。3位小林利徠斗(モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL)、4位エステバン・マッソン(PONOS Racing TOM'S TGR-DC SFL) 、5位ザック・デビッド(B-MAX RACING 324)、6位ケイレン・フレデリック(Pilot ONE Racing with B-MAX)はやや縦に長い展開になった。
トップ野村と2位佐野の差は、6周目には早くも2.5秒に開き、このまま野村が独走に持ち込むかに思われた。
しかし、ここから佐野が、序盤につけられた差を埋めにかかる。8周目以降、両者のペースは序盤の展開とは逆になり、佐野が1分13秒台を叩き出して、10周目1.8秒、14周目1.2秒、15周目には一気に0.8秒まで、その差を削っていった。
最後までチャンスを窺った佐野だったが、野村はつけ入る隙を与えず、今回も逃げ切った。これで野村は6連勝。しかも、そのすべてがポール・トゥ・ウィンという快挙だ。
3位以下の順位は序盤から変わらず、小林が表彰台に上り、マッソン、デビッド、フレデリックと続いた。
マスタークラスは、スタートから今田がハイペースで飛ばし、2位清水康弘(GNSY RACING 324)との差を、10周目には6秒まで開いた。後半も今田は手を緩めることなく、終盤にベストラップをマークする走りで、最終的に19秒差をつけて独走で今季4勝目のチェッカーを受けた。
第6戦(延長分)は、本日、午後3時20分から19周で行われる。








Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOIME

フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ選手権第4戦レース9の決勝が、8月31日、スポーツランドSUGOで行われ、2番グリッドの梅垣清(PONOS RACING TOM’S TGR-DC FR)が好スタートからトップに出て逃げ切った。梅垣は今季4勝目。
マスタークラスは、鳥羽豊 (AIWIN)が総合でも5位に入る走りで優勝を飾った。
菅生は朝から上空に曇が垂れ込め、湿度は高いが気温は26度と昨日に比べて過ごしやすい。どんよりした天候のもと、午前10時にスタートが切られた。
スタートで、梅垣清(PONOS RACING TOM’S TGR-DC FR)が、やや出遅れたポールスタートの鈴木斗輝哉(マツモトキヨシTOM’S TGR-DC FR)を抑えてトップに。以下、大宮賢人(PONOS RACING F111/3)、ジャ・ジャンビン(B-MAX RACING F111)、鳥羽豊 (AIWIN)、小田優(Rn-sports F111/3)、猪爪杏奈(ユピテル羽衣6 F111/3)が続いてレースが幕を開けた。
オープニングラップのS字コーナーで猪爪が僅かにコースオフ。8位に順位を落とす。
トップ2車は、3位以下を引き離して一騎討ちに。周回を重ねる度に両者の差は詰まり始め、5周目に0.6秒あった差は、10周目には0.3秒となった。
しかし、その後はまた0.6秒に開き、14周以降は、2位の鈴木がファステストラップを刻みながら追い上げるという攻防を見せた。
結局、順位変動はなく、そのままチェッカーを迎え、梅垣が今季4勝目を飾った。
3位は、終盤、単独走行になった大宮。4位は、マスタークラスの鳥羽に迫られる場面はあったものの、抑えきったジャンビンが第8戦に続く4位でフィニッシュ。
レース10は、本日、午後2時から22周で行われる。






Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOINE