
全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第11戦の決勝が、8月30日、スポーツランドSUGOで行われ、ポールスタートの野村勇斗(HFDP WITH B-MAX RACING)が、終始、佐野雄城(モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL)に迫られながらも、抑えきって5連勝のチェッカーを受けた。
マスタークラスは、今田信宏(JMS RACING TEAM)が、終盤トップに立って第10戦に続いて連勝を飾った。

日差しが強くなり、気温も35度に達するなか、午後3時にスタート。
ポールスタートの野村に、フロントローイン側スタートの佐野が並びかけるが、野村が何とか抑えてトップで1〜2コーナーをクリア。
その後方で、2列目スタートの2人、アウト側に位置したザック・デビッド(B-MAX RACING 324)と、イン側のエステバン・マッソン(PONOS Racing TOM'S TGR-DC SFL)が接触。マッソンは4コーナー付近でクルマを止め、デビッドはピットに戻ってレースを終えた。
このアクシデントで、古谷悠河(Deloitte. HTP TOM'S SFL)が3位に浮上。同時に、セーフティカーが導入された。
6周目のリスタートでも、佐野は最終コーナーから野村の背後につけて1コーナーで迫ったが、抜くまでには至らず、野村、佐野、少し離れて古谷、その後方に、小林利徠斗(モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL)、三井優介(DELiGHTWORKS)、卜部和久(B-MAX RACING 324)が続くオーダーでレースは進んだ。
トップ2人は、1分14秒台前半のタイムをマークしながら、1.3〜1.5秒の差を保ったまま、終盤へ。
結局、膠着したレースはマスタークラス以外に動きはなく、野村が佐野を従える形でチェッカーとなった。野村は、岡山での初優勝から5戦連続でポール・トゥ・ウィンと絶好調。明日の第12戦、第6戦(延期分)もポールからのスタートだけに、どこまで記録を伸ばすのか注目される。
マスタークラスは、スタートから清水康弘(GNSY RACING 324)がリードするも、10周経過時にフライングの裁定がくだり、プラス10秒のペナルティが課された。
それでも、トップを走っていた清水だったが、16周目の1コーナーで、「清水選手のペナルティは分かっていたが、トップでチェッカーを受けようと思った」という今田に逆転を許して2位チェッカー。リザルトは、今田、DRAGON、清水の順となった。
第12戦、第6戦(延長分)は、明日31日の午前11時30分、午後3時20分からそれぞれ19周で行われる。







Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOINE

フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ選手権第4戦レース8の決勝が、8月30日、スポーツランドSUGOで行われ、ポールスタートの鈴木斗輝哉(マツモトキヨシTOM’S TGR-DC FR)が、独走で優勝を飾った。
マスタークラスは、ライバル不在の鳥羽豊 (AIWIN)がスピンを喫しながらもクラス優勝を飾った。
午後になって、日差しが強くなるなか、スタートを迎えた。
ポールシッターの鈴木、3番グリッドから好スタートの大宮賢人(PONOS RACING F111/3)、2番グリッドの梅垣清(PONOS RACING TOM’S TGR-DC FR)、ジャ・ジャンビン(B-MAX RACING F111)、小田優(Rn-sports F111/3)、猪爪杏奈(ユピテル羽衣6 F111/3)という順でオープニングラップを終えた。
3周目に入るストレートで、猪爪が小田に仕掛けて前に出ると、小田はその後の馬の背コーナーでコースオフをしてグラベルにストップ。これでセーフティカーが導入された。
6周目に入るところでリスタート。トップ鈴木はここでも好スタートを見せ、周回を重ねる度に2位大宮との差を開いていく。その差は、10周目には2秒以上となり、ここから鈴木は独走態勢を築いていく。
レース後半の見どころは、大宮と梅垣の2位争いと、ジャンビンと猪爪の4位争い。
特に2位争いは1秒以内の差で続いたが、大宮がミスなく安定した走りを見せたため、梅垣は仕掛けるチャンスを見いだせず、結局、順位は変わらずにフィニッシュとなった。
ジャンビンと猪爪は、両者1分19秒前半のラップタイムで周回し、最後まで1.5秒の差は変わらずに、ジャンビンが自己最高位となる4位でチェッカーを受けた。
マスタークラスは、鳥羽が途中スピンをしたり、SCからのリスタートで5秒加算のペナルティナルティを課せられたりしたものの、ユウゴウ(S2R Racing)に抜かれることはなく、クラスウィンを飾った。
レース9、10は、明日日曜の午前10時、午後2時から、それぞれ22周で行われる。






Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOINE

全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第10戦の決勝が、8月30日、スポーツランドSUGOで行われ、ポールポジションからスタートした野村勇斗(HFDP WITH B-MAX RACING)が、完全にレースをコントロールし優勝を飾った。野村は岡山大会から4連勝。
マスタークラスは、今田信宏(JMS RACING TEAM)がスタートから逃げ切って今季2勝目を飾った。
上空に雲が多くなるなか、午前10時30分のスタート時刻を迎えた。周回数が26周と、残る3戦より長いため、ほとんどの車両がニュータイヤを選択してスタート。
ポールの野村が「これ以上ない」というスタートを決め、トップで1コーナーに飛び込む。2番グリッドのザック・デビッド(B-MAX RACING 324)は、エンジンをストール気味にしてしまい、出遅れ、代わって、佐野雄城(モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL)、小林利徠斗(モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL)が2位、3位へポジションを上げる。
4位はスタートで出遅れたデビッド、5位エステバン・マッソン(PONOS Racing TOM'S TGR-DC SFL)、6位ケイレン・フレデリック(Pilot ONE Racing with B-MAX)のオーダーでレースは進んだ。
トップを快走する野村は、序盤で2位佐野との差を2秒強に開くと、あとは完全にペースをコントロール。きっちり1分14秒5のタイムを刻んで、余裕すら感じさせる走りで悠々逃げ切った。
何とか野村のペースに食い下がったのは、佐野のみ。3位小林は二人から大きく離され、終盤は、後方から迫るデビッドの追い上げをかわすのに精一杯だった。
パッシングの難しいSUGOでは、2周目以降順位変動はなく、唯一、終盤の23周目にマスタークラス2位を走っていたDRAGON(TEAM DRAGON 324)が、「集中力を欠いた」と第4コーナー(ヘアピン)で単独スピンを喫して順位を落としたのみ。
そのマスタークラスは、「クルマが決まっていた」という今田が毎周差を開き、独走で今季2勝目を飾った。この週末、ここまで流れが悪い清水康弘(GNSY RACING 324)が、DRAGONの脱落で2位に入った。
第11戦の決勝は、本日午後3時から、第12戦、第6戦(延長分)は、明日31日の午前11時30分、午後3時20分からそれぞれ19周で行われる。







Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOINE

フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ選手権第4戦レース8、9、10の公式予選が、8月30日、スポーツランドSUGOで行われ、鈴木斗輝哉(マツモトキヨシTOM’S TGR-DC FR)が3レースすべてでポールポジションを獲得した。
マスタークラスは、2台の出走で鳥羽豊 (AIWIN)が、こちらもトリプルポール。開幕戦から続く連続ポール記録を10に伸ばした。
鈴鹿大会から1か月半のインターバルで、年一度のSUGOへと舞台は移された。今大会はSFライツとの併催で卜部和久が欠場するなど、出走は9台とやや寂しいものとなった。
朝から好天に恵まれた予選日。午前9時からレース8、9の予選が15分ずつ行われた。なお、レース10のグリッドはレース8予選のセカンドタイムで決定する。
レース8/10予選
鈴木が1分17秒439のトップタイムをマークして始まった。梅垣清(PONOS RACING TOM’S TGR-DC FR)、大宮賢人(PONOS RACING F111/3)が僅差で続いて、このトップ3は不動。3人が少しずつタイムを縮めるが、鈴木のトップは変わらず、1分17秒231でポールを奪った。
トップ3に続いたのは、ようやく調子の上がってきたジャ・ジャンビン(B-MAX RACING F111)。タイムは1分18秒台と、トップ3からは遅れたが、小田優(Rn-sports F111/3)、猪爪杏奈(ユピテル羽衣6 F111/3)を抑えて4番グリッドを獲得した。
マスタークラスは、ライバル不在の鳥羽が、総合7位でクラスポールを獲得した。
なお、セカンドタイムで決まるレース10のグリッドも、レース8と変わらず、鈴木がポールポジションとなった。
レース9予選
15分のインターバルで始まったレース9予選も、開始まもなくは梅垣がリードしたが、すぐに鈴木がレース8の予選タイムを上回る1分16秒890をマークして逆転。
鈴木は1周のクールダウンラップの後に再度アタックを行い、僅かではあるが1分16秒802までタイムを縮めて、食い下がる梅垣、大宮を突き放した。
4位以下は混戦となったが、1分18秒149をマークしたジャンビンが、1分18秒214と、大きくタイムを上げて総合でも5位となったマスタークラスの鳥羽を抑えて4番グリッドを獲得した。以下、小田、猪爪と続いた。
レース8の決勝は、本日午後1時10分から、レース9、10は、明日日曜の午前10時、午後2時から、それぞれ22周で行われる。



Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOINE

全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第10戦、第11戦の公式予選が、8月29日、スポーツランドSUGOで行われ、練習走行から好調の野村勇斗(HFDP WITH B-MAX RACING)が、勢いそのままに、コースレコードを更新する走りで、両レースのポールポジションを獲得した。
マスタークラスは、今田信宏(JMS RACING TEAM)と清水康弘(GNSY RACING 324)が、クラスポールを分け合った。
今大会は、5月に悪天候で延期になった第6戦が組み込まれ、4レースが行われるため、通常とは異なり、金曜日の午後に予選が行われることとなった。そして、第12戦、第6戦の決勝グリッドは、第10戦、第11戦の決勝順位により決定するため、いつも以上に気の抜けない予選となった。
第10戦公式予選
午後2時から行われた予選。B-Max勢はタイミングを計って後方からコースイン。計測3周目からアタックに入った。
練習走行から好調を維持しているは野村は、3周続けて1分12秒台を連発。アタック最終周に、宮田莉朋が持つ1分12秒572(2020年10月に記録)を僅かに上回る、1分12秒568というコースレコードを叩き出して、ポールポジションを獲得した。
終了間際までは、ザック・デビッド(B-MAX RACING 324)、ケイレン・フレデリック(Pilot ONE Racing with B-MAX)が、野村に続いておりB-Max勢がトップ3を占めていたが、野村とポイントで並ぶ佐野雄城(モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL)が3位に食い込む意地を見せた。
5位は先週のSUPER GT(300クラス)で優勝を飾った小林利徠斗(モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL)、6位はエステバン・マッソン(PONOS Racing TOM'S TGR-DC SFL)が入った。
マスタークラスは、練習走行でやや抜き出た速さを見せていた今田が、清水とDRAGON(TEAM DRAGON 324)を抑えて、クラスポールを獲得した。
第11戦公式予選
10分間のインターバルを挟んで行われた第11戦予選でも、野村の速さが光った。第10戦予選と同じく3周目にアタックした野村は、1分12秒554と、コースレコードを更に縮めるタイムで、2位に入った佐野を丁度0.3秒引き離した。
3位には、佐野に遅れること僅か1000分の2秒でデビッドが入り、両レースともトップ3は同じ顔ぶれとなった。
4位以下は、マッソン 、フレデリック、古谷悠河(Deloitte. HTP TOM'S SFL)が続いた。
マスタークラスは、好調の今田が、コースインの際、ピットロード1コーナーアウト側のガードレールに、フロントウィングをヒットするという痛恨のミス。ウィングがぐらつきバランスを失ったマシンではタイムは伸びず、清水がポールを奪うことに成功した。
第10戦の決勝は、明日30日、午前10時35分から26周で、第11戦は午後3時から19周で行われる。また、第12戦、第6戦(延長分)は、明後日31日の午前11時30分、午後3時20分からそれぞれ19周で行われる。




Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOINE

8月24日、2025FIA-F4選手権シリーズの第7戦が、三重県・鈴鹿サーキットで行われ、チャンピオンクラスは、昨日のレースで逆転を許した新原光太郎(HFDP with B-Max Racing)がポールポジションから逃げ切って優勝。インディペンデントクラスは、最高のスタートを見せた今田信宏(JMS RACING with B-MAX)が今季初優勝を飾った。
昨日同様、気温34度という暑さのなかスタートを迎えた。今回もセーフティカー(SC)が三度入るレースとなった。
■チャンピオンクラス
レースは、ポールポジションの新原、洞地遼⼤(PONOS RACING MCS-24)、佐藤樹(KageyamaチームスタイルMCS4)と、トップ3はグリッド順で、これに1つポジションを上げた百瀬翔(HFDP with B-Max Racing)が続く形で始まった。
1周目にインディペンデントクラスの車両がS字でコースオフ。早々にSCが導入されることになった。ただ、このSCランはすぐに解除され、3周目に入るところでリスタート。
このチャンスをものにしたのが佐藤。昨日と同じパターンで、1コーナーで前を行く洞地を捕らえ2位に浮上。トップ新原を佐藤が追うという、昨日の再現のような展開になった。3位にドロップした洞地は、ペースが上がらず次の周には百瀬にも先行を許してしまう。
6周目、中団で競り合っていた車両がヘアピンで接触。コースサイドに止まってしまい、これで二度目のSCランとなる。
9周目にリスタートを迎えるが、ここでトップ新原は昨日と同じ轍は踏まぬと、シケインの手前からタイミングをはかって加速。佐藤を抑え込むことに成功した。
このSCランが解除されるタイミングで、130Rでインディペンデントクラスの車両がクラッシュ。三度目のSCランとなり、結局レースはSC先導のままチェッカーを迎えた。
今シーズンからHFDP(ホンダ・フォーミュラ・ドリーム・プロジェクト)ドライバーとして参戦している新原は、この勝利が2勝目。昨年も1勝しているが、そのときはトップチェッカーの車両の失格による繰り上がり優勝だったため、トップでチェッカーを受けての優勝は初めて。チームメイトの百瀬は、参戦7戦目にして初表彰台を獲得した。
■インディペンデントクラス
4番グリッドから抜群のスタートを見せた今田が、トップに躍り出てレースをリード。KENTARO(Baum Beauty Clinic)、植田正幸(Rn-sports MCS4)、DRAGON(B-MAX TEAM DRAGON)が続いた。
4周目にDRAGONが植田をかわして3位に浮上。以降はSCランもあって、上位に順位変動はなく、今田がファステストも記録する速さを見せて逃げ切った。
意外にも、今田はこれが今季初優勝。今田がこの勝利で25ポイントを加えたことで、タイトル争いはDRAGON(112.5p)、KENTARO(100.5p)、今田(97p)による三つ巴の様相を呈してきた。
次の大会は、9月21-22日のスポーツランドSUGOでの3連戦だ。











Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Atsushi BESSHO
Yoshinori OHNISHI

2025オートバックスSUPER GT第5戦「SUZUKA GT 300km RACE」の予選が、三重県・鈴鹿サーキットで行われ、GT300クラスは、今季トラブルに泣いているSUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)が、ポールポジションを獲得した。
61号車SUBARU BRZ R&D SPORTは、今シーズン開幕戦からここまで、予選では常に上位グリッドを得ながらも、レースでは優勝目前でエンジントラブルが発生するなど、速さが結果に結びつかないレースが続いている。その悔しさを晴らすポール獲得。あとは決勝で結果を残すのみだ。
午後3時15分から始まったGT300クラスの予選は、A、Bの2グループに分けて行われた。各グループ上位9台までがQ2に進出できる。
Q1
Aグループでトップタイムをマークしたのは、7号車CARGUY FERRARI 296 GT3(ザック・オサリバン)。他車に先んじて1分58秒台に入れると、1分58秒413までタイムを詰め、Q2の小林利徠斗に引き継いだ。
7号車に迫ったのが、5号車マッハ車検エアバスターMC86マッハ号(塩津佑介)。1分58秒551と僅差の2位。こちらもQ2担当の木村偉織に託すことになった。
Bグループは、61号車SUBARU BRZ(井口卓人)が最初のアタックで、Aグループのトップよりも速い1分57秒787をマーク。これであっさりとトップを決めてしまった。富士スプリントで圧倒的な速さを示した777号車D'station Vantage GT3(チャーリー・ファグ)が2位につけるが、タイムは1分58秒151とSUBARUを脅かすまでには至らなかった。
なお、両グループともに、Q2進出の9位と敗退の10位のタイム差は、1000分の数秒という超僅差だった。
Q2
ポールポジション争いで魅せてくれたのは、7号車CARGUY(小林利徠斗)と61号車SUBARU(山内英輝)、そして、5号車マッハ車検 (木村偉織)の3台。
まず、7号車の小林が1分57秒179と、Q1を大きく上回るタイムをマーク。これを61号車山内が1分56秒869と逆転。すると、小林は1周クールダウンした後に再アタック。結局、ポールを獲得することはできなかったが、予選の速さに対するこだわりを感じたアタックだった。
また、今や旧車ともいえるマザーシャーシの86で奮闘する5号車は、木村の渾身のアタックで3位に食い込んだ。Q1を担当した塩津とともに大健闘だ。
決勝は、明日、24日(日)の午後3時30分から52周(300km)で行われる。





Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Atsushi BESSHO

8月23日、2025FIA-F4選手権シリーズの第6戦が、三重県・鈴鹿サーキットで行われ、チャンピオンクラスは、最後の再スタートで大逆転を演じた佐藤樹(KageyamaチームスタイルMCS4)が優勝。インディペンデントクラスは、ポールスタートのDRAGON(B-MAX TEAM DRAGON)が今季4勝目を飾った。
両クラス合わせて出走49台と大盛況のFIA-F4だが、それだけにアクシデントでセーフティカー(SC)が入る可能性も高くなる。今回はそのSCランが勝負の明暗を分けることになった。
■チャンピオンクラス
スタートでは、ポールスタートの新原光太郎(HFDP with B-Max Racing)に、2番グリッドの佐藤が並びかけるが、新原が抑えきってトップを死守。新原、佐藤、5番グリッドから好スタートの鈴木斗輝哉(TGR-DC RS F4)のオーダーで進む。
しかし、後方集団で混乱があり、インディペンデントクラスの三浦和貴(B-MAX RACING F4)がS字でストップ。1周目からSCが導入される。
11周レースの最初の3周がSCランとなり、残り8周でリスタート。
ここではトップの新原が、シケインから上手くリスタートを決めてレースは進んだ。後方では、予選のトラブルで最後尾スタートとなったランキング3位の森山冬星(JMS RACING with B-MAX)が26位まで順位を上げている。
トップ新原のペースが良く、2位佐藤に1秒強の差を保ったまま、レースは後半へ。3位以下は、鈴木斗輝哉(TGR-DC RS F4)、洞地遼⼤(PONOS RACING MCS-24)、熊谷憲太(OTG DL F4 CHALLENGE)、百瀬翔(HFDP with B-Max Racing)と続く。
やや縦に長い展開となりつつあり、このまま終わるかに思えた7周目。中団を走行していた落合蓮音(TGM Grand Prix F4)が130Rでバランスを崩してスピン状態になり、これに巻き込まれる形で鈴木悠太(Drago CORSE)がグラベルに飛び出してストップしてしまう。
これで、2度目のSCランとなり、残り1周でリスタートとなるが、ここで狙っていた2位の佐藤は、シケインの立ち上がりでトップ新原の背後にピタリとつけると、1コーナーの飛び込みでアウトから並び前に出ることに成功。新原も食い下がるが、引くしかなく、ここまで守ってきたトップの座を、最後の最後で明け渡すことになってしまった。
佐藤は、この勝利で第3戦から負け無しの4連勝。ランキングでも2位以下との差を開いて独走に持ち込みそうな気配だ。一方の新原は、3連続で佐藤の後塵を拝しての2位。
最後尾スタートの森山は、12ポジションアップの18位フィニッシュ。さらに、レース後、ペナルティで2台が降格になり、正式結果は16位。ポイント獲得はならなかったが、このレースのファステストラップ2分8秒478を記録する走りを見せた。
■インディペンデントクラス
クラスポールスタートのDRAGONがトップを守り、5番グリッドから好スタートの植田正幸(Rn-sports MCS4)、4番グリッドの今田信宏(JMS RACING with B-MAX)が続いた。
このベテラン3人によるトップ3は、SCランを挟んでも順位が変わることはなく、DRAGONが1分11秒前半、植田が1分11秒半ば、今田が1分12秒というラップタイムで周回を続け、レースが進むにつれ三者の差は徐々に開いていった。
結局このままの状態でフィニッシュを迎え、DRAGONは前大会の富士から3連勝。今季4勝目のチェッカーを受けた。
第7戦の決勝は、明日、日曜日の午前10時40分から11周で行われる。









Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Atsushi BESSHO
Yoshinori OHNISHI

2025オートバックスSUPER GT第5戦「SUZUKA GT 300km RACE」の公式練習が、三重県・鈴鹿サーキットで行われ、GT300クラスは、0号車VENTENY Lamborghini GT3(小暮卓史/元嶋佑弥)がトップタイムをマークした。
8月も終盤に入ったが、暑さは衰える気配を見せず、予選日の午前10時20分から行われた公式練習も気温34度の暑さのなかでのセッションとなった。
30分が経過した時点でのトップ6は、56号車リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R(J.Pオリベイラ/平手晃平)1分59秒167、45号車PONOS FERRARI 296(ケイ・コッツォリーノ/篠原拓朗)1分59秒179、52号車Green Brave GR Supra GT(吉田広樹/野中誠太)1分59秒252、7号車CARGUY FERRARI 296 GT3(ザック・オサリバン/小林利徠斗)1分59秒273、60号車Syntium LMcorsa LC500 GT(吉本大樹/河野駿佑)1分59秒422、そして、ランキング2位の777号車D'station Vantage GT3(藤井誠暢/チャーリー・ファグ)1分59秒618と続いている。
ランキングトップの65号車LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/菅波冬悟)は10番手、同3位の2号車HYPER WATER INGING GR86 GT(堤優威/平良響)も11番手と、仕上がりは順調そうだ。
セッション中盤は、各車ロングランを想定した走行となり、ほとんどタイム更新はなかったが、 60分が経過時点では、富士のスプリントで良い走りをした5号車マッハ車検エアバスターMC86マッハ号(塩津佑介/木村偉織)が、6番手となる1分59秒617をマークして順位を上げてきた。
激しさを増したのは最後の10分間。GT300クラスの専有走行となったところで、そこまで下位だった61号車SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)が1分58秒980でトップに出るが、それを0号車VENTENY Lamborghini GT3が1分58秒920で逆転。トップタイムで締めくくった。
0号車VENTENY Lamborghini GT3は、現状でランキングは11位と、かなり苦しい位置にいるが、シリーズ終盤に向けて逆襲のきっかけをここ鈴鹿で掴めるか、また、不運続きの61号車SUBARU BRZ R&D SPORTが運を引き寄せることができるのか、注目される。
予選は、本日午後3時15分から行われる。





Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Atsushi BESSHO

8月23日、FIA-F4選手権第6、7戦の予選が、鈴鹿サーキットで行われ、チャンピオンクラスは新原光太郎(HFDP with B-Max Racing)がポールポジション(PP)を獲得。セカンドベストもトップで両レースともにPPからのスタートとなった。
インディペンデントクラスは、第6戦はDRAGON(B-MAX TEAM DRAGON)、第7戦はKENTARO(Baum Beauty Clinic)がポールポジションを獲得した。
朝から気温の上昇した鈴鹿サーキット。8時55分からからチャンピオンクラス、インディペンデントクラスの順で予選が行われた。木、金曜に行われた練習走行も同様の天候だったため、各チームは暑さに合わせたセッティングを施して予選に臨んだ。
■チャンピオンクラス
開始早々に、ランキング3位の森山冬星(JMS RACING with B-MAX)が、スプーンカーブを立ち上がったところでストップ。全車アタックに入る前に、赤旗が提示され、予選は中断となった。
再開後、早々に全開走行を見せたのは新原。序盤にアタックをする作戦で、狙いどおり、2分8秒305のトップタイムを叩き出すと、1周のクールダウンラップを挟んで、2分8秒212と、さらにタイムを縮めてアタック完了。ライバルのアタックを見守った。
新原に続く2番手タイムは、鈴木斗輝哉(TGR-DC RS F4)、洞地遼⼤(PONOS RACING MCS-24)、熊谷憲太(OTG DL F4 CHALLENGE)と目まぐるしく入れ替わったが、最後は、ポイントリーダーの佐藤樹(KageyamaチームスタイルMCS4)が、2分8秒355までタイムを縮めてフロントローを確保した。
ベストタイムで決まる第6戦のグリッド上位は、新原、佐藤、熊谷、洞地、鈴木、百瀬翔(HFDP with B-Max Racing) 。セカンドタイムで決まる第7戦は、新原、洞地、佐藤、熊谷、百瀬、松井啓人(ATEAM Buzz Racing) と、上位は両レースでやや順位は変わったものの、ほぼ同じ顔ぶれとなった。
■インディペンデントクラス
予選序盤は、DRAGON、今田信宏(JMS RACING with B-MAX)のB-Maxコンビが、ワンツーとなるが、予選が進むにつれてライバル勢も台頭。
KENTARO(Baum Beauty Clinic)、植田正幸(Rn-sports MCS4)、小谷素弘(TEAM 5ZIGEN F4)、⾚松昌⼀朗(SHOEI-GIGS Ride with ES)らが続々とタイムアップを果たし、一時はKENTAROがDRAGONを逆転してトップに踊り出た。
しかし、DRAGONも意地を見せ2分10秒928をマークして再びトップに返り咲き、さらにタイムを縮め2分10秒566とベストタイムを更新したかと思われた。しかし、不運にもこの周に齋藤真紀雄(CSマーケティングAKILAND)がスプーンで飛び出して赤旗が提示。DRAGONのベストタイムは幻となってしまった。
再開後、KEN ALEX、今田が自信のベストタイムを大きく更新したが、DRAGONはセカンドタイムを僅かに更新するにとどまり、セカンドタイムで争う第7戦のグリッド順はKENTAROが制することになった。
第6戦のグリッドは、DRAGON、KENTARO、KEN ALEX、今田、植田、赤松。第7戦のグリッドは、KENTARO、赤松、DRAGON、今田、KEN ALEX、植田となった。
第6戦の決勝は、本日が午後2時から、第7戦決勝は明日の午前10時40分から、ともに11周で行われる。









Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Atsushi BESSHO

全日本スーパーフォーミュラ選手権第8戦の決勝が、8月10日、宮城県・スポーツランドSUGOで行われ、ポールポジションからスタートした岩佐歩夢(AUTOBACS MUGEN SF23)が、雨中のレースを制して悲願の優勝を飾った。
2位は、終始岩佐を僅差で追い続けたサッシャ・フェネストラズ(VANTELIN TOM'S SF23)、3位には終盤にポジションを上げた福住仁嶺(Kids com KCMG Elyse SF23)が入った。
岩佐は、SFデビューとなった2024年は2位2回、2025年もここまで2位2回と、シルバーコレクターを返上できない状態が続いていた。しかし、ここSUGOでポールを奪い、しかも決勝はタイヤ交換義務のないウェットコンディションとなった。決勝日朝のフリー走行もトップタイムをマークするなど、誰の目にも初優勝の条件は揃ったことは間違いなかった。
ウェット宣言が出され、セーフティカー(SC)先導でのスタートとなったことも、ポールの岩佐に有利に働いた。
6周のSCランの後、実質のスタートが切られた。SCラン中に若干路面のラインは乾きつつあり、このまま雨が降らなければ、ドライタイヤへの交換がポイントになりそうな気配だ。
岩佐は、フェネストラズを従える形で周回を重ねるが、両者の差は1秒と離れることはなく、緊張したバトルが続いた。3位の坪井翔(VANTELIN TOM'S SF23)も二人に続いた。
10周目に佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)が2コーナーでスピン。止まってしまいSCが導入された。20周目にも、13位争いを展開していた三宅淳詞(ThreeBond SF23)、大嶋和也(docomo business ROOKIE SF23)が接触し、三宅がフロントウィングを巻き込んでクラッシュしたため、SCランとなり、その度に各車の間隔はリセットされた。
この2回目のSCランで、後方を走っていた小高一斗(KDDI TGMGP TGR-DC SF23)、小出峻(San-Ei Gen with B-Max SF23)、野中誠太(KDDI TGMGP TGR-DC SF23)らは、ピットインして、新しいレインタイヤに交換。終盤の追い上げに備える。
奇策を敢行したのは、10位を走行していた小林可夢偉(Kids com KCMG Cayman SF23)。1ポイントより優勝を目指すと、天候の回復に賭けてスリックタイヤに交換。結局この作戦は不発に終わったが、その勇気に観客は大いに沸いた。
終盤に入っても、岩佐、フェネストラズ、坪井、福住、阪口晴南(SANKI VERTEX CERUMOINGING SF23)、イゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)というトップ6は変わらず。
悪天候とSCランのため、予定の周回数(51周)は難しくなり、上限時間の75分、48周でチェッカーとなることが確実になるなか、47周目の1コーナーで福住が坪井に仕掛け、ぎりぎりの攻防で表彰台を勝ち取った。
スタートから一度も首位を譲ることなくチェッカーを受けた岩佐は、雄叫びを上げて、その喜びを表現した。勝てそうで勝てなかった岩佐にとっては、参戦から17戦目での待望の勝利だった。
次の大会、第9、10戦は、11月10〜12日に富士スピードウェイで行われる。







Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOINE

全日本スーパーフォーミュラ選手権第8戦の公式予選が、8月9日、宮城県・スポーツランドSUGOで行われ、やや波乱となった予選を岩佐歩夢(AUTOBACS MUGEN SF23)が制して、ポールポジションを獲得した。
■Q1グループA
午後2時から始まったQ1グループAでは、フリー走行で好調だったサッシャ・フェネストラズ(VANTELIN TOM'S SF23)が、どこまで上がってくるかが注目された。
そのフェネストラズは、期待に違わず、唯一1分06秒を切る1分05秒930をマークして、このグループのトップでQ1を通過。これに、大湯都史樹(SANKI VERTEX CERUMOINGING SF23)、野尻智紀(AUTOBACS MUGEN SF23)と続いた。
番狂わせとなったのは、今季3勝を飾っている太田格之進(DOCOMO DANDELION M6Y SF23)がグループ8位でQ1敗退となったこと。盤石だったチームが今回に限っては精彩を欠いている。
今季限りで引退を表明した大嶋和也(docomo business ROOKIE SF23)は、最後のアタックで姿勢を崩してコースオフを喫してしまった。
順位:フェネストラズ-大湯-野尻-山下-佐藤-福住/三宅-太田-大嶋-高星-小高
■Q1 Bグループ
グループBの注目は、フリー走行でトップとなった小出峻(San-Ei Gen with B-Max SF23)と好調の岩佐だったが、二人は明暗を分けることになった。
最初からニュータイヤを履いてアタックに入った小出だったが、足回りにトラブルが発生。曲がりきれずにヘアピンでコースオフしてしまい、コースサイドにクルマを停めた。
これで、予選は中断し、車両回収後に再開。
ここで速さを見せたのは、イゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)。岩佐を0.09秒抑えてトップタイムをマークした。3位にはザック・オサリバン(REALIZE Corporation KONDO SF23)が入り、チャンピオン坪井翔(VANTELIN TOM'S SF23)はぎりぎり6位でQ2進出を決めた。
順位:フラガ-岩佐-オサリバン-阪口-牧野-坪井/小林-ラスムッセン-野中-Juju-小出
■Q2
Q2も予想どおり僅差の戦いとなった。
最後のアタックで、最初にトップタイムをマークしたのは、フェネストラズ(1分05秒766)だったが、すぐさま岩佐が逆転(1分05秒517)。このトップ2に割り込む者は最後まで現れなかった。
最後にフェネストラズに1000分の9秒差まで迫った阪口晴南(SANKI VERTEX CERUMOINGING SF23)が3位。以下、坪井、福住仁嶺(Kids com KCMG Elyse SF23)、フラガと続いた。
最後に逆転を狙った大湯は、最終コーナーを全開で行くも姿勢を崩してアウト側のバリアにクラッシュしてしまい12位。ハイポイントでミスを犯した野尻も11位に沈んだ。
順位:岩佐-フェネストラズ-阪口-坪井-福住-フラガ-牧野-オサリバン-佐藤-山下-野尻-坪井-大湯
決勝は、明日10日、午後2時20分から51周で争われる。


Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOINE

8月9日、スーパーフォーミュラ(SF)第8戦の行われているスポーツランドSUGOにおいて、2026シーズンに新たに参入する新チームの発表が行われた。
チームは、DELiGHTWORKS(ディライトワークス)RACING。今シーズン、SFライツに参戦している新興チームだ。ドライバーは松下信治。2023シーズンをもってスーパーフォーミュラから離れているが、2シーズンぶりの復帰となる。
松下は、「SFではやり残したことがある。最近は解説などでSFを外から見ることが多かったが、ここに戻ってきたいという思いを強くした。シートを獲得できたことは本当に嬉しい。厳しいことは承知をしているが、チャンピオンという目標に向かって頑張りたい」と意気込みを語った。
自身もレーシングドライバーとしてのキャリアを持つ、チーム代表兼監督の下山征人氏によると、DELiGHTWORKS RACINGは「人材育成と競技力の両立を追求する“人材開発型モータースポーツチーム”」として、SFライツチームとも連携して運営。2026年は1台体制だが、2台体制移行を目指し、若手ドライバーに実戦の機会を与えていきたいとのこと。

エンジンはホンダを使用。メンテンスは今季SFライツでもタッグを組んでいる戸田レーシングが担う。ただ、戸田レーシングはSF経験がないため、エンジニアなどの人材は国内外を問わずに交渉をしているとのことだ。
すでに、新車をオーダーしており、10月にはデリバリーされ、12月のテストには間に合わせる予定という。
今季、Jujuの1台体制で参戦を開始したTriple Tree Racingに続き、2年連続で新規参入チームを迎えることになったSFシリーズ。日本レースプロモーション(JRP)の近藤会長、上野社長も「シリーズを面白くしてくれると期待している」と歓迎の様子だ。
Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOINE & DELiGHTWORKS RACING

全日本スーパーフォーミュラ選手権第8戦のフリー走行が、8月9日、宮城県・スポーツランドSUGOで行われ、ルーキーの小出峻(San-Ei Gen with B-Max SF23)がトップタイムをマークした。
シーズンも残りところ3大会、残り5戦。ここまでドコモ・ダンディライアンの太田格之進3勝(84p)、牧野任祐2勝(73p)と、勝ち星としては圧倒しているが、ポイントでは、2勝ながらコンスタントに上位も入っているVANTELIN TOM'Sの坪井翔(87p)がリードしている。
年一度の東北大会を制するのは、この三人のうちの誰かか、それとも4人目の新たな勝者が誕生するのか、注目される。
また、コースの路面回収が行われたことが、タイムにどう影響するのかも気になるところだ。
午前9時から1時間30分行われたフリー走行では、まずチーム無限が好調さを窺わせた。
岩佐歩夢(AUTOBACS MUGEN SF23)が、開始まもなく1分6秒台をマークすると、その後6秒524、6秒223、6秒064と、開始60分までトップタイムをマークし続けた。
60分を過ぎて、トップタイムをマークしたのがチームメイトの野尻。1分6秒051でトップに躍り出ると、5秒542までタイムを詰めた。
チーム無限の対抗と目されるのがトムスだ。特に、サッシャ・フェネストラズ(VANTELIN TOM'S SF23)は、走行開始から上位につけ、終盤トップタイムを記録。最終的には、チームメイトの坪井翔(VANTELIN TOM'S SF23)にも逆転され4位に甘んじたが、坪井とともに好調だ。
一方、DOCOMOダンディライアンの牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF23)と太田格之進(DOCOMO DANDELION M6Y SF23)は、安定しないクルマに苦しんだ。最後に太田が6番手タイムをマークしたものの、苦しいスタートとなった。
そして、最後のアタックで、大殊勲のトップタイム1分5秒501をマークしたのが今季デビューの小出。ここまでQ2進出のボーダーラインの常連だったが、今週は大化けしそうな可能性を感じさせた。
担当の村井エンジニアも「これまでズレていたピースがはまった感じです」と、予選に向け気を引き締めてはいたものの、小出とともに笑顔がこぼれた。
予選は、本日、午後2時からノックアウト方式で行われる。



Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOINE

全日本スーパーフォーミュラ選手権第7戦の決勝が、7月20日、静岡県・富士スピードウェイで行われ、2番グリッドからスタートした太田格之進(DOCOMO DANDELION M6Y SF23)が、終盤トップに立ち、そのまま逃げ切って優勝を飾った。
2位は岩佐歩夢(AUTOBACS MUGEN SF23)、3位には第6戦優勝の坪井翔(VANTELIN TOM'S SF23)が入った。
スタートからポールポジションの坪井が先行し、太田が1秒以内の差で追い、その後方には、佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)、少し離れて牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF23)が続き、トップ2車も両者の攻防だけに集中するわけにはいかない緊迫した展開が、レース中盤まで続いた。
レースが大きく動いたのは17周目。13コーナーで、13位を走っていた野中誠太(KDDI TGMGP TGR-DC SF23)の左フロントタイヤが外れ、野中がコースサイドに車両を停めたことで、セーフティカー(SC)が導入された。
これにより、上位のほとんどのクルマが、義務となっているタイヤ交換のためにピットに次々に滑り込んだ。
この思いがけない展開になったことで、トップに立ったのは、7周目にすでにタイヤ交換を済ませていた岩佐。ギリギリながら、ピットからコースに戻った坪井の前に出ることに成功し、坪井、太田、佐藤らを従えて、SCランを続ける。
25周目にリスタートとなると、岩佐は摩耗したタイヤで坪井らを抑えてトップを死守。そして、岩佐と坪井がバトルを繰り広げる間に太田も迫り、さらに佐藤もトップグループに加わるという大混戦の見ごたえあるレースとなった。
31周目、太田が1〜2コーナーで坪井を捕らえて2位に浮上すると、勢いそのままに33周目には同じ1コーナーで岩佐も攻略し、ついにトップに躍り出た。
トップグループの中では太田の速さは際立っており、その後は2位岩佐との差を開いて、41周のレースを走りきって、今季3勝目のチェッカーを受けた。
2位には、不利なタイヤで坪井を抑えきった岩佐が入った。4位は31周目に佐藤をかわしたベテラン小林可夢偉(Kids com KCMG Cayman SF23)。以下、サッシャ・フェネストラズ(VANTELIN TOM'S SF23)、SCランのピットアウト時にコースを外れてしまった佐藤はプラス5秒のペナルティで6位だった。
なお、野尻智紀(AUTOBACS MUGEN SF23)は、中団に埋もれたまま、12位でレースを終えた。
第8戦は、8月9〜10日、スポーツランドSUGOで行われる。
Text: Shigeru KITAMICHI

全日本スーパーフォーミュラ選手権第7戦の予選が、7月20日、静岡県・富士スピードウェイで行われ、昨日の第6戦で優勝を飾った坪井翔(VANTELIN TOM'S SF23)がポールポジションを獲得した。
昨日の第6戦では、ディフェンディングチャンピオンの坪井が、完璧なレースで野尻智紀(AUTOBACS MUGEN SF23)、岩佐歩夢(AUTOBACS MUGEN SF23)の無限コンビを抑えて完勝。明けた日曜日の第7戦は、再び坪井対無限コンビの構図となるのか、もしくはダンディライアン勢の巻き返しはなるのか。注目の予選を迎えた。
■Q1グループA
午前10時10分から行われたグループAは、岩佐のアタックから始まった。路面温度が上がり、タイムは1分23秒412と昨日より上がらない。岩佐は2周連続してアタックし、2周目は1分23秒285に上げてきた。
この岩佐を上回ったのが、昨日の第6戦予選で10位だった佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)。昨日からの修正が良い方向に出ているようだ。
3位に食い込んできたのが、サッシャ・フェネストラズ(VANTELIN TOM'S SF23)。昨日はQ2進出はならなかったが、坪井の優勝に刺激を受け巻き返してきた。
4位以下は、小林可夢偉(Kids com KCMG Cayman SF23)、牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF23)、阪口晴南(SANKI VERTEX CERUMOINGING SF23)がQ2進出。
第6戦で6位入賞し、今季限りで引退を発表した大嶋和也(docomo business ROOKIE SF23)は8位で通過はならなかった。
順位:佐藤-岩佐-フェネストラズ-小林-牧野-阪口/山下-大嶋-三宅-高星-小高
■Q1 Bグループ
Bグループは、坪井と野尻の勝負が注目されたが、坪井は1分23秒359と意外に伸びずに5位、野尻は1分23秒117で2位と、やや明暗が分かれた。
巻き返してきた太田格之進(DOCOMO DANDELION M6Y SF23)が1分22秒036でトップ。野尻、大湯都史樹(SANKI VERTEX CERUMOINGING SF23)、イゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)、坪井、福住仁嶺(Kids com KCMG Elyse SF23)までがQ2進出となった。
予選でも速さを示しつつあるJuju(HAZAMA ANDO Triple Tree SF23)は、2周続けてアタックを行い1分24秒306。昨日に続いて9位と奮闘した。
順位:太田-野尻-大湯-フラガ-坪井-福住/小出-ラスムッセン-Juju-オサリバン-野中
■Q2
Q2進出のチームの内訳は、ダンディライアン、KCMG、無限、トムス、セルモ、ナカジマが各2台ずつとなり、1台体制のチームの進出はならなかった。
Q2で明暗が分かれたのが坪井と野尻。野尻のタイムは1分23秒194と7位。この順位でも野尻としては不本意だが、さらに最終コーナーで走路外走行の判定が下され、12位にドロップ。厳しい位置からのスタートとなった。
一方、坪井は最後から二番目にアタックを行い、そこまでトップだった佐藤の1分23秒095を破り、唯一22秒台に入る1分22秒940をマークして、昨日逃したポールポジションを獲得。最後にアタックした太田も1分23秒021で2位に食い込んだ。
順位:坪井-太田-佐藤-大湯-岩佐-小林-フラガ-フェネストラズ-牧野-阪口-福住-野尻
チーム無限の二人がグリッド3列目以下になり、太田がフロントローに並ぶなど、昨日とはかなり異なるグリッドとなった。決勝ペースの良い坪井に誰が挑むのか、決勝の展開が楽しみだ。
決勝は、本日、午後3時15分から41周で争われる。
Text&Photo: Shigeru KITAMICHI

全日本スーパーフォーミュラ選手権第6戦の決勝が、7月19日、静岡県・富士スピードウェイで行われ、2番グリッドの坪井翔(VANTELIN TOM'S SF23)が、序盤にトップに出ると、完璧なレースを見せて優勝を飾った。
スタートこそポールスタートの野尻智紀(AUTOBACS MUGEN SF23)が制したものの、2周目の1コーナーでトップに立った坪井は、序盤で野尻を引き離し、8周目には約3秒のギャップを築いた。
野尻も決してペースは悪くなく、3位の福住仁嶺(Kids com KCMG Elyse SF23)を少しずつ引き離すが、坪井はそれを上回るペースで逃げ続けた。4位以下は、岩佐歩夢(AUTOBACS MUGEN SF23)、大湯都史樹(SANKI VERTEX CERUMOINGING SF23)、イゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)が僅差で続く。
10周目、3位福住、7位の牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF23)らがピットイン。11周目には2位野尻も状況を打開しようとピットインを敢行。
一方、坪井はトップを快走。2位に上がった岩佐歩夢(AUTOBACS MUGEN SF23)と6.5秒の差を保ったまま、周回を重ねレースは後半へ。
1分25秒台半ばのタイムを刻みながら安定した走行を続ける坪井は、23周目にピットイン。一時的に順位を落とすが、すぐに野尻をかわしてトップに返り咲くと、1分24秒台にペースを上げて、最後は7秒近いマージンを築き、独走でチェッカーを受けた。
この勝利で、坪井は昨年から富士のレースは負け知らずの4連勝。まさに富士マイスターというべきレースを見せている。
終盤、熾烈な戦いを見せたのが、チームメイトの野尻と岩佐の2位争い。最終ラップで先にオーバーテイクシステム(OTS)を使い切った野尻を、岩佐が残しておいたOTSを駆使して追い詰めるが、僅かに届かず。0.5秒差で野尻に軍配が上がった。
4位は福住、5位は牧野、そして6位には予選13位の大嶋和也(docomo business ROOKIE SF23)が入った。
明日の第7戦は、予選が午前10時10分から、決勝が午後3時15分から41周で行われる。
Text&Photo: Shigeru KITAMICHI

全日本スーパーフォーミュラ選手権第6戦の予選が、7月19日、静岡県・富士スピードウェイで行われ、野尻智紀(AUTOBACS MUGEN SF23)がポールポジションを獲得した。
シーズンも今大会で折り返しを迎える。ここまでドコモ・ダンディライアンの牧野任祐と太田格之進が2勝ずつ。VANTELIN TOM'Sの坪井翔が1勝と、5戦中4戦をダンディライアンが制するという圧倒的な強さを見せている。
この富士大会で、その勢力図に変化があるのか、注目される。
■Q1グループA
午前9時10分のQ1グループAから戦いの幕は切って落とされた。
ユーズドタイヤでコースインし、1周した後にニュータイヤに替えてアタック。ポールを争うと目された野尻智紀(AUTOBACS MUGEN SF23)と坪井翔(VANTELIN TOM'S SF23)は、やや位置取りの難しい集団のなかに入ってしまった。
それでも、野尻は1分22秒697とまとめてきた。坪井も野尻を僅かに上回る1分22秒570を直後に叩き出し、このグループのトップに躍り出た。
3位以下は、阪口晴南(SANKI VERTEX CERUMOINGING SF23)、太田格之進(DOCOMO DANDELION M6Y SF23)、福住仁嶺(Kids com KCMG Elyse SF23)、佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)と、ここまでがQ2進出。
Q1敗退とはなかったが、Juju(HAZAMA ANDO Triple Tree SF23)はアタック2周目に1分23秒278と9位に入るタイムをマーク。結果的にこのラップは走路外走行で抹消にはなったが、今回のJujuは速くなっていることを印象付けた。
ザック・オサリバン(REALIZE Corporation KONDO SF23)も走路外走行でベストタイム抹消。最下位に沈んだ。
順位:坪井-野尻-阪口-太田-福住-佐藤/大嶋-ラスムッセン-小高-Juj--オサリバン
■Q1 Bグループ
Bグループで速さを見せたのは、岩佐歩夢(AUTOBACS MUGEN SF23)。路面温度の上昇で各車のタイムが伸び悩むなか、1分22秒675と一人抜き出たタイムをマーク。2位のイゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)にコンマ4秒近い差をつけ、このグループのトップを奪った。
3位は大湯都史樹(SANKI VERTEX CERUMOINGING SF23)。今回はやや苦しんでいる感のあるダンディライアンの牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF23)が4位。以下、小出峻(San-Ei Gen with B-Max SF23)、小林可夢偉(Kids com KCMG Cayman SF23)までがQ2進出となった。
高星明誠(ITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPUL SF23)は走路外走行でベストタイム抹消。チームIMPULは2台とも後方グリッドからのスタートとなった。
順位:岩佐-フラガ-大湯-牧野-小出-小林/フェネストラズ-山下-三宅-野中-高星
■Q2
Q2進出のチームの内訳は、ダンディライアン、無限、セルモ、KCMG、ナカジマが各2台ずつ。トムスとB-Maxが1台という布陣になった。
Q2ははからずも野尻vs坪井の争いとなった。まず、野尻が1分22秒417をマーク。福住22秒773、大湯22秒784、小林23秒075、阪口22秒929と、次々にアタックするも野尻のタイムには届かず。
その後、坪井が野尻を上回るペースで前半をクリア。逆転ポールかと思われたがコース後半が伸びずに1分22秒438と、100分の2秒届かず2位。
ポール争いに絡むと思われた岩佐は意外に伸びず5位、フラガもセクター1でタイムロスしてしまい8位止まりだった。
太田格之進(DOCOMO DANDELION M6Y SF23)に至っては、走路外走行でベストタイム抹消。12位からスタートすることになった。
順位:野尻-坪井-福住-大湯-岩佐-牧野-阪口-フラガ-小林-佐藤-小出-太田
決勝は、本日、午後3時15分から36周で争われる。
Text&Photo: Shigeru KITAMICHI

フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ選手権Race7の決勝が、7月13日、鈴鹿サーキットで行われ、ポールスタートの梅垣清(PONOS RACING TOM’S TGR-DC FR)が、スタートから一度もトップを譲ることなく今季3勝目を飾った。
マスタークラスは、鳥羽豊 (AIWIN)が、順当にクラス優勝を飾った。
夏日となった日曜日。風はあるものの気温は30度を超えるなか、午後2時35分にフォーメーションラップがスタート。予選4位の大宮賢人(PONOS RACING F111/3)は、予選でタイヤを傷め、規定の2セットを超えたタイヤを使用するため、ピットからのスタートとなった。

スタートを制したのは、ポールシッターの梅垣。鈴木斗輝哉(マツモトキヨシTOM’S TGR-DC FR)、卜部和久(B-MAX RACING F111)と続いてグリッド順で1周目のコントロールラインに戻ってくる。
トップの梅垣、鈴木は、3位の卜部を引き離しながら周回を重ね、以下、リン・チェンファ(BALR.RAGNO SPORT with TLM F111/3)、小田優(Rn-sports F111/3)、マスタークラストップの鳥羽豊 (AIWIN)と、レースは縦に長い展開になっていく。
膠着状態のなかで一人気を吐き、トップグループに遜色ないペースで追い上げてきたのがピットスタートの大宮。4周目に4位、6周目6位、8周目5位、10周目には4位までポジションアップ。
レース後半になると、トップ梅垣が鈴木を少しずつ引き離していき、最後は3秒以上の差を開いて、今季3勝目のチェッカーを受けた。3位は単独走行となった卜部。
この優勝で梅垣はポイントを120まで伸ばし、トップの鈴木と0.5点差と、シリーズ15レース中7レースを終えて二人がほぼ並ぶこととなった。
マスタークラスは、コンスタントに走り総合7位でチェッカーを受けた鳥羽が、順当にクラス優勝を飾った。
次戦(Race8-10)は、8月30、31日、夏のSUGO決戦だ。








Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Atsushi BESSHO
Yoshinori OHNISHI

フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ選手権Race6の決勝が、7月12日、鈴鹿サーキットで行われ、フロントロー2番グリッドからスタートした卜部和久(B-MAX RACING F111)が、セーフティカーの二度出るレースでトップを守りきり、FRJ初優勝を飾った。
マスタークラスは大本命・鳥羽豊 (AIWIN)の自滅で、ユキ(NILZZ Racing)がクラスウィン。

午後になって、日差しが照りつけるなか、フロントローイン側スタートの卜部が、1コーナーでイン側からトップに躍り出る。2位には鈴木斗輝哉(マツモトキヨシTOM’S TGR-DC FR)がつけ、ポールスタートの梅垣清(PONOS RACING TOM’S TGR-DC FR)は3位に後退。
安定したペースで周回する卜部だが、後続の鈴木と梅垣がジワジワと迫る。5周終了時点で、トップグループを形成する3者の差はそれぞれ0.3〜0.4秒。攻防が激しさを増すと思われたが、6周目に後方を走行していた入榮秀謙(アポロ電工フジタ薬局ベローナ)がデグナーでクラッシュ。これでセーフティカー(SC)が入る。
9周目に入るところでリスタートとなり、卜部はシケインまでアクセルオンを引っ張り、トップを死守。しかし、この周のヘアピン立ち上がりで、初の鈴鹿で7位と奮闘していたジャ・ジャンビン(B-MAX RACING F111)がスピン。動けなくなってしまい、10周目に再びSCが導入される。
12周目、二度目のリスタートも上手く決めた卜部は、そのままトップを守って残る2周を走り切り、フォーミュラ・リージョナル初優勝を遂げた。
なお、2位争いをしていた鈴木と梅垣は、最終ラップのスプーンで梅垣が前に出るものの、130Rでは再び鈴木が前に出るなど、最後まで超接近戦を演じた。しかし、最後のシケインで梅垣がやや無理をして抜きにかかり両者は接触。鈴木はそこでストップ。
梅垣は、大宮賢人(PONOS RACING F111/3)に続いて3位でフィニッシュしたものの、ペナルティで降格。3位には小田優(Rn-sports F111/3)が入った。
マスタークラスは、総合7位を走っていた鳥羽の楽勝と思われたが、最終ラップの1コーナーでまさかのコースアウト。ユキがクラストップでフィニッシュを果たした。
Race7は明日日曜の午後2時35分から、13周で行われる。







Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Atsushi BESSHO
Yoshinori OHNISHI

フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ選手権第3戦Race6、7の公式予選が、7月12日、鈴鹿サーキットで行われ、梅垣清(PONOS RACING TOM’S TGR-DC FR)が、前大会に続いて両レースともポールポジションを奪った。
マスタークラスは、鳥羽豊 (AIWIN)がダブルポールで、開幕戦からの連続ポール記録を7に伸ばした。
富士ラウンドから2週間というインターバルでFRJの舞台は鈴鹿へ。今回はやや台数が減り11台のエントリー。総合を争う主なメンバーに変わりはないが、マスタークラスはチャンピオン最右翼の鳥羽と、ユキ(NILZZ Racing)の2台となった。
上空には雲が多く、蒸し暑い天候のなか、Race6と7の予選が、午前11時10分から15分ずつ、10分間のインターバルを挟んで行われた。
Race6予選
梅垣がアタック2周目に1分57秒489をマークしてトップに立つと、ライバルの鈴木斗輝哉(マツモトキヨシTOM’S TGR-DC FR)も57秒702で迫るが、これは走路外走行で採用されず。このノータイムで鈴木のリズムは狂ってしまった。
代わって2位に食い込んできたのが、卜部和久(B-MAX RACING F111)。ここまでトムス勢に遅れを取ってきたが、今回は前日の練習走行でも差を詰めてきている。
11分が経過したところで、3番手タイムを出していた大宮賢人(PONOS RACING F111/3)がS字でコースオフ。コースサイドにクルマを停めたため、赤旗が提示され予選は中断。
残り3分30秒で再開したが、マスタークラスの2台以外はタイムアップならず。梅垣がポールポジションを獲得し、卜部、大宮、鈴木と続いた。
マスタークラスは、ライバル不在の鳥羽が2分00秒306でクラスポール。
Race7予選
予定より5分遅れて始まったRace7の予選も、梅垣がリード。アタック3周目には1分57秒009と、2021年12月に大草りきが打ち立てた1分57秒015を上回るコースレコードを樹立。
やや抜け出した梅垣に、セッション終盤に鈴木、卜部、大宮らがどこまが迫るかが注目されたが、残り1分となったところで、猪爪杏奈(ユピテル羽衣6 F111/3)がデグナーでクラッシュ。これで予選は終了となり、終盤のアタックは見られずに終わってしまった。
これで梅垣は、前回の富士大会から4連続のポールポジション。開幕大会の鈴木の3連続ポールを含めて、ここまで7レースの予選はすべてトムスが制している。
2位以下は、鈴木、卜部、大宮と続き、このトップ4が決勝でもレースをリードする展開になりそうだ。
マスタークラスは、鳥羽が2分切りを果たして連続クラスポールを獲得した。
Race6の決勝は、本日Race4が午後3時50分から、Race7は明日日曜の午後2時35分から、それぞれ13周で行われる。




Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Atsushi BESSO
- 優勝 梅垣清(PONOS RACING TOM’S TGR-DC FR)
「ペースは今回もよくて、スタートの蹴り出しも普通だったのですが、2番手に前に行かれてしまって。3位にも後ろから追われていったん3位まで落ちたのですが、その後落ち着いて、気持ちを切り替えて、最後まであきらめなかったことで、ぎりぎり僅差ですが勝つことができたと思います。最後のオーバーテイクは 一瞬のスキを突いて、『ここしかない』という感じで行きました」
- 2位 鈴木斗輝哉(マツモトキヨシ TOM'S TGR-DC FR)
「最終ラップはGRスープラコーナーで抜かれて、クロスラインで最終コーナー進入までに前に出ることができたのですが、コーナー出口からストレートでスリップストリームを使われて抜かれました。途中梅垣選手がミスしたようでちょっと離れたかな、という気がして。そこから僕もプッシュしたので追いついてこないだろうと思ったのですが、最後の最後で追いつかれてしまったので。もったいなかったなという感じですが、今週ずっと調子が悪くて速さはなかったので、そんな状態で午前のレースも勝てるとは思っていなかったですし、今のレースも勝てそうだったので、自分の運がなかったのかな、という感じです」
- 3位 大宮賢人(PONOS RACING F111/3)
「今日は2レースともペースに苦しんで、厳しい週末になりましたね。レース5はスタートで前に出ることができたのですが、1周目に(順位を)戻されてしまって、そこから離される一方だったので、つらいレースでした。自分自身にまだ足りないものがたくさんありますし、後はチームともしっかり話して、次のレースで勝てるように準備していきたいと思います」
- マスタークラス優勝 鳥羽豊(AIWIN)
「タイヤを使ってしまって、アンダーもオーバーも出るようになっていました。それで(コーナーの)ボトムスピードを落としてなんとか対応して、出口でのアクセルオンをどうにかしようと、ごまかしごまかしやっていました。いや、しんどかったです。ただきれにそれが決まっていれば(後続が)追いついてこないかなと思っていたので。とにかくボトムを落として加速を乗せて、なんとか。危なかったです」
Text: junichi SEKINE
Photo: Mizue NOINE
フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ選手権Race5の決勝が、6月29日、富士スピードウェイで行われ、ポールスタートの梅垣清(PONOS RACING TOM’S TGR-DC FR)がスタートで出遅れたものの、トップの鈴木斗輝哉(マツモトキヨシTOM’S TGR-DC FR)諦めずに追いかけ、最終ラップのチェッカー目前で逆転。劇的な幕切れとなったレースを制して、今季2勝目を飾った。
マスタークラスは鳥羽 豊 (AIWIN)が、最後まで追いすがったアキタ(ACR FRegional)を振り切り、今季4勝目のチェッカーを受けた。
午後になっても、強い日差しが照りつけ気温は30度と完全に夏の天候となった。
Race4の再現のように、ポールシッターの梅垣がスタートで出遅れ、鈴木がトップに立ち1周目を終える。3位には大宮賢人(PONOS RACING F111/3)が続く。
不運だったのは、4位を走行していた卜部和久(B-MAX RACING F111)。ヘアピンで接触をしたためか、GRスープラコーナーでフロントウィングが脱落。ピットに入りノーズ交換をしたため、1周目から周回遅れとなってしまった。
逃げる鈴木、追う梅垣の攻防は一進一退。2人の差は3周目0.8秒、4周目0.5秒、5周目0.8秒、6周目0.5秒と、付かず離れずを繰り返す。しかし、8周目に梅垣がミスをしたことで、この差が一気に1.8秒まで開く。
このまま、鈴木が連勝かと思われたが、梅垣は諦めることなく、ここから少しずつその差を詰めていく。10周目1.3秒、11周目1.0秒、12周目0.7秒と確実に差を縮めた梅垣は、最終ラップについに鈴木の背後に迫るが、鈴木もブロックして応戦。
そして、迎えた最終コーナー。ストレートに上がってスリップストリームから右に出た梅垣は、鈴木と並走してゴールラインを横切り、狙いどおりに100分の4秒差で大逆転。超僅差のレースを制した梅垣は、ウィナーズサークルで満面の笑顔だった。
3位は、単独走行となった大宮。4位にはリン・チェンファ(BALR.RAGNO SPORT with TLM F111/3)が入った。
マスタークラスも、鳥羽豊 (AIWIN)とアキタ(ACR FRegional)の一騎討ちとなり、最後まで1秒以内の差でアキタが背後からプレッシャーをかけたが、こちらは逆転はなく、鳥羽が今季4勝目を飾った。
次の第3戦は2週間後、7月12、13日の鈴鹿大会。今回と同じく2レース制で行われる。
Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOINE
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- 優勝 鈴木斗輝哉(マツモトキヨシ TOM'S TGR-DC FR)
「スタートが決まって前に出られたのと、リスタートもよかったので、いいレースでした。もう少し苦しい展開になるかなと思っていて、スタートうまくいっても梅垣選手に抜かれてしまうのじゃないかと思っていたのですが、序盤もSC明けもリードすることができました。後半ちょっと(タイヤが)タレてきつくなっても、ぎりぎり逃げ切れました」
- 2位 梅垣清(PONOS RACING TOM'S TGR-DC FR)
「スタートはクラッチミートが少し遅れて、それで4番手ぐらいまで落ちてしまいました。ペース的には悪くなかったのですが、トップとのギャップが開いてしまっていたので、縮められはしましたがちょっと届かずでした。スタートを改善しないとですね」
- 3位 卜部和久(B-MAX RACING F111)
「防戦一方のレースでしたね。コーナーは悪くなかったのですが、ストレートですぐスリップストリームに入られちゃったので、そこが問題かなと思います。それでも防ぎきって、自分にできることはできたので、午後(RACE5)は勝ちたいと思います」
- マスタークラス優勝 鳥羽豊(AIWIN)
「疲れました、暑かったです(苦笑)。スタートはばっちり決まって、5位に上がっていたので、このまま1周ぐらいは若手の前で走れるかな、なんて思っていたら。2コーナーでやられ、100Rでやられ。やはりヤングスターたちは速いです。話にならなかったです。後はとにかく前について走るだけで、SC明けはどうにかしようと思ったのですが、どうにもできなかったです。練習や予選の時から見ていたので、彼らが速いのは明白だったので、そこはあっさりと譲って、それで後ろにつきながら走っていたのですが、そんなに差も開かなかったので、いい勝負はできたのかなと思います。楽しかったです」
Text: junichi SEKINE
Photo: Mizue NOINE

フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ選手権Race4の決勝が、6月29日、富士スピードウェイで行われ、快晴の下、フロントロー2番グリッドからスタートした鈴木斗輝哉(マツモトキヨシTOM’S TGR-DC FR)が好スタートから逃げ切って今季3勝目。マスタークラスは鳥羽 豊 (AIWIN)が独走で優勝を飾った。
強い日差しが照りつけるなか、ポールシッターの梅垣清(PONOS RACING TOM’S TGR-DC FR)がスタートで出遅れ、鈴木がトップに立ち、好ダッシュを見せた4番グリッドの卜部和久(B-MAX RACING F111)、梅垣の順でオープニングラップを終える。
トップ鈴木は、1分37秒台のラップを刻んで序盤から2位以下との差を広げていく。一方、2位争いは、ややペースの上がらない卜部が抑える形になって、梅垣、大宮賢人(PONOS RACING F111/3)の3台で繰り広げられる。
2周目のダンロップコーナーで、7位を争っていたワン・ジョンウェイ(SKYMOTORSPORTS F111/3)と猪爪杏奈(ユピテル羽衣6 F111/3)が接触。コース上にストップしてしまったため、セーフティカーが入る。
7周目に入るところでリスタートとなり、ここでも2位卜部は、ペースの上回る梅垣を上手く抑える。しかし、両者のペース差は歴然で、9周目の1コーナーでついに梅垣が卜部攻略に成功。鈴木を追う。
トップ鈴木と2位に上がった梅垣との差は、徐々に詰まったものの、逆転するまでには至らず、鈴木が15周を危なげなく走りきって今季3勝目のチェッカーを受けた。2位は梅垣、3位には大宮を最後まで巧みに抑え続けた卜部が入った。
マスタークラスは、総合でも6位に入った鳥羽豊 (AIWIN)の独壇場。ライバルと目されたアキタ(ACR FRegional)が1周目で遅れてしまったこともあり、独走で今季3勝目を飾った。
Race5の決勝は、本日午後2時30分から15周で行われる。
Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOINE
- レース4/レース5ポールポジション 梅垣清(PONOS RACING TOM'S TGR-DC FR)
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「Q1については 自分が想定していたより路面温度も上がって、グリップレベルも低かったなという感じで。バランス的にも苦しんでいました。それでもタイムはある程度出たかな、という感じです。Q2についてはQ1の結果である程度バランスの確認ができたので、マシンを整えることができて、自分の方で改善すべきところも改善できて、タイムもコンマ3秒上げられたという印象です。決勝は明日も晴れでコンディション的にはあまりよくなさそうですが、自分の実力を発揮して、トップからなのでリラックスして、優勝目指してがんばります」
- レース4/レース5予選2位 鈴木斗輝哉(マツモトキヨシ TOM'S TGR-DC FR)
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「Q1はベストの周にまとめられなかったという感じで、自分がもっとうまくやれていればトップに立てたのじゃないかな、というのが正直なところです。自分のミスで2番手になってしまったな、と。ホントに僅差なのですけれどね。Q2はQ1のバランスがよかったので、そのまま行きましたが、ちょっとアンダーステア気味になってしまって、それでタイム出なかったところはあります。ちょっとスピートが梅垣選手に比べて足りないのかな、と思いました。決勝は富士スピードウェイは抜きいやすいかなと思っていたものがFRJのマシンだと抜きずらいみたいで、スタートが肝心だと思います。スタートでトップに立ってしまえば、そこからのペースは悪くないと思っているので、そこだけ意識して。スタートに集中してトップに立って後ろを引き離す展開に持ち込めればいいな、と思っています」
- レース4/レース5予選3位 大宮賢人(PONOS RACING F111/3)
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「Q1は想定よりクルマのバランスが思った方にはいかなくて、自分のドライビング的にも合わせられていなかったところがありました。Q2ではそこを修正していい方には向かったかな、と思いますが、ドライでこのタイム差(トップから約0.5秒差)は大きいなと思いますが、このまま3位では終わりたくないので、明日に向けてできることをちゃんとやろうと思います」
- マスタークラス レース4/レース5ポールポジション 鳥羽豊(AIWIN)

「Q1は熱のせいでシフトダウンがうまくできなくなって、タイムアタック3本ともギアが落ちない箇所があって終わったったというのがあります。全体で6番手とはいえ、トップから1.5秒も離されているのはちょっと。もちろんトップを争う子はこれからメーカーのエースになっていくような子たちなのでしょうけれど。ある意味自分の立ち位置を知るためにもFRJをやっているわけで、そこで1.5秒とか1.7秒とか離れるって、当たり前ではありますが、根本的に何かが違う。その差をもう少し近づけるために何をしなきゃいけないのか、もうちょっと考えなきゃいけないです。とはいえ次はもうレースですから、もうちょっと自分なりに追及したいですし、Q1はトラブルもあったのでという部分もありましたが。Q2ではシフトのトラブルは解消して、ちゃんと落ちるようになりました。アクセルオフしてからちょっと間をおいてシフトダウンするようにしました。それで(操作が)キャンセルされないいようになったので大丈夫でした。Q2はちょっと路面が悪くなっていましたね。けっこう滑って『うわ、しんど』と思いながら走っていました。それにしてもちょっと実力不足です。もっと鍛えなおして、テストも十分できていないし、乗れていない部分があって、ターボラグがあるので、トルクが上がってくるのがワンテンポ遅いので、そのへんを解消しつつで、もっといけると思うのですよね。がんばります」
Text: junichi SEKINE
Photo: Mizue NOINE

フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ選手権第2戦Race4、5の公式予選が、6月28日、富士スピードウェイで行われ、梅垣清(PONOS RACING TOM’S TGR-DC FR)が、チームメイトの鈴木斗輝哉(マツモトキヨシTOM’S TGR-DC FR)を僅差で退け、両レースともポールポジションを奪った。
マスタークラスは、鳥羽 豊 (AIWIN)が、2レースともにクラスポールを奪い、これで鳥羽は開幕戦から5連続ポールとなった。
悪天候に見舞われた開幕の岡山大会から約1か月のインターバルを経て、舞台は富士に移された。今回は天候の心配はなさそうだ。
■Race4予選
強い日差しの下、午前11時35分から始まった15分間の予選は、鈴木と梅垣の二人がやや抜け出してポール争いを繰り広げた。
4周目のアタックでは、鈴木1分38秒713、梅垣39秒004、6周目では鈴木37秒878、梅垣38秒085と終盤まで鈴木がリードしていたが、8周目のアタックで梅垣が丁寧にタイムを削り取って37秒811をマーク。見事に逆転でポールを奪った。
3位は大宮賢人(PONOS RACING F111/3)、4位は卜部和久(B-MAX RACING F111)と、トップ4は開幕大会に続いてほぼ指定席だ。
5位には、昨年のFIA-F4に出場していたリン・チェンファ(BALR.RAGNO SPORT with TLM F111/3)が入った。開幕大会で速さを見せた小田優(Rn-sports F111/3)は、電気系のトラブルでピットに入ってしまい、アタックできずに終わった。
マスタークラスは、鳥羽が総合でも6位に入る1分39秒台をマーク。2位のアキタ(ACR FRegional)に0.2秒差という僅差だったものの、前大会からの4連続ポールを獲得。
■Race5予選

10分のインターバルの後、始まったRace5の予選も、Race4と同様の梅垣と鈴木の一騎討ちの展開になった。
まず、梅垣が1分37秒615でトップに立つが、これを鈴木が4周目のアタックで37秒515をマークして逆転。さらに5周目には梅垣が37秒421で再逆転するというコンマ1秒ずつ削り取る攻防を見せた。
この後、両者はタイムアップならず。梅垣がRace4に続いてポールポジションを獲得した。
3位以下は、大宮、卜部、チェンファとRace4と同じだったが、6位には最後のアタックで鳥羽を上回った猪爪杏奈(ユピテル羽衣6 F111/3)が入った。
小田は、インターバルの間に修理をしてコースインしたものの、トラブルの解消には至らず、すぐにピットに入ってしまい、再びコースに戻ることはなかった。

マスタークラスは、Race4同様に、鳥羽がアキタを抑えてポールとなったが、その差は0.09秒とアキタが迫り、決勝の勝負が楽しみになった。
明日の決勝は、Race4が午前8時50分から、Race5は午後2時30分から、それぞれ15周で行われる。
Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOINE

全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第戦の決勝がが、6月22日、岡山国際サーキットで行われ、ポールポジションからスタートした野村勇斗(HFDP WITH B-MAX RACING)が、昨日に続く完璧なレースで連勝を飾った。
マスタークラスは、激しい攻防を制したDRAGON(TEAM DRAGON 324)が今季初優勝を飾った。
昨日と同様に、上空には雲が多く、蒸し暑い天候となった日曜日。
第8戦の注目は、昨日初優勝を果たしたポールスタートの野村、自己最高位のグリッドを得た三井優介(DELiGHTWORKS)、そして、このレースのためにニュータイヤを温存したエステバン・マッソン(PONOS Racing TOM'S TGR-DC SFL) 。このグリッド上位三者の攻防だ。
その後方に控える、小林利徠斗(モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL)、ザック・デビッド(B-MAX RACING 324)、佐野雄城(モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL)からも目が離せない。
注目のスタートを制したのは野村。「自分でも驚くほど良かった」とマッソンを従えて1周目を終える。2番グリッドの三井は4位に後退してしまい、代わって小林が3位に上がる。
トップ2台は、1秒強の差を保ったまま、3位小林を引き離しながらハイペースで周回を重ねる。この状態はレース後半に入っても変わらず。10周を終えた時点で両者の差は1.3秒。その4.5秒後方に小林、さらに1.2秒遅れて三井と佐野が4位を争うという展開となった。
10周を過ぎるとトップ2台の差が徐々に縮まり、11周目1.1秒、12周目0.9秒、13周目0.7秒と、マッソンがトップ野村に迫った。しかし、この追撃もここまで。残るチェッカーまでの5周は、逆に息切れしたマッソンとのギャップを野村が広げ、第7戦に続く連勝を遂げた。
3位は単独走行になった小林、4位は三井、5位佐野、そして序盤から続いた6位争いはデビッドが守りきり、貴重な1ポイントを手にした。
マスタークラスは、スタートでDRAGONが先行したものの、終始、清水康弘(GNSY RACING 324)が背後に迫り、激しいバトルを見せた。両者の勝負が決着したのは16周目のWヘアピン。ここで両者が絡む形になって清水がストップ。DRAGONが嬉しい今季クラス初優勝を飾った。
第9戦の決勝は、本日午後2時から18周で行われる。











Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Atsushi BESSHO

全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第7戦の決勝がが、6月21日、岡山国際サーキットで行われ、ポールポジションからスタートした野村勇斗(HFDP WITH B-MAX RACING)が、完璧なレース内容で初優勝を飾った。
マスタークラスは、清水康弘(GNSY RACING 324)が逆転優勝。
日差しは雲に遮られたものの、蒸し暑さが続くなか、午後1時30分にスタートを迎えた。このレース結果がそのまま第9戦のグリッドになるため、抜きにくいコースでのスタートの先陣争いが注目された。
ほどんどの車両がニュータイヤを履くなか、5番グリッドのエステバン・マッソン(PONOS Racing TOM'S TGR-DC SFL) 、10番グリッドの卜部和久(B-MAX RACING 324)はユーズドタイヤを選択した。
スタートでは、フロントローイン側のザック・デビッド(B-MAX RACING 324)が好ダッシュ見せたが、1コーナーの位置取りで順位を下げてしまう。しかし、すぐに順位を戻して、1周目は、野村、デビッド、小林利徠斗(モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL)、三井優介(DELiGHTWORKS)の順で終える。
トップを守った野村は、ここからジワジワと2位以下を引き離していき、6周目には2秒、折返しとなる13周目には3秒と完全に独走。まったく危なげない展開でレースをコントロールし続けた。
5周目から続いた2位争いは、終始、小林がラインを変えてデビッドを攻め立て、20周目についに攻略に成功。ペースの落ちたデビッドは、終盤、逆にケイレン・フレデリック(Pilot ONE Racing with B-MAX)に攻められる展開となる。
終盤になっても、野村のペースは大きく落ちることはなく、誰にも脅かされずに25周のレースを走り切って、嬉しい初優勝を遂げた。
2位はスーパーフォーミュラでも速さを見せている小林、3位には初表彰台のデビッドが入った。
マスタークラスは、スタートでDRAGON(TEAM DRAGON 324)が先行したものの、シフトにトラブルを抱えて、その症状が徐々にひどくなりペースダウン。13周目に逆転した清水がクラス優勝を飾った。
第8、9戦の決勝は、明日6月22日の午前9時45分、午後2時からそれぞれ18周で行われる。










Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Atsushi BESSHO

全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第7戦、第8戦の公式予選が、6月21日、岡山国際サーキットで行われ、両レースともに野村勇斗(HFDP WITH B-MAX RACING)が、他を圧倒する速さでポールポジションを獲得した。
マスタークラスは、清水康弘(GNSY RACING 324)が、ダブルクラスポールを奪った。
連日猛暑に襲われている西日本地方。専有走行の行われた金曜日は強い日差しが照りつけ、ドライバーは汗だくだったが、土曜日は上空に雲が垂れ込め、時折日が差す天候となった。
今季、ここまでのポールシッターは、第1戦佐野、第2戦佐野、第4戦野村、第5戦フレデリックとなっている。4人目のポールシッターが出るのか、3人がポール回数を重ねるのか注目された。
第7戦公式予選
午前9時から行われた10分間の予選。各車、じっくりウォームアップした後、4周目からアタックに入った。
この予選をリードしたのは野村。昨日の専有走行でも好調さを窺わせていた野村だが、1分22秒454、22秒196、22秒154と、大混戦のSFライツで、2位のザック・デビッド(B-MAX RACING 324)に0.3秒という大差をつけて、自身2度目のポールを獲得した。
3位に入ったのは三井優介(DELiGHTWORKS)。今季から参戦の新チームでベストグリッドを手にした。以下、小林利徠斗(モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL)、エステバン・マッソン(PONOS Racing TOM'S TGR-DC SFL)、ケイレン・フレデリック(Pilot ONE Racing with B-MAX)までがトップ6。
マスタークラスは、清水がDRAGON(TEAM DRAGON 324)を0.16秒差で抑えてクラスポールを獲得した。
第8戦公式予選
10分間のインターバルを経て行われた第8戦予選でも、野村の速さは際立っており、第7戦の自身のポールタイムを上回る1分21秒961を叩き出し、大健闘の2位に入った三井を0.45秒も引き離した。三井は自身のベストグリッドを更新。
3位にはマッソン、4位には小林、5位デビッド、ポイントリーダーの佐野雄城(モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL)は6位と出遅れてしまった。
野村が抜き出たが、2位以下は大接戦。2位三井から7位フレデリックまでは、何と0.18秒差という超僅差の予選だった。
マスタークラスは、清水が更にタイムを縮め、連続クラスポールを奪った。
第7戦決勝は、本日午後1時30分から25周で、第8、9戦の決勝は、明日6月22日の午前9時45分、午後2時からそれぞれ18周で行われる。



Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Atsushi BESSHO

全日本スーパーフォーミュラ選手権公式テスト(2日目)が、6月7日、富士スピードウェイで行われ、午前のセッションはルーキーのイゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)が、午後は岩佐歩夢(AUTOBACS MUGEN SF23)がトップタイムをマークした。
昨日に続いて、天候に恵まれた富士スピードウェイ。朝から日差しが強いものの、風があって過ごしやすいコンディションとなった。
セッション3(9:00〜11:30)
2日目午前の走行は、各チームがそれぞれ用意したプログラムをこなしている感じで、終盤まで淡々と進んだ。
開始60分を経過した順位は、坪井翔(VANTELIN TOM'S SF23)、大湯都史樹(SANKI VERTEX CERUMOINGING SF23)、岩佐歩夢(AUTOBACS MUGEN SF23)、そして、7号車のセッティングを託された関⼝雄⾶(Kids com KCMG Cayman SF23)が、1分23秒半ばのタイムで続いた。
アタックが始まったのは残り7分から。イゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)が1分23秒056でトップに躍り出るが、気温、路面温度が高くなったコンディションから、昨日午後のトップタイムには0.7秒ほど及ばなかった。
2番手は、セッション前半に1分23秒104をマークした坪井。3番手は岩佐、以下、佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)、牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF23)、野尻智紀(AUTOBACS MUGEN SF23)、太田格之進(DOCOMO DANDELION M6Y SF23)と続き、強豪チームが順当に上位を占めた。

セッション4(14:00〜16:30)
午後になると、気温も路面温度も上昇し、昨日の午後と比べてタイムを出すには厳しい条件となった。
オーバーテイクシステムの使用が許された最初の時間帯に、岩佐、坪井、牧野、野尻らが1分23秒台のタイムを出して、タイミングモニターの上位に名を連ねる。
その後は、各チームはセッティングを試したり、ロングランを行ったり、それぞれのプログラムをこなしていく。
残り10分から最後のアタックが始まる。トップタイムは岩佐が序盤でマークしたタイムがだったが、ここでの最速は坪井の1分23秒042、これにダンディライアンの牧野、太田が続き、マシンをシェアして参加のルーキー⼩林利徠⽃(Kids com KCMG Cayman SF23)が5番手と大健闘。三宅淳詞(ThreeBond SF23)も6番手と復活の手応えを掴んだようだ。
午前中トップタイムだったフラガと佐藤のナカジマレーシングコンビは、アタックは行わず、このセッションはロングランに費やした。
2日間、10時間に渡るテストで、富士大会の勢力図がおぼろげながら見えてきた。やはりダンディライアン、無限、ナカジマ、そしてトムス(坪井)は安定した力を発揮している。特に両セッションで僅差の2番手につけた坪井の富士での強さは別格だ。

そして、ルーキーらしさは消え貫禄さえ感じさせるフラガ、秘めた可能性を持つ小林利徠⽃に注目したい。
第6、7戦富士大会は、7月19、20日の両日「夏祭り」として行われる。
Text: Shigeru KITAMICHI

全日本スーパーフォーミュラ選手権公式テスト(1日目)が、6月6日、富士スピードウェイで行われ、牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF23)がトップタイムをマークした。
2番手以下は、佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)、野尻智紀(AUTOBACS MUGEN SF23)、山下健太(REALIZE Corporation KONDO SF23)、大湯都史樹(SANKI VERTEX CERUMOINGING SF23)、坪井翔(VANTELIN TOM'S SF23)と、トップ6はすべて異なるチームが並び、混戦を象徴する結果となった。
当初、今シーズンのスケジュールが発表された時点では、この週末は韓国大会が開催される予定だったが、中止に伴い、この日程に公式テストが組まれた。
オートポリス大会から変更になったのは、すでにチームから発表となっているが、平良響に代わって次戦から参戦の野中誠太(KDDI TGMGP TGR-DC SF23)が29号車をドライブ。小林可夢偉が不在のため、ルーキーの⼩林利徠⽃とベテラン関⼝雄⾶が、7号車をシェアしての参加となった。
セッション1(9:00〜11:30)
各チームは、予選に向けてのセッティングを進めたり、決勝想定のロングランを重ねたりと、それぞれの思惑を持って周回を重ねた。
走り始めから好調さを窺わせたのは、やはりダンディライアンの2台。常にタイミングモニターの上位に居続け、太田格之進(DOCOMO DANDELION M6Y SF23)がトップ、牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF23)が3番手で終えた。
野尻智紀(AUTOBACS MUGEN SF23)も2番手と好調。4番手には、ここまで8位入賞が1回のみで、そろそろ結果が欲しいザック・オサリバン(REALIZE Corporation KONDO SF23)が入った。
岩佐歩夢(AUTOBACS MUGEN SF23)とサッシャ・フェネストラズ(VANTELIN TOM'S SF23)は、ログランテストに終始し、タイムアタックは行わなかった。

セッション2(14:30〜17:00)
開始まもなく、野尻が1分23秒103で午前のトップタイムを上回ると、午前中はアタックを行わなかった岩佐も1分23秒499までタイムを詰めてきた。この二人に割って入ったのが1分23秒384の牧野。坪井も1分23秒687で続いた。
開始から2時間が近づくと、大湯が1分22秒台に入れてトップへ。ナカジマレーシングの佐藤とイゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)も1分23秒台前半のタイムで上位に食い込んできた。
そして、最後のアタックが始まると、タイムは一気に22秒台前半へ。
牧野1分22秒339、佐藤1分22秒434、野尻1分22秒540、以下、山下、大湯、坪井、阪口晴南(SANKI VERTEX CERUMOINGING SF23)まで7台が22秒台をマーク。12番手までがトップから1秒以内に入り、予想どおりの僅差で、テスト初日を終えた。

小林可夢偉の指名で、このセッションで7号車のステアリングを握った関⼝雄⾶(Kids com KCMG Cayman SF23)は、終盤タイヤバーストに見舞われ、ヒヤッとする場面もあったが、スピン状態を上手くコントロールしてマシンを無傷で止めた。
明日のテスト2日目は、セッション3が午前9時から11時30分、セッション4が午後2時から4時30分に行われる。
Text: Shigeru KITAMICHI

フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ選手権Race3の決勝が、5月25日、岡山国際サーキットで行われ、ポールスタートの鈴木斗輝哉(TOM’S TGR-DC FR)が、今大会2勝目。マスタークラスは、鳥羽豊 (AIWIN)が同じく2勝目を飾った。
スタート前、雨粒が落ちてきて、各チームはグリッドにレインタイヤを持ち込んで、レインコンディションに備えた。しかし、すぐに雨は上がり、レインタイヤに履き替えていたチームは慌ててスリックに戻す場面も見られた。結局、全車スリックタイヤでスタートとなった。
スタートを制したのは、PPの鈴木。大宮賢人(PONOS RACING F111/3)、卜部和久(B-MAX RACING F111)を従えてオープニングラップを終える。4位には梅垣清(TOM’S TGR-DC FR)が上がり、卜部を攻め立てる。
3周目、最後尾スタートの小田優(Rn-sports F111/3)が脅威の追い上げを見せ、5位に浮上。ただ、3位を争う卜部、梅垣とは10秒以上の差があり、この時点ではこれ以上のポジションアップは難しいと思われた。
6周目、梅垣がWヘアピンで卜部を捕らえて3位に浮上すると、7周目に小田にチャンスが訪れる。10位を走行していたジャ・ジャンビン(B-MAX RACING F111)が最終コーナーで単独クラッシュ。これでセーフティカーが導入され、前車とのギャップはリセットされた。
車両が回収され、15周目にリスタートを迎えると、小田は執拗に卜部に迫り、この周のWヘアピンで攻略に成功。さらに3位の梅垣にも勝負を挑もうとした。しかし、仕掛ける前にアトウッドコーナーで自らコースオフしてしまい、小田の追走劇はここで終演となった。
レースは、スタートからトップを守った鈴木が、Race1に続いて今大会2勝目を飾ったが、実は車両にトラブルを抱えての薄氷の勝利だった。2位以下は大宮、梅垣、卜部と、今シーズン、トップ争いを繰り広げるであろうメンバーが上位を占めた。
マスタークラスは、総合でも5位に入った鳥羽が独走で制した。
次の大会は、6月28、29日に富士スピードウェイで行われる。









Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Atsushi BESSHO

フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ選手権Race2の決勝が、5月25日、岡山国際サーキットで行われ、梅垣清(TOM’S TGR-DC FR)が、スタートのやり直し、セーフティカーラン、ペナルティなどで混乱したレースを制して、今季1勝目を飾った。マスタークラスは3台全車がリタイアで成立しなかった。
上空は雲が垂れ込めてはいるものの、天候は快方に向かっている。ただ、路面は夜半までの雨の影響で湿っていて微妙なコンディションだ。それでも、全車スリックタイヤをチョイスしてグリッドに並んだ。
ところが、フォーメイションラップで、アキタ(ACR FRegional)がスピン。マシン回収のため、スタートはやり直しとなった。
さらに、やり直しとなったスタートで、今度はポールシッターの鈴木斗輝哉(TOM’S TGR-DC FR)、その後方の3番グリッドの大宮賢人(PONOS RACING F111/3)は、グリッド位置を間違えてしまった。そのままフォーメイションラップは始まるが、2人にはその後、プラス5秒のペナルティが課されることになった。
スタート前から混乱したレースは、鈴木がリードして始まるが、2位につけた梅垣がややオーバーラン。好スタートから2位に上がった卜部和久(B-MAX RACING F111)は、濡れた路面で滑った大宮に押し出される形になり、順位を落としてしまった。
さらに後方では、マスタークラスの鳥羽豊 (AIWIN)と田中優暉(イーグルスポーツ)、入榮秀謙(アポロ電工フジタ薬局ベローナ)などが絡み、セーフティカーランが導入されるなど、混乱は続いた。
リスタートした5周目に、ジャ・ジャンビン(B-MAX RACING F111)が、2コーナーでスピンを喫するが、すぐにコースに復帰するも最後尾にドロップ。
順位が落ち着いた6周目のオーダーは、鈴木、大宮、梅垣、小田優(Rn-sports F111/3)、卜部、猪爪杏奈(ユピテル羽衣6 F111/3)、ジャンビンと、走行しているのは7台。マスタークラスはこの時点で3台すべてがリタイアとなってしまった。
乾きつつある路面で、ファステストを更新しながらトップを快走し、ペナルティの5秒を上回るギャップを築くと見られた鈴木だが、終盤にフロントウィングのフラップが外れて急激にペースダウン。
当初から2周減って16周となったレースは、鈴木の背後にまで大宮が迫り、その2秒後方に梅垣という順位でフィニッシュ。トップ2台の鈴木と大宮には、スタート位置を間違えたことで、プラス5秒のペナルティが課されていたため、梅垣が繰り上がって優勝。
さらにレース後、大宮には接触によりプラス5秒が加えられたため、4位に降格。2位は鈴木、3位には小田が繰り上がって、混乱したレースは終了した。
Race3の決勝は、本日、午後0時50分から18周で行われる。








Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Atsushi BESSHO

フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ選手権Race1の決勝が、5月24日、岡山国際サーキットで行われ、降り続く雨のなかセーフティカー先導したレースはグリッド順のまま終了し、鈴木斗輝哉(TOM’S TGR-DC FR)が優勝。マスタークラスは鳥羽 豊 (AIWIN)が優勝を飾った。
朝から降り続いた雨は、昼を過ぎても止む気配はなく、スタート時間を遅らせてセーフティカー先導でスタートした。
各車は、スタートに備えウィービングしてタイヤを温めようと試みるが、効果はあまりないように思えた。
1周、2周、3周と周回を重ねても、天候の回復は見込めず、審査委員会は6周目に入ったところで、赤旗を展示し、レースを中断。結局そのまま終了となった。
このため、順位に変動はなく、結果はグリッド順で決まり、鈴木が優勝。卜部和久(B-MAX RACING F111)、大宮賢人(PONOS RACING F111/3)とともに表彰台に上がった。
明日は、天候の回復が見込まれており、“レース”が行われることを期待したい。
Race2、3の決勝は、明日5月25日の午前9時、午後0時50分からそれぞれ18周で行われる。







Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Atsushi BESSHO

フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ選手権Race1、2、3の公式予選が、5月24日、岡山国際サーキットで行われ、雨で赤旗中断が頻発するなか、鈴木斗輝哉(TOM’S TGR-DC FR)が3レースともにポールポジションを獲得した。
マスタークラスは、鳥羽 豊 (AIWIN)が、こちらも3レースともにクラスポールを奪った。
予選1回目
朝から降り出した雨は、予選が始まった9時にはやや強くなってきた。予選1回目のベスト、セカンドタイムでRace1、Race3のグリッドが決定する。
開始6分、これが日本で始めての公式セッションとなるジャ・ジャンビン(B-MAX RACING F111)が、アトウッドでコースオフ。アタック前に雨の洗礼を受け、これで赤旗中断。ジャンビンは赤旗の原因を作ったとして、以降の出走はできなくなってしまった。
8分後に再開したが、田中優暉(イーグルスポーツ)がWヘアピン1つ目でコースオフ。またしても赤旗中断になってしまった。
そして、2度目の再開後にもコースオフする車両が出て、3度目の赤旗中断。結局、そのまま予選1回目は終了となり、終始トップを守り続けた鈴木が、2位卜部和久(B-MAX RACING F111)を大きく引き離す1分44秒台でポールポジション(PP)を奪った。3位は大宮賢人(PONOS RACING F111/3)、4位は梅垣清(TOM’S TGR-DC FR)。
鈴木はセカンドタイムでも一人抜き出た1分44秒台をマークして、第3戦のPPも決めた。2位以下は大宮、卜部、猪爪杏奈(ユピテル羽衣6 F111/3)と続いた。
マスタークラスは、鳥羽が1分51秒台で、2位のアキタ(ACR FRegional)を5秒引き離し圧倒。セカンドタイムも同様だった。
予選2回目
やや雨が弱くなったが、コースは依然オールウェット。この予選で、第2戦のグリッドが決まる。
開始5分で、マスタークラスの鳥羽が1コーナーで、田中優暉(イーグルスポーツ)がWヘアピンでコースオフを喫して、予選1回目から通算して4回目の赤旗中断となった。
再開後は、やはり鈴木が速く、1分44秒192をマークしてトップに立つが、これは走路外走行と判定され抹消。しかし、鈴木はそんなことを気にする様子もなく、次の周に1分43秒463を叩き出してトップに返り咲いた。
1回目予選は4位に甘んじた梅垣も、渾身のアタックで1分43秒台をマークするが鈴木には届かず。以下、大宮、卜部、猪爪と続いた。
マスタークラスは、赤旗の原因を作ってしまった鳥羽が1周目に1分51秒台をマークしており、これがポールタイムとなった。
Race1の決勝は、本日午後1時55分から18周で、Race2、3の決勝は、明日5月25日の午前9時、午後0時50分からそれぞれ18周で行われる。




Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Atsushi BESSHO

全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第5戦の決勝が、5月18日午後にオートポリスで行われ、ポールスタートのケイレン・フレデリック(Pilot ONE Racing with B-MAX)が、独走で今季初優勝を飾った。
マスタークラスは、今田信宏(JMS RACING TEAM)が復帰大会で優勝を飾った。
好スタートからトップを守ったフレデリックは、抜群のスタートで2位に上がってきた佐野雄城(モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL)を従えて1周目を終える。
ここまで負け無しの4連勝を飾っている佐野だが、このレースはユーズドタイヤで臨んだため、ニュータイヤを履くフレデリックのペースにはさすがについていけず、両者の差は周を重ねるたびにジワジワと開いていく。
3位古谷悠河(Deloitte. HTP TOM'S SFL)は、開幕大会では振るわなかったが、今大会は速さが戻ってきた。以下、4位小林利徠斗(モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL)、野村勇斗(HFDP WITH B-MAX RACING)、エステバン・マッソン(PONOS Racing TOM'S TGR-DC SFL)が続く。
トップのフレデリックと2位佐野の差は、折返しの7周目には4秒となり、フレデリックは完全にレースをコントロール。レース後半も完璧ともいえるレース運びを見せ、14周を走りきって今季1勝目のチェッカーを受けた。
佐野は、ニュータイヤでスタートした古谷にプレッシャーをかけられつつも2位を守り、シリーズを俄然優位に進めている。4位の小林は昨年ランキング2位を得ているだけに、今年はチャンピオン最右翼だったが、ここまで力を発揮しきれていない。
なお、今大会ツキに見放された感のある野村は、このレースでもフライングのペナルティを課されてしまい、5位フィニッシュながら結果は7位。ポイントを重ねることはできなかった。
代わって5位にはマッソンが入り、6位三井優介(DELiGHTWORKS)は開幕大会に続いてポイントを獲得した。

優勝のフレデリックは「非常に良いレースでした。スタートもまずまずで、ニュータイヤのマージンを活かして引き離すことができました。今週はクルマの感触も良かったし、チームも良い仕事をしてくれました。それに値する結果だったと思います」とコメント。
マスタークラスは、ユーズドタイヤでスタートした今田を、DRAGON(TEAM DRAGON 324)と清水康弘(GNSY RACING 324)が追うという展開となったが、清水は2周目に競り合いのなかでスピン。
そこからは、今田とDRAGONの一騎討ちとなったが、最後まで今田が抑えきって、怪我からの復帰レースで優勝を飾った。清水も追い上げ、最後は三人が連なってチェッカーを受けた。
次の大会は、7月21〜22日、岡山国際サーキットで行われる。
Text: Shigeru KITAMICHI
全日本スーパーフォーミュラ選手権第5戦の予選が、5月18日、大分県・オートポリスで行われ、野尻智紀(AUTOBACS MUGEN SF23)がポールポジションを獲得した。
本来、土曜日に行われるはずだった予選だが、濃霧ため予選日のスケジュールはすべてキャンセル。決勝日の午前中にフリー走行もないまま、40分勝負のにぶっつけの予選が行われた。
予選前半は1分27秒台のタイムでトップ争いが繰り広げられ、太田格之進(DOCOMO DANDELION M6Y SF23)1分27秒590、岩佐歩夢(AUTOBACS MUGEN SF23)1分27秒575、サッシャ・フェネストラズ(VANTELIN TOM'S SF23)1分27秒376、野尻1分27秒027、福住仁嶺(Kids com KCMG Elyse SF23)1分27秒020と、次々とトップタイムが塗り替えられていった。
折り返しとなる開始20分を過ぎたところで、野尻が1分26秒757と27秒の壁を破ると、山下健太(REALIZE Corporation KONDO SF23)、小林可夢偉(Kids com KCMG Cayman SF23)も27秒切りで続いた。
そして、残り5分から全車が一斉にコースインして、予選のハイライト、最後のアタックが始まる……はずだった。
ここで、名手・野尻が「タイヤが温まり切らずに、いけると思ったらロックしてしまった」と痛恨のコースアウト。フロントウィングにダメージを負ってしまう。さらに、フェネストラズもスピオンして、コース上にストップしてしまった。
これで、誰も最後のアタックを行うことができず、消化不良のまま予選は終了。
予選中断の一因となった野尻が「迷惑をかけてしまった」と反省の弁を述べながらも、ポールポジションを獲得することになった。
今シーズン負け知らずのダンディライアンコンビは、太田が8位、牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF23)が13位と、誰もが予想しなかったグリッド位置からスタートすることになった。
Top10順位:野尻-山下-小林-福住-坪井-フラガ-岩佐-太田-フェネストラズ-佐藤
決勝は、本日、午後2時30分から41周で争われる。
Text: Shigeru KITAMICHI

全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第4戦の決勝が、5月18日の午前にオートポリスで行われ、佐野雄城(モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL)が、独走で開幕から無傷の4連勝。マスタークラスも、清水康弘(GNSY 324)が同じく4連勝を飾った。
スタートで、ポールスタートの野村勇斗(HFDP WITH B-MAX RACING)が出遅れ、佐野、ケイレン・フレデリック(Pilot ONE Racing with B-MAX)、野村、エステバン・マッソン(PONOS Racing TOM'S TGR-DC SFL)、古谷悠河(Deloitte. HTP TOM'S SFL)、好スタートを見せたザック・デビッド(B-MAX RACING 324)の順でオープニングラップを終える。
トップ佐野は、2位以下を上回るペースで周回を重ね、2位とのギャップを、5周目3.5秒、10周目7.0秒、15周目10秒と着実に開いていく。
一方、フレデリック、野村、マッソンによる2位集団では、10周目の1コーナーで野村にアウトから並びかけたマッソンを、野村が押し出すような形になり、この行為で野村にはプラス5秒のペナルティが課された。
結局、抜きどころの少ないコースで、大きな順位変動は起きずに、佐野が独走で悠々と4勝目のチェッカーを受けた。2位はフレデリック、3位は野村のペナルティにより繰り上がったマッソン、4位古谷、5位デビッド、6位小林利徠斗(モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL)と、ここまでがポイントを獲得した。

優勝の佐野は「オートポリスに来て若干苦戦していましたが、うまく改善して優勝できて良かったです。スタートも少し路面が濡れていましたが、うまくミートできました。第5戦はユーズドタイヤでの出走になるので、なるべく上位でフィニッシュできるように頑張ります」とコメント。
マスタークラスは、DRAGON(TEAM DRAGON 324)がスタートでトップに立ち、清水が続いた。今田信宏(JMS RACING TEAM)は「序盤なぜかペースが上がらなかった」と、二人から徐々に遅れていく。
ところが、DRAGONのスタートはフライングと判定され、プラス10秒ペナルティとなった。これで無理することなく首位となった清水だが、17周目にDRAGONをかわして名実ともにトップになると、21周を走りきって、こちらも4連勝のチェッカーを受けた。
終盤ペースを取り戻した今田は、二人に迫る勢いを見せ、DRAGONの背後でフィニッシュ。繰り上がって2位となった。
第5戦の決勝は、本日、午後0時15分から14周で行われる。
Text: Shigeru KITAMICHI

全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第4戦の決勝は、本日16時15分から行われる予定だったが、霧は時折晴れかかるものの、また立ち込めるという状態で、視界不良により延期が決定した。
明日の天気予報は曇りとなっており、現状では午前8時30分から第4戦、午後0時15分から第5戦の決勝が予定されている。
Text & Photo: Shigeru KITAMICHI

悪天候により予選がキャンセルされた全日本スーパーフォーミュラ選手権第5戦は、本日1時間のフリー走行が行われる予定だったが、コースには霧が立ち込めたまま天候が好転せず、走行はキャンセルとなった。
明日の天気予報は曇りとなっており、午前9時40分から30分間のフリー走行(予選)、午後2時30分から決勝が予定されている。
Text & Photo: Shigeru KITAMICHI
全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第4戦、第5戦の公式予選は、5月17日に行われるはずだったが、舞台のオートポリスが早朝から深い霧と強い風雨に見舞われてしまった。このため、予選はキャンセル。前日の専有走行の結果で、第4戦は野村勇斗(HFDP WITH B-MAX RACING)が、第5戦はケイレン・フレデリック(Pilot ONE Racing with B-MAX)が、ポールポジションを獲得した。
マスタークラスは、今田信宏(JMS RACING TEAM)が、両レースともクラスポールを奪った。
週末の天候が不安定なものになることは天気予報でも出ていたため、主催者は金曜日の練習走行スケジュールを事前に変更し、最後に30分間の仮予選を行っていた。
土曜日に予選ができる天候になれば、この仮予選は、ただの練習走行になってしまうため、ニュータイヤを温存する車両もあったが、ほとんどの車両は、ニュータイヤを2セット投入して、仮予選に臨んだ。
この30分間の走行のベストタイムが第4戦の、セカンドタイムが第5戦のグリッドとなる。
走行開始直前に雨粒が落ちてくるが、徐々にやんで、路面は完全ドライとなった。
まず速さを見せたのは、ここまで木、金曜日の練習走行で好調のフレデリックと、小林利徠斗(モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL)。セッション前半ではこの二人が、ベスト、セカンドタイムで順位を入れ替えてワンツーとなり、野村がこれに続いた。
一旦全車がピットに入り、残り8分から最後のアタックが始まった。
多くの車両が2セット目のニュータイヤを投入するなか、翌日の天候回復に懸けて、ザック・デビッド(B-MAX RACING 324)はニュータイヤを温存。最後のアタックには参加しなかった。
参加台数の少ないマスタークラスでは、グリッドが結果に与える影響は少なくなるが、清水康弘(GNSY RACING 324)とDRAGON(TEAM DRAGON 324)も決勝を見据えてニュータイヤを温存した。
この最後のアタックで気を吐いたのが野村。1分37秒930と、開幕大会3連勝のライバル、佐野雄城(モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL)を抑えて、唯一の38秒切りを果たしトップタイム。初のポールポジションを獲得した。
以下、フレデリック、怪我から復帰のエステバン・マッソン(PONOS Racing TOM'S TGR-DC SFL)、古谷悠河(Deloitte. HTP TOM'S SFL)、小林利徠斗(モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL)と続いた。
セカンドタイムもトップ6の顔ぶれは変わらなかったが、順位は大きく入れ替わり、フレデリックがトップ。以下、小林、野村、古谷、佐野、マッソンの順となった。
マスタークラスは、唯一最後のアタックを行った今田が、ダブル・クラスポールとなった。
第4戦決勝は、予定より遅れ本日午後4時15分から21周で、第5、6戦の決勝は、明日5月18日の午前8時40分、午後0時15分からそれぞれ14周で行われる。
Text & Photo: Shigeru KITAMICHI
全日本スーパーフォーミュラ選手権第5戦の予選は、5月17日に大分県・オートポリスで行われる予定だったが、早朝から深い霧と激しい風雨に見舞われ、予選はキャンセルとなった。
代わって、本日は午後2時30分から1時間、明日決勝日は午前9時40分から30分間のフリー走行が行われるスケジュールに変更された。明日のフリー走行が実質予選になるものと思われる。
Text & Photo: Shigeru KITAMICHI
今シーズンから新たに本格的なフォーミュラカーを用いることになった女性のためのシリーズ、KYOJO CUP(語源は「競争女子」)が、5月10日、富士スピードウェイで開幕し、海外ドライバーも含め、緒戦から20台のエントリーを集めた。
2017年にスタートしたKYOJO CUPは、これまでの入門用レーシングカーのVITA-01車両を使用していたが、今シーズンから、本格的なフォーミュラカーKC-MG01の採用に踏み切った。KYOJO CUPを統括する関谷正徳プロデューサー(以下、関谷P)にその目的や狙いを聞いた。

「多様性が求められる時代へと変化するなかで、自動車レースをどうしていくのか?という問いに対する答えは出ていないように思います。自分としては“スポーツ”としてとらえたい。これまでは自動車の競争という考えがベースにあり、スポーツの視点が欠けていたように感じます」と関谷Pは切り出した。
「スポーツとして考えると、他のスポーツ同様に女性の参加が必要で、今はその環境が整っていないと感じています。そこで、女性が参加できる環境を整え、スポーツとして見せることで、レースを子どもたちの憧れとなるスポーツにしたい」と、モータースポーツ全体の発展を考えて、KYOJO CUPを立ち上げたと語った。

これまで8年間、VITA車両でその土台づくりをしてきたが、今シーズンはいよいと次のステップに進むことになった。その狙いについては、「今は変革期ととらえ、ここがチャンスだと思いました。使用できる車両が身近にあったことも大きいです。世界の女性ドライバーが憧れる環境を日本で作りたいと思っています」と、新生KYOJO CUPを世界的に認められるシリーズに育てたいとの構想を披露してくれた。
つまり、レーシングカートやVITAによる女性によるレースの頂点として新生KYOJO CUPを位置づけ、ここで世界中から選ばれた女性ドライバーがしのぎを削るというわけだ。

もちろん、課題がないわけではない。現状はイコールコンディションを確保するため、保有する27台のマシンを運営側が一括管理をし、レンタルするという形をとっている。過去にもこのようなスタイルで開催されたシリーズはあったが、車両を維持できずに頓挫したという歴史もある。
また、現在は富士スピードウェイのみの開催だが、世界的に注目を集めるには、国内の他のサーキットや、アジアへの進出も視野に入れる必要がある。
その点を尋ねると「他のサーキットがウチでもぜひ開催したいといわれるように、まずは現状でシリーズをきちんと発展させることです」と、まずはスタートした新生KYOJO CUPを軌道に乗せることを考えているようだった。
それでも、関谷Pの新たな挑戦には、レース界がこれまで見落としていた視点に着目した新鮮さ、発展の可能性を感じる。新たなファンの獲得にも一役買ってくれることは間違いなさそうだ。
参加車両もKYOJO CUPらしく、カラフルで見た目も楽しい、ピットに掲げられるドライバーズボードも写真入りのおしゃれなものだ。
レースでも、上位陣はFIA-F4と同等のラップタイムで見ごたえのあるバトルを展開していた。まだ、ドライバーのレベルも揃っているとは言い難いが、KYOJO CUPのこれからに大いに期待をしたい。
Text: Shigeru KITAMICHI

全日本スーパーフォーミュラ選手権第4戦の予選が、4月20日、栃木県・モビリティリゾートもてぎで行われ、山下健太(REALIZE Corporation KONDO SF23)が、チーム・ダンディライアンの太田格之進(DOCOMO DANDELION M6Y SF23)に0.5秒という大差をつけて、ポールポジションを奪った。3位には牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF23)がつけた。
昨日の暑さから一転、曇天となり涼しさも感じられる。この昨日と異なるコンディション、さらに直前にバイクの走行があったことが、予選の勢力図にどのように影響するのか注目されるなか、午前9時10分から予選が始まった。
■Q1グループA
ラップタイムは昨日より0.5秒前後遅くなったが、太田、イゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)、大湯都史樹(SANKI VERTEX CERUMOINGING SF23)、野尻智紀(AUTOBACS MUGEN SF23)らが、順当にQ2へ駒を進めた一方で、チャンピオンナンバーを背負う坪井翔(VANTELIN TOM'S SF23)が、8位でまさかのQ1敗退。
この結果に場内もどよめき、坪井も直後のインタビューで悔しさを滲ませた。
ルーキー、小出峻(San-Ei Gen with B-Max SF23)は、昨日Q1敗退の悔しさを晴らし、5位で通過した。
順位:太田-フラガ-大湯-野尻-小出-福住/オサリバン-坪井-高星-小高-Juju
■Q1グループB
牧野、岩佐歩夢(AUTOBACS MUGEN SF23)、サッシャ・フェネストラズ(VANTELIN TOM'S SF23)、山下などが、1分32秒前半のタイムをマークして、Q1通過。
このグループでは、昨日決勝1周目に接触でリタイアとなった佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)のタイムが伸びず。チームメイトのフラガが第3戦で表彰台を射止めただけに、存在をアピールしたい佐藤だったが、7位で無念のQ1敗退となった。
走る度にSFを乗りこなしている小林利徠斗(ITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPUL SF23)も8位でQ1突破はならなかった。
順位:牧野-岩佐-フェネストラズ-山下-阪口-大嶋/佐藤-小林- 野中-三宅-平良
■Q2
Q1でも両グループでトップタイムをマークした、牧野、太田のダンディライアンコンビが、昨日に続いて、フロントローに並ぶことが濃厚と思われた。
その予想どおり、他車が1分32秒の壁を破れないなか、牧野が1分31秒963、太田が1分31秒903を叩き出し、昨日に続く予選ワンツーかと思った終了間際。山下が各セクターをすべてベストタイムで走り抜け、何と太田のタイムを0.5秒上回る驚速ぶりを発揮して、最後に二人を出し抜いた。
この結果に、KONDOレーシングの近藤真彦監督も大喜び。最高の笑顔で山下を讃えた。
4位には安定した速さを見せる阪口晴南(SANKI VERTEX CERUMOINGING SF23)、5位にはSF復帰2大会目で速さを取り戻しているサッシャ・フェネストラズ(VANTELIN TOM'S SF23)が入った。
順位:山下-太田-牧野-阪口-フェネストラズ-フラガ-野尻-大湯-岩佐-福住-大嶋-小出
決勝は、本日、午後2時55分から37周で争われる。



Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Motorsports Forum

全日本スーパーフォーミュラ選手権第3戦の決勝が、4月19日、栃木県・モビリティリゾートもてぎで行われ、ポールポジションスタートの牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF23)が、チームメイトの太田格之進(DOCOMO DANDELION M6Y SF23)との勝負を制して優勝を飾った。
開幕大会から1か月のインターバルで開催された今大会。その1レース目となる第3戦は、チーム・ダンディライアンの二人が横綱レースを見せた。
スタートでは、3番グリッドスタートのイゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)が、牧野と太田の間に割って入ったが、ダンディライアンコンビは、途中のピット作業で順位を戻すと、そのままワンツーフィニッシュを決めた。牧野は今季早くも2勝目。チームにとっては意外にも2012年以来のワンツーフィニッシュだった。3位はトップ二人に伍して走り、デビュー3戦目で表彰台を射止めたフラガが入った。
オープニングラップの1コーナーで、佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)と大湯都史樹(SANKI VERTEX CERUMOINGING SF23)が接触。両者はマシンにダメージを負い、1周せずにリタイア。これでセーフティカーランとなる。
3周目にリスタートすると、牧野、フラガ、太田、岩佐歩夢(AUTOBACS MUGEN SF23)、山下健太(REALIZE Corporation KONDO SF23)、福住仁嶺(Kids com KCMG Elyse SF23)の順で周回を重ね、このオーダーは10周目にピット作業が始まるまで続いた。
規定の10周を終えたところで、太田、山下、野尻智紀(AUTOBACS MUGEN SF23)らがピットイン。次の周にも、福住、阪口晴南(SANKI VERTEX CERUMOINGING SF23)、ザック・オサリバン(REALIZE Corporation KONDO SF23)らがピットに滑り込み、三分の二が序盤でピット作業を終えた。
14周以降は、ピットインを完了していない牧野、フラガ、岩佐のオーダーとなるが、17周目に2位フラガがピットインすると、これに続いてトップ牧野もピットイン。
牧野がコースに戻った時点では、すでにタイヤ交換を終えていた太田が前だったが、ニュータイヤのアドバンテージを活かして、牧野が逆転。ここから牧野は太田との差を開き、太田は後方から追い上げてきたフラガを抑えることに集中することになる。
これでトップ3はほぼ確定となったが、圧巻だったのは20周目、最後にピット・インした坪井翔(VANTELIN TOM'S SF23)。コースに戻った時点では8位だったが、23周目7位、25周目に6位、28周目には4位岩佐がギヤトラブルでストップしたこともあって5位。29週目には福住をかわして4位と、終盤怒涛の追い上げを見せた。
「本当はチームメイトとバトルはしたくないんですが、でも、そういう運命みたいですね。去年のもてぎは不完全燃焼だったので、良かったです」とレース後に語った牧野。勝利の女神に見放された期間を耐えて、今年はチャンピオンに向け一気に花開きそうなく気配を漂わせている。
明日行われる第4戦は、午前9時10分から予選、午後2時55分から決勝(37周)が行われる。










Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Motorsports Forum

全日本スーパーフォーミュラ選手権第3戦の予選が、4月19日、栃木県・モビリティリゾートもてぎで行われ、牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF23)がポール、太田格之進(DOCOMO DANDELION M6Y SF23)も2位を獲得し、チーム・ダンディライアンがフロントローを独占した。
開幕大会から1か月を経て、戦いの舞台はモビリティリゾートもてぎに移された。今大会も2レース制で行われ、まずは第3戦の予選が、土曜日の午前9時20分から行われた。
■Q1グループA
ほとんどの車両がユーズドタイヤでコースインし、1周した後にニュータイヤに替えてアタックするなか、唯一、野尻智紀(AUTOBACS MUGEN SF23)のみが、最初からニュータイヤを履いてコースイン。ゆっくりとタイヤを温めてアタックに入った。
ルーキーの平良響(KDDI TGMGP TGR-DC SF23)が最初にアタックした後、野尻が1分31秒768でトップに立つが、即座に牧野が31秒645で逆転。その後も、佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)、阪口晴南(SANKI VERTEX CERUMOINGING SF23)、福住仁嶺(Kids com KCMG Elyse SF23)、坪井翔(VANTELIN TOM'S SF23)らが、続々と31秒台後半のタイムをマークし、僅差の争いが繰り広げられた。
結局、牧野のタイムを上回るものは出ず、以下、坪井、野尻が続き、期待のルーキー、ザック・オサリバン(REALIZE Corporation KONDO SF23)は惜しくもQ2進出はならなかった。
順位:牧野-坪井-野尻-佐藤-阪口-福住/オサリバン-大嶋-高星-平良-Juju
■Q1グループB
グループBは、全車がユーズドタイヤで1周した後に、ニュータイヤに履き替えてコースイン。
このグループで速さを見せたのは、ルーキーのイゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)。2番目にアタックし、グループAのトップタイムを上回る1分31秒531をマーク。大湯都史樹(SANKI VERTEX CERUMOINGING SF23)、山下健太(REALIZE Corporation KONDO SF23)、太田格之進(DOCOMO DANDELION M6Y SF23)らは、これを更新できなかった。
開幕大会では2連続Q2進出を果たしたルーキー、小出峻(San-Ei Gen with B-Max SF23)はカットラインに100分の5秒届かず。SFデビュー戦となる小林利徠斗(ITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPUL SF23)は、昨日のフリー走行から大きくタイムを上げたが、グループ8位だった。
順位:フラガ-大湯-山下-太田-岩佐-フェネストラズ/小出-小林-小高-野中-三宅
■Q2
Q2進出のチームの内訳は、トムス、ダンディライアン、無限、セルモ、ナカジマが各2台ずつ。KONDOとKCMGがそれそれ1台。
野尻が最初にコースイン。ゆっくりとウォームアップをすると、野尻が1周を終える頃に他車が続々とコースインしてQ2が始まった。
最初にアタックに入った岩佐歩夢(AUTOBACS MUGEN SF23)がターゲットタイムとなる1分31秒392をマークすると、フラガが31秒306で上回り、さらに牧野が31秒172とやや2位を引き離すタイムでトップに躍り出る。
最後に、山下健太(REALIZE Corporation KONDO SF23)、太田が、牧野に迫ったが僅かに届かず。牧野のポールが決定。太田が続いてチーム・ダンディライアンがワンツーで予選を締めくくった。
フラガは大健闘の3位、山下を挟んで、フェネストラズも開幕大会から躍進した。逆に、ディフェンディングチャンピオン坪井は、ミスを犯したようで12位に沈んでしまった。
順位:牧野-太田-フラガ-山下-フェネストラズ-岩佐-福住-野尻-佐藤-阪口-大湯-坪井
決勝は、本日、午後2時50分から33周で争われる。


Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Motorsports Forum

4月18日、スーパーフォーミュラ第3、4戦が開催されている栃木県のモビリティリゾートもてぎにおいて、栃木県と日本レースプロモーション(JRP)の地域連携パートナーシップの締結式が行われた。
これは、昨年からJRPが進めている取り組みで、現在までにサーキットが所在するを自治体やチームが拠点を置く⾃治体の5市3町(三重県鈴⿅市、⼤分県⽇⽥市、宮城県村⽥町、静岡県⼩⼭町・御殿場市・裾野市、栃⽊県茂⽊町、神奈川県綾瀬市)と締結をしている。
今回の栃木県との締結は、都道府県単位としては初となり、JRPが進める「面としての地域との繋がりを広げる」という試みを、一段階進める形になる。
締結式に出席した栃木県の福田富一(とみかず)知事は、「地域連携協定が締結できることを嬉しく思います。国内最高峰のフォーミュラカーレースがモビリティリゾートもてぎで開催され、全国各地から多くのファンが来県され、栃木県の地域活性化に貢献をしていただいていることに、深く感謝申し上げます。本県の観光資源のPRに協力いただけることは誠に心強いことと思っています。今後もモータースポーツファンの皆さまに愛される栃木県とするよう努めてまいります」とコメントした。
サッカー、バスケットボールなどと異なり、モータースポーツは地域に根ざした我がまちのチームが競うスポーツではないが、多くの人に認知され、振興を図るには自治体との連携は欠かせない。今後のJRPの取り組みに期待したい。
Text & Photo: Shigeru KITAMICHI

4月18日、全日本スーパーフォーミュラ選手権第3、4戦のフリー走行がモビリティリゾートもてぎで行われ、午前は阪口晴南(SANKI VERTEX CERUMOINGING SF23)、午後は山下健太(REALIZE Corporation KONDO SF23)がトップタイムをマークした。
今シーズンはニューカマーの参戦が多く見られるが、今回も負傷欠場のオリバー・ラスムッセンに代わって小林利徠斗がチーム・インパルからSFデビューを飾ることになった。前回、急きょインパルの19号車をドライブした野中誠太は、今回は小林可夢偉の代役としてKCMGのマシンをドライブする。
■フリー走行1回目
気温25度超えのなか、午前11時から行われたフリー走行1回目は、序盤から太田格之進(DOCOMO DANDELION M6Y SF23)と山下健太(REALIZE Corporation KONDO SF23)がセッションをリードし、これに野尻智紀(AUTOBACS MUGEN SF23)、坪井翔(VANTELIN TOM'S SF23)が続く形で進んだ。
牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF23)は、順位を気にすることなくロングランを続け、ダンディライアンチームの余裕を感じさせた。
最後のアタックでは阪口が1分32秒339をマーク。安定した速さを見せる太田、野尻、山下、佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)が続いた。
SFデビューの小林利徠斗(ITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPUL SF23)は、トップから2秒4遅れの21位で初走行を終えた。
■フリー走行2回目
1回目から気温はやや上がったものの、午前とほぼ同様のコンディションとなった午後の走行は、序盤に1分33秒158をマークした牧野がリードして始まった。
開始14分で坪井が電気系と思われるトラブルでスロー走行。ピット出口にマシンを止めるが、チームはすぐに修復してコースに送り出した。坪井は、開始40分に1分32秒696のトップタイムをマークしてマシンに問題がないことをアピールしてみせた。
最後のアタックで気を吐いたのは、好調の山下。午前中の阪口のタイムは上回れなかったものの、1分32秒439を叩き出し、牧野、佐藤、坪井、太田らを退けた。
ルーキーでは、ザック・オサリバン(REALIZE Corporation KONDO SF23)、イゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)、小出峻(San-Ei Gen with B-Max SF23)が、10、11、13位と僅差で続き、こちらのQ2進出を懸けた争いも面白そうだ。
小林利徠斗は、トップとの差1秒9で19位。徐々にSFに慣れつつあるようだ。
今大会も開幕大会に続き2レース制。19日(土)に第3戦の予選、決勝。20日(日)に第4戦の予選、決勝が行われる。
Text: Shigeru KITAMICHI

全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第1戦の決勝が、3月9日の朝、鈴鹿サーキットで行われ、、佐野雄城(モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL)が、第1戦に続くポール・トゥ・ウィンで連勝を飾った。マスタークラスも、清水康弘(GNSY 324)が連勝を飾った。
スタートでは、予選6位のザック・デビッド(B-MAX RACING 324)がエンジンストールで大きく遅れたものの、上位陣に変動はなく、佐野、小林利徠斗(モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL)、荒尾創大(DELiGHTWORKS)、野村勇斗(HFDP WITH B-MAX RACING)、ケイレン・フレデリック(Pilot ONE Racing with B-MAX)の順で1〜2コーナーをクリア。
ところが、1周目を終えようとしたシケインで、小林がミッショントラブルでクルマをコースサイドに止め、開始早々にセーフティカー(SC)が入る。
5周終了時にリスタートを迎えるが、その手前のシケインで2位の荒尾が止まりきれずコースオフ。順位を大きく落としてしまい、野村、フレデリックは労せずして、2位、3位に順位を上げた。
ここから、トップ佐野がジワジワと野村を引き離していくが、順位に変動はなく、レースは膠着状態となる。
8周目、スプーンコーナーで、マスタークラスの清水を追っていたDRAGON(TEAM DRAGON 324)が単独スピンからコースオフ。グラベルに捕まってしまい、二度目のSCが入った。
車両の回収処理が終わり、残り1周となったところでSCランが解除となったが、リスタートを上手く決めた佐野が野村を抑えきってトップでチェッカー。野村は佐野に迫ったもののチャンスは訪れなかった。
3位には、このレースにニュータイヤを投入したものの、序盤のSCランで思うようにポジションを上げられなかったフレデリックが入った。
4位以下は、古谷悠河(Deloitte. HTP TOM'S SFL)、連続入賞の卜部和久(B-MAX RACING 324)、スタートで順位を上げた伊東 黎明(LMcorsa OTG 320)。ここまでがポイント獲得した。
マスタークラスは、DRAGONの脱落はあったものの、この週末安定した速さを見せている清水が連勝を飾った。
第3戦の決勝は、本日、午後0時50分から12周で行われる。








Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Atsushi BESSHO
Yoshinori OHNISHI