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2025年3月

SUPER FORMULA

第1戦鈴鹿決勝 鈴鹿マイスター太田格之進が開幕戦を制する

優勝した太田格之進と村岡潔監督(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)

 全日本スーパーフォーミュラ選手権第1戦の決勝が、3月8日、三重県・鈴鹿サーキットで行われ、鈴鹿を得意とする太田格之進(DOCOMO DANDELION M6Y SF23)が優勝を飾った。太田は、昨年の最終大会から鈴鹿では負けなしの3連勝。

 2025年シーズンの幕開けとなるレースは、セーフティカー(SC)が三度導入される波乱含みのものとなった。

 特にルーキーは厳しい洗礼を受けることとなり、予選上位につけた二人、イゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)と小出峻(San-Ei Gen with B-Max SF23)は、そのグリッドを生かすことができなかった。

 まず、スタート前のウォームアップ走行で、フラガがコースオフ。エンジンが止まってコースに戻れず、8番グリッドからのスタートを失うことになった。また、7番グリッドを得た小出も、フォーメイションラップでギヤトラブルが発生。2速を失い、スタートで大きく遅れることとなってしまった。

 そんな状況のなか、スタートを制したのは、岩佐歩夢(AUTOBACS MUGEN SF23)。ポールシッターのチームメイト、野尻智紀(AUTOBACS MUGEN SF23)に競り勝って、トップで1〜2コーナーをクリア。

 しかし、オープニングラップで最初のアクシデントが起きる。三宅淳詞(ThreeBond SF23)がS字先でダートにタイヤを落としてコントロールを失い、クラッシュ。これで最初のSCランとなった。

 4周目にリスタートするも、今度はS字で10位争いをしていた大湯都史樹(SANKI VERTEX CERUMOINGING SF23)と小高一斗(KDDI TGMGP TGR-DC SF23)が接触。両者ともにストップしてしまい、これで二度目のSCランとなる。

 このSCランの最中に、ピットインが許される10周を迎えたため、全車が10周終了時にピットに続々と滑り込むが、4位の牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF23)がエンジンを止まってしまい、始動に時間を要して後退することになった。野尻も大きく順位を落とし、逆に坪井翔(VANTELIN TOM'S SF23)はここで順位を上げることに成功し3位に浮上した。

 ピット作業を終えたトップ10順位は、岩佐、太田、坪井、佐藤、阪口、小林、オサリバン、野尻、大嶋、高星。

 優勝争いは二人に絞られ、逃げるトップ岩佐、追う2位太田という展開となり、14周目の1コーナーでアウトから仕掛けた太田がついにトップに躍り出る。

 しかし、その後方のシケインで、12位を争っていた平良響(KDDI TGMGP TGR-DC SF23)と福住仁嶺(Kids com KCMG Elyse SF23)が接触。福住の車両はダメージを負ってストップ。このアクシデントにフラガも巻き込まれてしまった。

 これで三度目のSCランとなり、リスタートとなった17周目からの残り11周での勝負となった。太田と岩佐は、お互いにオーバーテイクシステム(OTS)を駆使して、岩佐がOTSを使って追えば、太田もOTSをオンにして逃げるという展開が続いた。

 最後は、0.197秒差という僅差で、太田が逃げ切り4勝目。そのすべてが鈴鹿での勝利で、昨年の最終大会から3連勝と、「鈴鹿マイスター」と言える強さを見せている。

 3位には二人から3秒遅れたものの、安定したレース運びを見せ、後半、坪井の前に出た佐藤が入った。

 第2戦は、明日9日。午前10時15分から予選、午後2時40分から決勝(31周)が行われる。

 明日の決勝は、10周のピットイン規定がない初のレース。スタート直後にピット作業を行うチームも出ると思われ、面白い展開になりそうだ。

決勝がスタートした

トップ争い

太田格之進と岩佐歩夢のバトル

優勝は太田格之進(DOCOMO DANDELION M6Y SF23)

決勝2位は岩佐歩夢(AUTOBACS MUGEN SF23)

決勝3位は佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)

決勝4位は坪井翔(VANTELIN TOM\'S SF23)

決勝5位は小林可夢偉(Kids com KCMG Cayman SF23)

決勝6位は阪口晴南(SANKI VERTEX CERUMO・INGING SF23)

初レースの野中誠太(ITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPUL SF23)は19位

表彰式

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Atsushi BESSHO

SUPER FORMULA LIGHTS

第1戦鈴鹿決勝 佐野雄城ポールtoウィン、野村勇斗はトップチェッカーもペナルティに泣く

優勝は佐野雄城(モビリティ中京 TOM\'S TGR-DC SFL)

 全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第1戦の決勝が、3月8日、鈴鹿サーキットで行われ、、佐野雄城(モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL)がデビューレースをポール・トゥ・ウィンで飾った。

 2周目に佐野をかわしてトップに立った野村勇斗(HFDP WITH B-MAX RACING)は、フライングの裁定でレース中にプラス5秒のペナルティが課され、トップでチェッカーを受けたものの、2位となった。

 マスタークラスは、2台による戦いとなったが、清水康弘(GNSY 324)がクラスポールから独走してクラスウィンを飾った。

 朝行われた予選で、ダブルポールを奪った佐野は、スタートも決めてトップで1コーナーに飛び込んだ。2番グリッドからスタートした野村は、小林利徠斗(モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL)に並びかけられるも、何とか抑えて2位でオープニングラップを終える。

 ペースの良い野村は、1周目にトップ佐野に迫ると、2周目の1コーナでアウト側から仕掛けて、見事なパッシングを見せる。

 5周を終えた順位は、野村、佐野、小林、スタートで順位を上げた三井優介(DELiGHTWORKS)、ザック・デビッド(B-MAX RACING 324)、荒尾創大(DELiGHTWORKS)と続く。

 ところが、翌周、検証中だったスタートの判定が出され、トップ野村と、スタートで遅れ10位走行中のケイレン・フレデリック(Pilot ONE Racing with B-MAX)にフライングでプラス5秒が課されることとなった。

 このとき、トップ野村と2位佐野の差は約1秒。残る10周でその差を5秒まで広げることは至難の業。佐野にとっては、野村を視界に入れ大きく離されなければ優勝を手に入れることができる状況になった。

 それでも、野村は渾身のラップを続け、10周目に2.1秒、15周目に2.6秒まで差を広げたものの、ここまでが精一杯。3位の小林は野村から10秒以上離れていたため、トップでチェッカーを受けた野村が2位、佐野が優勝と、デビュー戦の2人が見事なレースを見せた。

 4位以下は、鈴鹿初体験ながら大健闘のデビッドが入り、5位には三井、6位には3台による争いを制した卜部和久(B-MAX RACING 324)が入り、SFライツデビューレースのルーキーたちが貴重なポイントを獲得した。

 マスタークラスは、スタートから安定したペースで周回を重ねるたびにDRAGON(TEAM DRAGON 324)を引き離し、独走に持ち込んだ清水が幸先よく優勝を飾った。

 第2、3戦の決勝は、明日3月9日の午前8時20分、午後0時50分からそれぞれ12周で行われる。

決勝がスタートした

決勝2位は野村勇斗(HFDP WITH B-MAX RACING)

決勝3位は小林利徠斗(モビリティ中京 TOM\'S TGR-DC SFL )

決勝4位はザック・デビッド(B-MAX RACING 324)

決勝5位は三井優介(DELiGHTWORKS)

決勝6位は卜部和久(B-MAX RACING 324)

優勝した佐野雄城(TOM\'S)

表彰式

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Atsushi BESSHO
Yoshinori OHNISHI

SUPER FORMULA

第1戦鈴鹿公式予選 チーム無限速し!野尻智紀ポール、岩佐歩夢2位でフロントロー独占

ポールポジションを獲得した野尻智紀(TEAM MUGEN)

 全日本スーパーフォーミュラ選手権第1戦の予選が、3月8日、三重県・鈴鹿サーキットで行われ、野尻智紀(AUTOBACS MUGEN SF23)がポールポジションを獲得。岩佐歩夢(AUTOBACS MUGEN SF23)が2位と、チーム無限がフロントローを独占した。

 今年から2レース制が増え、全12戦で争われるスーパーフォーミュラシリーズ。その幕開けとなる第1戦の予選が、土曜日の午前9時50分から行われた。

■Q1 Aグループ

 ほとんどの車両が3周のウォームアップ後にアタックに入り、小林可夢偉(Kids com KCMG Cayman SF23)が1分38秒770をマーク。しかし、その直後に岩佐が1分37秒034と、他を圧倒するタイムを叩き出す。

 この後、小高一斗(KDDI TGMGP TGR-DC SF23)、大湯都史樹(SANKI VERTEX CERUMOINGING SF23)、牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF23)らが次々にアタックするも、1分38秒を切るものは現れず。

 岩佐が、2番手に食い込んだイゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)に1秒以上の差をつけて、このグループトップでQ2に進んだ。

 久々の参戦となったサッシャ・フェネストラズ(VANTELIN TOM'S SF23)はハーフスピンを犯してしまい、最下位に沈んでしまった。

 順位:岩佐-フラガ-牧野-大湯-オサリバン-小林/小高-三宅-Juju-高星-フェネストラズ

■Q1 Bグループ

 Bグループは、路面状況が好転し、タイムはAグループよりも上回った。

 まず、阪口晴南(SANKI VERTEX CERUMOINGING SF23)が、1分37秒782と好タイムをマーク。これを即座に野尻が1分36秒983で上回り、福住仁嶺(Kids com KCMG Elyse SF23)、佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)、太田格之進(DOCOMO DANDELION M6Y SF23)も続々と1分37秒台をマーク。

 結局、野尻以外に1分36秒台に入れる者は現れず、太田、佐藤、そして、ルーキーの小出峻(San-Ei Gen with B-Max SF23)が、チャンピオン坪井翔(VANTELIN TOM'S SF23)を抑えて4位に食い込む健闘を見せた。

 順位:野尻-太田-佐藤-小出-坪井-福住/阪口-山下-大嶋-野中-平良

■Q2

 Q1の状況から1分36秒台の争いになると思われた。

 最初にアタックに入ったのは小出。1分37秒153と僅かに36秒台には届かず。佐藤も1分37秒128で届かずという状況の中、Q1から段違いの速さを見せるチーム無限の二人は、岩佐1分36秒527、野尻1分36秒505と、あっさり37秒の壁を破り36秒台半ばまでタイムアップ。

 最後に逆転を狙った太田がアタックするも、1分36秒632まで詰めるのがやっと。野尻、岩佐のフロントローが決まった。

 デビュー戦の二人、小出とフラガの争いは、100分の4秒差で小出に軍配が上がった。

 順位:野尻-岩佐-太田-牧野-福住-佐藤-小出-フラガ-坪井-オサリバン-小林-大湯

 決勝は、午後2時40分から27周で争われる。

ポールポジションは野尻智紀(AUTOBACS MUGEN SF23)

予選2位は岩佐歩夢(AUTOBACS MUGEN SF23)

予選3位は太田格之進(DOCOMO DANDELION M6Y SF23)

予選4位は牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF23)

予選5位は福住仁嶺(Kids com KCMG Elyse SF23)

予選6位は佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)

ポールポジションの野尻智紀(TEAM MUGEN)

予選2位の岩佐歩夢(TEAM MUGEN)

初参戦の野中誠太(ITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPUL)

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Atsushi BESSHO

SUPER FORMULA LIGHTS

第1、2戦鈴鹿公式予選 ルーキー佐野雄城がダブルPPを獲得

 全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第1戦、第2戦の公式予選が、3月8日、鈴鹿サーキットで行われ、第1戦、第2戦ともに、デビュー戦となる佐野雄城(モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL)がポールポジションを獲得した。

 マスタークラスは、清水康弘(GNSY 324)が、両レースともクラスポールを奪った。

 いよいよ2025年の開幕を迎えた。今シーズンはルーキーが多く参戦しており、誰が抜け出すのか予想のつきにくい状況だ。

 トムスからエントリーのエステバン・マッソンは急きょ参戦を取りやめ、代役に野中誠太が指名された。しかし、スーパーフォーミュラ(SF)のオリバー・ラスムッセンが昨日のフリー走行でクラッシュし、今度はその代役にも野中が指名されたことで、野中はSFに集中することになり、SFライツへの出走はキャンセルした。

 木、金曜日に行われた専有走行で速さを見せたのは佐野。2日間のトータルでもトップとなった。これに、ケイレン・フレデリック(Pilot ONE Racing with B-MAX)、小林利徠斗(モビリティ中京 TOM'S TGR-DC SFL)、野村勇斗(HFDP WITH B-MAX RACING)らが続いた。鈴鹿初走行となるザック・デビッド(B-MAX RACING 324)も7番手につけ、対応力の高さを見せた。

第1戦公式予選

 曇天の下で行われた予選は、午前8時30分から10分間で行われた。各車、じっくりウォームアップした後、4周目からアタックを開始。

 まず、野村が1分51秒401をマークしトップに立つと、小林1分51秒784、そして、デビッドが1分51秒975で続く。野村は次の周に1分51秒233とトップタイムを更新。これで決まりかと思われたが、最後の最後に佐野が1分51秒230と、野村を1000分の3秒上回り、ポール獲得。

 この結果、今回がデビュー戦となる佐野、野村のルーキー二人がフロントローに並ぶこととなった。なお、4番手タイムのデビッドだったが、走路外走行の判定でベストタイムは採用されず9位に沈んだ。

ポールポジションは佐野雄城(モビリティ中京 TOM\'S TGR-DC SFL)

予選2位は野村勇斗(HFDP WITH B-MAX RACING)

予選3位は小林利徠斗(モビリティ中京 TOM\'S TGR-DC SFL )

第2戦公式予選

 10分間のインターバルを経て始まった第2戦予選。第1戦同様、野村が1分51秒250でアタック合戦の口火を切ると、小林1分51秒184、佐野1分50秒908、荒尾1分50秒731と続々とトップタイムが更新される。

 アタック2周目では、さらにタイムは上がり、野村1分50秒796、小林1分50秒655、佐野50秒628と1回目のアタック同様にトップタイムが次々に書き換わると、締めくくりに荒尾が1分50秒615を叩き出して、ポール争いを決着させた……と思われた。

 しかし、荒尾の最後のラップに走路外走行の裁定が下り、タイムは抹消。荒尾はセカンドタイムで4位となり、佐野がダブルポールを獲得する結果となった。

 マスタークラスは、昨年後半から速さを見せている清水が、チャンピオンDRAGON(TEAM DRAGON 324)を退けて、連続クラスポールを奪った。

ポールポジションは佐野雄城(モビリティ中京 TOM\'S TGR-DC SFL)

予選2位は小林利徠斗(モビリティ中京 TOM\'S TGR-DC SFL )

予選3位は荒尾創大(DELiGHTWORKS)

 第1戦決勝は、本日午後0時30分から16周で、第2、3戦の決勝は、明日3月9日の午前8時20分、午後0時50分からそれぞれ12周で行われる。

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Atsushi BESSHO

SUPER FORMULA

フリー走行 ナカジマレーシング好調、佐藤蓮、イゴール・オオムラ・フラガがワンツーで締めくくる

野尻智紀(AUTOBACS MUGEN SF23)

佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)

 3月7日、2025年のスーパーフォーミュラ開幕大会(第1戦、第2戦)のフリー走行が鈴鹿サーキットで行われ、午前は野尻智紀(AUTOBACS MUGEN SF23)、午後は佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)がトップタイムをマークした。

 今シーズンの幕開けとなるフリー走行は、先月のテストから2週間強を経て、風が冷たい寒空の下で行われた。13チーム、22名のドライバーの顔ぶれはテストと同じだ。

■フリー走行1回目

 午前11時から行われたフリー走行1回目をリードしたのは、チーム無限。走行前半は、岩佐歩夢(AUTOBACS MUGEN SF23)が1分36秒412、後半は野尻智紀(AUTOBACS MUGEN SF23)が1分36秒333で、この二人がワンツーという結果で1回目を締めくくった。

 無限の二人に続いたのは、イゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)。そして、牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF23)、太田格之進(DOCOMO DANDELION M6Y SF23)のチーム・ダンディライアンコンビ。

 フラガは、先日結婚したことを発表しているが、プライベートも充実し、ルーキーとは思えない安定した速さを示している。

 セッション終盤、ルーキーのオリバー・ラスムッセン(ITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPUL SF23)がデグナーでフロントからクラッシュ。身体へのダメージもあったようで、チームからラスムッセンは大事をとって今大会の出走を見合わせ、代役として野中誠太を起用することが発表された。

■フリー走行2回目

 走行開始の午後3時30分になっても、気温は低いまま。

このセッションで気を吐いたのは、ナカジマレーシングの二人。走行前半、佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)とフラガが、交互にトップタイムを叩き出した。

 これに続いたのは、ダンディライアンコンビ。やはり本命といえる二人は安定した速さを見せた。

 走行後半になると、テストで好調だった三宅淳詞(ThreeBond SF23)、そして阪口晴南(SANKI VERTEX CERUMOINGING SF23)も上位に食い込んでくる。

 最後のアタックに入ってもナカジマレーシングの二人の速さは衰えず。佐藤がトップタイムを更新し、唯一36秒を切る1分35秒972をマーク。フラガが1分36秒081で続いた。

 以下、太田、福住仁嶺(Kids com KCMG Elyse SF23)、岩佐歩夢(AUTOBACS MUGEN SF23)、阪口、ルーキーの小出峻(San-Ei Gen with B-Max SF23)、小林可夢偉(Kids com KCMG Cayman SF23)と続いた。

 結果表では、大湯都史樹(SANKI VERTEX CERUMOINGING SF23)がトップタイムとなっているが、これは最後のアタックにおいてシケインで止まりきれず行き過ぎた結果のタイム。走路外走行の判定が出ており、本来は無効となるべきタイムのはずだが……。

 午前トップタイムの野尻は、走行序盤でホイールナットが緩むトラブルを抱え、修復に時間を要し満足に走行ができなかった。

 開幕大会は2レース制。8日(土)に第1戦の予選、決勝。9日(日)に第2戦の予選、決勝が行われる。

坪井翔(VANTELIN TOM'S SF23)

牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF23)

太田格之進(DOCOMO DANDELION M6Y SF23)

小林可夢偉(Kids com KCMG Cayman SF23)

福住仁嶺(Kids com KCMG Elyse SF23)

三宅淳詞(ThreeBond SF23)

岩佐歩夢(AUTOBACS MUGEN SF23)

阪口晴南(SANKI VERTEX CERUMO・INGING SF23)

大湯都史樹(SANKI VERTEX CERUMO・INGING SF23)

小出峻(San-Ei Gen awith B-Max SF23)

イゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Atsushi BESSHO

SUPER FORMULA

公式テスト鈴鹿2日目 悪天候により2日目の走行はすべてキャンセル

 1月19日、スーパーフォーミュラの公式テスト2日目は、一時天候回復の兆しも見られたが、再び雪が降り出し、午後のセッション4もキャンセルとなった。

Text: Shigeru KITAMICHI

SUPER FORMULA

公式テスト鈴鹿2日目 降雪のため午前のセッションはキャンセル

 1月19日、スーパーフォーミュラの公式テスト2日目は、夜半からの降雪で鈴鹿サーキットのコースサイドには雪が積もり、午前11時から予定されていたセッション3はキャンセルとなった。

 天気予報では午後から晴れとなっているものの、雪は午前10時半現在も降り続いており、午後のセッション4(14:00〜16:00)についても、開催ができるのか微妙な状況だ。

Text: Shigeru KITAMICHI

SUPER FORMULA

公式テスト鈴鹿1日目 牧野任祐がトップタイムを奪うも三宅淳詞の速さが光る

 1月18日、今シーズン初走行となるスーパーフォーミュラの公式テスト1日目が、鈴鹿サーキットで行われ、午前はサッシャ・フェネストラズ(VANTELIN TOM'S SF23)、午後のセッションは牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)がトップタイムをマークした。

 今シーズンに臨む13チーム、22名のドライバーが鈴鹿に集結し、いくつかのチームが新たな体制、新たなカラーリングでテストに臨んだ。

 昨年の上位チーム、DOCOMOチームダンディライアン、チーム無限、VANTELINチームトムス、Kids comチームKCMG、PONOSナカジマレーシングの5チームは、トムス(笹原→フェネストラズ)とナカジマ(山本→フラガ)のドライバーに変更はあったものの、昨年も安定した力を見せている。

 今シーズン、この牙城を崩すことのできるチーム、ドライバーが現れ、勢力図に変化はあるのか。それを占う貴重な開幕前のテストとして注目された。

 また、リサイクル原料比率を上げたニュータイヤの導入、東コースの舗装張替えなど、レースに影響を及ぼす要素も変更になっており、各チーム、ドライバーはその確認作業も進めながらのテストとなった。

■セッション1

 セッション開始の午前10時には、夜半から朝方にかけて降った雪がコースサイドに残っており、各チームレインタイヤを装着してコースイン。

 徐々に路面も乾き、1時間を経過した頃からスリックタイヤに交換するチームが出始めた。ここを境に、タイムは一気に1分38秒台に上がったが、このセッションで注目されたのは、監督、エンジニアも一新された体制で今季に臨む三宅淳詞(ThreeBond SF23)。

 残り30分時点で、1分38秒318をマークした三宅は、大湯都史樹(SANKI VERTEX CERUMOINGING SF23)、サッシャ・フェネストラズ(VANTELIN TOM'S SF23)らと最後までトップタイム争いを繰り広げた。

 最終的には、僅差で2位になったものの、今年の三宅は違うと思わせるに十分なセッションだった。

■セッション2

 2日目の天候が崩れることが濃厚で、ドライコンディションで存分に走れるのはこのセッションのみとなる可能性が高いため、各チームは開始から攻めた走りを見せた。

 このセッションは、今シーズンをリードするであろう本命たちが速さを見せた。

 岩佐歩夢(AUTOBACS MUGEN SF23)、野尻智紀(AUTOBACS MUGEN SF23)、牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF23)、小林可夢偉(Kids com KCMG Cayman SF23)らに、ルーキーのイゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)も加わり、激しい トップタイム争奪戦が繰り広げられた。

 終盤、イゴールや可夢偉がコースオフやスピンを喫するなど、ギリギリの争いを見せたが、このセッションでも、三宅が最後に、牧野、福住仁嶺(Kids com KCMG Elyse SF23)に次ぐ3番手に食い込む速さを見せた。

 公式テスト2日目は、特に午前中は雪予報が出ているため、午前11時から12時の1時間に短縮され、午後は2時から4時の走行が予定されている。

Text: Shigeru KITAMICHI

SUPER FORMULA LIGHTS

鈴鹿テスト2日目 小林利徠斗が全セッショントップタイムでテストを終える

小林利徠斗(TOM'S)

 12月18日、スーパーフォーミュラ・ライツのテスト2日目が、鈴鹿サーキットで行われ、昨日に続いて、小林利徠斗(TOM'S)が、午前、午後のセッションともにトップタイムをマークした。

 この日、セッション3で新たにドライブしたのは、今季FIA-F4に参戦した5号車・下野璃央(ALBIREX RACING TEAM)。近年、日本のトップ、ミドルフォーミュラにも女性ドライバーの進出の兆しが出ているが、次の候補となるドライバーだ。

■セッション3

 開始まもなく、37号車・古谷悠河(TOM'S)が1分51秒894をマークして、セッション前半は古谷がタイミングモニターのトップに留まり続け、同じくセッション開始から好タイムを出した60号車・伊東黎明(LM corsa)が続いた。

 1時間を過ぎると、それまで中位にいた35号車・佐野雄城(TOM'S)が、アタックを敢行。1分51秒736と、古谷のタイムをわずかに上回ってトップに立った。

 しかし、昨日から好調の38号車・小林が、70分過ぎに1分51秒427でトップタイムを更新。さらに1分51秒156まで縮めた。

 最後のアタックでも、小林の速さは衰えず、唯一人51秒を切る1分50秒905で、昨日の2セッションに続いてこのセッションも制することになった。

 2位以下は、佐野、伊東、ケイレン・フレデリック(B-MAX RACING TEAM)、古谷、ジェームズ・ヘドレー(TEAM DRAGON)と続いたが、最後のアタック中に60号車・伊東がデグナーでコースアウト。赤旗が提示され走行は中断となった。このため、全員がアタックできずに終わったので、勝負は最後のセッションに持ち越された。

 SFライツ初ドライブの5号車・下野璃央は、このセッションのみの走行で、慎重に周回を重ねてベストタイムはトップから5秒遅れの1分55秒995だった。

■セッション4

 開始早々、自身の計測2周目に38号車・小林が1分51秒995をマーク。その小林が更にタイムを縮めようとした次の周に、53号車・ベルグマイスターがデグナーでコースオフ。赤旗中断とはなったが、幸いダメージはなく自走でピットに戻ってくる。

 アタックの仕切り直しとなった小林は、再開後にあっさりと1分51秒093をマークして、2位以下を引き離す。今回のテストの主役である小林の速さには驚くばかりだ。

 そして、残り5分となった最後のセッションでも、1分50秒511までタイムを削った小林が、2番手まで上がった卜部和久(JPN TODA RACING)を0.8秒も引き離す快走を見せた。

 3番手には古谷、4番手には佐野はつけ、トムス勢が全員上位で最後のセッションを終えた。対するB-Max勢は、5番手にケイレン、6番手に野村勇斗(B-MAX RACING TEAM)と、今回のテストを見る限りでは、トムス勢に及ばなかった。

 SFライツの開幕は、年明け3月8〜9日のスーパーフォーミュラとの併催となる鈴鹿。まだ、ドライバーラインナップは見えないが、どんな顔ぶれが揃って、どんな戦いを見せるのか、楽しみだ。

卜部和久(TODA RACING)

RYO.I(B-MAX RACING TEAM )

豊島里空斗(ALBIREX RACING TEAM )

清水康弘(GNSY RACING)

佐野雄城(TOM'S)

古谷悠河(TOM'S)

野村勇斗(B-MAX RACING TEAM)

ケイレン・フレデリック(B-MAX RACING TEAM)

ジェームズ・ヘドリー(TEAM DRAGON )

ヤコブ・ベルグマイスター(TEAM DRAGON)

伊東黎明(LM corsa)

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Atsushi BESSHO

SUPER FORMULA LIGHTS

鈴鹿テスト1日目 小林利徠斗が他を圧倒するトップタイムをマーク

小林利徠斗(TOM'S)

 12月17日、スーパーフォーミュラ・ライツのテスト1日目が、鈴鹿サーキットで行われ、小林利徠斗(TOM'S)が、午前、午後のセッションともにトップタイムをマークした。

 テストには、今シーズンのレギュラードライバーをはじめとして、多彩な顔ぶれが揃った。

 トムスからは、レギュラーの37号車・古谷悠河(TOM'S)、38号車・小林利徠斗(TOM'S)に加え、FIA-F4に参戦した35号車・佐野雄城(TOM'S)、そして、WECのLMGT3クラスで活躍し、トヨタのハイパーカーのテストにも参加した36号車・エステバン・マッソン(TOM'S)が参加。

 B-Maxは、来季の参戦が決定している50号車・野村勇斗(B-MAX RACING TEAM)と、そのサポート役として50号車をドライブするチャンピオン小出峻。今季レギュラーの51号車・ケイレン・フレデリック(B-MAX RACING TEAM)、そして、先日のSFテストにも参加した52号車・ジェームズ・ヘドレー(TEAM DRAGON)、ユーロフォーミュラ二参戦していた53号車・ヤコブ・ベルグマイスター(TEAM DRAGON)という布陣だ。

 他には、2号車をシェアする荒尾創大(DELiGHTWORKS RACING)、三井優介(DELiGHTWORKS RACING)、卜部和久(TODA RACING)。三井は久々のフォーミュラドライブだ。そして、5号車は、入山 翔(ALBIREX RACING TEAM)と下野璃央(ALBIREX RACING TEAM)がマシンをシェアする。

■セッション1

 レギュラー陣は安定した速さを見せたが、それ以外で目を引いたのは、三井、マッソンの二人。

 マッソンは早々に好タイムを出し、30分過ぎにトップに立つと、50分すぎにはそのタイムを更新する1分52秒356をマークしてみせた。その後、小林が1分52秒314と僅かに更新はしたものの、慣れないコース、マシンでいきなり速さを見せた。

 一方、三井はセッション後半になると、1分51秒973、51秒477とトップタイムを更新し、久々のフォーミュラドライブとは思えない速さを見せた。

 残り5分からのアタックで、小林が51秒248をマークしてトップに返り咲いたが、マッソンも1分51秒631をマークして、小林、マッソン、三井の三人だけが51秒台に入れた。

 これに、37号車・古谷悠河(TOM'S)、60号車・伊東 黎明(LM corsa)、50号車・小出が続いた。52号車・ヘドリーは9位、鈴鹿初体験の53号車・ベルグマイスターは13位だった。

■セッション2

 開始まもなく、フレデリックが2コーナーで、マッソンがデグナーでコースアウト。両者ともにバリアにヒットし、マッソン車はダメージは大きそうだ。

 約15分の中断後に再開。30分経過時には、三井から2号車を引き継いだ荒尾が1分52秒992でトップだったが、ここから38号車・小林が連続アタック。1分51秒701をマークすると、次の周には11月の第7戦のPPタイム(1分51秒009)を破る1分50秒872という、抜き出たタイムを記録した。

 さらに、セッション最後のアタックで、小林は1分50秒401までタイムを削り、2位荒尾(1分51秒268)を大きく引き離した。3位は古谷、4位には途中でコース復帰したフレデリックが入り、ここまでは51秒台。

 以下、ルーキーの佐野、ヘドリー、伊東と続き、午前中に小出がチェックしたクルマで走った野村は、慎重にタイムを上げ、1分53秒524で8位だった。

 明日18日も今日と同じく、午前9時30分から11時、午後1時30分から3時の走行が予定されている。

ヤコブ・ベルグマイスター(TEAM DRAGON)

ジェームズ・ヘドリー(TEAM DRAGON )

古谷悠河(TOM'S)

伊東黎明(LM corsa)

入山翔(ALBIREX RACING TEAM)

ケイレン・フレデリック(B-MAX RACING TEAM)

三井優介(DELiGHTWORKS RACING)

佐野雄城(TOM'S)

清水康弘(GNSY RACING)

小出峻(B-MAX RACING TEAM)

小出峻(B-MAX RACING TEAM)

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Atsushi BESSHO

SUPER FORMULA

公式・ルーキーテスト鈴鹿3日目 ルーキーディのトップはイゴール・オオムラ・フラガ、野中誠太も速さを見せる

イゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING)

 12月13日、スーパーフォーミュラの公式テスト3日目が、鈴鹿サーキットで行われ、2日目までも速さを見せていたイゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING)がトップタイムをマークした。注目のF1ドライバー、オリバー・ベアマン(Kids com Team KCMG)は、午前中にいきなり3位タイムをマークし、実力の片鱗を見せた。

 テスト3日目はルーキーディ。2024年のレギュラードライバーは参加できず、今季SFライツでランキング1〜3位の50号車・小出峻(San-Ei Gen with B-Max)、36号車・小林利徠斗(VANTELIN TEAM TOM'S)、昨日の7号車から乗り換えた8号車・野中誠太(Kids com Team KCMG)、そして、GT300ドライバーで、2023年にSFライツにスポット参戦した38号車・堤優威(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)。これに、FIA-F4で活躍する39号車・⼘部和久(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)も加わる。

 そして、参加3日目となる64号車・イゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING)、今日のみ参加の65号車・大草りき(PONOS NAKAJIMA RACING)。昨日のクラッシュから修復なった20号車・高星明誠(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)。

 海外勢では、注目はやはりF1で入賞経験があり、2025年のレギュラーシートを確定している7号車・オリバー・ベアマン(Kids com Team KCMG)、そして、FIA-F2ランキング5位の24号車・ザック・オサリバン(KONDO RACING)。この二人は今日からの参加だ。これに昨日から参加の3号車・ジェームズ・ヘドリー(KONDO RACING)と19号車・オリバー・ラスムッセン(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)を加えた4台。

 以上、全12台が3日目のルーキーディに参加した。

■セッション5

 コースインしたラップに65号車・大草がヘアピンを立ち上がった200Rでコントロールを失い、コースオフ。ピットに戻ったが、リアをヒットした模様で、チームからはその後SNSで「65号車はアクシデントで本日の走行は終了となりました」とアナウンスがあり、1周も走らずに終わってしまった。

 計測3周目、64号車・フラガが1分37秒033と好タイムをマーク。このタイムはセッション最後のアタックまで更新されることはなかった。フラガは3日も好調を維持し、余裕すら感じさせる。

 注目の7号車・ベアマンは、40分過ぎに1分38秒789、60分過ぎに1分37秒609と、着実にタイムを削り、最後のアタックで1分36秒940まで上げて、3番手で最初のセッションを終えた。初のコースとクルマでいきなり36秒台をマークするのはさすがだ。

 このセッションのトップは、最後に1分36秒077を出した64号車・フラガ。3日間とも安定した走行を見せている。これに続いたのは8号車・野中。そして、ベアマン、20号車・高星を挟んで、5位に入ったのは1分37秒567をマークした38号車・堤。今季GT300を中心に活躍し、SFライツ経験も少ない堤だが大健闘といえる。

 ルーキーのみで台数こそ少ないが、見応えのあるテストとなっている。

■セッション6

 いよいよ、これが最後のセッション。

 このセッションで速さを見せたのが、8号車・野中と38号車・堤。

 野中は、序盤1分38秒396でトップに立つと、その後38秒054にタイムを上げトップタイムを更新。70分経過時には1分36秒999をマーク。その後、64号車・フラガ(1分36秒848)に逆転されたが、常にトップに居続けた。

 一方、フォーミュラ経験の少ない堤は、序盤で野中に次ぐ2番手タイム(1分38秒794)をマークすると、1時間経過後には37秒834までタイムアップ。

 しかし、残り5分から始まった最後のアタックでは、その堤がS字でクラッシュ。このアクシデントでセッションは3分を残して終了。最後のアタック合戦が繰り広げられずに終わってしまった。

 海外勢のなかで、最も注目された7号車・ベアマンは、序盤に3番手につける1分38秒891をマークしたものの、その後はアタックすることなく、最後もコースインすることなく走行を終えた。

 フラガ、野中に続くタイムをマークしていた50号車・小出も、後半に1分37秒490をマークした後に、最後のアタックに入ったが、堤のクラッシュで中断せざるを得ず、3位で走行を終えた。

 以下、19号車・ラスムッセン、36号車・小林、38号車・堤と続いた。

 これで、今年のスーパーフォーミュラの全日程は終了。来シーズンは、3月8〜9日に鈴鹿サーキットで開幕を迎える。

ジェームズ・ヘドリー(KONDO RACING)

ファン・マヌエル・コレア(KONDO RACING)

野中誠太(Kids com Team KCMG)

小山美姫(Kids com Team KCMG)

オリバー・ラスムッセン(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)

小林利徠斗(VANTELIN TEAM TOM’S)

卜部和久(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)

小出峻(San-Ei Gen with B-Max)

オリバー・ベアマン(Kids com Team KCMG)

ジェームズ・ヘドリー(KONDO RACING)

ファン・マヌエル・コレア(KONDO RACING)

小山美姫(Kids com Team KCMG)

オリバー・ラスムッセン(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)

堤優威(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Atsushi BESSHO

SUPER FORMULA

公式・ルーキーテスト鈴鹿2日目 イゴール・オオムラ・フラガ「午後にハマりました」

 12月12日のスーパーフォーミュラ公式テスト2日目で、ルーキーながら、レギュラー陣に伍して7位のタイムをマークしたイゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING)。2023〜2024年のSFライツ、SUPER GTを経て、ついに念願のSFシート獲得が目前に迫っている。

 2日目は1日目に比べ、安定した速さを示したフラガだが、その要因は自分の走りにクルマを合わせることができたことだという。

 「クルマのセットを大きく変えました。昨日もクルマのポテンシャルはあったと思いますが、コーナリング中に自分のドライビングにクルマが合っていないというか、動きが安定せずに、どこまで飛び込んで良いのかが掴みきれない部分がありました。それを修正するためにいろいろ試して、午後になってうまくハマったという感じです」

 ただ、タイムについては、もう少しいけたという感触を持っているようだ。

 「午後に3セット(ニュー)タイヤを入れましたが、2セット目が良い感じでまとめられたと思います。最後のアタックは逆バンクからダンロップコーナーでトラフィックがあって、スプーンでもトラクションが抜けたところがあったので、もう少しタイムは上げられたように思います。でも、午後は全体的に感触は良かったです」

 「明日もありますので、きっちり走りきりたいと思います」

 グランツーリスモの世界チャンピオンの肩書を持ち、eスポーツの世界ではスター選手のフラガだが、四輪レースでは実力は認められながらも、決して恵まれた環境でキャリアを積んできたとは言い難い。その彼がようやくスーパーフォーミュラで花開こうとしている。

 26歳と若くはないが、eスポーツとの架け橋となり、ポルトガル語、英語、日本語、スペイン語とマルチリンガルな彼が参戦することで、シリーズの注目度も増すはずだ。来季の参戦、活躍に期待したい。

Text: Shigeru KITAMICHI

SUPER FORMULA

公式・ルーキーテスト鈴鹿2日目 牧野任祐、太田格之進のコンビが両セッションともワンツーを奪う

太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)

牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)

 12月12日、スーパーフォーミュラの公式テスト2日目が、鈴鹿サーキットで行われ、太田格之進と牧野任祐のコンビが、午前、午後のセッションで順位を入れ替えてワンツーとなり、DOCOMO TEAM DANDELION RACING速しを印象づけた。

 テスト2日目はニューカマーが多く登場した。まず、国内勢では、今季SFライツ選手権ランキング3位の7号車・野中誠太(Kids com Team KCMG)、2022年フォーミュラ・リージョナル王者の8号車・小山美姫(Kids com Team KCMG)。コースは熟知している2人がSFをどこまで乗りこなすのか楽しみだ。

 海外勢は、GB3を中心に活躍してきた3号車・ジェームズ・ヘドリー(KONDO RACING)、FIA-F2ドライバーの4号車・ファン・マヌエル・コレア(KONDO RACING)、WECでポルシェ・ハイパーカーをドライブする19号車・オリバー・ラスムッセン(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)。これらのドライバーが、限られた時間でどこまでレギュラーに食い込むのか注目された。

■セッション3

 開始早々に4号車・コレアがヘアピンでスピン。エンジンを止めてしまい、車両回収のために走行は中断。さらに、開始25分にタイヤ交換をした50号車・小出峻(San-Ei Gen with B-Max)がアウトラップの2コーナーでスピンオフ。リアをヒットしてしまい、再度赤旗中断となってしまった。

 セッション前半は、65号車・佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)の1分36秒604がトップタイム。後半残り30分を切ったところで5号車・牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が1分36秒253と、佐藤のタイムを更新してトップに立った。

 残り10分を切って、昨日はHonda Racingの体制発表に出席していたため、今日から参加の6号車・太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が、1分36秒053でトップタイムを塗り替えた。

 そして、これから最後のアタックが始まろうとした矢先に、3号車・ヘドリーがS字でコースオフしてしまい、これで走行は終了になってしまった。

 ニューカマーたちのタイム、順位は、7号車・野中1分38秒159(14位)、8号車・小山1分39秒867(18位)、3号車・ヘドリー1分38秒223(15位)、4号車・コレア1分39秒120(16位)、19号車・ラスムッセン1分39秒339(17位)と、最初の2時間でレギュラー陣に食い込むのは厳しかった。

■セッション4

 冷たい風が吹き、午前より気温は下がって寒さを感じるなか、セッション4がスタート。

 開始15分、アタック中の20号車・高星明誠(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)が、ヘアピン立ち上がりで縁石に乗り上げコントロールを失いクラッシュ。これで走行中断。

 65号車・佐藤、5号車・牧野、6号車・太田が、トップタイムを更新しながら、セッションは進み、折り返しの1時間経過時のトップ6は、太田-牧野-佐藤-38号車・阪口晴南(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)-64号車・イゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING)-36号車・坪井翔(VANTELIN TEAM TOM'S)。

 レギュラー陣にとっては、このセッションが今年最後走行。気持ち良くオフを迎えるために、最後のアタックは熾烈な戦いとなった。

 まず、残り10分で牧野が1分35秒890をマーク。このタイムを目標に、全車がピットインした後に本格的なアタックが始まった。

 ところが、16号車・野尻1分35秒971、38号車・阪口1分35秒967は、ともに牧野のタイムに届かず。すると、牧野が自身のタイムを更新するダメ押しの1分35秒597をマーク。最後にチームメイトの太田が1分35秒656と迫ったが、僅かに届かず。ダンデライアンチームがワンツーで、レギュラー陣にとって2024年最後となる走行を終えた。

 ニューカマーのなかでは、2日目となる64号車・フラガがレギュラー陣に食い込む1分36秒252で7位と大健闘。今日からの走行組では、7号車・野中が午前のタイムを大きく上回る1分36秒677で11位とトップ。海外勢ではWECドライバーの19号車・ラスムッセンの14位(1分36秒827)が最上位だった。

 注目の8号車・小山は、順位こそ18位だったものの、最終的に1分38秒078までタイムアップを果たした。

 明日13日は、ルーキードライバー限定のテストとなり、午前9時30分から11時と、午後1時から2時30分の2セッションの走行が予定されている。

ジェームズ・ヘドリー(KONDO RACING)

野中誠太(Kids com Team KCMG)

小山美姫(Kids com Team KCMG)

三宅淳詞(ThreeBond Racing)

大嶋和也(docomo business ROOKIE)

岩佐歩夢(TEAM MUGEN)

野尻智紀(TEAM MUGEN)

オリバー・ラスムッセン(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)

高星明誠(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)

坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)

サッシャ・フェネストラズ(VANTELIN TEAM TOM’S)

阪口晴南(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)

大湯都史樹(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)

小出峻(San-Ei Gen with B-Max)

イゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING)

佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Atsushi BESSHO

SUPER FORMULA

公式・ルーキーテスト鈴鹿1日目 関口雄飛「最低限の収穫はありました」

 12月11日に行われたスーパーフォーミュラの公式テスト1日目に参加した関口雄飛(Kids com Team KCMG)。初日だけのドライブだったが、1回目8位(1分37秒219)、2回目6位(1分36秒947)と、1年のブランクを感じさせない走りで、レギュラードライバーに伍して好位置につけた。

 しかし、関口自身はこの結果にはまったく満足はしていない。安定して走れなかったのには、やはり1年のブランクが影響しているという。

 「厳しかったですね。もっと上に行けると思っていました。トラクションが足りなくて、午前、午後ともにニュータイヤでアタックの際にシケインで横を向いてしまい、午前はコンマ4秒、午後もそれなりにロスがありました。オーバー(傾向)のクルマでしたが、まとめきれなかったですね」

 「やっぱりブランクが影響していると思います。どうしてもぎりぎりのところで止められなくて、スロットルコントロールの絶妙な塩梅が難しかったです」

 とはいえ、コーチ(アドバイザー)を依頼した、理論派の佐々木大樹選手のサポートはかなり大きかったという。

 「来てもらって本当に良かったと思います。ドライビングについて、(福住)仁嶺との走りを比較して、自分は止めすぎていたので、そこを的確に教えてくれたりして、感謝しています」

 そして、午前はトップから0.476差、トヨタ勢トップから0.251差の8位、午後は、それぞれ0.610差、0.246差の6位という結果についての自己評価は……。

 「タラレバはあまり言いたくありませんが、最終のミスがなければ午前、午後ともにトヨタ勢のトップは取れたと思います。やはり1年のブランクがあって感覚を掴みきれなかった部分があるのですが、まだまだイケると感じました。結果は残念だったものの、最低限の収穫はあった、というところです」

 明日があれば、とタラレバを言いたくなるが、関口の与えられた走行は初日のみ。ただ、唯一無二のキャラクターとして、シリーズに戻ってほしいドライバーであることは間違いない。

Text & Photo: Shigeru KITAMICHI

SUPER FORMULA

公式・ルーキーテスト鈴鹿1日目 佐藤蓮がトップタイム、牧野任祐は2台を乗りこなして好タイム連発

牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)

佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)

 12月11日、スーパーフォーミュラの公式テスト1日目が、鈴鹿サーキットで行われ、午前は牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、午後のセッションは佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)がトップタイムをマークした。

 テスト初日は、今シーズンのレギュラードライバーがドライブするチームが多かったが、そのなかでチームを変えての参加となったのが、トムスからKONDOとなった笹原右京(KONDO RACING)、KONDOからROOKIEとなった小高一斗(docomo business ROOKIE)の二人。

 さらに、注目はSF復活を狙う関口雄飛(Kids com Team KCMG)だ。今季はチームのアドバイザーとして帯同していたが、初日ドライブのチャンスを得た。

 今季NAKAJIMA Racingのリザーブドライバーとなっているイゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING)は、全セッションを走る予定で、山本尚貴の後任としてシートを得る可能性が高そうだ。同じく、去年に続いて参加の小出峻(San-Ei Gen with B-Max)も、全セッション走行予定で、来季のレギュラーはほぼ確実な状況だ。

また、2年ぶりのSFドライブとなるサッシャ・フェネストラズ(VANTELIN TEAM TOM'S)も来季からの復活を狙う。

 さらに、インパルから参加の高星明誠(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)は、SFの開発ドライバーも務め、ルーキーというイメージはないが、SFに関してはルーキー枠に入り、全セッション参加予定だ。

■セッション1

 5号車と6号車を交互にドライブした牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が、自車の5号車で1分36秒743のトップタイム。6号車でも6位タイムをマークした。

 2位以下は、65号車・佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)、7号車福住仁嶺(Kids com Team KCMG)、39号車・大湯都史樹(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)、38号車・阪口晴南(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)とお馴染みの顔ぶれが続いた。

 8号車・関口はトップから0.476秒遅れの8位、64号車・フラガは11位、20号車・高星は16位、37号車・フェネストラズは17位だった。

■セッション2

 前半は5、6号車を交互に乗り換えて走る牧野が、1、2位のタイムで独壇場のような状態だったが、90分経過時に12号車・三宅淳詞(ThreeBond Racing)が1分37秒211でトップに立つ。

 この後、7号車・福住仁嶺(Kids com Team KCMG)が1分37秒027、39号車・大湯都史樹(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)が1分37秒006と、トップタイムが塗り替えられる。

 ここまでは序章のようで本格的なアタックは、西日がきつくなってきた残り5分から。

 それまで中位にいた15号車・野尻智紀(TEAM MUGEN)が1分36秒705でいきなりタイミングモニターの最上位に上がると、これを65号車・佐藤が1分36秒337で逆転。最後に5号車を駆る牧野が1分36秒417で佐藤に迫ったが、僅かに届かず。初日は佐藤がトップで終えた。

 注目の関口は6位と速さを見せ、フラガは9位と、午前中より順位を上げた。

 SFライツチャンピオンの50号車・小出峻(San-Ei Gen with B-Max)は、15位とまずまずの位置につけた。小出は3日間乗るため、今日は慣熟走行といったところだ。

 明日12日も今日と同じく、午前10時から12時、午後2時から4時の走行が予定されている。

小出峻(San-Ei Gen with B-Max)

小山美姫(Kids com Team KCMG)

三宅淳詞(ThreeBond Racing)

サッシャ・フェネストラズ(VANTELIN TEAM TOM’S)

イゴール・オオムラ・フラガ(PONOS NAKAJIMA RACING)

小出峻(San-Ei Gen with B-Max)

小高一斗(docomo business ROOKIE)

三宅淳詞(ThreeBond Racing)

関口雄飛(Kids com Team KCMG)

阪口晴南(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)

平良響(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)

高星明誠(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)

坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Atsushi BESSHO

SUPER GT

第5戦鈴鹿決勝 GT300クラスはJLOC Lamborghini GT3が優勝で逆転チャンピオンに輝く

GT300クラス優勝はVENTENY Lamborghini GT3(小暮卓史/元嶋佑弥)

 2024オートバックスSUPER GT第5戦「SUZUKA GT 300km RACE」の決勝が、12月8日、三重県・鈴鹿サーキットで行われ、GT300クラスは、終盤の39周目にトップに立ったLamborghini GT3(小暮卓史/元嶋佑弥)が、逃げ切って今季4勝目を飾り、逆転でチャンピオンに輝いた。

 2位には、僅かな可能性にかけ終盤までトップを走ったmuta Racing GR86 GT(堤優威/平良響)。ランキングトップで最終戦を迎えたものの、最後に涙をのんだLEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/篠原拓朗/黒澤治樹)は4位と、タイトルを争う3台が上位でフィニッシュするという見応えのあるレースだった。

 9月1日開催が台風の影響で延期となった当大会だが、12月の鈴鹿は寒いながらも天候には恵まれ、詰めかけた多くの観客が見守るなか、スタートを迎えた。

 注目は、最終戦までもつれたタイトル争い。65号車LEON AMG(84p)、88号車JLOC Lamb.(76p)、2号車muta GR86(65p)の3台に可能性が残っている。2号車は優勝が絶対条件と厳しい状況だが、今シーズン常に上位を争い、この3台で7戦中6勝を上げている。

 序盤は、ポールスタートの88号車JLOC Lamb.(元嶋)、61号車SUBARU BRZ (井口)、2号車muta GR86(平良)とグリッド順に続き、65号車LEON AMG(篠原)は10位とかなり苦しい位置でのレースを強いられていた。

 この流れを変えたのは、15周目から始まったピット作業。ドライバー交替とともにタイヤ交換をどうするかがポイントだったが、15周目に入った65号車はタイヤ無交換。18周目に入った88号車はリアタイヤのみ交換、そして、25周目まで引っ張って作業を行った2号車は無交換を選択した。

 全車がピット作業を終えた26周目には、2号車muta(堤)、31号車apr LC500h GT(小高)、88号車JLOC(小暮)、65号車(蒲生)と、タイトルを争う3台が約5秒間隔で上位に顔を揃えた。

 ここからは約20周のスプリントレースとなったが、88号車のペースが良く、コンスタントに2分0秒台をマークして、34周目には31号車を捕らえる。さらに3秒あったトップ2号車との差をあっという間に詰め、38周目のシケインで背後につけるとストレートで並走し、1コーナーでオーバーテイク。トップに立つとともに、2号車のチャンピオンの可能性を消し去った。

 残る8周は、88号車の独壇場。みるみる後続との差を広げ、最後は9秒という大差をつけ、タイトルを決める今季4勝目のチェッカーを受けた。1994年からランボルギーニで参戦を続けてきたJLOCにとっては初のタイトルとなった。

 2位に入ればチャンピオンの座を守ることのできた65号車LEON(蒲生)は、終盤必死に追い上げたが、4位からポジションを上げることはできず、涙をのんだ。

 これで2024シーズンのSUPER GT全日程が終了。天候に恵まれないことが多かったが、GT300クラスは、新たなGT3車両の参入により、ポテンシャルのある多彩な車種が揃い見応えのあるシーズンだった。

GT300クラスのスタートシーン

GT300クラス優勝はVENTENY Lamborghini GT3(小暮卓史/元嶋佑弥)

GT300クラス決勝2位はmuta Racing GR86 GT(堤優威/平良響)

GT300クラス決勝3位はapr LC500h GT(小高一斗/中村仁/根本悠生)

GT300クラス決勝4位はLEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/篠原拓朗/黒澤治樹)

GT300クラス決勝5位はUNI-ROBO BLUEGRASS FERRARI(片山義章/ロベルト・メルヒ・ムンタン)

GT300クラス決勝6位はD\'station Vantage GT3(藤井誠暢/チャーリー・ファグ)

GT300クラスの表彰式

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Atsushi BESSHO

F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP (FIA-F4)

第8戦鈴鹿決勝 チェッカー後のどんでん返しで新原光太郎が初優勝、Iクラスは鳥羽豊が連勝、DRAGONがチャンピオンに輝く

優勝は新原光太郎(YBS Verve影⼭MCS4)

インデペンデントクラス優勝は鳥羽豊(HELM MOTORSPORTS F4)

 12月8日、2024FIA-F4選手権シリーズの第8戦(延期レース)が、三重県・鈴鹿サーキットで行われ、チャンピオンクラスは、トップチェッカーの洞地遼⼤(HFDP with B-Max Racing)が最低重量不足で失格。新原光太郎(YBS Verve 影⼭ MCS4)が初優勝を飾った。

 インディペンデントクラスは、ポールスタートの鳥羽豊(HELM MOTORSPORTS F4)が昨日に続く連勝を飾り、最終レースまでもつれたチャンピオン争いは、DRAGON(B-MAX TEAM DRAGON)が制した。

 朝は雨が落ちていたが、スタートを迎える頃には雨の心配はなく、午前8時15分にドライコンディションのなかフォーメイションラップがスタート。昨日と同じく、路面温度の低さを考慮して2周した後にスタートが切られた。

■チャンピオンクラス

 PPの洞地は、前大会のもてぎ大会、そして昨日の第7戦とPPを奪いながらもスタートで遅れて優勝を逃すパターンが続いていたが、今回はきっちり決めて、トップで1コーナーへ飛び込む。2位は野村勇⽃(HFDP with B-Max Racing)、3位には新原光太郎(YBS Verve 影⼭ MCS4)がつけた。

 1周目、スタートで遅れた焦りもあったのか、8位を走行していた⼤宮賢⼈(PONOS RACING MCS4)が、S字でコースアウト。早くもセーフティカー(SC)が入る。

 3周終了時にリスタートを迎え、3位の新原が1コーナーで野村をかわして2位に浮上。ところが、中団の混戦のなかで、⽩崎稜(Bionic Jack Racing)、清⽔啓伸(Drago CORSE MCS4-24)、佐野雄城(TGR-DC RS F4)が、1コーナーでもつれるようにグラベルに飛び出し、またしてもSCが導入される。

 車両の回収にやや時間がかかり、8周終了時にリスタート。3周のスプリントレースとなったが、トップの洞地は冷静にポジションを守り、ファステストラップを塗り替えながら、9周目1秒、10周目1.5秒と2位新原を引き離していく。

 そして、洞地がトップでチェッカーを受け、今シーズン最後のレースを優勝で締めくくった……はずだった。しかし、レース後の再車検で、洞地車とドライバーの合計重量が、規定重量に僅かに届かず。失格の裁定が下された。

 これにより、2位以下が繰り上がることになり、シリーズ終盤、尻上がりに結果を残してきた新原が意外な形で初優勝を飾ることになった。2位は野村、3位は森山。

■インディペンデントクラス

 DRAGON対今田信宏のチャンピオンがかかった注目の最終レース。

 クラスポールのKEN ALEX(BUZZ RACING)がエンジンストールで大きく遅れ、鳥羽、今⽥信宏(JMS RACING with B-MAX)、DRAGONが続く展開となった。

 このまま、鳥羽-今田-DRAGONの順でフィニッシュすれば、僅かの差でチャンピオンの称号はDRAGONが手にすることになる。今田は鳥羽を抜いてトップフィニッシュすれば逆転チャンピオンだ。

 二度のSCランを挟んだため、勝負は最後の3周となった。ここで、トップ鳥羽に今田が急接近。その差は9周目1.0秒、10周目0.6秒と詰まっていく。

 しかし、「チャンスはなかった」と今田が言うように、鳥羽は隙を見せることなく、今田を従えて昨日に続く連勝のチェッカーを受けた。

 チャンピオンに輝いたDRAGONは、「今年からインディペンデントクラスも、正式にJAFの選手権となったので、その初年度でぜひチャンピオンを取りたかった」と、僅か2.5ポイント差の逃げ切りに、ほっとした表情を浮かべた。

11周の決勝がスタートした

決勝2位は野村勇斗(HFDP with B-Max Racing)

決勝3位は森山冬星(HELM MOTORSPORTS F4)

決勝4位は梅垣清(TGR-DC RS F4)

決勝5位は佐野雄城(TGR-DC RS F4)

インデペンデントクラス決勝2位は今田信宏(JMS RACING with B-MAX)

インデペンデントクラス決勝3位はDRAGON(B-MAX TEAM DRAGON)

チャンピオンクラスの表彰式

インディペンデントクラスの表彰式

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Atsushi BESSHO
Yoshinori OHNISHI

SUPER GT

第5戦鈴鹿予選 GT300は逆転チャンプを狙うJLOC Lamborghini GT3がPP獲得、PリーダーLEON PYRAMID AMGは10位に沈む

GT300クラスでポールポジションを獲得したVENTENY Lamborghini GT3(小暮卓史/元嶋佑弥)

 2024オートバックスSUPER GT第5戦「SUZUKA GT 300km RACE」の予選が、三重県・鈴鹿サーキットで行われ、GT300クラスは、逆転でタイトル奪取を狙うJLOC Lamborghini GT3(小暮卓史/元嶋佑弥)が、ポールポジションを獲得した。

 風もあり、12月の鈴鹿はかなり冷え込んだ。ただ、天気は良く、今シーズン悪天候続きだったSUPER GTシリーズにとっては、久しぶりに天候を心配せずに予選が行われた。

 午後2時過ぎから始まったGT300クラスの予選は、まずQ1でドライバーAが走って上位14位と15位以下に振り分けられ、Q2では、それぞれのグループでドライバーBが走り、合算タイムで順位を決めるという方式で行われた。

 悪天候続きで、この本来の予選方式がようやく採用されたが、各チームはまずQ1で上位14台に残ることを目標に予選に臨んだ。

Q1

 公開練習で好調だった61号車SUBARU BRZ R&D SPORT(井口)が、最初にアタックし1分55秒547をマーク。残り5分となったところで、88号車JLOC(小暮)、87号車METALIVE S Lamborghini GT3(坂口)のランボルギーニコンビが相次いでSUBARUのタイムを更新。2車のマークしたタイムは従来のレコードタイムを(1分55秒531/2018年LEXUS RC F GT3/中山雄一)を更新するニューレコードだ。

 4位にはアタック中にスピンを喫するも再アタックした2号車muta Racing GR86 GT(平良)が入り、逆転チャンピオンに何とか首の皮1枚繋がった。

 5位以下には、31号apr LC500h GT(小高)、56号車リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R(佐々木)、11号車GAINER TANAX Z(富田)と続き、ポイントリーダーの65号車LEON PYRAMID AMG(蒲生)は9位と微妙な位置でQ1を終えた。

Q2(L15)

 Q1で15位以下になったグループによるをQ2(L15)では、96号車K-tunes RC F GT3(高木)がトップタイムで15番グリッドを獲得。以下、50号車ANEST IWATA Racing RC F GT3(古谷)は16番、今回がNSXラストランとなる18号車UPGARAGE NSX GT3(小出)は17番、60号車 Syntium LMcorsa GR Supra GT(伊東)は18番グリッドと続いた。

(注:主催者発表のリザルト改訂版が出たため、順位を修正しました)

Q2(U14)

 上位14台によるポールポジション争いは、コースレコードラッシュの熾烈な争いとなった。

 ここでも最初にタイムを出してきたのは61号車SUBARU(山内)。ただ、1分55秒249をマークして、次の周もアタックを続けたが、130Rで他車と危うく接触しそうになり、コース外に逃げるという場面もあってさらなるタイムアップはならず。2番グリッドに甘んじることになった。

 見事なポール奪取を成し遂げたのは、88号車 JLOC(元嶋)。1分55秒570とQ2では2位だったものの、合算タイムでトップとなった。

 3番グリッドを得たのは、2号車muta GR86 (堤)。優勝が必須ではあるものの、僅かながら逆転チャンピオンの可能性を残している。続く4番グリッドは31号車apr LC500h GT(小高)。

 Q2のトップタイム、ニューレコードとなる1分55秒092を叩き出した56号車リアライズGT-R(オリベイラ)は、合算で5番グリッドと好位置からのスタートとなった。

 6番グリッドは、もう1台のランボルギーニ、87号車METALIVES Lambo(松浦)。決勝では安定した速さを見せるだけに、侮れない存在だ。

 そして、ポイントリーダー、65号車LEON AMG(篠原)は10番グリッドとやや厳しい位置からのスタートとなった。

 決勝は、明日、8日(日)の午後0時40分から52周(300km)で行われる。

GT300クラス予選2位はSUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)

GT300クラス予選3位はmuta Racing GR86 GT(堤優威/平良響)

GT300クラス予選4位はapr LC500h GT(小高一斗/中村仁/根本悠生)

GT300クラス予選5位はリアライズ日産メカニックチャレンジGT-R(佐々木大樹/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)

GT300クラス予選6位はMETALIVE S Lamborghini GT3(松浦孝亮/坂口夏月)

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Atsushi BESSHO

F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP (FIA-F4)

第7戦鈴鹿決勝 野村勇⽃が優勝でチャンピオンを決める、Iクラスは鳥羽豊が今季2勝目

優勝は野村勇斗(HFDP with B-Max Racing)

インディペンデントクラス優勝は鳥羽豊(HELM MOTORSPORTS F4)

 12月7日、2024FIA-F4選手権シリーズの第7戦(延期レース)が、三重県・鈴鹿サーキットで行われ、チャンピオンクラスは、スタートでトップに立った野村勇⽃(HFDP with B-Max Racing)が、逃げ切って優勝し、最高の形でチャンピオンを決めた。インディペンデントクラスは、ポールスタートの鳥羽豊(HELM MOTORSPORTS F4)が8月の第5戦以来の優勝を飾った。

 快晴とはいえ、冬の寒さを感じるなか、午後0時35分にスタートを迎えた。路面温度の低さを考慮し、通常より1周多く2周のフォーメイションラップが行われた。

■チャンピオンクラス

 ポールポジションの洞地遼⼤(HFDP with B-Max Racing)は、前大会のもてぎと同様に出遅れ、野村勇⽃(HFDP with B-Max Racing)、佐野雄城(TGR-DC RS F4)に先行を許してしまい、3番手で1コーナーに飛び込む。

 トップ3に新原光太郎(YBS Verve 影⼭ MCS4)を加えた4台が5位以下を引き離していくが、4周目にインディペンデントクラスの車両がコースオフしてグラベルストップ。このアクシデントでセーフティカー(SC)が入る。

 7周目を終えてリスタートするが、野村はきっちりとトップを守り、安定したペースで佐野、洞地を従えて周回を重ねる。9周目にインディペンデントクラスの下位で争っていた2台がヘアピンで絡んでストップ。これで二度目のSCランとなる。

 最後は残り1周のレースとして再開されたが、ここでも野村は冷静にトップを守って、佐野をやや引き離し、2024年のチャンピオンを決めるチェッカーを受けた。

 野村は、今季7勝目。特に10月以降のレースは5連勝と、シリーズ後半に強さを発揮してチャンピオンを手中に収めた。順当に行けば来季はSFライツにステップアップすることになるはずだ。

■インディペンデントクラス

 クラスポールスタートの鳥羽が好スタートを決め、チャンピオンクラスの車両を3台挟んで、2位の今⽥信宏(JMS RACING with B-MAX)、KEN ALEX(BUZZ RACING)が続く展開となり、序盤から鳥羽が圧倒的有利な状況となった。

 4周目、5位を走行していたポイントリーダーのDRAGON(B-MAX TEAM DRAGON)が、「完全に自分のミス」と、130Rの進入でアウト側に片輪を落としてコースを飛び出し、グラベルでストップ。これで1度目のSCランとなる。

 鳥羽のトップは安泰と思われたが、9周目の二度目のSCランからの再スタートで今田が急接近。最後は背後に迫ったが、0.1秒届かず。鳥羽が逃げ切って今季2勝目を飾った。

 3位を走行していたALEXは、フライングの判定でピットスルーペナルティが課され後退。3位には⾚松昌⼀朗(SHOEI-GIGS Ride with ES)が入った。

ランキングトップのDRAGONがノーポイントに終わったため、DRAGONが187p、今田が181.5pと、二人の差が僅か5.5ポイントとなり、タイトル決定は明日の最終戦に持ち越された。

※ポイントは手元集計です。

11周の決勝がスタートした

スタート直後の1コーナー

優勝は野村勇斗(HFDP with B-Max Racing)

決勝3位は佐野雄城(TGR-DC RS F4)

決勝3位は洞地遼⼤(HFDP with B-Max Racing)

決勝4位は新原光太郎(YBS Verve影⼭MCS4)

決勝5位は森山冬星(HELM MOTORSPORTS F4)

決勝6位は佐藤凛太郎(PONOS RACING MCS4)

チャンピオンクラスの表彰式

インデペンデントクラスの表彰式

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Atsushi BESSHO
Yoshinori OHNISHI

SUPER GT

第5戦鈴鹿公式練習 GT300はSUBARU BRZ R&D SPORTがトップタイム

公式練習: GT300クラストップタイムはSUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)

 2024オートバックスSUPER GT第5戦「SUZUKA GT 300km RACE」の公式練習が、三重県・鈴鹿サーキットで行われ、冬晴れのもと、GT300クラスは61号車SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)がトップタイムをマークした。

 夏に開催されるはずだった第5戦だが、台風の来襲により延期となり、例年ならシーズンオフの12月に最終大会として行われることになった。最終大会は、サクセスウェイトが取り払われ、加えて、冬の空気密度の濃さもあってタイムは速くなるため、コースレコードの更新にも期待がかかる。

 寒さはあるものの、好天に恵まれた予選日。午前9時15分から行われた公式練習は、コースオフした車両の回収での中断はあったが、大きなトラブルはなかった。ただ、最後のGT300クラスの専有走行時間に、シケインでスピンした車両のエキゾーストの熱(炎?)で、コースサイドの芝に火がつき走行終了となってしまったため、レコードタイムには0.2秒届かずに終わってしまった。

 トップタイムをマークしたのは61号車SUBARU。今シーズンは不運なレースが多く、ここまで獲得したのは僅か9ポイント。ランキングは16位と不本意な位置にとどまっている。最終大会で一矢報いたいところだ。

 2番手タイムの2号車muta Racing GR86 GT(堤優威/平良響)は、優勝が絶対条件だが、僅かにチャンピオンの可能性を残しているだけに、今シーズン何度も見せてきたレース巧者の本領を発揮したいところ。

 3番手は、11ポイント差で逆転タイトルを狙う、ランキング2位の88号車JLOC Lamborghini GT3(小暮卓史/元嶋佑弥)。ここ数戦のランボルギーニの速さは、87号車とともに目も見張るものがあり、チャンピオン獲得のチャンスは十分ありそうだ。

 88号車、2号車を迎え撃つ現在のポイントリーダー、65号車LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/篠原拓朗/黒澤治樹)も、7番手タイムをマークし、逆転は許さないという気概を感じさせる。

 今シーズン、悪天候に見舞われることの多かったSUPER GTシリーズだが、今大会は天候が崩れることはなさそうだ。予選ではタイトル争いをする車両がどの位置にくるのか、またコースレコードは破られるのかにも注目したい。

 予選は、本日午後1時50分から、2名のドライバーによるタイム合算方式で行われる。

公式練習: GT300クラス2位はmuta Racing GR86 GT(堤優威/平良響)

公式練習: GT300クラス3位はVENTENY Lamborghini GT3(小暮卓史/元嶋佑弥)

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Atsushi BESSHO

F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP (FIA-F4)

第7戦、第8戦鈴鹿 公式予選 Cクラスは洞地遼⼤コースレコードでWポール、Iクラスは鳥羽豊とKEN ALEXがPPを獲得

第7戦、第8戦ともポールポジションは洞地遼⼤(HFDP with B-Max Racing)

インデペンデントクラス第7戦ポールポジション、第8戦予選2位は鳥羽豊(HELM MOTORSPORTS F4)

インデペンデントクラス第7戦予選2位、第8戦ポールポジションはケン・アレックス(BUZZ RACING)

 12月7日、FIA-F4選手権第7、8戦(延期レース)の予選が、鈴鹿サーキットで行われ、チャンピオンクラスは洞地遼⼤(HFDP with B-Max Racing)がコースレコードでポールポジションを獲得。セカンドベストもトップで両レースともにPPからのスタートとなった。

 インディペンデントクラスは、鳥羽豊(HELM MOTORSPORTS F4)とKEN ALEX(BUZZ RACING)がポールポジションを分け合った。

 本来8月31日、9月1日に行われるはずだった第7、8戦だが、台風の影響で延期され、最終大会として開催されることになった。

 12月の鈴鹿、まして早朝の冷え込む天候のなか、8時5分からからチャンピオンクラス、インディペンデントクラスの順で、20分ずつの予選が行われた。

■チャンピオンクラス

 冷えた路面のため、各車は通常より多くウォームアップを行い、5周目から本格的なアタックに入った。

 他車を圧倒する速さを見せたのは洞地。6周目に2分06秒737を叩き出し、2018年に現F1ドライバー角田裕毅が記録した2分06秒779のコースレコードを更新した。セカンドベストも06秒775と唯一人06秒台を連発して、2レースともにポールを獲得した。

 洞地には及ばなかったものの、7周目に2分07秒127、8周目に07秒009をマークして両レースともフロントローに並んだのは、チームメイトの野村勇⽃(HFDP with B-Max Racing)。シリーズポイントで大きくリードしている野村は、今日行われる第7戦で5位以内に入ればチャンピオンが確定する。

 3位以下は、新原光太郎(YBS Verve 影⼭ MCS4)、佐野雄城(TGR-DC RS F4)、森⼭冬星(HELM MOTORSPORTS F4)、⼤宮賢⼈(PONOS RACING MCS4)と続いた。

 セカンドベストで決まる第8戦のグリッドは、洞地-野村-森山-新原-佐野-梅垣清(TGR-DC RS F4)の順となった。

第7戦、第8戦とも予選2位は野村勇斗(HFDP with B-Max Racing)

第7戦予選3位、第8戦予選4位は新原光太郎(YBS Verve影⼭MCS4)

第7戦予選5位、第8戦予選3位の森山冬星(HELM MOTORSPORTS F4)

■インディペンデントクラス

 開始早々、小嶋禎一(Classic Car.jp Eagle)がヘアピンでスピンして止まってしまい、予選は中断。車両回収後、残り17分で再開された。

 チャンピオンクラス同様に、5周目からDRAGON(B-MAX TEAM DRAGON)からアタックに入った。最初に2分9秒台をマークしたDRAGONが主導権を握ると思われたが、今⽥信宏(JMS RACING with B-MAX)、KEN ALEX(BUZZ RACING)、鳥羽豊(HELM MOTORSPORTS F4)、KENTARO(Baum Field F4)が次々に09秒台をマーク。

 終了間際は、鳥羽、今田、AREXのポール争いとなったが、最後に、AREXの09秒498を大きく上回る09秒126をマークした鳥羽がポールポジションを獲得した。3位は今田、4位はKENTARO、5位にDRAGON、6位に⾚松昌⼀朗(SHOEI-GIGS Ride with ES)がつけた。

 セカンドタイムで決まる第8戦のグリッドもトップ6の顔ぶれは変わらず、AREXがポールを奪い、2位鳥羽と順位を入れ替えてフロントローに並び、以下、今田-DRAGON-KENTARO-赤松の順で続いた。

インデペンデントクラス第7戦第8戦とも予選3位は今田信宏(JMS RACING with B-MAX)

 第7戦の決勝は、本日が午後0時45分から、第8戦決勝は明日の午前8時15分から、ともに11周で行われる。

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Atsushi BESSHO

SUPER FORMULA LIGHTS

第3戦もてぎ決勝 小出峻が今季8勝目、有終の美を飾る

 全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第3戦(延期分)の決勝が、12月1日、モビリティリゾートもてぎで行われた。今シーズンの締めくくりとなるレースは、チャンピオンの称号を得た小出峻(HFDP WITH B-MAX RACING)が、ポール・トゥ・ウィンで今シーズンを締めくくった。

 マスタークラスは、DRAGON(TEAM DRAGON 324)が、三度(みたび)清水康弘(GNSY 324)をスタートでかわしてクラス優勝を飾った。

 昨日の第1戦では小出、今日の第2戦では小林と、今大会で三度フロントローに並ぶ二人の対決は、ここまで1勝1敗と五分。三度目の勝負となる第3戦は、お互いに引けない戦いだ。

 勝敗に大きく影響するスタートは、小出に軍配が上がり、小林、そして7番グリッドからニュータイヤでジャンプアップした古谷悠河(Deloitte. HTP TOM'S 320)のオーダーで1周目を終えた。4位以下は、荒川麟(TEAM DRAGON 324)、中村仁(モビリティ中京 TOM'S 320 TGR-DC)、そして最後尾から上がってきた野中誠太(PONOS Racing TOM'S 320 TGR-DC)が続き、ここまでがポイント圏内。

 4周目、荒尾創大(HFDP WITH TODA RACING)や菅波冬悟(JMS RACING TEAM)と競り合いながら8位を走行していたケイレン・フレデリック(Pilot ONE Racing with B-MAX)が、最終ビクトリーコーナーの立ち上がりで縁石に乗りスピン。ストレートのコースサイドで動けなくなってしまった。

 これでセーフティカー(SC)が入り、以降8周終了までSCランが続いた。

 リスタートが切られると、トップの小出は徐々に2位小林を引き離し、11周目までに2秒のマージンを築いて優勝を確実なものとした。

 3位以下も順位変動はなく、結局、小出、小林、古谷、荒川、中村、野中の順でフィニッシュを迎えた。

 チャンピオン獲得に華を添える8勝目のチェッカーを受けた小出は、ウィナーズサークルでクルマを降り何度もガッツポーズ。「第2戦はスタートでミスをしていたので、最終レースはチャンピオンのかかった昨日のレースと同じくらいプレッシャーがありました」とコメント。

 シーズンを終えてみれば、小出は18戦8勝。前回の鈴鹿大会以外は、各大会で勝利を挙げるという安定した戦績を残した。

 マスタークラスは、前2戦と同じく、1周目に前に出たDRAGONが、清水康弘(GNSY 324)を抑えるという展開で今大会3連勝。こちらもチャンピオンに相応しい締めくくりとなった。

Text: Shigeru KITAMICHI

SUPER FORMULA LIGHTS

第2戦もてぎ決勝 小林利徠斗が小出峻を抑えきって今季3勝目を飾る

 全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第2戦(延期分)の決勝が、12月1日、モビリティリゾートもてぎで行われ、1周目にトップに出た小林利徠斗(モビリティ中京 TOM'S 320 TGR-DC)が、チャンピオン小出峻(HFDP WITH B-MAX RACING)を抑えきって優勝。今季3勝目を挙げた。

 マスタークラスは、1周目に前に出たDRAGON(TEAM DRAGON 324)がクラス優勝を飾った。

 
昨日に引き続き好天に恵まれた日曜日。すでにタイトルを決めたポールポジションの小出、そしてフロントローに並んだ小林が、スタート直後から激しく争い、S字からV字コーナーで前に出た小林がトップでコントロールラインに戻ってくる。

 昨日の第1戦とは逆の立場になった二人だが、ややペースの上回る小林が、5周目にはギャップを1.4秒までに広げた。小出の後方には1秒以内の差で中村仁(モビリティ中京 TOM'S 320 TGR-DC)がつけ、小出がトムスのルーキーに挟まれる形になった。

 トップ3車は、4位のケイレン・フレデリック(Pilot ONE Racing with B-MAX)以下を引き離しつつ周回を重ね、このまま小林が逃げ切るかと思われた。しかし、小出もチャンピオンの意地を見せて食い下がり、10周目には0.8秒まで差を詰めた。

 結局、終盤も小林のペースは衰えることなく、小出はチャンスを見出すことはできずに、小林が第1戦の雪辱を晴らし、今季3勝目のチェッカーを受けた。

 マスタークラスは、昨日と同じ展開となり、1周目に前に出たDRAGONが、終盤まで清水康弘(GNSY 324)を抑えきり、今季8勝目を飾った。

 今季の最終レースとなる第3戦の決勝は、本日午後1時25分から14周で行われる。

Text: Shigeru KITAMICHI

SUPER FORMULA LIGHTS

第1戦もてぎ決勝 小出峻、ポールtoウィンでチャンピオンを決める

 全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第1戦(延期分)の決勝が、11月30日、モビリティリゾートもてぎで行われ、、小出峻(HFDP WITH B-MAX RACING)がポール・トゥ・ウィンを飾り、同時に今シーズンのドライバーズチャンピオンを決めた。

 マスタークラスは、1周目に前に出たDRAGON(TEAM DRAGON 324)が、清水康弘(GNSY 324)との一騎討ちを制した。

 気温は低いものの好天に恵まれた土曜日。タイトルを争う二人は予選で明暗を分けたが、決勝でも野中誠太(PONOS Racing TOM'S 320 TGR-DC)は、電気系と思われるトラブルが解消せずグリッドに並べず。この時点で小出のチャンピオン決定が濃厚になった。

 ポールスタートの小出はスタートを決め、小林利徠斗(モビリティ中京 TOM'S 320 TGR-DC)、荒川麟(TEAM DRAGON 324)を従えて1コーナーをクリア。タイトル決定のゴールに向けてひた走った。

 5番グリッドの菅波冬悟(JMS RACING TEAM)が1周目の競り合いで順位を落とし、4位以下は、荒尾創大(HFDP WITH TODA RACING)、中村仁(モビリティ中京 TOM'S 320 TGR-DC)、ケイレン・フレデリック(Pilot ONE Racing with B-MAX)と続いた。

 トップの小出と2位小林は、一進一退の攻防を続けながら後続を引き離していき、その後方では、3位荒川と4位荒尾、6位フレデリックと7位古谷悠河(Deloitte. HTP TOM'S 320)、8位伊東黎明(LMcorsa OTG 320)と菅波が、それぞれ僅差の戦いを繰り広げるが、抜きづらいもてぎのコースでは順位が入れ替わるまでには至らなかった。

 結局、1周目から順位変動はなく、小出が小林を抑えきって今シーズン7勝目のチェッカーを受けた。

 スタートできなかった野中は、15周終了時に一旦コースに出たが、やはりトラブル解消には至らなかったようで、1周でピットに戻ってしまった。

野中が不運な形でノーポイントに終わったため、両者の差は21ポイントとなり、この時点で小出のドライバーズチャンピオンが決定した。

 「自分が嬉し泣きをするとは思わなかった」という小出だが、ウィナーズサークルに戻ってくると、溢れる涙を拭うこともせずに、立ち上がって雄叫びをあげた。

 マスタークラスは、1周目に前に出たDRAGONを清水が追い続け、終盤には抜きつ抜かれつの競り合いを見せたが、経験に勝るDRAGONが逃げ切って今季7勝目を飾った。DRAGONも今田信宏の欠場でマスタークラスチャンピオンを決めている。

 第2、3戦の決勝は、明日12月1日の午前9時20分、午後1時25分からそれぞれ14周で行われる。

Text: Shigeru KITAMICHI

SUPER FORMULA LIGHTS

第1、2戦もてぎ公式予選 小出峻がWポールポジションを獲得、野中誠太は下位に沈む

 全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第1戦、第2戦の公式予選が、11月30日、モビリティリゾートもてぎで行われ、小出峻(HFDP WITH B-MAX RACING)が両レースともポールポジションを獲得。タイトルを争う野中誠太(PONOS Racing TOM'S 320 TGR-DC)が下位に沈んだことで、小出がチャンピオンに向け大きく前進した。

 マスタークラスは、清水康弘(GNSY 324)が、両レースともクラスポールを奪った。

 本来は開幕大会として開催されるはずだったMRもてぎ大会だが、今シーズンから導入された車両のアップデートパーツに不具合があり、一旦は12月6,7日に延期されることが決定していたが、SUPER GT鈴鹿大会が悪天候で同日に延期となり、押し出される形で今週末の開催となった。

前大会の鈴鹿戦では、B-Max勢の調子が上がらず、29ポイントあった小出峻(HFDP WITH B-MAX RACING)と野中誠太(PONOS Racing TOM'S 320 TGR-DC)の差は9ポイントまでに縮まった。計算上は小林利徠斗(モビリティ中京 TOM'S 320 TGR-DC)と中村仁(モビリティ中京 TOM'S 320 TGR-DC)にも可能性はあるが、実質は小出と野中の一騎討ちだ。

 このタイトルのかかった最終決戦に、B-Max勢は、欠場するマスタークラスの今田信宏と藤原誠の車両に、昨年優勝も経験している菅波冬悟、今季速さを見せている荒川麟の二人を乗せ、小出のタイトル獲得をサポートしようという狙いだ。

 一方、トムス勢は、レギュラー勢の中村、小林、古谷悠河(Deloitte. HTP TOM'S 320)が、野中をサポートすることになる。最終大会は、数も実力も拮抗する両チームの、まさに総力戦だ。

 木、金曜日に行われた練習走行でも、速さは拮抗していたが、小出が僅かにリードしている印象を受けた。初日、小出は駆動系トラブルに見舞われたが、これが練習初日で出たことも、小出に流れがあるように思われた。

第1戦公式予選

 快晴となった予選は、午前9時55分から10分間で行われ、小出、ケイレン・フレデリック(Pilot ONE Racing with B-MAX)が真っ先にコースイン。

 僅差のタイトル争いではポールポジションポイント1も重要になってくる。小出はじっくり3周のウォームアップ後にアタックをかけ、1分43秒085のトップタイムをマークすると、続けて、42秒808、42秒779とタイムを削り取り、コースレコードでポールポジションを獲得した。

 小出の対抗となったのは小林。小出より1周少ない2周のウォームアップ後にアタックし、43秒353、42秒855をマークしてフロントローに並んだ。

 一方、小出とのタイトル争いを繰り広げる野中は、トラブルでペースが上がらず、44秒848と下位に沈んでしまい、厳しい状況に追い込まれた。

 マスタークラスは、前戦から速さを見せている清水がDRAGONを僅かに抑える1分46秒167をマークしてクラスポールポジションを獲得した。

第2戦公式予選

 10分間のインターバルを経て始まった第2戦予選も、第1戦予選と同じ展開となった。

 まずは、小林が1分43秒356をマークするも、小出が42秒791で即座に逆転。荒川も43秒263で続き、B-Max勢が望む形になってくる。

 小出は、42秒613までタイムを縮め、コースレコードを更新するとともに2戦連続ポールを確実なものとした。最後に小林が43秒245にタイムアップして2位に食い込み、トップ3は第1戦と同じく、小出、小林、荒川の順となった。

 野中は短いインターバルではトラブルを解消することはできず、またしても11位。タイトル獲得の可能性は限りなく低くなってしまった。

 マスタークラスは、DRAGON車にトラブルが発生し、清水が連続クラスポールを奪った。

 第1戦決勝は、本日午後1時20分から20周で、第2、3戦の決勝は、明日12月1日の午前9時20分、午後1時25分からそれぞれ14周で行われる。

Text: Shigeru KITAMICHI

SUPER FORMULA

第9戦鈴鹿公式予選 野尻智紀が気迫のポールポジションを獲得

ポールポジションを獲得した野尻智紀(TEAM MUGEN)

 全日本スーパーフォーミュラ選手権第9戦「JAF鈴鹿グランプリ」の予選が、11月10日、三重県・鈴鹿サーキットで行われ、昨日はQ1敗退の憂き目を見た野尻智紀(Red Bull MOTUL MUGEN SF23)がポールポジションを獲得した。

 いよいよ今シーズンの締めくくりとなる最終戦を迎え、曇り空のもと、午前9時15分から予選が行われた。引退を表明している山本尚貴にとっては最後の予選だ。

■Q1 Aグループ

 いつもどおりの最後のワンアタックでの攻防となり、最初にアタックに入った岩佐歩夢(Red Bull MOTUL MUGEN SF23)を筆頭に次々に各車がタイムを刻んでいく。

 岩佐はタイムが伸びず1分38秒055、牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF23)が37秒719とトップタイムを塗り替え、これに阪口晴南(VERTEX CERUMO・INGING SF23)が37秒819、速さの戻ってきた笹原右京(VANTELIN TOM'S SF23)37秒891で続いた。

 そして、このグループで最後にトップに躍り出たのが、このレースがフォーミュラでのレースが最後となる山本尚貴(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)。コース前半のセクター1〜2でベストタイムを叩き出し、1分37秒574でまとめ、まだまだ速さがあることを示した。

 順位:山本-牧野-阪口-笹原-福住-岩佐/国本-小高-三宅-Juju

■Q1 Bグループ

 昨日の予選では、赤旗が出るという不運もあってQ1突破ならなかった野尻が早めにアタックに入り1分37秒758をマーク。

 これを上回ったのが、ポールを取ればチャンピオンを手にできる坪井翔(VANTELIN TOM'S SF23)と、昨日優勝の太田格之進(DOCOMO DANDELION M6Y SF23)。それぞれ1分37秒351、37秒492と、3位の野尻以下のやや引き離すタイムをマークした。

 順位:坪井-太田-野尻-山下-佐藤-大湯/大津-木村-小林-平良

■Q2

 Q1を通過した12台の内訳は、KONDO1台、ダンディライアン2台、KCMG1台、無限2、トムス2台、セルモ2台、NAKAJIMA2台。

 最初にアタックをした岩佐は1分37秒326。悪くないタイムと思われたが、阪口1分37秒079、福住37秒032と、続々とトップタイムが更新され、昨日悔しい思いをした野尻に至っては1分36秒542と、それまでのトップタイムをコンマ5秒も上回る驚速タイムを叩き出した。

 この後も野尻のタイムを更新する者は現れず、気迫のこもったアタックを見せた野尻のポールポジションが確定した。

 これに続いたのは、1分37秒797をマークした太田。連勝に向けて好位置を確保すると同時に、結果として、チームメイトの牧野を救い、坪井のタイトル確定を阻止した形になった。

 この予選で牧野に2ポイント差をつければ、チャンピオンが確定するはずだった坪井は、1分36秒844で3位。惜しくも予選でタイトルを決めることはできなかったが、タイトルを争う牧野が10位に沈んだため、俄然有利な状況で決勝を迎えることになった。

 順位:野尻-太田-坪井-佐藤-福住-阪口-笹原-山下-山本-牧野-岩佐-大湯

 今シーズンを締めくくる第9戦の決勝は、本日午後2時30分から31周で行われる。

ポールポジションは野尻智紀(Red Bull MOTUL MUGEN SF23)

予選2位は太田格之進(DOCOMO DANDELION M6Y SF23)

予選3位は坪井翔(VANTELIN TOM\'S SF23)

予選4位は佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)

予選5位は福住仁嶺(Kids com KCMG Elyse SF23)

予選6位は阪口晴南(VERTEX CERUMO・INGING SF23)

ポールポジションを獲得した野尻智紀(TEAM MUGEN)

予選3位の坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)

予選3位の坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Atsushi BESSHO

SUPER FORMULA LIGHTS

第16戦鈴鹿決勝 野中誠太がポールtoウィンで逆転チャンプの可能性を広げる

決勝がスタートした

 全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第16戦の決勝が、11月9日、鈴鹿サーキットで行われ、、ポールポジションスタートの野中誠太(PONOS Racing TOM'S 320 TGR-DC)が、優勝を飾った。2位には終盤、野中に迫った荒尾創大(HFDP WITH TODA RACING)が入った。

 マスタークラスは、スタートで2位に下がったものの、すぐにトップを奪い返したクラスポールの清水康弘(GNSY 324)が、嬉しい初優勝を飾った。

 好天に恵まれた鈴鹿。この第16戦の結果で、明日の第18戦のグリッドが決まるだけに、大詰めを迎えているタイトル争いを考えても、重要なレースとなる。

 午後0時35分、17周のレースがスタート。

 ポールスタートの野中が好スタートでトップを守り、荒尾、そして、5番グリッドから上った小林利徠斗(モビリティ中京 TOM'S 320 TGR-DC)、中村仁(モビリティ中京 TOM'S 320 TGR-DC)が続いた。

 野中がトップに出たことで、ランキングトップの小出峻(HFDP WITH B-MAX RACING)は、1つでも順位を上げたいところだったが、逆に、ポジションを落としてしまい、ケイレン・フレデリック(Pilot ONE Racing with B-MAX)の後ろ、6位でオープニングラップを終えた。

 レース前半は、野中がハイペースで逃げ、荒尾が少し離れて、さらにその後方で小林と中村が競り合い、さらにその後方でフレデリックを小出が追うという展開になった。

 トップ野中と荒尾の差は、周を重ねるごとに開き、6周を終えた時点で3.9秒となって、この段階では完全に野中の独走になると思われた。

 しかし、ここから荒尾がペースを上げ、逆に、タイヤの摩耗に苦しむ野中のペースは鈍り始める。両者の差は、8周目2.5秒、10周目2.1秒、13周目には1秒と、みるみる縮まっていった。

 荒尾も自身のタイヤが限界を迎えるなか、必死に野中を追い、最終ラップでは背後に迫ったが、経験に勝る野中がなんとか荒尾を抑え、今季4勝目のチェッカーを受けた。

 後続の順位は、オープニングから変わらず、3位小林、4位中村、5位フレデリック、6位小出となった。この結果、野中は小出とのシリーズ争いで、29ポイントあった差を19ポイントまで縮め、逆転チャンピオンの可能性を広げた。

 マスタークラスは、スタートでDRAGON(TEAM DRAGON 324)がトップに出たものの、2周目に、クラスポールスタートの清水康弘(GNSY 324)が逆転。 以降は、清水がラップを重ねるたびに、差を開いていった。

 3周目からは、清水、DRAGON、今田信宏(JMS RACING TEAM)、藤原誠(TEAM DRAGON 324)のオーダーで、縦に長い展開となり、周を追うたびに各車の間隔は開いていった。

 ラップタイムでDRAGONを約1秒上回る清水は、最終的に11秒という大差でチェッカーを受け、記念すべきSFライツ初優勝を飾った。

 ランキングでは、2位に入ったDRAGONが110pと、依然、今田(79p)を大きくリードしている。

 第17、18戦の決勝は、明日10日の午前8時20分、午後0時25分からそれぞれ12周で行われる。

小林利徠斗と中村仁の3位争い

優勝は野中誠太(PONOS Racing TOM\'S 320 TGR-DC)

決勝2位は荒尾創大(HFDP WITH TODA RACING)

決勝3位は小林利徠斗(モビリティ中京TOM\'S 320 TGR-DC)

決勝4位は中村仁(モビリティ中京TOM\'S 320 TGR-DC)

決勝5位はケイレン・フレデリック(Pilot ONE Racing with B-MAX)

決勝6位は小出峻(HFDP WITH B-MAX RACING)

マスタークラス優勝は清水康弘(GNSY 324)

優勝した野中誠太(TOM\'S)

表彰式

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Atsushi BESSHO
Yoshinori OHNISHI

SUPER FORMULA

第8戦鈴鹿公式予選 太田格之進が快晴の鈴鹿で初ポールポジションを獲得

ポールポジションを獲得した太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)

 全日本スーパーフォーミュラ選手権第8戦「JAF鈴鹿グランプリ」の予選が、11月9日、三重県・鈴鹿サーキットで行われ、太田格之進(DOCOMO DANDELION M6Y SF23)が、キャリア初のポールポジションを獲得した。

 2レース制となる今大会の初日。鈴鹿サーキットは朝から秋晴れとなった。日差しが照りつけるなか、午前9時5分から予選が行われた。

■Q1 Aグループ

 ユーズドタイヤで1周した後、ニュータイヤに履き替え、ウォームアップから各車アタックに入った。

 阪口晴南(VERTEX CERUMO・INGING SF23)1分37秒247、岩佐歩夢(Red Bull MOTUL MUGEN SF23)1分37秒106とトップタイムが塗り替えられるなか、逆転チャンピオンを狙う牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF23)が1分36秒786と唯一36秒台に入れてトップに立った。

 今大会でスーパーフォーミュラ引退を発表している山本尚貴(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)が、最後に2位に食い込む1分37秒084をマークして締めくくった。

 順位:牧野-山本-岩佐-阪口-笹原-福住/国本-小高-三宅-大津

■Q1 Bグループ

 Aグループ同様に、ユーズドで1周した後にニュータイヤに履き替えアタックに入った。

 ところが、5番目にアタックラップに入った木村偉織(San-Ei Gen with B-Max SF23)が、NOPPOコーナーでコントロールを失い、コースアウト。グラベルに捕まってしまったため、赤旗が提示され予選は中断となった。

 残り3分として再開された予選だが、この中断が大きく響いたのが、ランキング3位の野尻智紀(Red Bull MOTUL MUGEN SF23)。コース前半でタイムが伸びず、まさかのQ1敗退となってしまった。

 短い予選時間をうまくまとめたのは、シリーズリーダーの坪井翔(VANTELIN TOM'S SF23)。1分36秒台に入れ、太田格之進(DOCOMO DANDELION M6Y SF23)、佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)を抑えて、グループトップでQ2に進んだ。

 順位:坪井-太田-佐藤-山下-大湯-大嶋/野尻-小林-平良-Juju-木村

■Q2

 山本、佐藤のPONOS NAKAJIMA RACINGコンビが、真っ先にコースイン。ゆっくりとタイヤを温める。

 最初にアタックに入ったのは岩佐。後から続く、牧野、坪井らのポール候補を上回るタイムで、各セクタータイムを刻んでいき、1分36秒335をマーク。牧野は1分36秒593、坪井は1分36秒707と届かず。流れは完全に岩佐の今季二度目のポール奪取に傾いた。

 しかし、その後にコントロールラインを通過した太田格之進(DOCOMO DANDELION M6Y SF23)が、1分36秒094で岩佐を逆転。自身初のポールポジションを手に入れた。

 前大会の富士でも惜しいところでポールを逃していた太田は「やっと取れたという感じですね」と笑顔を見せた。

 順位:太田-岩佐-佐藤-牧野-坪井-山本-阪口-福住-大湯-笹原-大嶋-山下

 今大会の1レース目、第8戦の決勝は、本日午後2時30分から31周で行われる。

ポールポジションは太田格之進(DOCOMO DANDELION M6Y SF23)

予選2位は岩佐歩夢(Red Bull MOTUL MUGEN SF23)

予選3位は佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)

予選4位は牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF23)

予選5位は坪井翔(VANTELIN TOM\'S SF23)

予選6位は山本尚貴(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)

予選4位の牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)

予選6位の山本尚貴(PONOS NAKAJIMA RACING)

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Astushi BESSHO

SUPER FORMULA LIGHTS

第16、17戦鈴鹿公式予選 トムスの野中誠太、中村仁がポールポジションを獲得、Mクラスは清水康弘がWポール

第16戦ポールポジション、第17戦予選3位の野中誠太(PONOS Racing TOM\'S 320 TGR-DC)

第16戦予選3位、第17戦ポールポジションの中村仁(モビリティ中京TOM\'S 320 TGR-DC)

 全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第16戦、第17戦の公式予選が、11月9日、鈴鹿サーキットで行われ、第16戦は野中誠太(PONOS Racing TOM'S 320 TGR-DC)、第17戦は中村仁(モビリティ中京 TOM'S 320 TGR-DC)と、両レースともトムス勢がポールポジションを獲得した。

 マスタークラスは、清水康弘(GNSY 324)が、両レースともクラスポールを奪った。

 木、金曜日に行われた練習走行では、第11戦以来、優勝から遠のいているトムス勢が好調。木曜の走行では中村仁(モビリティ中京 TOM'S 320 TGR-DC)、金曜日1回目の走行は野中誠太(PONOS Racing TOM'S 320 TGR-DC)がトップタイムをマーク。また、まだ未勝利の荒尾創大(HFDP WITH TODA RACING)が金曜日2回目でトップを奪った。

 ポイントで大きくリードし、今大会でチャンピオン決定が濃厚の小出峻(HFDP WITH B-MAX RACING)は、やや出遅れた感じだ。

第16戦公式予選

 快晴のもと始まった第16戦の予選は、午前9時5分から10分間で行われ、真っ先にコースインした小出に、野中、ケイレン・フレデリック(Pilot ONE Racing with B-MAX)、小林利徠斗(モビリティ中京 TOM'S 320 TGR-DC)が続いた。

 3周のウォームアップの後、各車アタックに入るが、練習走行で好調のトムス勢がやはり速く、野中1分51秒305、古谷悠河(Deloitte. HTP TOM'S 320)1分51秒309、中村1分51秒613がタイミングボードの上位に名を連ねる。小出は渾身のアタックをするも4番手。

 終了間際に、荒尾が51秒367で2位に食い込み、古谷はコース外走行でベストタイム抹消になってしまう。

 結果、ランキング2位の野中がポールを奪い、荒尾がフロントローに並んだ。2列目には中村と小出。トヨタとホンダの育成ドライバーが二人ずつ並ぶことになった。

 マスタークラスは、練習走行から好調の清水が1分54秒011と抜き出たタイムで、クラスポールポジションを獲得。チャンピオン最右翼のDRAGON(TEAM DRAGON 324)は2位につけるも1分55秒824と、タイムでは大きく水を開けられることになった。

第17戦公式予選

 10分間のインターバルを経て始まった第17戦予選では、小出が巻き返し1分51秒029と、最初に1分51秒054をマークしていた野中を100分の3秒上回り、トップに立った。

 この後、小林1分51秒094、荒尾1分51秒129とトップに迫るが届かず、これで決まりかと思われた終了間際。最後にアタックをかけていた中村が1分51秒009と、小出を100分の2秒上回り、最後の最後でポールを決めた。

 中村、小出、野中、小林と2列目まで並んだトップ4のタイム差は、0.1秒以内の超僅差だった。

 マスタークラスは、清水が1分53秒663と第16戦のタイムを上回り、2位の藤原誠(TEAM DRAGON 324)を1.4秒引き離す好タイムで連続ポールを奪った。

 第16戦決勝は、本日午後0時25分から17周で、第17、18戦の決勝は、明日10日の午前8時20分、午後0時25分からそれぞれ12周で行われる。

第16戦予選2位、第17戦予選5位の荒尾創大(HFDP WITH TODA RACING)

第16戦予選4位、第17戦予選3位の小出峻(HFDP WITH B-MAX RACING)

第16戦、第17戦ともマスタークラスポールポジションの清水康弘(GNSY 324)

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Atsushi BESSHO

SUPER FORMULA

山本尚貴選手、SF引退会見「中嶋監督に背中を押してもらった」

 2024シーズンをもって、スーパーフォーミュラ(SF)からの引退を表明した山本尚貴選手の会見が、11月8日に鈴鹿サーキットで行われた。

 フォーミュラ・ニッポン時代から、15年という長きに渡ってトップフォーミュラに参戦し続けた山本。その間、チャンピオンに輝くこと3回(2013、2018、2020年)。まず、そのキャリアを振り返った。

 「15年間、多くの人に支えられたことを感謝しています。体感的には短く感じているというのが正直なところです。望めば誰もが乗れるものでもなく、乗り続けられるものでもないので、改めて幸せだったと思います。プロの世界ですので、乗り続けるためには結果が求められますが、チャンピオンを取り、良いレースを重ねたことが15年に繋がっていると思います。それは、自分ひとりの力ではなく、監督、エンジニア、メカニック、マネージャーが支えてくれ、ライバルが奮い立たせてくれたからだと思い、感謝しています」

 「思い出深いレースは、3回のチャンピオンを決めたレースですが、いつもぎりぎりでのチャンピオン獲得でしたので、ドラマもあり皆さんの記憶に残すことができたように思います。あとは22年に中嶋レーシングに戻って、雨で勝ったもてぎのレースですね。なかなか地元でなかなか勝てませんでしたので。強いて言えば、2013年の最初のタイトルを取ったレースですね。チャンピオンを取ったことで、プロとしての自覚が芽生えたと思います。」

 そして、肝心のフォーミュラからの引退を決めたき理由は、さまざまあるものの、そのきかっけは中嶋監督からの言葉だったという。

 「引退の理由ですが、ずっと思わしくない結果が続いていて、チームメイトに負けることが多くなってきました。自信を失ったわけではありませんが、自分が求めているものや、周りからの期待との乖離があるというのは感じていました。この成績でなぜ乗せてくれるんだろうという思いや、チーム、スポンサーの期待に応えられないことに対する苦しい思いを抱くという状況が続いていました」

 「それが決めてかというと、正直違っていて、実は、(そんな状況のなか)中嶋監督から今年で退くのはどうだ、という話をいただきました。それは自分の身体のことを考えてくれた言葉でした。これから先の長い人生を考えてくれて、これ以上つらい思いをしてほしくないという優しい気持ちからでした。中嶋レーシングに復帰したときに、スタートで関わったこのチームで終わりたいと、ホンダにもお願いをしていましたし、自ら引き際を決められない自分の背中を押してもらったように思います。それで決断しました」

 自分で決断したことではあるものの、フォーミュラを辞めることに、やはり心残りはあるという。

 「未練がないと言えば嘘になります。15年間繰り返してきたことの(SFとGTの)片方がなくなる。いや、三分の二がなくなるという感覚ですし、毎年、覚悟を持ってやってきました。悔しいというよりは、寂しいというのが本音です。引退を公表してから、SNSで多くの人からコメントをもらって、こんなにたくさんの人に応援してもらっていたんだというのを再認識しました」

 「92年に鈴鹿でアイルトン・セナを見て、レーサーになりたいと思い、初のポールも鈴鹿でしたし、人生を導いてくれたのも鈴鹿という気がします。そして、最後が鈴鹿というのも縁だと思います」。

 最後は、自分を育ててくれた鈴鹿サーキットへの思いを語った山本。フォーミュラ引退に未練はあるというものの、会見の間、しんみりすることはなかった。そして、「最後は勝ち逃げできたら最高ですね」と笑った。

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Atsushi BESSHO

SUPER FORMULA

第8戦鈴鹿公式予選 Q1グループ分け

明日9日(土)午前9時5分から行われるノックアウト方式の予選Q1のグループ分けは、以下のとおり。各グループの上位6台がQ2に進み、その12台はQ2の順位でグリッドが決定する。

Group A(10台)
No.4 小高一斗(REALIZE Corporation KONDO SF23)
No.5 牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF23)
No.8 福住仁嶺(Kids com KCMG Elyse SF23)
No.12 三宅淳詞(ThreeBond Drago CORSE SF23)
No.15 岩佐歩夢(Red Bull MOTUL MUGEN SF23)
No.20 国本雄資(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF23)
No.37 笹原右京(VANTELIN TOM'S SF23)
No.38 阪口晴南(VERTEX CERUMO・INGING SF23)
No.55 大津弘樹(TGM Grand Prix SF23)
No.64 山本尚貴(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)

Group B(11台)
No.3 山下健太(REALIZE Corporation KONDO SF23)
No.6 太田格之進(DOCOMO DANDELION M6Y SF23)
No.7 小林可夢偉(Kids com KCMG Cayman SF23)
No.14 大嶋和也(docomo business ROOKIE SF23)
No.16 野尻智紀(Red Bull MOTUL MUGEN SF23)
No.19 平良 響(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF23)
No.36 坪井 翔(VANTELIN TOM'S SF23)
No.39 大湯都史樹(VERTEX CERUMO・INGING SF23)
No.50 木村偉織(San-Ei Gen with B-Max SF23)
No.53 Juju(TGM Grand Prix SF23)
No.65 佐藤 蓮(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)

SUPER FORMULA

第8,9戦鈴鹿フリー走行 引退表明の山本尚貴がトップタイム

フリー走行:トップタイムは山本尚貴(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)

 11月8日、全日本スーパーフォーミュラ選手権第8,9戦「JAF鈴鹿グランプリ」のフリー走行が、三重県・鈴鹿サーキット行われ、今大会で引退を表明している山本尚貴(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)がトップタイムをマークした。

 今シーズンの最終大会となる今大会。富士大会に続いて2レース制となっており、これがタイトル争いにどう影響し、どう動くのか、注目される。

 現在のランキング上位は、富士大会で連勝を遂げたシーズン3勝の坪井翔(VANTELIN TOM'S SF23)86.5p、2勝の牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF23)72p、同じく2勝の野尻智紀(Red Bull MOTUL MUGEN SF23)70p、1勝の岩佐歩夢(Red Bull MOTUL MUGEN SF23)55.5pと続いている。

 なお、ITOCHU ENEX TEAM IMPULの19号車は、前大会アグレッシブな走りを見せたニック・デ・フリースから、事前にアナウンスのあったとおり平良響がドライブする。

 気温はやや低いが、秋晴れとなった金曜日、予選前、唯一の走行となる90分間のフリー走行が、午後2時25分から始まった。予選を占う上で重要なセッションだ。

 開始30分時点で1番手、2番手に並んだのは、佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)(1分39秒509)と、今大会限りでSF引退を表明している山本(1分39秒692)のPONOS NAKAJIMA RACINGの二人。

 3番手以下は、福住仁嶺(Kids com KCMG Elyse SF23)、チャンピオン最右翼の坪井翔(VANTELIN TOM'S SF23)、逆転チャンピオンを狙う牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF23)、笹原右京(VANTELIN TOM'S SF23)と続いている。

 折り返しとなる45分経過時点では、ルーキーの木村偉織(San-Ei Gen with B-Max SF23)1分38秒831でトップに上がってきた。これに、タイムアップした山本1分39秒239、走行前「予選が重要」と語っていた野尻1分39秒455、山下健太(REALIZE Corporation KONDO SF23)、佐藤、阪口晴南(VERTEX CERUMO・INGING SF23)が続く。

 この後、岩佐歩夢(Red Bull MOTUL MUGEN SF23)、山本が、僅かに木村を上回り、1時間経過時の順位は、岩佐-山本-木村-牧野-野尻-山下健太(REALIZE Corporation KONDO SF23)となっているが、開幕大会では1分36秒台が出ているので、タイムとしてはまだまだだ。

 残り20分で、ここまで12番手の三宅淳詞(ThreeBond Drago CORSE SF23)が2コーナーでスピン、コースオフ。エンジンが止まってしまい赤旗が提示され走行は中断。

 残り10分で再開されると、ここからは各車予選モード。

 そして、最後のアタックでトップに出たのは山本。引退を表明しているとは思えない走りで1分37秒360のトップタイムをマークした。

 以下、僅差で岩佐、牧野、佐藤、山下、坪井、野尻、福住と続き、タイトルを争う選手は、しっかりと上位につけた。

 明日、第8戦の予選は、午前9時5分から行われる。

フリー走行:2位は岩佐歩夢(Red Bull MOTUL MUGEN SF23)

フリー走行:3位は牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF23)

フリー走行:4位は佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)

フリー走行:5位は山下健太(REALIZE Corporation KONDO SF23)

フリー走行:6位は坪井翔(VANTELIN TOM\'S SF23)

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Atsushi BESSHO

SUPER FORMULA

第8,9戦鈴鹿 チャンピオン候補の三人が意気込みを語る

 11月8日、2024シーズンのスーパーフォーミュラ(SF)をリードしてきた坪井翔、牧野任祐、野尻智紀のランキングトップ3が会見を行い、今大会にかける意気込みを語った。

 2021、2022年と過去2度王者となっているランキング3位の野尻に対して、坪井と牧野はSUPER GTでのチャンピオン経験はあるものの、SFでのタイトル争いに残るのは初の経験。最終大会は2レース制ということもあり、結果次第では大きく順位が変動する可能性もある。三者三様の思いを語った。

坪井 翔(VANTELIN TOM'S SF23)

 「チーム移籍で環境の変化があり、今まで以上に気合いを入れて臨んだシーズンでした。開幕はノーポイントで厳しいスタートでしたが、そこからは尻上がりに良くなっていきました。ポイントリーダーでここまで来ることができ、流れとしてはすごく良いと思います。ただ、2レースあるので、マージンはあるようでありませんので、チャンピオンを意識しながら勝ちきりたいと思います。天気が微妙なので、臨機応変に対応することが大事ですね」

牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF23)

 「今年、6シーズン目で初優勝して殻を破ることができました。その後も高いレベルでレースができ、チャンピオン争いをしていますので、キャリアハイのシーズンを送ることができています。GTも一応チャンピオン争いに残っていますし。過去ダンディライアンの村岡さんは、ダブルタイトルをもたらしていますので、ひょっとしてWタイトル請負人ではないかと(笑)。まずは予選ですね。予選のポイントは意外にでかいというのを改めて感じています。一発を出す準備をフリー走行でできたらと思います」

野尻智紀(Red Bull MOTUL MUGEN SF23)

 「坪井選手とは対照的に、優勝から始まり素晴らしいスタートダッシュを切れましたが、シーズンが進むにつれ調子を崩すかたちになって、ポイント差をつけられてしまいました。チームとしてパフォーマンスを上げることに注力して、いつも以上に優勝するという気持ちを強く持って週末を過ごしたいと思います。二人は非常に手強いですが、それだけに二人に勝ってチャンピオンを取ることができれば、より価値は高いものなると思っていますので楽しみです。まずは予選でポイントをしっかり取りにいかないといけにですね。フリー走行は自分たちの力をどれだけ出せるかの土台づくりだと思っています」

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Atsushi BESSHO

SUPER GT

第8戦もてぎ決勝 GT300クラスはJLOC Lamborghini GT3が17番グリッドから優勝を飾る

GT300クラスの表彰式:優勝した小暮卓史/元嶋佑弥組(JLOC)

 2024オートバックスSUPER GT第8戦「MOTEGI GT 300km RACE」の決勝が、9月22日、、栃木県・モビリティリゾートもてぎで行われ、GT300クラスは、JLOC Lamborghini GT3(小暮卓史/元嶋佑弥)が、17番グリッドから怒涛の追い上げを見せ、34周目にトップに立つとそのまま逃げ切って、今季3勝目を飾った。

 2位はランキングトップのLEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/篠原拓朗)、3位には今季初表彰台のUPGARAGE NSX GT3(小林崇志/小出峻)が入った。

 予選日は終日雨に祟られたが、決勝日は秋晴れのレース日和となった。SUPER GTシリーズにとっては久しぶりの快晴の下でのレースとなった。

GT300クラスのスタートシーン

 午後1時に300km先のゴールに向け63周(GT500クラス対象)のレースがスタート。

 序盤は、ポールスタートの31号車apr LC500h GT(中村仁)が逃げ、7号車Studie BMW M4(荒聖治)、65号車LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥)、61号車SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人)、18号車UPGARAGE NSX GT3(小出峻)と、上位グリッドスタートの車両が順当にトップグループを形成する。

 ここに、後方スタートから一気に上がってきたのが、88号車JLOC Lamborghini GT3(元嶋佑弥)。17番グリッドから、5周目に早くも9位に上がると、その後もペースを緩めることなく、11周目には同じランボルギーニの87号車METALIVE S Lamborghini GT3(坂口夏月)を抜き、6位にまで上がってきた。

 規定の三分の一を過ぎた19周目から、続々とピットインが始まるが、88号車JLOC(小暮卓史)は、全車がピットインを終えた27周目には、何と3位にまで浮上。それもトップ31号車apr(中村仁)と65号車LEON(篠原拓朗)が手の届くところまで迫った。

 88号車JLOCの勢いは、その後も衰えることなく、ライバル勢をラップタイムで約2秒上回るという速さで、31周目には65号車LEONを、34周目にはついに31号車aprを捕らえトップに躍り出た。

 トップの座を譲ることになった31号車aprは、38周目に65号車LEON、47周目に18号車UPGARAGE(小林崇志)にも抜かれて4位に落ちると、49周目にはGT500クラスの競り合いに巻き込まれコースオフ。大きく順位を落としてしまった。

 レースは、終盤も快調なペースで飛ばした88号車JLOCが、今季3勝目となるチェッカーを受け、65号車LEON、18号車UPGARAGEが続いた。

 これで、ドライバーズタイトル争いは、今回2位の65号車LEON(84p)、優勝の88号車JLOC(73p)のいずれかがチャンピオンになる可能性が濃厚となり、12月8日に鈴鹿サーキットで行われる最終大会で決着することとなった。

 なお、ランキング2位につけていた、2号車muta Racing GR86 GT(堤優威/平良響)は、16番グリッドからタイヤ無交換作戦で追い上げを図ったが、13位でまで順位を上げるのがやっとで、ポイントには届かなかった(64p)。最終大会で予選3位以内、かつ優勝が条件とはなるが、65号車、88号車の結果次第ではタイトル獲得の可能性が僅かに残されている。

GT300クラス:VENTENY Lamborghini GT3とUPGARAGE NSX GT3の争い

GT300クラス優勝はVENTENY Lamborghini GT3(小暮卓史/元嶋佑弥)

GT300クラス決勝2位はLEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/篠原拓朗)

GT300クラス決勝3位はUPGARAGE NSX GT3(小林崇志/小出峻)

GT300クラスで優勝した小暮卓史/元嶋佑弥組(JLOC)

GT300クラスの表彰式

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOINE

F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP (FIA-F4)

第14戦もてぎ決勝 Cクラスは野村勇⽃、IクラスはDRAGONがともにポールtoウィン

チャンピオンクラスで優勝した野村勇斗(HFDP WITH B-max Racing Team)

インデペンデントクラスで優勝したDRAGON(B-MAX RACING TEAM)

 11月3日、2024FIA-F4選手権シリーズの第14戦が、栃木県・モビリティリゾートもてぎで行われ、チャンピオンクラスは、ポールスタートの野村勇⽃(HFDP with B-Max Racing)が逃げ切って、今大会完全制覇の3連勝。インディペンデントクラスは、同じくポールスタートのDRAGON(B-MAX TEAM DRAGON)が今大会2勝目を飾った。

 土曜日の天候が嘘のように、モビリティリゾートもてぎ上空は晴れ渡り、ようやくレース日和といえる天候となった。

 決勝グリッドは、昨日行われた第11戦の決勝中のベストラップで決定され、チャンピオンクラスは、今大会2連勝の野村とチームメイトの洞地がフロントローに並び、インディペンデントクラスは、今大会1勝ずつ挙げているDRAGONと今田が1、2番グリッドとなった。

決勝がスタートした

■チャンピオンクラス

 レースは、野村が好スタートからトップを守り、洞地遼⼤(HFDP with B-Max Racing)と新原光太郎(YBS Verve 影⼭ MCS4)が激しく2位を争う形で幕を開けた。一旦は洞地が前に出るも、ビクトリーコーナーで新原が逆転して、野村、新原、洞地、佐野雄城(TGR-DC RS F4)⼤宮賢⼈(PONOS RACING MCS4)⼘部和久(TGR-DC RS F4)の順で1周目を終えた。

 2周目にインディペンデントクラスの車両がコースオフしたことで、セーフティカー(SC)が入るが、4周終了時に解除され、リスタート。野村の背後に新原がつけ、2台がやや抜け出し好バトルが期待された。

 しかし、5周目の3コーナーで、6位を走行していた卜部が突然コントロールを失い、もんどり打ってグラベルで激しく横転してしまった。原因は足回りのトラブルのようだが、これで再びSCが入った。

 車両の回収に時間がかかり、規定の30分が近づくなかSCランは続き、解除されたときには残り時間が2分を切っており、1周の超スプリントレースで再開された。

 トップ野村、2位新原の順位は変わらずだったが、最後の1コーナー進入で、佐野が洞地をかわして3位に上がり、このオーダーのままフィニッシュを迎えた。

 今大会3連勝を決めた野村は、シリーズポイントを193とし、ランキング2位の洞地に41点差をつけて、最後の鈴鹿大会に臨むことになった。

チャンピオンクラス優勝は野村勇斗(HFDP with B-Max Racing)

チャンピオンクラス決勝2位は新原光太郎(YBS Verve影⼭MCS4)

チャンピオンクラス決勝3位は佐野雄城(TGR-DC RS F4)

チャンピオンクラスの表彰式

■インディペンデントクラス

 スタートで今⽥信宏(JMS RACING with B-MAX)がトップに出て、チャンピオンクラスのマシン2台を挟んで、DRAGONが追うという展開になった。

 今田が絶対優位に立っていたが、「慎重さに欠けてしまった」と、2周目の3コーナーでリアタイヤをロックさせコースオフ。グラベルに捕まってしまい万事休すとなった。

 これでトップに立ったDRAGONを筆頭に、植⽥正幸(Rn-sports MCS4)、IKARI(Bionic Jack Racing )と続き、SCランとなった。

 その後もアクシデントで再度のSCランとなるが、上位陣の順位は変わらずフィニッシュを迎え、DRAGONが今大会2勝目、シーズン5勝目を飾った。

 今田もコース復帰して完走はしたものの、ポイントは加算できず。二人のタイトル争いは、再びDRAGONがランキングトップに出て187ポイント、163.5ポイントの今田は、2レースを残してかなり苦しい状況となった。

※ポイントは手元集計です。

インデペンデントクラス優勝はDRAGON(B-MAX TEAM DRAGON)

インデペンデントクラス決勝2位は植田正幸(Rn-sports MCS4)

インデペンデントクラス決勝3位はIKARI(Bionic Jack Racing)

インディペンデントクラスの表彰式

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOINE

SUPER GT

第8戦もてぎ予選 降り続く雨のなか、GT300クラスはapr LC500h GTが小高一斗の手によりポール獲得

GT300クラスポールポジションはapr LC500h GT(小高一斗/中村仁)

 2024オートバックスSUPER GT第8戦「MOTEGI GT 300km RACE」の予選が、栃木県・モビリティリゾートもてぎで行われ、GT300クラスは、apr LC500h GT(小高一斗/中村仁)が、ポールポジションを獲得した。

 朝から降り続く雨は、時折、雨足が強くなったりするものの、走行が不可能となるまでコンディションは悪化せず、予定どおり午後2時からGT300クラスの予選が始まった。

 ウェット宣言が出されたため、Q1、Q2の合算タイムではなく、ノックダウン方式により順位が決定されることとなり、各チームはまずQ1で上位14台に残ることを目標に予選に臨んだ。

Q1

 やや雨足が強くなるなか、各車コースイン。ウェットコンディションで優位に立つミシュランタイヤユーザーの7号車Studie BMW M4(荒聖治)と45号車PONOS FERRARI 296(ケイ・コッツォリーノ)の2台が中心となって、アタックが行われた。

 開始10分で7号車Studieが2分00秒193をマークしてトップに立つも、45号車PONOSが1分58秒352と逆転するが、この後、雨が強くなり予選は一旦中断。

 コンディションが改善された20分後に再開すると、現在ランキングトップの65号車 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥)、52号車Green Brave GR Supra GT(吉田広樹)のブリヂストンユーザーがトップ2台に割って入り、この4台がトップ4。

 このQ1で14位までが、Q2上位組(U14)に進むが、現在ランキング2、3位の2号車muta Racing GR86 GT(平良響)、88号車JLOC Lamborghini GT3(元嶋佑弥)は、下位に沈んでしまい、Q2下位組(L15)に回ることになった。

Q2(L15)

 Q1で15位以下になった車両によるグリッド決めの予選では、20号車シェイドレーシング GR86 GT(平中克幸)が、1分59秒532のトップタイムを記録。終了間際にランキング2位の意地を見せた2号車muta GR86(堤優威)が続き、86勢が15番、16番グリッドを得た。

 88号車JLOC Lambo GT3(小暮卓史)も最後に2分00秒943をマークして、17番グリッドに滑り込んだ。

Q2(U14)

 上位14台によるポールポジション争いは、トップが目まぐるしく変わる1分57秒台の攻防になり、見応えのあるものとなった。

 まず、61号車SUBARU BRZ R&D SPORT(山内英輝)が、1分58秒068でトップに立ち、口火を切ると、65号車LEON AMG(篠原拓朗)が1分58秒010でトップタイムを更新。さらにLEONは1分57秒954までタイムを縮め、他車のアタックを待つことになった。

 残り時間も僅かとなったところで、7号車Studie BMW(ニクラス・クルッテン)が1分57秒479と、トップタイムをコンマ5秒も更新し、これで決まりかと思われた。しかし、最後の最後に31号車apr LC500h GT(小高一斗)が、スーパーフォーミュラドライバーの実力を見せ、Q1の13位から大躍進となるポールポジションを決めた。

 Q1をトップで通過した45号車PONOS FERRARIは、女性ドライバー、リル・ワドゥーが大健闘。6番グリッドを得ることに成功した。

 決勝は、明日、3日(日)の午後13時から63周(300km)で行われる。

GT300クラスポールポジションはapr LC500h GT(小高一斗/中村仁)

GT300クラス予選2位はStudie BMW M4(荒聖治/ニコラス・クルッテン)

GT300クラス予選3位はUPGARAGE NSX GT3(小林崇志/小出峻)

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOINE

F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP (FIA-F4)

第13戦もてぎ決勝 Cクラスは野村勇⽃が連勝、Iクラスは今⽥信宏がポールtoウィン

両クラスのウイナー、野村勇斗と今田信宏(B-max Racing Team)

 11月2日、2024FIA-F4選手権シリーズの第13戦が、栃木県・モビリティリゾートもてぎで行われ、チャンピオンクラスは、スタートでトップに立った野村勇⽃(HFDP with B-Max Racing)が午前中のレースに続いて連勝、インディペンデントクラスは、ポールスタートの今⽥信宏(JMS RACING with B-MAX)が優勝を飾った。

決勝がスタートした

 雨は降り続いているものの、雨量が若干少なくなるなか、午後0時40分にスタートを迎えた。

■チャンピオンクラス

 ポールポジションの洞地遼⼤(HFDP with B-Max Racing)は、ホイールスピンで出遅れてしまい、好スタートを決めた野村と新原光太郎(YBS Verve 影⼭ MCS4)が先行してレースが始まった。以下、洞地、⼤宮賢⼈(PONOS RACING MCS4)、⽩崎稜(Bionic Jack Racing)、⼘部和久(TGR-DC RS F4)と続いて1周目を終えた。

 トップグループは水煙を上げ、視界の悪いなかで縦に並ぶ形でレースは進むが、トップ野村のペースがやや抜き出ており、コンマ数秒ずつ2位の新原を引き離していく。

 4周目のビクトリーコーナーで、中団を走っていた佐藤凛太郎(PONOS RACING MCS4)と清⽔啓伸(Drago CORSE MCS4-24)が絡み、これに巻き込まれた森⼭冬星(HELM MOTORSPORTS F4)がストップしてしまい、セーフティカー(SC)が導入される。

 7周終了時にSCランが解除されるが、今度は熊⾕憲太(OTG DL F4CHALLENGE)がヘアピンでコースオフしてグラベルに捕まり、再びSCランとなる。

 10周終了時にリスタートしても、トップ野村の速さは衰えることなく、2位新原とのギャップを広げつつ、今季5勝目のチェッカーを受けた。なお、レースは規定の30分を経過したため、12周でチェッカーとなった。

 終盤白熱した、⼘部、梅垣清(TGR-DC RS F4)、白崎による5位争いは、卜部が逃げ切った。

 今大会2勝目の野村は、前大会から3連勝。シリーズポイントを168ポイントとし、ランキング2位の洞地との差を28ポイントに広げ、3レースを残してかなり優位に立つことになった。

チャンピオンクラス優勝は野村勇斗(HFDP with B-Max Racing)

チャンピンクラス決勝2位は新原光太郎(YBS Verve影⼭MCS4)

チャンピンクラス決勝3位は洞地遼⼤(HFDP with B-Max Racing)

トップでゴールする野村勇斗(HFDP with B-Max Racing)

チャンピオンクラスで優勝した野村勇斗(HFDP WITH B-max Racing Team)

チャンピオンクラスの表彰式

■インディペンデントクラス

 1周目にトップに立ったのDRAGON(B-MAX TEAM DRAGON)が、ポールスタートの今田を従えて周回を重ね、少し離れてKEN ALEX(BUZZ RACING)が続く展開でレースは進んだ。

 ところが、1回目のSC導入がDRAGONにとって、思わぬ落とし穴になってしまった。SCランが解除された8周目に「周りのクルマを気にしすぎた」と、5コーナーでスピンを喫し、大きく順位を落としてしまった。

 これでトップに立った今田が、間にチャンピオンクラスのマシンを挟んで、2位の鳥羽豊(HELM MOTORSPORTS F4)に5秒という大差をつけて、今季5勝目のチェッカーを受けた。3位は最終ラップに鳥羽にかわされたAREX。

 一時はポイント圏外に落ちてしまったDRAGONだが、最終ラップに意地のパッシングを見せて、7位フィニッシュ。貴重な6点を手にした。

 この結果、ランキング2位だった今田が163.5pで首位に立ち、悔しい結果となったDRAGONが162pと、二人がほぼ並ぶこととなった。

※ポイントは手元集計です。

インデペンデントクラス優勝は今田信宏(JMS RACING with B-MAX)

インデペンデントクラス決勝2位は鳥羽豊(HELM MOTORSPORTS F4)

インデペンデントクラス決勝3位はケン・アレックス(BUZZ RACING)

インディペンデントクラスの表彰式

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOINE

SUPER GT

第8戦もてぎ公式練習 悪天候のなか、GT300クラスはD'station Vantage GT3がトップタイム

公式練習:GT300クラストップタイムはD\'station Vantage GT3(藤井誠暢/チャーリー・ファグ)

 2024オートバックスSUPER GT第8戦「MOTEGI GT 300km RACE」の公式練習が、栃木県・モビリティリゾートもてぎで行われ、雨のなか、GT300クラスは777号車D'station Vantage GT3(藤井誠暢/チャーリー・ファグ)がトップタイムをマークした。

 第5戦鈴鹿大会の延期決定以来、悪天候続きのSUPER GTシリーズだが、今大会も金曜日の夜から降り出した雨で、予選日(土曜日)は冷たい雨が降り続くこととなった。

 午前9時から行われた公式練習は、ヘビーウェットのコンディションのなか、最初に25号車HOPPY Schatz GR Supra GTがトラブルでストップして赤旗中断となると、その後もスピンやコースオフする車両が続出し、走っては赤旗提示による中断を繰り返すという状況となった。

 そんな悪コンディションのなか、トップタイムをマークしたのは、777号車D'station。ピットインを繰り返しながら1分58秒457を記録。現在ランキング4位、トップと20p差のD'stationにとっては、今大会の結果次第では逆転チャンピオンとなる可能性を残している。

 2番手は、1分59秒107をマークした6号車UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARI(ロベルト・メリ・ムンタン)。前大会でも雨の予選でポールを奪っているが、連続ポールを狙いたいところだ。

 3番手は、65号車LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥)(1分59秒705)。現在ランキングトップのLEONは、コンディションにかかわらず安定した速さを見せており、3勝目を飾って最終大会(鈴鹿)を迎えたいところだ。

 以下、18号車UPGARAGE NSX GT3(小出峻)、60号車Syntium LMcorsa GR Supra GT(吉本大樹)、96号車K-tunes RC F GT3(新田守男)と続いた。

 予選は、本日午後2時から、ノックアウト方式で行われる予定だが、午後には雨が強くなる予報も出ている。天候が悪化した場合は、公式練習のタイムによりグリッドを決定する可能性もあるが、果たしてどうなるのか。

公式練習:GT300クラス2位はUNI-ROBO BLUEGRASS FERRARI(片山義章/ロベルト・メルヒ・ムンタン)

公式練習:GT300クラス3位はLEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/篠原拓朗)

Text: Shigeru KITAMICHI
Kazuhiro NOINE

F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP (FIA-F4)

第11戦もてぎ決勝 Cクラスは野村勇⽃、IクラスはDRAGON、ともに4勝目を飾る

チャンピオンクラス優勝は野村勇斗(HFDP with B-Max Racing)

インデペンデントクラス優勝はDRAGON(B-MAX TEAM DRAGON)

 11月2日、2024FIA-F4選手権シリーズの第11戦が、栃木県・モビリティリゾートもてぎで行われ、チャンピオンクラスは、3番手スタートの野村勇⽃(HFDP with B-Max Racing)が、インディペンデントクラスは、ポールスタートのDRAGON(B-MAX TEAM DRAGON)が優勝を飾った。

 前大会で中止として発表された第11戦は、急きょ今大会に組み込まれることになった。しかし、決勝の行われた土曜日はまたしても雨。夜半から降り続いた雨でコースは完全ウェットとなり、早々にウェット宣言が出された。

■チャンピオンクラス

 雨も小降りになりスタンディングスタートでレースが始まった。ポールポジションの洞地遼⼤(HFDP with B-Max Racing)は出遅れ、2番手スタートの新原光太郎(YBS Verve 影⼭ MCS4)、野村、洞地のオーダーで1〜2コーナをクリア。

 新原と野村は、各コーナーで順位を入れ替えながら激しい攻防を見せるが、V字コーナーで野村がトップに出て決着。続くヘアピンコーナーでは洞地も新原を捕らえ2位に上がる。

 新原は「セッティングがまったく合っていなかった」と、ペースが上がらず、徐々に順位を落としてしまう。逆に、8番手スタートの佐野雄城(TGR-DC RS F4)が、悪コンディションのなか3位まで上がってきた。

 2周目にインディペンデントクラスのKENTARO(Baum Field F4)がビクトリーコーナーの立ち上がりでコントロールを失いストップ。これでセーフティカー(SC)が導入される。

 このSCランの間に雨が強くなりコンディションは悪化。7周終了時にSCランは解除されるが、この周にまたしてもコースアウトした車両があり、再びSCランになってしまった。

 結局、レースはSC先導のまま、規定の30分が経過しフィニッシュを迎えることになった。

 優勝を飾ったランキングトップの野村は、今季4勝目。ポイントを143まで伸ばし、2位の洞地(125p)との差を18に広げた。

■インディペンデントクラス

 クラスポールスタートのDRAGONは、グリッド前車がエンジンストールを起こしたため、スタートダッシュすることができずに、2番手スタートの今⽥信宏(JMS RACING with B-MAX)に先行を許してしまう。しかし、3コーナーで即座にトップの座を奪い返すと、2位の今田との差を開いていく。

 後方では、5番手スタートのKEN ALEX(BUZZ RACING)らが接触して、スピンをするなど、荒れ模様のオープニングラップとなった。

 以降は2度のSCランで、大きな順位変動はなく、DRAGON、今田、植⽥正幸(Rn-sports MCS4)と、経験豊富な選手が上位で順当にフィニッシュを迎えた。

 なお、3位でフィニッシュした鳥羽豊(HELM MOTORSPORTS F4)は、フォーメイションラップでスピンを犯したため、プラス10秒加算のペナルティを課され順位を落とし9位となった。

 2周目にランキング3位のKENTAROが脱落したことで、4勝目を飾ったランキングトップのDRAGON(156p)、同2位の今田(138.5p)がポイントを伸ばし、チャンピオン争いもこの二人に絞られつつある。

※ポイントは手元集計です。

レースがスタートした

レースは2回セーフティーカーが入った

レースは雨のなかで行われた

チャンピオンクラス決勝2位は洞地遼⼤(HFDP with B-Max Racing)

チャンピオンクラス決勝3位は佐野雄城(TGR-DC RS F4)

インデペンデントクラス決勝2位は今田信宏(JMS RACING with B-MAX)

インデペンデントクラス決勝3位は植田正幸(Rn-sports MCS4)

チャンピオンクラスの表彰式

インデペンデントクラスの表彰式

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOINE

F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP (FIA-F4)

第11戦、第13戦もてぎ公式予選 Cクラスは洞地遼⼤がWポール、IクラスはDRAGONと今⽥信宏がPPを分け合う

 11月1日、FIA-F4選手権第11、13戦の予選が、モビリティリゾートもてぎで行われ、チャンピオンクラスは洞地遼⼤(HFDP with B-Max Racing)が両レースともポールポジションを獲得。インディペンデントクラスは、DRAGON(B-MAX TEAM DRAGON)と今⽥信宏(JMS RACING with B-MAX)がポールポジションを分け合い、B-Maxチームがポールポジションを独占した。

 2週間前に悪天候で中止となった第11戦が、急きょ組み込まれることになり、今大会は3レースが開催されることとなった。決勝グリッドは、第11戦、第13戦は、予選のベストとセカンドタイムで決定され、第14戦のグリッドは第11戦決勝のベストラップタイムで決まる。

 予選日となった金曜日は天候に恵まれ、午後には雲が多くなったものの、完全なドライコンディションで、午後2時45分からチャンピオンクラス、インディペンデントクラスの順で、20分ずつの予選が行われた。

■チャンピオンクラス

 木、金曜日の練習走行から好調の新原光太郎(YBS Verve 影⼭ MCS4)、野村勇⽃(HFDP with B-Max Racing)、洞地、そして⽩崎稜(Bionic Jack Racing)の4者による激しいポールポジション争奪戦が繰り広げられた。

 4周目から始まった攻防は、まず野村が1分58秒414でトップに立つと、白崎が1分58秒051でトップタイムを更新。新原も1分58秒051で続くと、次の周には洞地が一気に57秒台にいれる1分57秒786でトップに立つという形で、各選手がタイムを削りながら順位を入れ替えていく。

 終盤には、新原が1分57秒779でトップに立つも、洞地が1分57秒713で再逆転するという、最後まで息つく暇もない攻防は、セカンドタイムも制した洞地が、ダブルポールという最高の形で締めくくった。

 第11戦のトップ4は、洞地-新原-野村-白崎、第13戦は洞地-野村-新原-白崎の順となった。

■インディペンデントクラス

 ゆっくりとコースインした今田とDRAGONが終始リードする形で予選が進んだ。

 最初にリードしたのは今田。練習走行では2日目にトラブルが出たものの、やや抜き出た速さを見せており、予選でも2分00秒665、00秒235と確実にタイムを縮めていき、自身の6周目に一気に1分59秒695までタイムアップを果たす。

 2分00秒台までは、KEN ALEX(BUZZ RACING)、KENTARO(Baum Field F4)も食い下がっていたが、2分を切ると今田に勝負を挑めたのはDRAGONのみ。

 DRAGONは、自身の8周目に今田を僅かに上回る1分59秒587をマークして逆転。第11戦のポールシッターの座を射止めた。2位は今田。3位には終了間際に2分切りを果たしたベテラン植⽥正幸(Rn-sports MCS4)がつけた。

 セカンドタイムで決まる第13戦のグリッドは、今田がポール、2位DRAGON、3位にはKENTAROが入り、フロントローは両レースともB-Maxチームが独占した。

 なお、終日雨予報となっている明日の決勝は、第11戦が午前8時15分から、第13戦が午後0時40分から行われる予定だ。天候が回復すると思われる日曜日には、午前8時40分から第14戦の決勝が行われる。

Text: Shigeru KITAMICHI

F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP (FIA-F4)

中止発表の第11戦はもてぎ大会での開催が決まる

オートポリス大会で悪天候のため中止と発表された第11戦だが、11月2~3日に行われるSUPER GTもてぎ大会において行われることになった。

これにより、FIA-F4選手権は残すところ、もてぎ3戦、鈴鹿2戦の計5戦。現時点ではHFDP with B-Max Racing Teamの野村勇斗(118p)、洞地遼大(107p)がランキングをリードし、清水啓伸(Drago CORSE)(87p)、佐野雄城(TGR-DC RS)(83p)が追っている。

スケジュールは、11/1(金)午後2時45分から予選が行われ、11/2(土)に決勝2レース(午前8時15分~、午後0時40分~)11/3(日)に決勝1レース(午前8時40分~)が行われる。

Text: Shigeru KITAMICHI

F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP (FIA-F4)

第12戦AP決勝 Cクラスは野村勇⽃が、IクラスはDRAGONがポールtoウィンで3勝目

優勝した野村勇斗(HFDP WITH B-max Racing Team)

 10月20日、2024FIA-F4選手権シリーズの第12戦が、大分県・オートポリスで行われ、チャンピオンクラスは、野村勇⽃(HFDP with B-Max Racing)が、インディペンデントクラスは、DRAGON(B-MAX TEAM DRAGON)が、ともにポール・トゥ・ウィンで優勝を飾った。

 当初、予選と第11戦決勝が行われる予定だった19日(土)は、悪天候ですべてのスケジュールがキャンセルされ、第11戦は中止となった。この日行われた第12戦も予選を行っていないため、グリッドは金曜日の練習走行の結果により決定された。

■チャンピオンクラス

 コースには、まだ乾ききっていないところもあり、セーフティカー(SC)先導でレースがスタート。3周終了時にSCランが解除され、実質のスタートを切った。

 4周目は、グリッド順に、野村、佐野雄城(TGR-DC RS F4)、洞地遼⼤(HFDP with B-Max Racing)、新原光太郎(YBS Verve 影⼭ MCS4)の順で戻ってくるが、5周目のジェットコースターストレート先の右コーナーで、3位の洞池がややオーバースピードではらんでしまい、新原に先行を許してしまった。

 以降は、トップ野村と2位佐野がやや抜け出し、やや離れて新原と洞池が競り合うという展開になった。

 最近は、上位カテゴリーのフォーミュラ・リージョナルにも参戦し、優勝を飾るなど経験を積んでいる佐野は、トップ野村の背後につけてプレッシャーをかけ続けるが、野村は動じず「ミスだけはしないように心がけた」と安定したペースで走行を続け、佐野を従えたまま、今季3勝目のチェッカーを受けた。

 これで野村は、シリーズポイントを118pとし、チームメイトの洞池(107p)を逆転してランキングトップに躍り出ることになった。

■インディペンデントクラス

 SC先導でスタートした1周目に、3番グリッドの鳥羽豊(HELM MOTORSPORTS F4)がタイヤを温めようとウィービングしてスピン。また、4番グリッドのKENTARO(Baum Field F4)もスタートに手こずってしまい、上位の2名が戦わずして勝負権を失ってしまった。

 これで漁夫の利を得たのが、5番グリッドの今⽥信宏(JMS RACING with B-MAX)。労せずして3位に浮上し、ポールスタートのDRAGON(B-MAX TEAM DRAGON)、KEN ALEX(BUZZ RACING)を追うことになった。

 SCランが解除されると、DRAGON、AREX、今田の三者は、0.5から1秒の間隔で周回を重ね、この状態は終盤になっても変わることなく、このままフィニッシュかと思われた。

 ところが、最終ラップの黄旗提示区間で、トップDRAGONの前に周回遅れの車両が出現。突然のことに、ペースを落とすしかなくなったDRAGONに、AREXと今田が迫り、一気に混戦状態となった。

 チェッカー目前では、DRAGONの背後にAREX、その後ろに今田がつけ、最後のストレートに入り、DRAGONが0.17秒差という僅差で薄氷の勝利を飾った。3勝目は楽勝のはずが、一転ぎりぎりの勝利となってしまったDRAGONは、思わぬアクシデントに苦笑いだった。

 この結果、ランキングではトップのDRAGONが131pで抜け出し、今田(120.5p)が追うという形になり、3位のKENTAROはノーポイントで102pと、4戦を残してB-Maxの二人の一騎討ちの様相を呈してきました。(ポイント集計が違っていたため、10/21に修正しました)

 

レースはセーフティーカースタートとなった

優勝は野村勇斗(HFDP with B-Max Racing)

決勝2位は佐野雄城(TGR-DC RS F4)

決勝3位は新原光太郎(YBS Verve影⼭MCS4)

インデペンデントクラス優勝はDRAGON(B-MAX TEAM DRAGON)

インデペンデントクラス決勝2位はケン・アレックス(BUZZ RACING)

インデペンデントクラス決勝3位は今田信宏(JMS RACING with B-MAX)

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOINE

SUPER GT

第7戦オートポリス予選 GT300クラスはUNI-ROBO BLUEGRASS FERRARIがポール奪取

GT300クラスポールポジションはUNI-ROBO BLUEGRASS FERRARI(片山義章/ロベルト・メルヒ・ムンタン)

 2024オートバックスSUPER GT第7戦「AUTOPOLIS GT 3HOURS RACE」の予選が、大分県・オートポリスで行われた。悪天候で日程、予選方式が変更されるなか、GT300クラスは、UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARI(片山義章/ロベルト・メリ・ムンタン)が、ポールポジションを獲得した。

 当初の予選日(19日・土曜日)は、コースが朝から深い霧に包まれたことで、スケジュールが大幅に遅れ、さらに一旦は天候が回復したものの、午後になると豪雨と雷で、この日のスケジュールはすべてキャンセル。

 予選は、決勝日の朝8時から行われることになり、かつ、その方式もQ1、Q2によるノックダウン方式から、GT300とGT500のクラス別に、30分間のベストタイムで争うシンプルな形で行われることになった。

 日曜の朝も霧が発生していたが、予選開始時間が近づくに霧も徐々に晴れ、予定どおり午前8時からGT300クラスの予選が行われた。路面はセミウェットのため、多くのチームはウェットタイヤでコースイン。

 まずは、20号車シェイドレーシング GR86 GT(平中)が1分51秒129でトップに立ち、折り返しとなる15分経過時には、31号車apr LC500h GT(小高)が1分49秒441で逆転。

 この頃から、徐々に路面状況も好転し、各チームはスリックタイヤに履き替え、本格的なアタックに入る。

 22分経過時にグッドスマイル 初音ミク AMG(片岡)がコースオフしガードレールにヒット。一旦コースサイドにストップし、自力でコース復帰は果たしたものの、赤旗が出て予選は中断となった。

 27分経過時に走行が再開されると、この頃には、路面状況の改善とともに、各車軒並みタイムアップ。順位も目まぐるしく変わっていった。

 トップタイムも、96号車K-tunes RC F GT3(高木)1分49秒187、リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R(オリベイラ)1分47秒383、6号車UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARI(ムンタン)1分47秒352と、次々に更新されていった。

 予選の終了間際、56号車が1分46秒785までタイムを上げてトップに返り咲き、これで決まりと思われたが、最後の最後に6号車が1分46秒524で再逆転。F1経験を持つロベルト・メリ・ムンタンが今季から導入された新型フェラーリGT3を記念すべき初ポールポジションに導いた。

 なお、フェラーリのポールポジションは、2011年5月の岡山大会におけるJIMGAINER DIXCEL DUNLOP 458(Ferrari 458)以来、実に13年5か月ぶり。

 予選2位は56号車リアライズ、3位には終盤タイムアップを果たしたランキング3位の777号車D'station Vantage GT3(藤井)が入り、以下、4位96号車K-tunes、5位20号車シェイドレーシング GR86 GT(平中)、6位9号車PACIFIC ぶいすぽっ NAC AMG(冨林)と続いた。

 現在ランキングトップの65号車LEON PYRAMID AMG(蒲生)は7位、同2位の2号車muta Racing GR86 GT(堤)は14位とやや苦しい位置からのスタートとなった。

 決勝は、本日午後13時20分から3時間レースとして争われる。

GT300クラス予選2位はリアライズ日産メカニックチャレンジGT-R(佐々木大樹/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)

GT300クラス予選3位はD\'station Vantage GT3(藤井誠暢/チャーリー・ファグ)

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOINE

F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP (FIA-F4)

第11戦、第12戦AP公式予選は霧のためキャンセル 練習走行結果により第11戦のCクラスは野村勇⽃が、IクラスはDRAGONがPPを獲得

 10月19日、オートポリスで行われる予定だったFIA-F4選手権第11、12戦の予選は、朝からサーキットを包みこんだ霧のため、キャンセルとなった。

 これにより、第11戦の決勝グリッドは金曜日に行われた練習走行の結果により決定され、チャンピオンクラスは野村勇⽃(HFDP with B-Max Racing)が、インディペンデントクラスは、DRAGON(B-MAX TEAM DRAGON)がポールポジションからスタートすることになった。

 1か月前のSUGO戦は雨に翻弄され、消化不良のまま終わってしまった。その前の鈴鹿戦も台風の影響で延期になっているだけに、今回は秋晴れの週末を願ったが、土曜日のオートポリスは、早朝から霧に包まれ、視界が確保できない状況になってしまった。

 このため、8時10分から行われる予定だった予選は、開始時間を遅らせ天候の回復を待つことになったが、10分経過しても改善が見込めないためキャンセルとなった。

 この結果、第11戦の決勝のグリッドは、金曜に行われた練習走行の結果により決定することになった。第12戦のグリッドは未発表。

■チャンピオンクラス

第11戦グリッドTOP6

1 野村勇⽃(HFDP with B-Max Racing)
2 佐野雄城(TGR-DC RS F4)
3 洞地遼⼤(HFDP with B-Max Racing)
4 新原光太郎(YBS Verve 影⼭ MCS4)
5 梅垣清(TGR-DC RS F4)
6 鈴⽊⽃輝哉(TGR-DC RS F4)

■インディペンデントクラス

第11戦グリッドTOP6

1 DRAGON(B-MAX TEAM DRAGON)
2 KEN ALEX(BUZZ RACING)
3 鳥羽豊(HELM MOTORSPORTS F4)
4 KENTARO(Baum Field F4)
5 今⽥信宏(JMS RACING with B-MAX)
6 中島功(Rn.SHINSEI.MCS4)

 すでにスケジュールに遅れが発生しているが、当初予定では第11戦の決勝は、本日午後1時45分からとなっている。

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro Noine

SUPER FORMULA

第7戦富士決勝 坪井翔がポール・トゥ・ウィンで富士戦完全制覇

優勝は坪井翔(VANTELIN TOM\'S SF23)

 全日本スーパーフォーミュラ選手権第7戦の決勝が、10月13日、静岡県・富士スピードウェイで行われ、ポールスタートの坪井翔(VANTELIN TOM'S SF23)が、セーフティカー(SC)が三度導入される荒れたレースで優勝を飾り、今シーズンの富士戦を3戦とも制覇した。

 昨日の第6戦に続いて、第7戦も好天に恵まれた。午前中の予選では昨日の勝者、坪井翔(VANTELIN TOM'S SF23)がポールポジションを獲得。ランキングでも0.5ポイント差ながら、野尻智紀(Red Bull MOTUL MUGEN SF23)を逆転してトップに立った。

 流れは坪井に傾いているが、フロントローに並んだ二人がどのようなレースを見せるかの。当日、富士スピードウェイに詰めかけた24,800人の観客が見守るなか、14時40分にスタートを迎えた。

 スタートは坪井が制し、牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF23)、野尻、福住仁嶺(Kids com KCMG Elyse SF23)と続いてレースが幕を開けた。

 2周目のダンロップコーナーの進入で、13位の三宅淳詞(ThreeBond Drago CORSE SF23)に木村偉織(San-Ei Gen with B-Max SF23)が追突。三宅はスピンをしてエンジンが止まってしまい動けず、これで一度目のSCランとなった。木村にはドライブスルーペナルティが課された。

 5周終了時にリスタートされ、10周を経過すると、上位の牧野、野尻らがタイヤ交換のためピットイン。11周目にも9位大湯都史樹(VERTEX CERUMO・INGING SF23)をはじめとする数台がピットイン。

ピットインで順位が動くなか、12周目に後方で競り合っていた大嶋和也(docomo business ROOKIE SF23)と国本雄資(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF23)が接触。大嶋がストップしてしまい、これで二度目のSCラン。

 このチャンスを逃すまいと、12周目に2位福住、13周目にはトップ坪井をはじめとする車両が続々とピットインし、この時点で全車が義務となっているタイヤ交換を終え、ほぼ同一のタイヤ条件で残り周回を走り切るという、やや異例の展開となった。

 16周目のリスタート後もトップの坪井は安定したペースで周回を重ね、2位福住に1秒差を保ったままレース折り返しの21周目を迎える。この頃になると、坪井、福住の2台がやや抜け出し、少し離れて、牧野、佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)、14番グリッドから大きく順位を上げた太田格之進(DOCOMO DANDELION M6Y SF23)らが続く。

 精彩を欠いたのが野尻。折り返しでは6位を走行していたが、ペースが上がらず28周目に7位、31周目に8位と、ずるずると順位を下げてしまった。

 三度目のSCランは、33周目に11位を争っていた阪口晴南(VERTEX CERUMO・INGING SF23)が1コーナーの立ち上がりで電気系トラブルにより失速。直後につけていた山本尚貴(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)が乗り上げる形で接触し、両者はここでレースを終えた。

 最後は、SC解除後の残り3周レースとなったが、トップ坪井は巧みにスピードをコントロールしながらリスタート。福住、牧野らを振り切って、富士3連勝となるチェッカーを受けた。

 なお、4位フィニッシュの佐藤、終盤ハイペースで追い上げ、8位フィニッシュを果たしたニック・デ・フリース(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF23)には、ラフなドライビングがあったとして、それぞれ10秒、5秒のタイムペナルティが課され降格。

 さらに、佐藤は再車検で最低重量違反があったとして失格となってしまった。

 今大会の結果、ランキングは、1位坪井(86.5p)、2位牧野(72p)、3位野尻(70p)となり、坪井がかなり有利な状態で、最終大会を迎えることとなった。(ポイントは暫定集計です)

決勝レースがスタートした

デッドヒート

決勝2位は福住仁嶺(Kids com KCMG Elyse SF23)

決勝3位は牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF23)

表彰式

シャンパンファイト

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Motorsports Forum

SUPER FORMULA

第7戦富士公式予選 坪井翔がランキングトップに立つポールポジション奪取

ポールポジションは坪井翔(VANTELIN TOM\'S SF23)

 全日本スーパーフォーミュラ選手権第7戦の予選が、10月13日、静岡県・富士スピードウェイで行われ、昨日第6戦の勝者、坪井翔(VANTELIN TOM'S SF23)がポールポジションを獲得。3ポイントを加え、ランキングで野尻を逆転してトップに立った。

 2レース制となる今大会の二日目。今日も富士スピードウェイは絶好のレース日和となり、昨日と同じく、午前9時から予選が行われた。

■Q1 Aグループ

 全車ゆっくりとウォームアップした後にアタックに入り、まずは昨日の第6戦2位の岩佐歩夢(Red Bull MOTUL MUGEN SF23)が1分22秒528で口火を切り、佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)が1分22秒491とトップタイムを塗り替える。

 これを上回ったのが第6戦の勝者、坪井。終了間際に1分22秒386でトップに躍り出た。

 噛み合わなかったのは、昨日予選フロントローだった太田格之進(DOCOMO DANDELION M6Y SF23)。最後までアタックを続けるも1分22秒940と、Q2進出ラインに届かなかった。

 順位:坪井-佐藤-岩佐-阪口-福住-山下/太田-三宅-大嶋-国本-Juju

■Q1 Bグループ

 Aグループで坪井がトップタイムとなると、タイトルを争う野尻智紀(Red Bull MOTUL MUGEN SF23)も負けてはいられない。

 全車がアタックに入ると、野尻は最初に1分22秒355をマーク。A組の坪井と同等のタイムでトップに立つ。しかし、牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF23)が、これをわずかに上回る1分22秒353を叩き出して逆転。

 最後にタイムを出してきたのは、大津弘樹(TGM Grand Prix SF23)。4位となる1分22秒637をマークして、ここまで6位に留まっていた木村偉織(San-Ei Gen with B-Max SF23)を押し出してQ2進出を決めた。

 順位:牧野-野尻-山本-大津-小林-大湯/木村-笹原-デ・フリース-小高

■Q2

 昨日のポールシッター、福住仁嶺(Kids com KCMG Elyse SF23)が1分22秒218でトップに立つが、野尻が1分22秒152でトップタイムを更新。

 この後、佐藤が1分22秒319、牧野が1分22秒272をマークするも野尻には届かず。これで決まりかと思われた最後の最後に、坪井が渾身のアタックで1分21秒880と一人抜き出たタイムでポールポジションを獲得。

 この結果、坪井は3ポイントを加えて66.5p、野尻は2ポイントを加えて66pと、僅か0.5ポイント差ながらランキングトップが入れ替わる結果となった。

 なお、4番手タイムをマークした岩佐は、トラックリミット違反があったとしてベストタイムが採用されず、12位と厳しい位置からのスタートとなった。

 順位:坪井-野尻-福住-牧野-佐藤-山下-山本-大湯-小林-大津-阪口-岩佐

 決勝は、午後2時40分から41周で争われる。

予選2位は野尻智紀(Red Bull MOTUL MUGEN SF23)

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Motorsports Forum

SUPER FORMULA

第6戦富士決勝 坪井翔が終盤に逆転し今季2勝目を飾る

優勝は坪井翔(VANTELIN TOM\'S SF23)

 全日本スーパーフォーミュラ選手権第6戦の決勝が、10月12日、静岡県・富士スピードウェイで行われ、7番グリッドスタートの坪井翔(VANTELIN TOM'S SF23)が、終盤に逆転し、7月に続いて富士戦2連勝、今季2勝目を飾った。

 2レース制の今大会。1レース目が開催された土曜日は、天候に恵まれ絶好のレース日和となった。朝からの日差しで気温23度以上の暖かさを感じる天候のなか、スタートを迎えた。

 スタート直後の1コーナーを制したのは、4番手スタートの岩佐歩夢(Red Bull MOTUL MUGEN SF23)。野尻智紀(Red Bull MOTUL MUGEN SF23)も2位につけ、チーム無限がワンツー態勢を築く。

 5番手スタートの阪口晴南(VERTEX CERUMO・INGING SF23)はエンジンストールで大きく後れ、11番手スタートの大津弘樹(TGM Grand Prix SF23)はトラブルでスタート前にピットイン してしまった。

 2周目には岩佐がコカコーラコーナーでオーバーランをし、野尻、岩佐の順に。さらに坪井が両者の間に割って入り、早くもワンツー態勢は崩れ、以下、佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)、太田格之進(DOCOMO DANDELION M6Y SF23)、福住仁嶺(Kids com KCMG Elyse SF23)が続く。

 見応えある攻防が落ち着き10周を終えると、3位岩佐、6位太田格之進(DOCOMO DANDELION M6Y SF23)らがタイヤ交換のため、ピットに滑り込む。

 ここからは、逃げる野尻と追う坪井が、3位以下を引き離す展開が続き、野尻が先に21周目にピットイン。坪井はその2周後にピットに入り、素早い作業で野尻の前に出ることに成功した。

 この時点でトップは岩佐。全車両がタイヤ交換をした28周目には、トップ岩佐を2.5秒差で坪井が追い、さらに3秒差で太田、2秒後れて小林可夢偉(Kids com KCMG Cayman SF23)、野尻、牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF23)が続くという展開となった。

 フレッシュなタイヤを履く坪井のペースは、岩佐のそれを1秒上回り、みるみるうちに岩佐を追い詰めていく。

 両者は、32周目に入るストレートで並走。初優勝のかかった岩佐は1コーナで必死に踏ん張るも、坪井が100Rで前に出て勝負あり。

 坪井は残り周回で、岩佐との差を広げ4秒のマージンを築いて、今季2勝目のチェッカーを受けた。

 終盤、岩佐、小林、そして急激に追い上げてきた牧野の三者による熾烈な2位争いは、岩佐が制した。岩佐は今季3度目の2位。小林は2019年以来の表彰台に上がった。

 この結果、シリーズランキングは、野尻がかろうじてポイントリーダーを守り(64p)、優勝した坪井(63.5p)、牧野(61p)と三者が僅差で並び、岩佐(50.5p)が続く形となった。(ポイントは暫定集計です)

 明日の第7戦は、午前9時から予選、午後2時40分から決勝(41周)が行われる。

決勝2位は岩佐歩夢(Red Bull MOTUL MUGEN SF23)

決勝3位は小林可夢偉(Kids com KCMG Cayman SF23)

表彰式

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Motorsports Forum

SUPER FORMULA

第6戦富士公式予選 福住仁嶺が富士で連続ポールポジション

ポールポジションは福住仁嶺(Kids com KCMG Elyse SF23)

 全日本スーパーフォーミュラ選手権第6戦の予選が、10月12日、静岡県・富士スピードウェイで行われ、福住仁嶺(Kids com KCMG Elyse SF23)が、7月の第4戦に続いて、富士でポールポジションを獲得した。

 2レース制となる今大会の初日。富士スピードウェイ上空は雲一つない快晴となった。朝から日差しが照りつけるなか、午前9時から予選が行われた。

■Q1 Aグループ

 大津弘樹(TGM Grand Prix SF23)、岩佐歩夢(Red Bull MOTUL MUGEN SF23)が、1分22秒472の同タイムでトップに並ぶが、佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)が22秒207で上回る。

 しかし、牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF23)が1分21秒960と、他を引き離すタイムでトップタイムを更新。牧野はさらにアタックを続けて、自身のトップタイムを上回るペースでアタックを続ける余裕を見せた。

 前回もてぎ戦でのポールシッター山下健太(REALIZE Corporation KONDO SF23)は、7位で涙を飲んだ。

 順位:牧野-佐藤-岩佐-大津-笹原-小林/山下-大嶋-大湯-国本

■Q1 Bグループ

 路面状況が良くなりAグループよりタイムが上がると思われたが、予想に反して22秒台での争いとなった。

 まず、三宅淳詞(ThreeBond Drago CORSE SF23)が1分22秒875で口火を切り、山本尚貴(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)22秒447、野尻智紀(Red Bull MOTUL MUGEN SF23)22秒416、福住仁嶺(Kids com KCMG Elyse SF23)22秒659と続く。

 野尻はさらに22秒089までタイムを縮めてBグループトップでQ1を通過した。

 前回、決勝でトップ争いを演じた太田格之進(DOCOMO DANDELION M6Y SF23)は、アタック周にミスをしてしまい、時間ギリギリで再アタックし、かろうじて22秒647でQ1を通過した。

 順位:野尻-坪井-山本-阪口-太田-福住/三宅-木村-デ・フリース-小高-Juju

■Q2

 大津1分22秒281、阪口22秒011で始まったQ2は、この後、無限コンビが揃って21秒台に入れ、野尻21秒875、岩佐21秒946がワンツーとなる。

 しかし、第4戦の富士でも見事なポール奪取を見せた福住が、即座に21秒726で逆転。最後に、太田が渾身のアタックを見せて21秒730を叩き出すが、福住のタイムに僅か1000分の4秒届かず。

 福住が、富士戦連続ポールポジションを決めて、Q2を締めくくった。

 順位:福住-太田-野尻-岩佐-阪口-佐藤-坪井-山本-牧野-大津-小林-笹原

予選2位は太田格之進(DOCOMO DANDELION M6Y SF23)

予選3位は野尻智紀(Red Bull MOTUL MUGEN SF23)

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Motorsports Forum

SUPER FORMULA

第6、7戦富士フリー走行 佐藤蓮が大混戦のセッションでトップタイム

 10月11日、全日本スーパーフォーミュラ選手権第6、7戦のフリー走行が、静岡県・富士スピードウェイで行われ、佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)がトップタイムをマークした。

 今シーズンもスケジュール的にはすでに終盤。とはいえ、今大会と最終大会(鈴鹿)は2レース制となり、9戦中4戦を残している。ここでの戦績次第ではタイトル争いが大きく動く可能性を秘めている。

 現在のランキング上位は、2勝の野尻智紀(Red Bull MOTUL MUGEN SF23)58p、同じく2勝の牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF23)53p、1勝の坪井翔(VANTELIN TOM'S SF23)43.5p。これに、山下健太(REALIZE Corporation KONDO SF23)39.5p、岩佐歩夢(Red Bull MOTUL MUGEN SF23)35.5pが続いている。

 また、前大会から参戦のニック・デ・フリース(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF23)も2大会目でどのような走りを見せるのかも注目だ。

 秋の爽やかな天候の下、午後1時40分から行われたフリー走行は、ランキング上位の選手を中心に始まった。

 1時間30分のフリー走行の序盤30分をリードしたのは野尻と坪井。開始まもなく野尻が1分24秒300のトップタイムをマークすると、これを15分経過時に坪井が1分24秒087で上回った。坪井はさらに24秒034まで縮めた。これに佐藤、福住仁嶺(Kids com KCMG Elyse SF23)が続いた。

 開始30分を過ぎると、福住と小林可夢偉(Kids com KCMG Cayman SF23)のKCMGコンビが、1分23秒791、23秒930と揃って24秒を切って、この時点でワンツーとなった。福住は7月の第4戦富士のレースで、ポールポジションからトップを快走しながらも、タイヤ交換でタイムロスし優勝を逃しているだけに、リベンジを果たしたいところだ。

 開始45分には、佐藤が1分23秒654でトップに立ち、さらにタイムを縮める。山下健太(REALIZE Corporation KONDO SF23)。牧野、太田格之進(DOCOMO DANDELION M6Y SF23)も順当に23秒台に入れて3〜5番手に上がってきた。そして、急上昇してきたのが阪口晴南(VERTEX CERUMO・INGING SF23)。1分23秒724で2番手に浮上してきた。

 開始1時間経過時のトップ10は、佐藤-阪口-福住-山下-牧野-太田-小林-坪井-山本-木村。

 残り20分となって福住が1分23秒500でトップに立ち、さらに23秒464までタイムアップ。

 残り10分を切ると、各チーム予選モードに入ってきた。

 最初にアタックを行ったのは野尻。ここまで決勝想定のロングランを行っていたようだが、早めのアタックで1分23秒125をマークしてトップへ。この後、各ドライバーが続々とアタックをかけ、福住22秒910、岩佐22秒802、佐藤22秒769、牧野23秒035が、野尻のタイムを上回った。

 最終的な順位は、佐藤-岩佐-福住-牧野-野尻ー山本-坪井-阪口-小林-小高-大湯-山下-国本-太田-木村-大津-デ・フリース-笹原-Juju-三宅-大嶋。

 トップから1秒以内に13台がひしめく大混戦となった。Jujuはトップから1.6秒後れの19位。三宅、大嶋を上回った。

 明日、第6戦の予選は、午前9時から行われる。早朝の路面コンディションをどう読むかが鍵になりうそうだ。

Text: Shigeru KITAMICHI

SUPER FORMULA LIGHTS

最終もてぎ大会の日程は、11月29日〜12月1日に決定

 全日本スーパーフォーミュラ・ライツ(SFL)選手権の開幕大会は、車両のアップデートパーツの不具合から12月6〜8日に最終大会として開催されることが決まっていたが、台風の影響で延期されたSUPER GT 鈴鹿大会が同じ日程に延期を発表した。
 このため、その調整が行われていたが、この度、11月29日〜12月1日に開催されることが決定した。

日本自動車連盟(JAF)による公示はこちら

 今季のSFLは、すでに12レースが行われ、残る6レースでチャンピオンが決定するが、現時点で小出峻(HFDP WITH B-MAX RACING)が81ポイントを獲得し、2位の野中誠太(PONOS Racing TOM'S 320 TGR-DC)51ポイントを大きく引き離している。

Text: Shigeru KITAMICHI

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