
2024オートバックスSUPER GT第6戦「SUGO GT300km RACE」の決勝が、9月22日、宮城県・スポーツランドSUGOで行われ、GT300クラスは、65号車LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/篠原拓朗)が、15番手スタートながら、ウェットからドライへ変化する路面で抜群の速さを発揮して、15番手スタートながら富士大会に続いて連勝を飾った。
秋雨前線の影響で、週末は雨が降り続き、決勝日の午前中までは開催が危ぶまれていたが、予定より約1時間遅らせたスタート時刻が近づくにつれて雨は上がり、時折り晴れ間も見えるようになった。天候の好転に、雨のなか待ち続けた1万6千人のファン、関係者も胸をなでおろした。
GT300クラスでは、昨日の公式練習でクラッシュをしてしまった52号車Green Brave GR Supra GT(吉田広樹/野中誠太)が、車両のダメージが大きく出走を断念。24台がグリッドに並んだ。
午後2時22分にセーフティカー(SC)先導でレースがスタート。コースはまだ全体的に濡れて所々に水が残っているため、ほぼ全車がレインタイヤを選択。しかし、路面が乾くのは確実で、どのタイミングでスリックタイヤに交換するかがレースの大きなポイントになった。
3周終了時にSCがコースを外れ、トップグループには大きな順位変動はなく周回を重ねるが、8周目になると、トップの20号車シェイドレーシング GR86 GT(清水)に、45号車PONOS FERRARI 296(コッツォリーノ)と7号車Studie BMW M4(クルッテン)が続き、ミシュランタイヤユーザーがトップ3を占めた。
後方スタートのため、スリックタイヤに賭けた18号車UPGARAGE NSX GT3(小林)と4号車グッドスマイル 初音ミク AMG(片岡)は、ラップタイムがトップから20秒も遅く、序盤で完全に勝負権を失ってしまった。
12周目、トップ3のなかで最もペースの良い45号車PONOSが、SPコーナーでやや強引にトップに浮上すると、20号車シェイドとの差を開き始める。
20周目、7号車Studioもペースの鈍った20号車をパスして2位へ。すると弱り目に祟り目で、次の周に20号車の右リアタイヤが最終コーナー手前で脱落。20号車はピットに戻るも、ハブトラブルでリタイアとなってしまった。
24周目、10位を走行していた96号車K-tunes RC F GT3(新田)が、スリックに交換してコースに戻った25号車HOPPY Schatz GR Supra GT(松井)と接触。25号車はコースサイドにクルマを停め、これでSCが導入された。
このSCランによって、10秒以上あったトップ45号車PONOSと2位7号車Studioの差がなくなり、30周目のリスタートから両者によるトップ争いが始まった。そして、路面が乾くにつれてブリヂストンタイヤを履く前戦の勝者、65号車LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥)が、トップグループに遜色ないタイムで追い上げ3位に急浮上。
33周目、上位では最初に4位の61号車SUBARU BRZ R&D SPORTがピットイン。ドライバー交替(井口→山内)をするとともに、スリックタイヤに交換。これを皮切りに、5位31号車apr LC500h GT(中村→小高)、6位56号車リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R(オリベイラ→佐々木)、8位50号車ANEST IWATA Racing RC F GT3(フラガ→古谷)もピットイン。
さらに、40周目に11号車GAINER TANAX Z(石川)がレインボーコーナーでクラッシュすると、SCが入ると見越して、7号車Studio(クルッテン→荒)、41周目にはトップ45号車PONOS(コッツォリーノ→ワドゥー)、42周目には65号車LEON(蒲生→篠原)もピットに滑り込んでくる。
予想どおりSCランが始まり、トップと2位、3位と4位が接近した形で、48周目にリスタート。
ここからは、45号車PONOS(ワドゥー)と65号車LEON(篠原)がトップ争いを演じ、その15秒後方で7号車Studio(荒)と777号車D'station Vantage GT3(ファグ)が3位を争うという展開となった。
5位には61号車BRZ(山内)、6位にはジワジワと上がってきた87号車METALIVE S Lamborghini GT3(松浦)が続く。
58周目に777号車(ファグ)が3位争いに決着をつけてたあとも、45号車PONOSの背後に65号車LEONが迫るという状態のトップ争いは10周に渡って続いた。
「なかなか抜けなくて心が折れかけた」という篠原だが、67周目にチャンスが訪れる。最終コーナーで45号車に並んだ65号車は、そのままストレートを並走。1コーナーでついに45号車を捕らえて首位に躍り出る。
トップに立った65号車LEON(篠原)は、その後も快調なペースで79周を走りきってチェッカーを受け、富士大会に続く連勝を飾り、ランキングでもトップに立った。
2位は初表彰台の45号車PONOS、3位は 777号車D'station、以下、7号車Studio、61号車BRZ、 終盤、6位に上がった31号車apr LC500h GTと続いた。
開催さえ危ぶまれたSUGO大会だったが、悪天候のなか待ち続けた多くのファンが見守るなか、大きなアクシデントもなくレースは予定周回を走りきって終了。次戦(第7戦)は10月19〜20日に九州・オートポリスで行われる。




Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Hirokazu NOINE

9月22日、2024年FIA-F4選手権シリーズの第10戦が、宮城県・スポーツランドSUGOで行われ、別々に行われた両クラスのレースとも、悪天候によりセーフティカー先導のまま終了。インディペンデントクラスは今⽥信宏(JMS RACING with B-MAX)が連勝を飾ったが、チャンピオンクラスは、1周回で終了となったため、レースは成立しなかった。
今回はチャンピオンクラスとインディペンデントクラスの決勝が、いつもの混走ではなく、それぞれ独立したレースとして行われることになった。
これは、望ましい形として従来から検討されていたものの、タイムスケジュールの関係でなかなか実現できなかったが、今回は時間的な余裕があり実施に至ったとのこと。また、SUGO特有のグリッド後方は下り勾配がきつくなり、後方グリッドはスタートシグナルが見えづらいという事情も考慮してのようだ。
■インディペンデントクラス
8時15分から行われたレースは、安全確保のため、セーフティカー(SC)先導でのスタートとなったが、4周目に入ったところで、コンディションが悪くレースは危険と判断され、赤旗が提示された。これでレースは中断。車両はピットロードに並べられ待機となった。
結局、レースはそのまま終了。安全を考えると致し方ない結果となった。
今大会を終えてのランキングは、ハーフポイントを加点し、逆転でDRAGON(106p)がトップに、0.5ポイント差で今田(105.5p)、KENTARO(102p)となった。




■チャンピオンクラス
9時15分にSC先導でスタートしたレースだが、コンディションは悪化の一途で、2周目に入ったところで赤旗が提示され、レースは予選順で終えることとなった。
レースは赤旗提示の前の周、1周目で終了となったため、規定により成立せず、選手権ポイントも与えられないこととなった。
今大会を終えてのランキングは、洞地(95p)、野村(93p)、清水(87p)、森山(74p)、佐野(65p)となり、依然、HFDP with B-Maxの二人がリードしている。
参考)日本レース選手権規定では「先頭車両が2周回を完了する前にレースが中止された場合、レースは成立せず、選手権得点は与えられない」となっています。
(9/22 13:05にレース成立、ポイント付与について確認が取れたため、更新しました)
Text: Shigeru KITAMICHI


9月21日、2024年FIA-F4選手権シリーズの第9戦が、宮城県・スポーツランドSUGOで行われ、雨のなか、チャンピオンクラスは、佐野雄城(TGR-DC RS F4)がポールポジションから逃げ切って、開幕戦以来の今季2勝目を飾った。
インディペンデントクラスは、今⽥信宏(JMS RACING with B-MAX)が、ポール・トゥ・ウィンで、こちらも今季2勝目となった。
■チャンピオンクラス
朝から降り続く雨は時折弱くはなるものの、一向に止む気配はなく、レースは安全確保のためセーフティカー(SC)先導でのスタートとなった。
4周のSCランを終えて、ポールポジションの佐野がコントロールしてスタート。佐野の背後には⼤宮賢⼈(PONOS RACING MCS4)がつけ、トップ2台がやや3位以下を引き離す形で実質のオープニングラップを終える。
チャンスをものにしたい大宮だったが、次の周の最終コーナー立ち上がりで片輪を落としてしまい、やや失速。この間に、3位佐藤凛太郎(PONOS RACING MCS4)が前に出る。
トップの佐野もS字でコースからはみ出し、佐藤に差し込まれるシーンもあったが、なんとか抑えきって、難しいコンディションのなかトップをキープ。
7周目にインディペンデントクラスのポイントリーダー、KENTARO(Baum Field F4)がSPコーナーでスピンからコースサイドにストップ。これでSCランになると、この頃から最大30分間と定められたレースの残り時間が気になってくる。
結局、SCランが解除された11周終了時には残り時間が僅かとなり、残り1周、トータル12周を持ってレースは終了。最後のリスタートをしっかりと決めた佐野が優勝を飾った。
ホンダ育成の二人、ランキングトップの洞地遼⼤(HFDP with B-Max Racing)と同2位の野村勇⽃(HFDP with B-Max Racing)は、グリップ不足に悩み8位と7位だったが、他のランキング上位者が上位フィニッシュできなかったため、まだその座を守っている。
■インディペンデントクラス
クラスポールの今田が好スタートから逃げ、KEN ALEX(BUZZ RACING)、DRAGON(B-MAX TEAM DRAGON)とグリッド順で続いた。
コースに留まるのが難しいコンディションのなか、各選手とも無理はせず、DRAGONも「ランキングトップのKENTARO選手がリタイアしたのを見て、3位キープに徹した」と言うように、最後のSC明けも縦に長い展開となってチェッカーを受けた。
ポイントリーダーのKENTAROがノーポイントで終わったため、着実に加点した今田とDRAGONが急接近。明日の結果次第では今大会での逆転もありそうだ。
第10戦の決勝は明日9月22日、インディペンデントクラスは午前8時15分から、チャンピオンクラスは午前9時15分から、独立したレースとしてそれぞれ17周で行われる。







Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOINE

2024オートバックスSUPER GT第6戦「SUGO GT 300km RACE」の公式練習が、宮城県・スポーツランドSUGOで行われ、雨のなか、GT300クラスは20号車シェイドレーシング GR86 GT(平中克幸/清水英志郎)がトップタイムをマークした。
第5戦鈴鹿大会が、台風10号の影響で12月に延期になったが、今大会も秋雨前線の影響で不安定な天候となった。
夜半からの雨でコースは完全なウェット。午後の予選の天候が悪化した場合は、この公式練習のタイムによりグリッドを決定する可能性もあるため、天候の読めないなか、各車は走行開始からかなり攻めた走りを見せた。
開始早々に、52号車Green Brave GR Supra GT(吉田広樹)が、SPコーナーの立ち上がりでコントロールを失い、タイヤバリアに激しくクラッシュ。これで走行中断。
さらに、走行再開後に、雨量が多くなったことで再度赤旗が提示され、30分経過時に二度目の走行中断。
ここまでの順位は、20号車シェイドレーシング GR86 GT(平中克幸)、65号車LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥)、2号車muta Racing GR86 GT(堤優威)らが、1分35秒から36秒台でタイミングモニターの上位に名を連ねる。
再開して雨量がやや減り出すと、各車予選さながらのアタックを見せ次々タイムアップ。
777号車D'station Vantage GT3(藤井誠暢)が1分30秒153までタイムを上げ、以下、20号車シェイド(平中)、61号車SUBARU BRZ R&D SPORT(山内英輝)、45号車PONOS FERRARI 296(ケイ・コッツォリーノ)、60号車Syntium LMcorsa GR Supra GT(河野駿佑)、31号車apr LC500h GT(小高一斗)と続いた。
その後も、4号車グッドスマイル 初音ミク AMG(片岡龍也)が4コーナーでコースオフ、30号車apr GR86 GT(小林利徠斗)が最終コーナーでクラッシュし3度目の走行中断。なかなかリズム良く走り続けることが難しく、さらに雨量も増したことで、残り30分で4度目の走行中断になってしまった。
この間に、20号車シェイドが1分29秒389、61号車BRZが29秒956とタイムアップを果たし、2台が777号車D'stationを上回った。また7号車Studie BMW M4(ニクラス・クルッテン)も上位に上がってきた。
最後に10分間のGT300クラスのみの走行時間となったが、早々に22号車アールキューズ AMG GT3(和田久)が、SPコーナーでスピン、アウト側バリアに接触して、5度目の赤旗。
再度10分間の走行が設けられたが、雨量がかなり多くなり、今度は6号車UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARI(ロベルト・メリ・ムンタン)がクラッシュ。再び赤旗で走行は終了となった。
上位陣は、いつもとやや異なる顔ぶれとなったが、大きな要因となったのは各車のタイヤだ。トップ6のタイヤメーカーは、ミシュラン3台、ダンロップ3台と、多数派のヨコハマ、そしてブリヂストンを完全に凌駕する形となった。予選、決勝もレインコンディションとなることを考えると、今大会のミシュラン、ダンロップ勢の優位は揺るぎなさそうだ。
予選は、本日午後2時45分から、ノックアウト方式で行われる予定だが、コンディション次第では中止や方式変更の可能性もありそうだ。


Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOINE


9月21日、FIA-F4選手権第9、10戦の予選が、スポーツランドSUGOで行われ、チャンピオンクラスは佐野雄城(TGR-DC RS F4)が、インディペンデントクラスも、今⽥信宏(JMS RACING with B-MAX)がダブルポールを獲得した。
8月31日〜9月1日に開催される予定だった鈴鹿大会が台風10号の影響で12月に延期となったため、8月3〜4日の富士大会以来のレース開催となったFIA-F4選手権。例年なら秋の気配が漂う爽やかな天候となるスポーツランドSUGOだが、今年は秋雨前線の影響で、レースウィークの金曜日から降雨に見舞われた。
予選の行われた土曜日も夜半から雨が降り続き、予選開始の午前8時にはコースは完全ウェット。滑りやすいコンディションのなかクラス別に予選が行われた。
■チャンピオンクラス
各車が慎重に走り出し徐々にタイヤを温めてタイムアップするなか、佐野雄城(TGR-DC RS F4)、⼤宮賢⼈(PONOS RACING MCS4)は、最初から積極的に攻め、いきなり1分43秒台をマーク。
両者は、競り合うようにタイムを削り取り、佐野が1分42秒433を叩き出すと、大宮も42秒655で食い下がるという展開を見せた。
10分を経過した頃、4コーナーでコースアウトした車両があり、赤旗が提示され予選は中断。
結局、予選はそのまま終了。佐野が1分42秒135までタイムアップしてポールポジションを獲得。大宮、佐藤凛太郎(PONOS RACING MCS4)、⽩崎稜(Bionic Jack Racing)が続いた。
ランキング上位の洞地遼⼤(HFDP with B-Max Racing)は7位、野村勇⽃(HFDP with B-Max Racing)は6位、清⽔啓伸(Drago CORSE MCS4-24)は14位だった。
セカンドタイムで決まる第10戦のグリッドは、佐野がダブルポール、2位大宮、3位⼘部和久(TGR-DC RS F4)となった。



■インディペンデントクラス
開始早々、馬の背コーナー先でコースオフした車両があり中断となったが、再開後は、今田、DRAGON(B-MAX TEAM DRAGON)のB-Maxコンビが、1分50秒台をマークしてリードする形で始まった。
今田とDRAGONは、その後も揃ってタイムを上げ、DRAGONは49秒052にタイムアップ。これに対し、今田は48秒553でDRAGONを逆転すると、終了間際には47秒797までタイムを縮めてポールポジションを確実なものにした。
予選を終始リードしたB-Maxコンビのワンツーで決まりかと思われたが、終盤一気にタイムを上げてきたKEN ALEX(BUZZ RACING)が、最後に1分48秒858をマークして二人の間に割って入った。
セカンドタイムで決まる第10戦のトップ3も顔ぶれは同じ。今田がダブルポールを奪い、2位、3位は順位を入れ替え、2位DRAGON、3位ALEXとなった。
第9戦の決勝は、本日午後0時10分から、第10戦は明日の午前8時15分から17周で行われる。
なお、日曜日の決勝のみ、混走ではなく、チャンピオンクラス、インディペンデントクラスが、それぞれ独立したレースとして行われる。


Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOIME

全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第15戦の決勝が、9月15日、岡山国際サーキットで行われ、ポールポジションスタートの小出峻(HFDP WITH B-MAX RACING)がスタートから独走に持ち込み、今大会2勝目を挙げた。2位にはケイレン・フレデリック(Pilot ONE Racing with B-MAX)が入り、B-Maxチームがこの週末三度目のワンツーフィニッシュを飾った。
マスタークラスは、DRAGON(TEAM DRAGON 324)が優勝。DRAGONは今大会の3レースすべてを制し、ポイントでも今田信宏(JMS RACING TEAM)を大きくリードすることになった。
どんよりとした曇り空のもと、スタートを迎えた第15戦のフロントローは、第13戦、第14戦に続いて、B-Maxの二人、小出とフレデリックが並んだ。雨予報は外れ、路面は完全ドライ。こうなると今週末の小出を止められる者はいないと思われた。
その予想どおり,スタートを決めた小出は、フレデリックを従えて1周目を終えると、2周目には早くも2秒のギャップを築く。フレデリックの後方には、小林利徠斗(モビリティ中京 TOM'S 320 TGR-DC)、野中誠太(PONOS Racing TOM'S 320 TGR-DC)、そしてオープニングラップで順位を1つ上げた荒尾創大(HFDP WITH TODA RACING)が続いた。
この週末、完璧なまでの仕上がりを見せる小出は、周回を重ねるたびに2位以下との差を開き、レース折り返しとなる9周終了時には、4秒と完全に安全圏に逃げてしまった。
2位以下のフレデリック、小林、野中、荒尾は、1秒弱の等間隔で走行を続けるが、順位が変動するには至らず、この状態が最後まで続いた。
トップを快走する小出は、レース後半も気を抜くことなく、さらに差を開いて、今大会2勝目、今シーズン6勝目のチェッカーを受けた。2位以下も順位変動はなく、フレデリックが今大会3度目の表彰台、小林も第13戦に続き二度目の表彰台に上った。
今週末の結果で、野中に大きく水を開けてシリーズをリードすることになった小出だが、「あまり先のことは考えずに、目の前のレースに全力で取り組んでいきます」と、自ら気を引き締めていた。
マスタークラスは、第14戦の接触のダメージで今田が出走を取り消し、DRAGON、藤原誠(TEAM DRAGON 324)、清水康弘(GNSY 324)による戦いとなった。序盤はスタートで前に出た藤原がリードしたが、8周目にDRAGONが逆転すると、以降は各車の差が徐々に開いて、DRAGONがこの週末3連勝。
今大会、今田がノーポイントで終わり(74p)、3連勝で103pとなったDRAGONがチャンピオン争いでかなり優位に立つことになった。
次の大会(第16-18戦)は、11月9-10日に鈴鹿サーキットで開催される。








Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Atsushi BESSHO

全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第14戦の決勝が、9月15日、岡山国際サーキットで行われ、2番グリッドスタートのケイレン・フレデリック(Pilot ONE Racing with B-MAX)が1周目にトップに立ち、そのまま逃げ切って嬉しい初優勝。ポールポジションスタートの小出峻(HFDP WITH B-MAX RACING)も2位に入り、B-Maxが昨日の第13戦に続いてワンツーフィニッシュを飾った。
マスタークラスは、1周目の接触で2台がリタイア。DRAGON(TEAM DRAGON 324)が連勝をを飾った。
朝から雨模様となり、岡山国際サーキット上空は雲に覆われた。しかし、スタート時刻が近づくと、時折薄日も差すというが読みづらい天候となり、各チームはタイヤ選択に頭を悩ますことになった。結果、全車がドライタイヤを履いてグリッドに並んだが、路面は濡れたままだ。
スタートは、PPスタートの小出が制し、小出、フレデリック、小林利徠斗(モビリティ中京 TOM'S 320 TGR-DC)、野中誠太(PONOS Racing TOM'S 320 TGR-DC)と続いて1コーナーをクリア。
昨日は1周目から独走に持ち込んだ小出だが、濡れた路面で思ったようにペースは上がらず、逆にフレデリックに詰め寄られる形となった。それでも、抜きづらい岡山のコースでは小出の優位は揺るがなかったが、1周目のアトウッドカーブの立ち上がりで、小出がアクセルトラブルから若干失速してしまい、このチャンスを見逃さなかったフレデリックがトップに立った。
ここから二人の勝負が見られるかと思ったが、後方でマスタークラスの清水康弘(GNSY 324)と今田信宏(JMS RACING TEAM)が絡んでしまい、早くもセーフティカー(SC)が入る。
4周終了時にSCランが解除されるが、今度は3位の小林利徠斗(モビリティ中京 TOM'S 320 TGR-DC)と、そのインを突いた野中誠太(PONOS Racing TOM'S 320 TGR-DC)がアトウッドカーブで接触。2台ともその場でリタイアとなり、再びSCが入ることになった。
8周終了時にリスタートとなるが、この頃になると路面が徐々に乾き、本来のペースを取り戻した小出が、トップのフレデリックを追い上げていく。その差は10周目の1.8秒から15周目には0.6秒まで縮まり、終盤はフレデリックの背後に小出が迫ることになった。
中団でも、6位の荒尾創大(HFDP WITH TODA RACING)が路面が乾くに連れペースを上げ、15周目に伊東黎明(LMcorsa OTG 320)をかわしてポジションアップを果たした。荒尾はこのレースのファステストラップも記録した。
二度のペースカーでレースの上限時間(30分)が迫り、結果として予定された周回より1周少ない17周でチェッカーを迎えることとなった。野中のリタイアによりチャンピオンシップポイントで俄然有利になった小出は、無理なチャレンジはせずにポジションキープのままチェッカーを受けた。
初優勝を飾ったフレデリックは、アメリカ生まれの22歳。ルーキーながらFIA-F3も経験している実力派だ。ここまでやや歯車が噛み合っていない感があったが、今大会からアドバイザーとして本山哲氏も帯同し、態勢が整ったことが今回の優勝に繋がったようだ。
3位には、小林、野中の脱落で古谷悠河(Deloitte. HTP TOM'S 320)が入った。
マスタークラスは、生き残った2台による勝負となったが、濡れた路面でのペースはDRAGON(TEAM DRAGON 324)が藤原誠(TEAM DRAGON 324)を圧倒し、20秒という大差をつけて、昨日に続く連勝を飾った。
第15戦の決勝は、本日午後1時55分から18周で行われる。








Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Atsushi BESSHO

全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第13戦の決勝が、9月14日、岡山国際サーキットで行われ、ポールポジションスタートの小出峻(HFDP WITH B-MAX RACING)が、他を圧倒する走りで独走優勝し今季5勝目。
2位にはケイレン・フレデリック(Pilot ONE Racing with B-MAX)が入り、B-Maxレーシングチームがワンツーフィニッシュを飾った。
マスタークラスは、終盤の接触による混乱でレース後にペナルティが出され、DRAGON(TEAM DRAGON 324)が優勝しランキングトップに立った。
スタート時刻の午後2時30分の気温は33度。季節外れの猛暑のなか、13台がクリーンスタート。PPスタートの小出峻はややホイールスピンをして、2番グリッドスタートのフレデリックに差し込まれるが、何とかトップで1コーナーをクリア。
小出が危うかったのはこのスタートのみ。トップに出た小出は、フレデリックに1秒以上のマージンを持って1周目のコントロールラインを通過。両者の差は5周目には3秒まで開き、小出が独走状態。2位以下のフレデリック、小林利徠斗(モビリティ中京 TOM'S 320 TGR-DC)、野中誠太(PONOS Racing TOM'S 320 TGR-DC)、中村仁(モビリティ中京 TOM'S 320 TGR-DC)、荒川麟(B-MAX RACING 324)が等間隔で続く展開となった。
順位に変動があったのは11周目。6位荒川がアトウッドカーブで「普通にブレーキングしただけでコントロールを失ってしまった」と、やや不可解なコースオフでグラベルストップ。これにより、トップ小出が14周目に入ったところで、車両回収のためセーフティカー(SC)が導入される。
トップ小出にとっては、そこまでに築いた8秒のマージンを失うことにはなったが、圧倒的なペースを持つ小出は動じることはなく、2周のSCランを経てのリスタートも決めると、再び差を広げ始める。
終盤も小出が逃げ、2位以下はほぼ等間隔と、SCラン前と同様の展開となり、上位陣に順位変動はないままフィニッシュを迎えた。
今季5勝目を飾った小出は、「チームが良いクルマを用意してくれた」とチームへの感謝を口にして満面の笑顔を見せた。
小出は、今回のレースでPPポイントも加えて11点を加算。ランキング2位の野中に14ポイント差とした。明日の第14、15戦もポール位置からスタートすることを考えると、昨年ここ岡山で見せた3連勝の再現をする可能性は高そうだ。
マスタークラスは、SCランまではクラスPPスタートのDRAGON(TEAM DRAGON 324)が2秒のマージンを持っていたが、リスタートで今田信宏(JMS RACING TEAM)が急接近。ランキングでも競り合う両者の意地のぶつかり合いは、21周目に接触という残念な形になってしまい、今田はグラベルでストップ。
この混乱に乗じてトップに躍り出た藤原が、清水康弘(GNSY 324)をやや強引に抑えきってトップでチェッカーを受けた。
しかし、レース後、今田と藤原には、「危険なドライブ行為により衝突を起こした」として、+10秒ペナルティが課され、DRAGONが今季4勝目を飾ることになった。
この結果、DRAGONは優勝にPPポイントも加えてポイントを83に伸ばし、ノーポイントに終わった今田(74p)を逆転。ランキングトップに躍り出た。
第14、15戦の決勝は、明日15日の午前9時、午後1時55分からそれぞれ18周で行われる。










Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Atsushi BESSHO

全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第13戦、第14戦の公式予選が、9月14日、岡山国際サーキットで行われ、小出峻(HFDP WITH B-MAX RACING)が、ダブルポールポジションを獲得。ケイレン・フレデリック(Pilot ONE Racing with B-MAX)も2番手タイムをマークし、両レースともにB-Max勢がフロントローを獲得した。
マスタークラスは、DRAGON(TEAM DRAGON 324)と清水康弘(GNSY 324)がクラスポール争奪戦を繰り広げ、第13戦はDRAGON、第14戦は清水とポールを分け合った。
木曜に行われた練習走行は、激しい雷雨で走行が中断し、ドライでの走行は殆どできなかった。この雨でコース上に砂が出て、猛暑となった金曜の走行はコースコンディションが徐々に変化するなかで行われることとなった。
このコンディションの変化に上手く対応したポイントリーダーの小出が、金曜日、午前、午後の練習走行でトップタイムをマーク。トータル順位では、小出、フレデリック、野中誠太(PONOS Racing TOM'S 320 TGR-DC)、荒尾創大(HFDP WITH TODA RACING)、中村仁(モビリティ中京 TOM'S 320 TGR-DC)、荒川麟(B-MAX RACING 324)と続いて練習走行を終えた。
第13戦公式予選
迎えた土曜日。第13戦の予選は、朝から強い日差しが照りつけるなか、午前10時10分から10分間で行われ、練習走行の勢いそのままに小出が終始リードする形で進んだ。
「自分のペースで走れるように」と、真っ先にコースインした小出は、1分22秒992、22秒005と着実にタイムアップ。最後は21秒671と、2位以下を大きく引き離すタイムであっさりとポールポジションを奪った。
2位につけたのは、前大会の不振を吹き飛ばす走りを見せたフレデリック。小出には後れをとったものの、22秒351で、小林利徠斗(モビリティ中京 TOM'S 320 TGR-DC)、野中を抑えて、フロントローに並ぶことになった。
マスタークラスは、DRAGONが唯一人1分24秒台に入れ、食い下がる清水を振り切って、今シーズン初のクラスポールポジションを獲得した。
第14戦公式予選
10分間のインターバルを経て始まった第14戦予選も、第13戦と同じく小出がリードする形で進んだ。早々に22秒台に入れた小出は、僅かずつタイムを削り取り1分22秒122までタイムアップ。「ちょっとタイムは伸びませんでしたね」と言いながらも、狙いどおり連続ポールを奪取した。
2位フレデリック、3位小林のトップ3は、第13戦と同じ顔ぶれとなった。以下、古谷悠河(Deloitte. HTP TOM'S 320)、野中誠太(PONOS Racing TOM'S 320 TGR-DC)とトムス勢が続いた。
マスタークラスは、清水が予選終了のチェッカーを二度受けてしまうというミスを犯したものの、罰金のペナルティで済み、富士大会に続いて今季2度目のクラスポールを獲得した。
第13戦決勝は、本日午後2時30分から25周で、第14、15戦の決勝は、明日15日の午前9時、午後1時55分からそれぞれ18周で行われる。









Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Atsushi BESSHO

全日本スーパーフォーミュラ選手権第5戦の決勝が、8月25日、栃木県・モビリティリゾートもてぎで行われ、5番グリッドスタートの牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF23)が、チームメイトの太田格之進(DOCOMO DANDELION M6Y SF23)との激しい攻防を制して、今季2勝目を飾った。
当初、雨予報が出ていた決勝日の天候だが、スタート時刻が近づくにつれてその可能性は低くなった。それでも降雨の可能性は消えたわけではなく、各チームは空を睨みながらスタートを迎えた。
スタートを制したのは、PPスタートの山下健太(REALIZE Corporation KONDO SF23)。トップで1コーナーに飛び込むと、太田格之進(DOCOMO DANDELION M6Y SF23)をきっちり抑えたまま1周を終える。その後も2位太田を少しずつ引き離していき、序盤は山下が逃げる展開かと思われた。
しかし、2位太田も食い下がり、5周目以降は逆にトップ山下との差を詰め始める。
10周を終えると、上位陣では、2位太田、4位大湯都史樹(VERTEX CERUMO・INGING SF23)らが、また11周目には6位小高一斗(REALIZE Corporation KONDO SF23)、10位阪口晴南(VERTEX CERUMO・INGING SF23)らがピットに滑り込んでくる。
2台態勢のチームは、1台ずつ序盤と後半でピットインを分けるチームが多かったが、これでトップ山下の1秒後方に牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF23)、さらにその4秒後方に野尻智紀(Red Bull MOTUL MUGEN SF23)という順位になった。
ピットインを終えた車両のなかでは、太田のペースが良く、14、15周目に、まだピットに入っていない笹原右京(VANTELIN TOM'S SF23)、大津弘樹(TGM Grand Prix SF23)を立て続けにパスし、ピットイン組では抜き出た速さを見せる。
17周目、阪口がトラブルでクルマをコースサイドに停め、これによりセーフティカーが入るかと思われ、ピットインの準備をするチームもあったが、安全上問題はなく、そのままレースは続行された。
そして、迎えた22周目、まず2位の牧野がピットイン。続く23周目にはトップ山下、3位野尻がピットに入る。
これで、全車がピット作業を終えることになり、序盤にタイヤ交換をした太田が11秒という大きなマージンを築き、2位に大湯、3位に太田のチームメイト牧野という順位になる。ただ、大湯はペースが上がらず、牧野、山下に抜かれ、順位を落としてしまう。
終盤の見どころは、逃げる太田と追う牧野の攻防。ペースが上がらず苦しい走行を強いられる太田に、牧野がみるみるうちに迫り、25周目に10秒あった差は、30周目には3.6秒、34周目には背後に迫るまでに縮まった。
ここから二人の手に汗握るバトルが繰り広げられた。一旦牧野が前に出る場面もあったが、太田が巧みに抑えきって迎えた36周目の90度コーナー。太田がバランスを崩してスピン。エンジンを止めてしまい万事休す。どうやらスロットルトラブルのようだが、ゴール目前で2勝目を逃してしまった。
これで、牧野が悠々逃げ切って、今季2勝目のチェッカーを受けた。
2位には山下、3位には野尻が入り、以下、山本尚貴(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)、坪井翔(VANTELIN TOM'S SF23)、大湯と、ランキング上位者が順当に上位でチェッカーを受けた。
注目のニック・デ・フリース(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF23)はしぶとく追い上げ、13位でフィニッシュした。
この結果、シリーズランキングは、野尻がポイントリーダーを守り(58p)、優勝した牧野(53p)、坪井(43.5p)、山下(39.5p)が追う形となった。(ポイントは暫定集計です)








Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Atsushi BESSHO

8月25日、全日本スーパーフォーミュラ選手権第5戦の決勝日。モビリティリゾートもてぎの上空は雲は多いものの時折日が差す蒸し暑い天候だ。ただ、午後からは降雨予報も出ている。
午前9時10分から30分間行われたフリー走行2回目では、大津弘樹(TGM Grand Prix SF23)がトップタイム(1分34秒199)、2番手には木村偉織(San-Ei Gen with B-Max SF23)が1分34秒534で入り、予選でQ1突破のならなかった二人が気を吐いた。抜きどころの少ないもてぎのコースだが、決勝での巻き返しに期待したい。
3番手以降には、国本雄資(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF23)、大嶋和也(docomo business ROOKIE SF23)、福住仁嶺(Kids com KCMG Elyse SF23)、PPスタートの山下健太(REALIZE Corporation KONDO SF23)……と、9番手までずらっとトヨタエンジンユーザーが並んだ。
11番手には、注目のニック・デ・フリース(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF23)が1分35秒192でつけた。
予選2位の太田格之進(DOCOMO DANDELION M6Y SF23)は16番手、予選3位の大湯都史樹(VERTEX CERUMO・INGING SF23)は12番手だが、9番手以降は1分35秒台前半で8〜9台が並んでおり、タイム差はごく僅かだ。
各車トラブル、アクシデントもなく、フリー走行を終えた。あとは決勝の天候が気になるところだ。
その決勝は、午後2時40分から37周で行われる。





Text: Shigeru KITAMICHI

スーパーフォーミュラ第5戦の予選は、山下健太(REALIZE Corporation KONDO SF23)の7年ぶり、二度目のポールポジション(PP)で決着した。
予選後の会見では、「7年前ルーキーシーズンで4戦目くらいにポールを取って、勘違いをしました(笑)。そこから7年。テストではトップタイムもありましたが、掴んだと思っては裏切られる、というのを繰り返してきました。長かったです」と、淡々とした口調で語る山下。
7年間、KONDOレーシング一筋でやってきた男は「今年はこれまでにないくらいの調子の良さを感じています」と言い、「本当に嬉しい。今までのレース人生で一番かもしれません。もう明日はどうでも良いです。勝てればラッキーくらいの気持ちです」と周囲を笑わせた。
最後のアタックで山下に僅かに届かなかった2位の太田格之進(DOCOMO DANDELION M6Y SF23)は、「クルマは最高でした。チームに感謝です。ポールを取れるクルマだったと思います。大きなミスではありませんが、コンサバになったコーナーとアグレッシブになり過ぎたコーナーがあって、Q1からの伸び率が少なかったと思います」と悔しさを滲ませた。
最後に逆転され3位となった大湯都史樹(VERTEX CERUMO・INGING SF23)は、「悔しい予選でした。今回も(富士に続いて)トップ3に入っているところは見せたいと思っていて、それが形になったのは良かったと思います。自分としては、ポールを取れたという確信を持ってピットに戻ってきましたが、3番手と聞いて悔しさしかなかったですね」と、やはり悔しさが残ったようだ。
決勝は雨予報も出ていて、ウェットレースになる可能性も高い。スタートで勝負が決着する可能性もありそうだが、脱力系ドライバー(?)山下が、肩の力を抜いて臨めば二度目のポールから二度目の優勝を飾る可能性は高そうだ。



Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Motorsports Forum

全日本スーパーフォーミュラ選手権第5戦の予選が、8月24日、栃木県・モビリティリゾートもてぎで行われ、山下健太(REALIZE Corporation KONDO SF23)が、7年ぶりとなる自身二度目のポールポジションを獲得した。
天気予報では、予選時はかなり高い確率で雨だったが、予報は外れ、日差しが照りつけ気温35度の蒸し暑さのなか、午後2時45分から予選が行われた。
■Q1 Aグループ
太田格之進(DOCOMO DANDELION M6Y SF23)が、2位以下をやや引き離す1分32秒270でトップタイム。前大会ではスタート前のトラブルで出走できなかった太田は今回こそ、という思いを感じさせる走りを見せた。
太田に続いたのは、朝のフリー走行でトップだった山下健太(REALIZE Corporation KONDO SF23)。以下、大湯都史樹(VERTEX CERUMO・INGING SF23)、坪井翔(VANTELIN TOM'S SF23)、佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)、国本雄資(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF23)と続き、ここまでがQ1通過。
岩佐歩夢(Red Bull MOTUL MUGEN SF23)は、1000分の2秒という超僅差で涙を飲んだ。
順位:山下-大湯-坪井-佐藤-国本/岩佐-大嶋-小林-大津-三宅
■Q1 Bグループ
Aグループの結果から、1分32秒台をマークすることがQ1通過の条件と思われるなか、福住仁嶺(Kids com KCMG Elyse SF23)が32秒739をマーク。山本も32秒786で続いた。
さらに、牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF23)が32秒550、野尻智紀(Red Bull MOTUL MUGEN SF23)も32秒597をマークして、この4人はQ1通過を決めた。
終了間際に、阪口晴南(VERTEX CERUMO・INGING SF23)、小高一斗(REALIZE Corporation KONDO SF23)も32秒台に入れてQ1通過。木村偉織(San-Ei Gen with B-Max SF23)は二人に押し出されるように7位に落ちQ1突破はならなかった。
今日から走り始めたニック・デ・フリース(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF23)も、さすがに予選アタックをまとめることはできずにQ1で予選を終えた。
順位:牧野-野尻-福住-山本-阪口-小高/木村-笹原-デ・フリース-Juju
■Q2
Q2進出は、KONDOレーシング、ダンディライアン、セルモ・インギング、NAKAJIMAレーシングが各2台、チーム無限、トムス、KCMG、IMPULが1台ずつという構成になった。
ポールポジションは、Q1でトップを分け合ったダンディライアンの牧野と太田の争いになると
思われたが、この二人を出し抜いたのが、唯一1分31秒台に入れた山下だった。
最後のアタックでは、まず野尻が32秒151でトップに立つも、大湯が1分32秒091をマークして逆転。本人も「ポールを取ったと思った」というほど良いラップだったが、さらにこれを山下が31秒995で塗り替えてポールに王手をかけた。
残る太田は渾身のアタックで山下に迫ったが、32秒074と僅かに届かず。山下が7年ぶりとなる自身二度目のポールポジションを獲得して、予選を締めくくった。
順位:山下-太田-大湯-野尻-牧野-山本-小高-坪井-佐藤-福住-阪口-国本





Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Atsushi BESSHO

8月24日、スーパーフォーミュラ(SF)第5戦が開催されているモビリティリゾートもてぎにおいて、シリーズを運営する日本レースプロモーション(JRP)から来シーズンのレースカレンダーの詳細が発表された。
これまで、日本自動車連盟が発表した国際格式のカレンダーの登録申請では、8大会、うち海外戦(韓国)1大会となっていたが、今回発表されたのはその内訳や詳細。
まず、8大会のうち、2レース制を導入するのは5大会。鈴鹿2大会、富士2大会、もてぎ1大会はすべて2レース制となる。逆に1レース制として残るのは、九州大会(オートポリス)と東北大会(スポーツランドSUGO)。
これにより、韓国大会を含めて、シリーズのレース数は現行の9から13へと大きく増えることになった。レース数の増加が課題となっていたシリーズにとって、2レース制の大会を増やすという現実的な方法で応えた形だ。
また、韓国大会が開催されるサーキットは、「インジェ(麟蹄)スピーディウム」であることも発表された。
インジェスピーディウムは、2013年に開設された1周3.9kmのコース。こけら落としではスーパー耐久が開催されたこともある。
JRPの上野社長によると、複数のプロモーターから海外大会開催のアプローチがあったが、韓国大会を提案したプロモーターが、最もSFの価値を理解し考え方も合致したとのこと。すでに周辺の宿泊施設も含めて視察を終え、具体的な打ち合わせに入っているという。
2025年スーパーフォーミュラカレンダー(仮)
3月8-9日 第1,2戦 鈴鹿大会(2レース制)
4月19-20日 第3,4戦 もてぎ大会(2レース制)
5月17-18日 第5戦 九州大会
6月7-8日 第6戦 韓国大会
7月19-20日 第7,8戦 富士大会(2レース制)
8月9-10日 第9戦 東北大会
10月11-12日 第10,11戦 富士大会(2レース制)
11月22-23日 第12,13戦 鈴鹿大会(2レース制)
Text: Shigeru KITAMICHI
本日24日(土)午後2時45分から行われるノックアウト方式の予選Q1のグループ分けは、以下のとおり。各グループの上位6台がQ2に進み、その12台はQ2の順位でグリッドが決定する。
Group A(11台)
No.3 山下健太(REALIZE Corporation KONDO SF23)
No.6 太田格之進(DOCOMO DANDELION M6Y SF23)
No.7 小林可夢偉(Kids com KCMG Cayman SF23)
No.12 三宅淳詞(ThreeBond Drago CORSE SF23)
No.14 大嶋和也(docomo business ROOKIE SF23)
No.15 岩佐歩夢(Red Bull MOTUL MUGEN SF23)
No.20 国本雄資(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF23)
No.36 坪井 翔(VANTELIN TOM'S SF23)
No.39 大湯都史樹(VERTEX CERUMO・INGING SF23)
No.55 大津弘樹(TGM Grand Prix SF23)
No.65 佐藤 蓮(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)
Group B(10台)
No.4 小高一斗(REALIZE Corporation KONDO SF23)
No.5 牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF23)
No.8 福住仁嶺(Kids com KCMG Elyse SF23)
No.16 野尻智紀(Red Bull MOTUL MUGEN SF23)
No.19 ニック・デ・フリース(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF23)
No.37 笹原右京(VANTELIN TOM'S SF23)
No.38 阪口晴南(VERTEX CERUMO・INGING SF23)
No.50 木村偉織(San-Ei Gen with B-Max SF23)
No.53 Juju(TGM Grand Prix SF23)
No.64 山本尚貴(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)

8月24日、全日本スーパーフォーミュラ選手権第5戦が、栃木県・モビリティリゾートで開幕した。午前中に行われたフリー走行1回目は、ランキング5位の山下健太(REALIZE Corporation KONDO SF23)がトップタイムをマークした。
今大会前にITOCHU ENEX TEAM IMPULから、19号車にWECやフォーミュラEで活躍するニック・デ・フリースが、今大会と10月の富士大会に参戦することが発表された。F1にも参戦した世界レベルのトップドライバーの参戦はシリーズの活性化、注目度アップには大きな効果をもたらすはずだ。
午前8時55分から行われたフリー走行では、各チーム、予選に向けてのセットアップを進めるが、この日の天気予報は午後から雨。かなりの確率でウェットコンディションの予選になりそうだ。
開始30分。大湯都史樹(VERTEX CERUMO・INGING SF23)が1分33秒965をマークしてトップ。以下、坪井翔(VANTELIN TOM'S SF23)、阪口晴南(VERTEX CERUMO・INGING SF23)と続き、序盤はトヨタエンジンユーザーが上位を占めた。
注目のニック・デ・フリース(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF23)は1分35秒565で17番手だが、今日が初走行、まだ30分しか走っていないことを考えると、十分なタイムだ。
この後、各チームは1回目のニュータイヤを投入して、各車は次々にタイムアップ。
60分経過時には、佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)が1分32秒725でトップ。太田格之進(DOCOMO DANDELION M6Y SF23)32秒854、山下33秒046と続く。デ・フリースも果敢に攻め、33秒742まで詰めて8番手に浮上してきた。
残り15分となる頃から、2セット目のニュータイヤが投入されたことで動きが激しくなり、大湯が1分32秒634で佐藤のタイムを上回ると、終了間際のアタックでは、山本尚貴(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)32秒510、佐藤32秒438とトップタイムが更新され、最後に山下が32秒366を叩き出して、予選さながらのアタック合戦を締めくくった。
デ・フリースは、トップから遅れること0.946秒で16番手、Jujuは2.051秒遅れの21番手だった。
気になるのは、ドライバーズランキングで上位につけるチーム無限の二人、岩佐歩夢(Red Bull MOTUL MUGEN SF23)と野尻智紀(Red Bull MOTUL MUGEN SF23)が、12、13番手と中位に埋もれたことだ。
ただ、予選は雨になることを考えると、このフリー走行結果は、予選を占う上でほとんど参考にならないことになる。
予選は、午後2時45分から行われる。






Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Atsushi BESSHO

今シーズン、スーパーフォーミュラ(SF)における目玉ドライバーの一人と思われたテオ・プルシェール(2023年FIA-F2チャンピオン)が、第1戦を走ったのみでチームを突然離脱。以降、ITOCHU ENEX TEAM IMPULの19号車は、第2戦をベン・バーニーコート(2023年IMSAスポーツカーGTD Proクラスチャンピオン)、第3、4戦を平良響(2023年SFライツ2位)がドライバーを務めてきた。
しかし、SFシリーズの世界における注目度を上げるためにも、橋渡し役となる現役の大物ドライバーの参戦が熱望されていた。そんななか、第5戦を迎えるにあたって、TEAM IMPULから発表されたニック・デ・フリースの参戦はまさしくその思いを形にするものだった。
デ・フリースは、2019年FIA-F2チャンピオン、2020-21年フォーミュラEチャンピオン、2022-23年F1参戦、今シーズンは、TOYOTA GAZOO RacingからWECのレギュラードライバーとして、また、フォーミュラEにも参戦するオランダ出身の29歳。現在、考えられるベストともいえるドライバーの参戦が実現したといえる。

レースウィークの金曜日、そのデ・フリースが会見で初のSF参戦に対する意気込みを語った。
「トヨタとIMPULに感謝している。実はチャンスがなくて実現には至らなかったけれど、2017年からSF参戦を目指していたんだ。SFに関してはまだオンボードの映像を見ただけで、シミュレーターでの経験もなく本当にまっさらな状態だけど、明日から走れるのが楽しみだよ。日本は大好きだし、ステップ・バイ・ステップでエンジョイできればと思っている」
こう語るデ・フリース。昨日シート合わせをしたばかりで準備は十分ではないとはいえ、表情からは気負いも不安も感じられない。終始、笑顔を浮かべての会見となった。
それには、多くのSFドライバーとも顔見知りであることもあるのだろう。WECでチームメイトの小林可夢偉はもちろんのこと、「福住とは2009年にKARTで戦ったし、F3ではチームメイトだった。牧野とは一緒にトレーニングしたこともあるし、笹原とも走ったことがあるよ。岩佐もF2でよく知っているよ」と、実に多くのドライバーと関わりを持っている。

TGMクランプリから今季残り5戦に参戦することが発表された大津弘樹も、デ・フリースとともに会見に臨み、「SFに世界で活躍するドライバーが参戦することはとても良いこと」と、参戦を歓迎し、会見中も二人で言葉を交わす場面も見られた。
実力もさることながら、このフレンドリーさも、デ・フリースがトップカテゴリーに参戦し続けている所以だろう。
「当面はWECとフォーミュラEに集中することになる」というデ・フリースは、今回の第5戦、10月に富士スピードウェイで行われる第6、7戦の3レースのみの参戦だが(鈴鹿の8、9戦は平良がドライブ)、明日のフリー走行から、どんな走りを見せ、そして決勝までにどんな進歩を見せてくれるのか、大いに注目したい。
Text&Photo: Shigeru KITAMICHI

2024オートバックスSUPER GT第4戦「富士GT350kmレース」の決勝が、8月4日、静岡県・富士スピードウェイで行われ、GT300クラスは、ポールスタートの65号車LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/篠原拓朗/黒澤治樹)が、FCYを予測した絶妙なタイミングでピットインを行い、独走で優勝を飾った。
やや風はあるものの猛暑の富士スピードウェイには、2日間延べ52,200人(予選日20,600人、決勝日31,600人)という多くの観客が訪れた。
午後2時30分に77周のレースがスタート。1周目からPPスタートの65号車LEON(篠原拓朗)が、87号車METALIVE S Lamborghini GT3(坂口夏月)に2秒のマージンを築いてコントロールラインに戻ってくる。
1周目を終えて、接触で左リヤ部分を破損した61号車SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人)がピットに滑り込んでくる。2周を費やして修復しコースに復帰したが、今シーズン、不運続きの61号車が、早々に後れを取ってしまった。
20周目のトップ6は、65号車LEON(篠原)、87号車METALIVE(坂口)、4号車グッドスマイル 初音ミク AMG(片岡龍也)、777号車D'station Vantage GT3(チャーリー・ファグ)、88号車JLOC Lamborghini GT3(元嶋佑弥)、56号車リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R(佐々木大樹)。
レースが動いたのは25周目。2位に7秒という大量リードを築いていたトップ65号車LEON(篠原)がピットイン。すると、その直後にフルコースイエロー(FCY)の措置が取られる。これは、24周目にダンロップコーナーでストップした25号車HOPPY Schatz GR Supra GT(菅波冬悟)の車両回収のためだが、65号車の読みがズバリ当たり、タイムロスを最小限に抑えることに成功した。
30周を過ぎると上位陣が続々と動く。
まず、この時点でトップの87号車METALIVEが31周目にピットイン。32周目には7号車Studie BMW M4(ブルーノ・スペングラー)、33周目に31号車apr LC500h GT(小高一斗)、34周目に56号車リアライズ(佐々木)、35周目に4号車グッドスマイル(片岡)と、まるで申し合わせたように1周ずつずらして次々と作業を行う。
上位がすべてピット作業を終えると、65号車LEON(蒲生)は4号車グッドスマイル(谷口)に、何と50秒以上のマージンを築いていた。FCYを読んでピットインを敢行したチームの戦略が功を奏した。
4号車の後ろには、88号車JLOC(小暮卓史)、 56号車リアライズ(J.P.オリベイラ)、777号車D'station(藤井誠暢)、87号車METALIVE(松浦孝亮)が連なり、トップ65号車のみが抜き出た形だ。
45周目にピットインした52号車Green Brave GR Supra GT(野中誠太)は、タイヤ無交換を敢行。ドライバーを吉田広樹に交代して8位でコースに復帰。我慢の走行で何としてもポイントをもぎ取る作戦だ。
55周目のトップ6は、独走する65号車LEON(蒲生)45秒遅れて4号車グッドスマイル(谷口)、56号車リアライズ(オリベイラ)、88号車JLOC(小暮)、777号車D'station(藤井)、87号車METALIVE(松浦)。
終盤、熾烈だったのがポイント圏内をかけた8位争い。タイヤ無交換でペースが上がらない52号車Green Brave(吉田)、6号車UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARI(ロベルト・メリ・ムンタン)、45号車PONOS FERRARI 296(ケイ・コッツォリーノ)、2号車muta Racing GR86 GT(堤優威)、31号車apr LC500h GT(中村仁)らが僅差で攻防を繰り広げる。
この争いから抜け出たのは6号車UNI-ROBOとランキングトップの2号車muta。両者は、その後も8位争いを繰り広げ、69周目、2号車が前に出て勝負は決着。
64周目、52号車のペースダウンはトラブルだったようで、ピットに入るとそのままガレージに入ってしまった。
そして、迎えた71周目。GT500クラスのトップが77周(350km)を走り切ってフィニッシュした後に、65号車LEON(蒲生)が今季初優勝のチェッカーを受け、終盤追い上げた4号車グッドスマイルも31秒遅れてフィニッシュ。3位には56号車リアライズが入り第2戦以来の表彰台となった。
4位以下は、777号車D'station、88号車JLOC、87号車METALIVE、7号車Studie、そして、8位にはランキングトップを守った2号車mutaが入った。2号車のしぶとい走りにはただただ驚くばかりだ。
65号車にとってはの2020年第4戦もてぎ大会以来4年ぶりの優勝となった。チェッカードライバーを務めた蒲生は「今回は運も味方してくれました」とコメント。その言葉どおり運も味方につけたチームの的確な判断が引き寄せた勝利だった。
大きなアクシデントもなく盛況のうちに終えた富士大会。次戦(第5戦)の舞台は8月31日〜9月1日の鈴鹿サーキット。今回と同じ350kmレースとして行われる。




Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Motorsports Forum

8月4日、2024年FIA-F4選手権シリーズの第6戦が、静岡県・富士スピードウェイで行われ、チャンピオンクラスは、2列目スタートの清⽔啓伸(Drago CORSE MCS4-24)がレース中盤でトップに立ち、後続を振り切って初優勝を飾った。
インディペンデントクラスは、ランキングトップのKENTARO(Baum Field F4)が、クラスポールから独走し、開幕大会以来の今季2勝目を飾った。
■チャンピオンクラス
PPスタートの洞地遼⼤(HFDP with B-Max Racing)は1コーナーでトップを守ったものの、その後のコカコーラコーナーの混乱のなかで5位までポジションを落としてしまう。代わって、チームメイトの野村勇⽃(HFDP with B-Max Racing)がトップに立つ。
オープニングラップのダンロップコーナーで、中団の2台が絡んでコース上にストップしてしまい、セーフティカー(SC)が導入される。
5周終了時にSCランが解除となると、ここからトップの野村に2位清水がプレッシャーをかける。昨日のレースでもファステストラップを記録するなど、この週末、速さのある清水は、9周目の1コーナーでついに野村を捕らえる。
2位にドロップした野村には、今度は3位鈴⽊⽃輝哉(TGR-DC RS F4)が迫るが、鈴木は勢いあまって9周目のダンロップコーナーで野村に追突。野村はたまらずスピンをし、両者は順位を落とす。
これで、オーダーは、清水、順位を回復してきた洞地、森⼭冬星(HELM MOTORSPORTS F4)の3台がトップグループを形成し、以下、⼤宮賢⼈(PONOS RACING MCS4)、新原光太郎(YBS Verve 影⼭ MCS4)、鈴⽊、佐藤凛太郎(PONOS RACING MCS4)と続く。
気の抜けない展開が続くトップグループは、最終ラップにもドラマが起きる。コカコーラコーナーで2位洞地のイン側から並走に持ち込んだ3位森山が単独スピン。これで、12周目に鈴木を抜いて4位に上がっていた佐藤が自動的にポジションアップ。
清水が初優勝のチェッカーを受け、洞池、佐藤の順でチェッカーを受けることになったが、佐藤は鈴木を1コーナー手前のストレートでパスした際に、イン側のコース外を走行したとのことで、5秒のタイムペナルティが課され、大宮が3位に繰り上がった。
■インディペンデントクラス
クラスPPから好スタートでトップを守ったKENTAROは、SCランからの再スタートも決めてトップを快走。2位を走っていた第5戦の勝者、鳥羽豊(HELM MOTORSPORTS F4)が、SCラン中に接触しノーズを傷めてリタイアしたこともKENTAROを楽にした。
KENTAROは、10周終了時には2位齋藤真紀雄(CSマーケティングAKILAND)に3.6秒のマージンを築いて独走状態。そして、2位齋藤の1.5秒後方には、最後尾のクラス16位スタートから、脅威の追い上げを見せた今⽥信宏(JMS RACING with B-MAX)、さらにその0.6秒後方にDRAGON(B-MAX TEAM DRAGON)と続く。
結局、そのままの順位でフィニッシュ。KENTAROが開幕大会(富士)の第2戦以来となる今季2勝目を飾った。
今大会の結果、チャンピオンクラスのランキングは、トップに洞地(91p)が浮上、2位には野村(87p)、同ポイント3位に清水(87p)となった。インディペンデントクラスは、KENTARO(101p)が、DRAGON(82p)との差を広げてトップを守った。
とはいえ、全14戦のシリーズはまだ折り返し手前。次の大会(第7、8戦)は、8月31日〜9月1日に鈴鹿サーキットで行われる。






Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Motorsports Forum



2024オートバックスSUPER GT第4戦「富士GT350kmレース」の予選が、静岡県・富士スピードウェイで行われ、GT300クラスは、65号車LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/篠原拓朗/黒澤治樹)が、ポールポジションを獲得した。
今シーズンから、予選はドライバー2名の合算タイムで順位を決定する方式となったが、今回は、直前のFIA-F4レースでコース上にオイルが出てしまった。このため、Q1のA組、B組でコンディションが異なるとの理由から、合算は行わないという雨天ルールで行われることとなった。
予選開始時刻の午後2時30分になっても、暑さが和らぐことはなく、気温は30度、路面温度は50度を超えるコンディションだ。
A、B組に分けられたQ1では、ランキングトップの2号車muta Racing GR86 GT(堤優威/平良響)、同3位の52号車Green Brave GR Supra GT(吉田広樹/野中誠太)が、Q2への進出を逃したが、両者ともに50kgのサクセスウェイトを搭載しているので、無理からぬところだろう。
Q1各組のトップ3は、先に走ったB組が、61号車SUBARU BRZ R&D SPORT(井口)、65号車LEON PYRAMID AMG(篠原)、56 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R(佐々木)。
A組が、777号車D'station Vantage GT3(藤井)、5号車マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号(藤波)、7号車Studie BMW M4(荒)といった顔ぶれだ。
合算タイムルールでは、Q1順位を大きく覆すことは容易ではないが、Q2のみで順位が決まるとなると、逆転で上位グリッドを獲得する可能性は十分ある。
迎えたQ2は、序盤は777号車D'station(ファグ)が1分38秒101をマークし、先制パンチを放つ。これを、65号車LEON(蒲生)(1分37秒764)と、今回から新型車両Evo.2を導入した87号車METALIVE S Lamborghini GT3(坂口)(1分37秒821)の2台が逆転。
ポールを狙う87号車は、再アタックで1分37秒815と僅かにタイムを縮めるが、65号車には届かず。もう1台のランボルギーニ、88号車JLOC Lamborghini GT3(元嶋)も渾身のアタックを行うが38秒を切ることはできず。しかし、ランボルギーニはQ2で躍進。最終的に2番、5番グリッドを手に入れた。
そして最後に3番手に食い込んできたのが、富士戦に強い4号車グッドスマイル 初音ミク AMG(片岡)。同じく富士を得意とする56号車リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R(オリベイラ)も6番手に入った。
予選の結果、ランキング2位の88号車JLOC(26p)、同4位の777号車D'station(23p)、同5位の65号車LEON(21p)などが上位グリッドを獲得したため、現在ランキングでトップを独走する2号車muta(43p)にとっては、耐えるレースとなりそうだ。(※ポイントは第3戦終了時)
決勝は、明日8月4日の午後2時30分から77周で争われる。
Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Motorsports Forum

8月3日、2024年FIA-F4選手権シリーズの第5戦が、静岡県・富士スピードウェイで行われ、チャンピオンクラスは、洞地遼⼤(HFDP with B-Max Racing)がポールポジションから逃げ切って、自身のF4キャリアで初の優勝を飾った。
インディペンデントクラスは、2022年チャンピオンの鳥羽豊(HELM MOTORSPORTS F4)が、PPスタートのKENTARO(Baum Field F4)を終盤に逆転して、今季初優勝を飾った。
■チャンピオンクラス
自身初のポールポジションから好スタートを決めた洞地が逃げ、森⼭冬星(HELM MOTORSPORTS F4)、野村勇⽃(HFDP with B-Max Racing)、清⽔啓伸(Drago CORSE MCS4-24)が追う展開となった。
洞地は1分47秒台の安定したペースで、時折46秒台にも入れて、2位森山を少しずつ引き離していく。3位野村は、スタートで清水に前に出られたが、直後のコカコーラコーナーで順位を戻し、以降は、ペースの良い清水に背後に迫られるが、巧みに抑えてポジションをキープし続ける。
野村と清水の3位争いは終盤まで続いたが、上位陣の順位は膠着状態となり、結局そのままチェッカーを受けた。
初優勝をポール・トゥ・ウィンで飾った洞地は、今シーズンからホンダの育成ドライバーとして参戦。ここまで出場を辞退した第2戦を除き、すべて表彰台に上るという安定した力を見せている。
■インディペンデントクラス
クラスポールのKENTAROが好スタートから逃げ、⾚松昌⼀朗(SHOEI-GIGS Ride with ES)、鳥羽、上田らが追う展開となった。
2番グリッドスタートのDRAGON(B-MAX TEAM DRAGON)は、他車との接触により、1周目に大きく遅れてしまった。
途中、赤松をかわして2位に順位を上げた鳥羽は、トップのKENTAROの背後に迫りチャンスを窺う。そして、11周目にトップに躍り出ると、最後はKENTAROとの差を若干開いてチェッカーを受けた。
第6戦の決勝は明日8月4日午前8時40分から、14周で行われる。




Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Motorsports Forum

2024オートバックスSUPER GT第2戦「富士GT350kmレース」の公式練習が静岡県・富士スピードウェイで行われ、GT300クラスは56号車リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R(佐々木大樹/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)がトップタイムをマークした。
今大会から、GT300クラスに対するサクセスウェイトの上限が80kgから50kgに下げられた。すでに昨年までの上限100kgから、今シーズンは安全性の向上を目的に80kgに低減されていたが、これを「昨年までの実績がある重量を超過しないこと」とし、さらに下げるというものだ。
この恩恵を受けるのは、現時点でランキング1、2位の2号車muta Racing GR86 GT(堤優威/平良響)と88号車JLOC Lamborghini GT3(小暮卓史/元嶋佑弥)の2台。特に2号車muta86は、従来の規定では上限の80kgを積むところを50kgで済むことになる。すでに前戦で54kgを搭載し2位表彰台を得ているmuta86にとっては、追い風となることは間違いない。
そのmuta86は直線の長い富士では、やや苦戦することが予想されていたが、公式練習では積極的に周回を重ね、13番手タイムをマークしてきた。
公式練習でトップを奪った56号車リアライズGTRは、富士では強さを発揮し第2戦でも2位表彰台を得ている。今回も7周目に1分37秒984をマークすると、残り周回は決勝想定のロングランを行った。
2番手タイムは、第2戦で勝利し、やはり富士を得意としている88号車JLOC Lamborghini。3番手は6 号車UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARI(片山義章/ロベルト・メリ・ムンタン)、4番手は最後にタイムを出してきた4号車グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也)。
この上位4台はヨコハマタイヤユーザー。GT300クラスの参加27台中15台がヨコハマタイヤを履くという数的有利はあるものの、富士ではヨコハマタイヤに分があるようだ。
そして、5、6番手につけたのが、ミシュランタイヤユーザーの7号車Studie BMW M4(荒聖治/ニクラス・クルッテン/ブルーノ・スペングラー)と45号車PONOS FERRARI 296(ケイ・コッツォリーノ/リル・ワドゥー)。前戦鈴鹿で入賞したこの2台は上り調子なだけに目が離せない存在だ。
公式練習で上位につけた車両以外にも、今シーズンはトラブル続きで結果を残せていない2021年の王者、61号車SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)など、気になる車両が目白押しだ。
予選は、本日午後2時25分から、ノックアウト方式で行われる。


Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Motorsports Forum
8月3日、FIA-F4選手権第5、6戦の予選が、富士スピードウェイで行われ、チャンピオンクラスは洞地遼⼤(HFDP with B-Max Racing)がダブルポールポジションを獲得。インディペンデントクラスも、KENTARO(Baum Field F4)がダブルポールを獲得した。
鈴鹿大会から2か月のインターバルをおいて、FIA-F4選手権シリーズの舞台は開幕大会と同じ富士スピードウェイに戻ってきた。
ここまで勝利を挙げているのは、チャンピオンクラスでは、佐野雄城(TGR-DC RS F4)(1勝)、森⼭冬星(HELM MOTORSPORTS F4)(1勝)、野村勇⽃(HFDP with B-Max Racing)(2勝)の3人だが、レースウィークの木、金曜日に行われた練習走行では、洞地、清⽔啓伸(Drago CORSE MCS4-24)の2人が好調だった。
インディペンデントクラスは、ここまで2勝を挙げランキングトップのDRAGON(B-MAX TEAM DRAGON)が練習走行でもトップタイムを奪い好調だ。
上空にはやや曇が多い蒸し暑い天候の下、午前7時45分からクラス別に予選が行われた。
■チャンピオンクラス
各車スリップストリームを使おうと集団で周回を重ねるなか、最初に1分46秒台に入れたのは森山。1分46秒584までタイムを縮めるが、これを洞地が46秒389で上回り、さらに野村が46秒290をマークするなどトップは目まぐるしく替わっていった。
予選時間が残り僅かになると、3人による勝負はさらに熾烈さを増し、森山が1分46秒108で逆転。洞地も再逆転を試みるが46秒136と僅かに届かず。これで勝負あったかと思われたが、最後のアタックで洞地が46秒を切る45秒988を叩き出して勝負に終止符を打った。野村も自身のタイムを更新するが46秒218で3位。
セカンドタイムで決まる第6戦のトップ3は、第5戦と同じく洞地、森山、野村の順となった。
■インディペンデントクラス
ジェントルマンドライバーによるインディペンデントクラスも超僅差の戦いとなった。
序盤は、最初に1分48秒台に入れたKEN ALEX(BUZZ RACING)がリードし、DRAGON、植⽥正幸(Rn-sports MCS4)などが絡む形となったが、後半から、齋藤真紀雄(CSマーケティングAKILAND)、KENTARO(Baum Field F4)が台頭。
終盤は、斎藤、KENTARO、DRAGONの三者によるポール争いが繰り広げられた。
まず斎藤が1分48秒185をマークしてトップに立つと、これをDRAGONが48秒170で逆転。しかし、即座に斎藤が48秒133で再逆転。さらに、この二人を出し抜く形でKENTAROが48秒039でトップに立つ。
しかし、これでは終わらず、DRAGONが48秒020をマークして再びトップに立ち、これで決着と思われたが、最後にKENTAROが47秒990でとどめを刺し、ポールポジションを獲得した。
セカンドタイムで決まる第6戦のトップ3は、顔ぶれは同じだが、2位、3位が入れ替わって、KENTARO、斎藤、DRAGONの順となった。
第5戦の決勝は、本日午後0時15分から、第4戦は明日の午前8時40分から14周で行われる。
Text: Shigeru KITAMICHI
8月1日、日本自動車連盟(JAF)は、2025年に国内で行われる国際格式のレース、ラリーのカレンダー登録申請一覧を発表した。
今シーズン同様、すでに発表済みのF1日本GP(4/3〜6)、WEC富士(9/26〜28)などの日程を考慮したうえで、国際格式のレース、ラリー日程が申請されているが、注目は、参考として表記されている海外で開催予定の2つのレースだ。
一つは、6月6〜8日に申請されているスーパーフォーミュラ選手権の韓国ラウンドだ。かねてからレース数の増加や海外戦を要望する声はあったが、いよいよシリーズの1戦として、海外戦開催が具体的に動き出した。
近年、観客数も右肩上がりで、盛り上がりを見せているスーパーフォーミュラだが、アジア圏最高峰のフォーミュラレースとして、その位置を確立するための一歩となることを期待したい。
もう一つは、6月27〜29日に申請されいるSUPER GT第3戦のマレーシアラウンドだ。実現すれば、2019年のタイラウンド以来の海外戦となる。コロナウイルス感染で開催が見送られていた海外戦が6年ぶりに復活することになりそうだ。
ただ、2つの海外戦が6月開催となると、両シリーズに参戦している多くのチームにとっては、かなり厳しいスケジュールになりそうだ。
また、毎年8月の酷暑のなか行われ、近年の異常気象により観客、参加者の安全確保のためにも日程変更が切望されていた、スーパーフォーミュラMRもてぎ大会が、4月にシリーズ第2戦として開催される予定だ。
今回、発表の日程は今後変更される可能性もあるが、ここ数年膠着していたスーパーフォーミュラ、SUPER GTの日本を代表する選手権の開催日程に変化が生じることは、シリーズのさらなる発展のために歓迎すべきことだろう。
Download (PDF, 109KB)
Text: Shigeru KITAMICHI

ポールポジションからトップを快走しながらも、14周目のタイヤ交換で大きくタイムロス。終盤追い上げたものの、優勝した坪井翔(VANTELIN TOM'S SF23)から、11秒6遅れの4位に終わった福住仁嶺(Kids com KCMG Elyse SF23)。もしミスがなければ勝機はあったのだろうか。
「ポテンシャルでいうと坪井選手の方が勝っていたようには思います。ただ、ゴールの差と作業でのタイムロスを考えるといけたように思います。でも、坪井選手が最後はペースをコントロールしていた可能性もあるので何とも言えないですね」
「ピットインのスピードが速かったので若干ボックス(車両の停止)の位置が少し前に出たということはありますが、完璧じゃないにしても……(許容範囲だったと思います)。インパクトレンチの不具合など作業上の原因については、まだチームからは聞いていません」
「でも、(決勝の)ペースは良くなりましたし、不安だったスタートもうまくいきました。チームとしては少しずつ良くなっていると思います」
淡々と話す福住だが、2021年最終戦以来の自身3勝目、そしてチームにとっての初優勝は、ピットに滑り込んだ途端に、その可能性を失ってしまった。シビアな戦いを繰り広げるスーパーフォーミュラにおいて、タイヤ交換で失った13秒はあまりに大きかった。
Text & Photo: Shigeru KITAMICHI

フロントロースタートながらエンジンストールで大きく出遅れ、スタートの瞬間に優勝のチャンスを失ってしまった岩佐歩夢(Red Bull MOTUL MUGEN SF23)は、レース後も硬い表情のままだった。
「ドライバーはエンジニアの指示通りの手順を踏んでスタートするわけですが、開幕戦からそこが決まらない。決してエンジニアのみの責任ではありませんが、チーム内で話し合っていかないといけないと思っています。今はスタートが上手くいく要素が見つからないという状況です」
「予選、決勝のペースは良いのに、スタートでそれらをすべて台無しにしてしまっています。正直、スタートに関しては、チームとしてポテンシャルを発揮できていないと感じています。それは結果を見てもらえば分かると思います」
終始、憮然とした表情で語る岩佐からは、怒りともいえる感情がにじみ出ていた。傍から見れば、チーム無限という恵まれた環境に身を置く岩佐だが、さらなる高みを目指しているだけに、チームの対応に不甲斐なさを感じているようだ。
Text & Photo: Shigeru KITAMICHI

今大会は、「瑶子女王杯」を冠し「第1回瑶子女王杯 全日本スーパーフォーミュラ選手権 第4戦富士大会」として行われることになったが、週末は瑶子女王殿下も富士スピードウェイに足を運ばれ、ドライバーとの懇談や記者会見に臨まれた。
瑶子女王殿下は、これまでも東京モーターショーやジャパンモビリティーショーの総裁を務められるなど、自動車産業の発展、普及に尽力し、自動車やモータースポーツにも精通している。
女王殿下は、レースが瑶子女王杯となることで、注目が集まり、モータースポーツ全体の活気や、決して交通の便などの良くないサーキットの環境改善にも繋がればという思いがあり、いずれは、スーパーフォーミュラが日本全国、ひいては世界で認知されることを願っているという思いを語られた。

富士スピードウェイおよび日本レースプロモーション(JRP)は、今回の栄誉を受け、日本発のモータースポーツエンターテインメントの振興と、未来に向け持続可能な自動車産業の発展に貢献していくとのこと。
まもなく第4戦のスタートが切られるが、初の賜杯の栄冠を勝ち取るのは誰になるのか注目だ。
Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: JRP

7月21日、全日本スーパーフォーミュラ選手権第3戦決勝日。富士スピードウェイは、やや雲は多いものの、朝から強い日差しが照りつける夏の天候となった。
午前9時20分から行われたフリー走行2回目では、坪井翔(VANTELIN TOM'S SF23)がトップタイムとなる1分25秒258をマーク。4番グリッドスタートの坪井は決勝に向け上々の仕上がりのようだ。
2、3番手タイムは、三宅淳詞(ThreeBond Drago CORSE SF23)と小林可夢偉(Kids com KCMG Cayman SF23)。20番、13番と後方のグリッドからのスタートにはなるが、決勝での巻き返しを図りたいところ。
4番手タイムは、5番グリッドスタートの太田格之進(DOCOMO DANDELION M6Y SF23)。5番手タイムは笹原右京(VANTELIN TOM'S SF23)。11番グリッドからのスタートだが、トムスチームの仕上がりは良さそうだ。
フロントローに並ぶ二人、福住仁嶺(Kids com KCMG Elyse SF23)と岩佐歩夢(Red Bull MOTUL MUGEN SF23)は、15、19番手タイムだが、周回数はきっちりこなしている。
気になるのは、走行中にトラブルが発生したと思われる大津弘樹(TGM Grand Prix SF23)。コースオフした後にステアリングを左右に切りながら、スロー走行でピットに戻ってきた。
また、牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF23)はコース脇に車を止めたようだ。
スーパーフォーミュラで初となる「瑶子女王杯」の冠レースの決勝は、午後3時から41周で行われる。


Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOINE

女性によるレースシリーズ「KYOJO CUP」を運営する株式会社インタープロトモータースポーツ(IPMS/代表:関谷正徳)は、スーパーフォーミュラ第4戦の行われている富士スピードウェイにおいて、2025 年シーズンより導入する車両の発表を行った。
KYOJO CUP は2017年のシリーズ発足以来、ワンメイク車両としてVITA-01を使用し、低コストで本格的に参戦できるレースとして、年々参加者を増やしてきた。
発足から8年を経過し、さらなるシリーズの発展、女性ドライバーの育成と価値の向上、そしてモータースポーツ界の発展に寄与するために、IPMSは新たにハイブリッドフォーミュラ車両を導入することを決定した。
なお、新型車両はすべてKYOJO CUPで管理し、可能な限りイコールコンディションを保ってエントラントへ貸し出されることになる。
新型車両はノーズに「KC-MG01」と型式が記されており、正式なリリースはないが、KCMG(KC MOTOR GROUP)製のようだ。




|
新型車両諸元 車両名
|
KC-MG01
|
|
全長
|
4,150mm
|
|
ホイールベース
|
2,753mm
|
|
全幅
|
1,506mm
|
|
全高
|
980mm
|
|
車両重量
|
635kg
|
|
シャシー
|
カーボンコンポジットモノコック(FIA 公認Halo システム採用)
|
|
エンジン
|
1.4L ターボ(176bhp) + ハイブリッドシステム(12kW)
|
|
トランスミッション
|
6 速パドルシフト
|
|
サスペンション
|
プッシュロッド式4 輪ダブルウィッシュボーンサスペンション
|
|
ブレーキ
|
AP Racing 製 2 ポッドキャリパー、ブレーキパッド / Brembo 製ベンチレーテッドディスク
|
|
オイル
|
MOTUL
|
|
ホイール
|
OZ Racing 製 フロント:8x13 / リヤ:10x13
|
まとめ: Shigeru KITAMICHI
Photo: IPMS/Shigeru KITAMICHI
土曜日午後に行われた、恒例のJRPサタデーミーティングでは、新たな試み二点について、スーパーフォーミュラを運営する日本レースプロモーション(JRP)近藤会長、上野社長からその経緯などについて話があった。

■「第1回瑶子女王杯」の開催、瑶子女王殿下の来訪について
近藤会長「女王殿下はレースにとても詳しいので驚きました。女王殿下のお力も借りてスーパーフォーミュラを益々盛り上げたい」
上野社長「女王殿下とプライベートでお会いする機会があり、スーパーフォーミュラの話などもした。その際、車好きの女王殿下から業界のために何かお力添えすることはありますか、とのお話をいただき、賜杯を頂戴したい旨申し上げたところ、お受け頂いた、というのが経緯です。これを機会にモータースポーツ界を、自動車産業を盛り上げたいと思っている」

■KYOJOカップの併催について
近藤会長「関谷代表から何年も前からアプローチがあり、伸びしろのあるカテゴリーであり、応援をさせていただくことになった。いずれ富士だけでなく鈴鹿でも、と考えています。来年からはシャシーも変わるので、SFのサポートレースとして育てていけないかと思っている」
上野社長「KYOJOカップはポテンシャルがあり、お客様に見せたいと思わせるカテゴリーと感じている」

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro Noine

全日本スーパーフォーミュラ選手権第4戦の予選が、7月20日、静岡県・富士スピードウェイで行われ、福住仁嶺(Kids com KCMG Elyse SF23)が、岩佐歩夢(Red Bull MOTUL MUGEN SF23)を退けて、自身今シーズン初、チームKCMGにとっては初のポールポジションを獲得した。
雲が空を覆い、時折陽が射す蒸し暑い天候となった予選日。午前中からすでに30度を超えるなか、午後2時からノックアウト方式の予選が行われた。
Aグループは、小高一斗、牧野任祐、小林可夢偉、岩佐歩夢、平良響、笹原右京、阪口晴南、木村偉織、大津弘樹、山本尚貴の10台。
Bグループは、山下健太、太田格之進、福住仁嶺、三宅淳詞、大嶋和也、野尻智紀、国本雄資、坪井翔、大湯都史樹、Juju、佐藤蓮の11台という組み合わせだ。
■Q1 Aグループ
最初にアタックを行った小林可夢偉(Kids com KCMG Cayman SF23)の1分23秒505をターゲットタイムに、笹原右京(VANTELIN TOM'S SF23)23秒392、岩佐22秒780、牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF23)23秒095、山本尚貴(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)23秒178と、タイムが刻まれていくが、23秒を切ったのは岩佐のみ。
ルーキーの木村と平良、スポット参戦の大津もタイムは伸びず、最初にタイムを出した小林とともにQ1敗退。
順位:岩佐-牧野-山本-阪口-笹原-小高/小林-平良-木村-大津
■Q1 Bグループ
坪井翔(VANTELIN TOM'S SF23)1分23秒252、野尻智紀(Red Bull MOTUL MUGEN SF23)23秒306、大湯都史樹(VERTEX CERUMO・INGING SF23)23秒078と、好調さを窺わせる面々が23秒の壁を破れないかな、福住が存在感を見せ22秒963と、グループAの岩佐に次ぐタイムを記録してトップに躍り出る。
午前中のフリー走行で満足に走れなかった佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)、国本雄資(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF23)、大嶋和也(docomo business ROOKIE SF23)、三宅淳詞(ThreeBond Drago CORSE SF23)、そしてトップから1.9秒差と健闘したJuju(TGM Grand Prix SF23)がQ1で涙をのんだ。
順位:福住-大湯-山下-坪井-野尻-太田/佐藤-国本-大嶋-三宅-Juju
■Q2
Q2進出は、KONDOレーシング2台、ダンディライアン2台、チーム無限2台、トムス2台、セルモ・インギング2台、KCMGとNAKAJIMAレーシングが1台ずつというチーム構成となった。
そして、ポールを争ったのはQ1で23秒の壁を破った二人、岩佐と福住だった。
Q1を終えてラバーグリップののった路面で、全体的にQ1のタイムを上回り、坪井がいきなり1分22秒573をマーク。これを岩佐が僅かに上回る22秒560でトップに躍り出る。
これに、野尻22秒792、牧野22秒749が迫るが、岩佐のタイムには及ばず。これで決まりかと思われたところで、福住が22秒543をマークしてトップに。大湯も22秒571と迫るが福住を上回ることはできず、福住のポールポジションが確定した。
なお、阪口晴南(VERTEX CERUMO・INGING SF23)はトラブルか、途中でアタックをやめてしまい12位。
順位:福住-岩佐-大湯-坪井-太田-牧野-野尻-山下-山本-小高-笹原-阪口


Text: Shigeru KITAMICHI<
Photo: Kazuhiro NOINE/address>

7月20日、全日本スーパーフォーミュラ選手権第4戦が、静岡県・富士スピードウェイで開幕した。午前中に行われたフリー走行1回目では、牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF23)がトップタイムをマークした。
今大会を迎えるにあたって、ドライバーの確定していなかった2チームからアナウンスがあり、ITOCHU ENEX TEAM IMPULの19号車は前戦に続き平良響が、TGM Grand Prixの55号車は先日の公式テストを担当した大津弘樹がシートを得ることになった。ただし、両者とも次戦以降は未定とのことだ。
午前9時20分から行われたフリー走行では、まずは予選に向けてのセットアップを進めるため、各チーム、ピットインを繰り返しながら走行を続ける。
開始30分。山本尚貴(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)の1分23秒183を筆頭に、坪井翔(VANTELIN TOM'S SF23)、太田格之進(DOCOMO DANDELION M6Y SF23)、大湯都史樹(VERTEX CERUMO・INGING SF23)、笹原右京(VANTELIN TOM'S SF23)、岩佐歩夢(Red Bull MOTUL MUGEN SF23)らが、1分24秒前半のタイムで続く。
この後、今季3勝目を狙う野尻智紀(Red Bull MOTUL MUGEN SF23)も、1分24秒361で4番手に食い込んでくる。
気になるのは、佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)だ。トラブルを抱えているらしく、コースに出てきていない。
1時間経過。上位は変わらないが、7番手に小林可夢偉(Kids com KCMG Cayman SF23)が、また10番手にルーキーの木村偉織(San-Ei Gen with B-Max SF23)が上がってきた。
作業を続けていた佐藤がようやくコースイン。少ない残り時間でどこまでセットアップできるのか注目だ。
1時間10分経過。ここまで11番手だった牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF23)が1分24秒036でトップに浮上。笹原も1分24秒211で3番手へ。走行終盤に向けて、徐々にアタックモードに入っている感じだ。
スポットで出場の大津弘樹(TGM Grand Prix SF23)は18番手、チームメイトのJuju(TGM Grand Prix SF23)は最下位の21番手ながらトップから1.9秒遅れと健闘している。
1時間23分経過。残り7分で、岩佐が1分23秒908をマークしてトップに踊り出る。
残り4分を切って、予選を想定した本格的なアタックが始まる。
この最後の攻防を制したのは、牧野(1分23秒582)。以下、大湯(23秒723)、福住(23秒739)、坪井(23秒800)、岩佐(23秒908)、山下(23秒919)と、ここまでが24秒を切ってきた。
牧野がやや頭一つ抜き出た感じだが、午後の予選はコンディションも変わる。いずれにしても僅差の争いになることは間違いない。
予選は、午後2時から、ノックアウト方式で行われる。


Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Kazuhiro NOINE
7月20日(土)午後2時から行われるノックアウト方式の予選Q1のグループ分けは、以下のとおり。各グループの上位6台がQ2に進むことができ、その12台はQ2の順位でグリッドが決定する。
Group A(10台)
No.4 小高一斗(REALIZE Corporation KONDO SF23)
No.5 牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF23)
No.7 小林可夢偉(Kids com KCMG Cayman SF23)
No.15 岩佐歩夢(Red Bull MOTUL MUGEN SF23)
No.19 平良 響(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF23)
No.37 笹原右京(VANTELIN TOM'S SF23)
No.38 阪口晴南(VERTEX CERUMO・INGING SF23)
No.50 木村偉織(San-Ei Gen with B-Max SF23)
No.55 大津弘樹(TGM Grand Prix SF23)
No.64 山本尚貴(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)
Group B(11台)
No.3 山下健太(REALIZE Corporation KONDO SF23)
No.6 太田格之進(DOCOMO DANDELION M6Y SF23)
No.8 福住仁嶺(Kids com KCMG Elyse SF23)
No.12 三宅淳詞(ThreeBond Drago CORSE SF23)
No.14 大嶋和也(docomo business ROOKIE SF23)
No.16 野尻智紀(Red Bull MOTUL MUGEN SF23)
No.20 国本雄資(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF23)
No.36 坪井 翔(VANTELIN TOM'S SF23)
No.39 大湯都史樹(VERTEX CERUMO・INGING SF23)
No.53 Juju(TGM Grand Prix SF23)
No.65 佐藤 蓮(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)

全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第10戦、第11戦の公式予選が、7月19日、富士スピードウェイで行われ、第10戦は中村仁(モビリティ中京 TOM'S 320 TGR-DC)が、第11戦は小林利徠斗(モビリティ中京 TOM'S 320 TGR-DC)がポールポジションを獲得した。
今大会は、サポートレースが多く、金曜日に予選が行われるという変則的なスケジュールとなった。この日は、午前中からSFライツの練習走行、KYOJO CUPとポルシェカレラカップの予選が行われ、その後の予選とあって、路面コンディションの変化にいかに対応するかが鍵となった。

2日間の練習走行で好調だったのは、前大会のSUGOで初表彰台に上った荒尾創大(HFDP WITH TODA RACING)。ここまで思ったような結果が残せていないが、今回は練習走行の4セッション中3セッションでトップタイムをマークして勢いに乗る。これにトムスの中村、小林、野中誠太(PONOS Racing TOM'S 320 TGR-DC)らが続き、現在シリーズ2位の小出峻(HFDP WITH B-MAX RACING)を擁するB-Max勢は、やや出遅れている感じだ。
第10戦公式予選
薄曇りの蒸し暑い天候の下、第10戦の予選は午後3時50分から10分間で行われ、練習走行の結果から予想したものとは、かなり異なる結果となった。
終盤のアタックで気を吐いたのは、練習走行でいまひとつだったB-Max勢。小出1分33秒510、荒川麟(B-MAX RACING 324)33秒460、ケイレン・フレデリック(Pilot ONE Racing with B-MAX)33秒376と、代わる代わるトップに躍り出る。
さらに小出は、33秒244とタイムアップに成功。これで確定かと思われたが、トムス勢はそれを許さず。中村が33秒030でトップに。小林も33秒203まで縮め、トムスの若手コンビがフロントローを獲得した。
中村は、SFライツ、デビュー3大会目で初のポールポジションを獲得した。
なお、フレデリックは二度の33秒台をマークした周に走路外走行があったとして、当該タイムが抹消され、最後尾スタートとなった。
マスタークラスは、チャンピオンを争う今田信宏(JMS RACING TEAM)とDRAGON(TEAM DRAGON 324)を出し抜き、デビュー3大会目の清水康弘(GNSY 324)が最後のアタックで見事なクラス初ポールを決めた。

第11戦公式予選
10分間のインターバルで始まった第11戦予選は、トムス勢がリードする形で始まった。まず、小林が1分33秒143をマークしてトップに立つと、これを野中が僅かに上回る33秒108で逆転。小出、フレデリック、荒川のB-Maxトリオは33秒台後半とタイムが伸びず。荒尾にも逆転されてしまった。
終了間際には、小林が33秒055と、再び野中を逆転してトップに。小出も33秒349で食い下がるが、中村33秒172、荒尾33秒316が上回り、5位に落ちてしまった。
小林は、オートポリスの開幕戦以来、2度目のポールポジション。

マスタークラスは、ポイントリーダーの今田が、第10戦の鬱憤を晴らすクラスポールポジション。2位には、練習走行から好調だった藤原誠(TEAM DRAGON 324)が第10戦に続いて入った。
第10戦決勝は、明日20日の午前8時25分から15周で、第11戦決勝は午後3時10分から21周で行われる。
Text: Shigeru KITAMICHI
7月7日、全日本スーパーフォーミュラ選手権公式テスト(2日目)が、富士スピードウェイで行われ、比較的コンディションの良かった午前は山下健太(REALIZE Corporation KONDO SF23)が、日差しの強くなった午後は、坪井翔(VANTELIN TOM'S SF23)が開始早々にマークしたタイムで、トップを奪った。

2日目も、富士スピードウェイのある小山町は正午に気温34度超えの予報だったが、セッションが始まる頃には薄曇りとなり、1日目より幾分過ごしやすいコンディションとなった。
ここまで3戦を終えたシリーズだが、野尻、牧野、野尻と勝者はすべてホンダ勢。第4戦はトヨタのお膝元、富士スピードウェイが舞台となるだけに、トヨタ勢は今回のテストで良い流れを作り、巻き返しを図りたいところだ。
セッション3(9:30〜11:30)
走行開始からまもなく、坪井翔(VANTELIN TOM'S SF23)、大湯都史樹(VERTEX CERUMO・INGING SF23)、岩佐歩夢(Red Bull MOTUL MUGEN SF23)が1分23秒台に入れ、路面状況はかなり良さそうだ。
1時間を経過してのトップ10は、坪井(1分23秒317)、阪口晴南(VERTEX CERUMO・INGING SF23)、牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF23)、岩佐、佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)、福住仁嶺(Kids com KCMG Elyse SF23)大湯、野尻智紀(Red Bull MOTUL MUGEN SF23)山下健太(REALIZE Corporation KONDO SF23)、小高一斗(REALIZE Corporation KONDO SF23)。昨日の上位とほぼ同じ顔ぶれだ。
1時間を過ぎて、この上位メンバーに食い込んできたのが、昨年SFライツでチャンピオンを争ったルーキーの二人、木村偉織(San-Ei Gen with B-Max SF23)と平良響(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF23)だ。ともに23秒台半ばのタイムで、この時点で4、5番手に急浮上。
セッション最後のアタックでは、山下が1分23秒099をマークしてトップに。小高も8位とKONDOレーシングは昨日に引き続き好調だ。2位は岩佐、3位は佐藤、以下、坪井、大湯、野尻と続いて午前のセッションは終了した。

セッション4(13:30〜15:30)
開始早々、タイムを出してきた坪井(1分23秒238)、佐藤(23秒505)、山下(23秒636)、太田(23秒720)が上位に並ぶが、30分が経過する頃、ここにルーキー木村が1分23秒532をマークして3位に食い込んでくる。
開始1時間を経過する頃になると、雲が晴れかなり日差しが強くなってきた。
セッション中盤は、各チーム、データ収集のためにピットインを繰り返す場面が多く、タイムアタックする車両は出てこなかった。
迎えた残り5分。最後のアタック合戦が始まるが、路面のコンディションがあまり良くなかったのか、このアタックでは山本尚貴(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)の1分23秒272が最速。野尻は1分23秒510、牧野は23秒546だった。
結局、セッションの最初に坪井がマークした1分23秒238がトップタイム。結果としてテスト2日目は、午前が山下、午後は坪井のトヨタ勢がトップとなった。

注目のJuju(TGM Grand Prix SF23)は、このセッションもトップから約2.6秒差。2秒の壁を破ることはできなかったが、最後のセッション32周をこなして体力的には問題のないことを証明してみせた。
第4戦富士大会は「夏祭り」として7月20〜21日に開催される。
Text: Shigeru KITAMICHI
7月7日、全日本スーパーフォーミュラ選手権公式テスト(1日目)が、富士スピードウェイで行われ、牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF23)が両セッションともトップタイムをマークした。

テストウィークになって、2つのチームからドライバー起用についての発表があった。
1つは、TEAM IMPULが、第3戦でドライブした平良響を、今回のテストと第4戦で起用するというもの。ただし、第5戦以降については未定とのこと。
もう1つは、今回のテストでTGM Grand Prixの55号車を、昨年同チームから参戦した大津弘樹と大草りきがシェアするというもの。主にマシンセッティングを進めるための措置と思われ、第4戦以降のドライバーについての発表はなかった。
今シーズン、第3戦までTGMの55号車をドライブした松下信治は、チームの発表に合わせ、自らのSNSで「継続参戦が出来なくなってしまいました」と報告している。
セッション1(9:30〜11:30)
朝から晴れ渡った富士スピードウェイ。強い日差しが照りつけ気温は午前9時で30度。予報では昼過ぎには35度の猛暑となるとのことだ。
セッション序盤で好調だったのはトヨタエンジンユーザー。
30分経過時点で、大湯都史樹(VERTEX CERUMO・INGING SF23)の1分24秒344を筆頭に、阪口晴南(VERTEX CERUMO・INGING SF23)、坪井翔(VANTELIN TOM'S SF23)、福住仁嶺(Kids com KCMG Elyse SF23)、笹原右京(VANTELIN TOM'S SF23)、山下健太(REALIZE Corporation KONDO SF23)と続き、トップ6をトヨタ勢が占めた。ホンダ勢のトップは、7番手の岩佐歩夢(Red Bull MOTUL MUGEN SF23)の1分25秒052だ。
しかし、セッション折り返しからは、ホンダ勢が巻き返し、まずは野尻智紀(Red Bull MOTUL MUGEN SF23)が1分24秒261でトップに立つと、牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF23)がこれを上回る1分23秒703、佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)も24秒174で続き、牧野、佐藤、野尻がトップ3を占めた。
終了間際には、再度トヨタ勢が台頭し、坪井、福住が1分24秒076、24秒151をマークして2、3番手に食い込み、トップ6は牧野、坪井、福住、野尻、佐藤、大湯の順。ホンダ、トヨタ3台ずつとほぼ互角の戦いを見せ、セッション1を締めくくった。

セッション2(14:00〜16:00)
午後になって、時折雲が出て日差しが遮られたため、気温は34度まで上がったものの、若干過ごしやすく感じるなかセッションがスタート。
このセッションの前半はオーバーテイクシステムの使用が許されたたため、走り始めから各車タイムアップ。岩佐1分23秒646、牧野23秒829、野尻23秒894と、多くの選手が午前のタイムを上回る、または匹敵するタイムをマークした。
折り返しの1時間を過ぎる頃には、山下健太(REALIZE Corporation KONDO SF23)も1分23秒776で2番手に上がってくる。
その後は大きな動きはなかったが、残り7分になると、全車ピットイン。ニュータイヤに履き替えて1日目最後のアタックが始まる。
最初にトップに立ったのは、前戦SUGOでクラッシュしてしまい車両を修復してきた阪口(1分23秒561)、小高一斗(REALIZE Corporation KONDO SF23)も1分23秒645で迫るが、この二人を大きく引き離すタイムでトップに立ったのは、セッション1でもトップを奪った牧野。
牧野の1分23秒144に、山下、太田、岩佐も迫るが、破ることはできず。好調・牧野が両セッションを制してテスト1日目は終了した。
平良響(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF23)は18位、TGMの55号車をドライブした大津弘樹(TGM Grand Prix SF23)は15位、注目のJuju(TGM Grand Prix SF23)はトップから2.6秒遅れの21位だった。
明日のテストは午前は9時30分から、午後は1時30分から、ともに2時間で行われる。
Text: Shigeru KITAMICHI

全日本スーパーフォーミュラ選手権第3戦の決勝が、6月23日、宮城県・スポーツランドSUGOで行われた。悪天候でクラッシュが相次いだレースは、予定された51周の約4分の1で終了。ポールポジションスタートの野尻智紀(Red Bull MOTUL MUGEN SF23)が今季2勝目を飾った。
決勝日は、朝から雨が降り続き、時折霧が発生する難しい天候となった。
決勝前のウォームアップ走行で、山本尚貴(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)が最終コーナーでクラッシュ。このため損傷したガードレールの修復に時間を要し、予定時刻の午後2時30分から約1時間遅れて、セーフティカー(SC)先導でスタートが切られた。
5周を終えたところでSCランが解除されたものの、この周の最終コーナーで8番グリッドスタートの大嶋和也(docomo business ROOKIE SF23)がクラッシュ。これで再度SCランとなる。
12周終了でSCランが解除。しかし、またしても解除された13周目の最終コーナーで、阪口晴南(VERTEX CERUMO・INGING SF23)がクラッシュ。このアクシデントにより、レースは赤旗が提示され中断となった。
全車が一旦メインストレート上に縦に並び、レース再開または終了の判断を待つことになった。
この時点での順位は、野尻、岩佐歩夢(Red Bull MOTUL MUGEN SF23)、坪井翔(VANTELIN TOM'S SF23)、牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF23)、大湯都史樹(VERTEX CERUMO・INGING SF23)、山下健太(REALIZE Corporation KONDO SF23)。
そして、午後4時27分にレースを運営する日本レースプロモーションの近藤真彦会長が、来場した観客に向け、中断をもってレースを終了する旨をアナウンス。
レースは赤旗提示前の12周終了時点で成立となった。
なお、周回数が少なかったことで、規定によりシリーズポイントはハーフポイントとなった。



Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Motorsports Forum

スーパーフォーミュラ・ライツ第8戦は、6月23日、スポーツランドSUGOで決勝を行い、フロントロー2番手からスタートした中村仁(モビリティ中京 TOM'S 320 TGR-DC)が、セーフティカースタートとなった雨中のレースを独走で制し、初優勝を飾った。
全国的に広く雨となった日曜日。ウェットでのレースは今シーズン初。まして、今季から導入された新エンジンの特性、クムホタイヤなど、雨における未知な要素が多いだけに、各チーム、ドライナーは手探り状態のなかでスタートを迎えた。
降り続く雨のなか、午前9時にセーフティカー(SC)先導でスタートが切られるが、3周目にマスタークラスの藤原誠(TEAM DRAGON 324)がスピンしてストップ。これによりさらにSC先導が2周続くことになり、その後、実質のスタートが切られた。
トップで1〜2コーナーを抜けたポールポジションスタートのケイレン・フレデリック(Pilot ONE Racing with B-MAX)だったが、3コーナーで膨らんでしまい、中村に先行を許してしまう。
トップに立った中村は、ただ一人1分32秒台のタイムを刻み、2位を争うフレデリック、荒尾創大(HFDP WITH TODA RACING)、小出峻(HFDP WITH B-MAX RACING)を引き離していく。その差は、8周目に2秒、14周目に6秒と徐々に大きくなっていく。
僅差の争いを繰り広げる2位グループは、終盤15周目に順位変動が起きる。馬の背コーナー進入で荒尾が若干はらんだ隙を見逃さず小出が前へ出る。これでトップ中村、8秒遅れてフレデリック、小出、荒尾が続く形になった。
4位以下は、小林利徠斗(モビリティ中京 TOM'S 320 TGR-DC)、荒川麟(B-MAX RACING 324)、古谷悠河(Deloitte. HTP TOM'S 320)、野中誠太(PONOS Racing TOM'S 320 TGR-DC)となり、こちらは序盤から順位が動くことはなかった。
序盤のSCランが長引いたことで、予定していた19周を終える前に最大時間30分を超えたため、18周でチェッカーを迎えることとなった。
誰もがこのままの順位で終わると思ったラストラップ。またしても馬の背で2位グループに動きが出ることになった。3位小出がアウトから2位フレデリックに並びかけるが、フレデリックも小出を抑えようとブレーキングを遅らせたため、2台ともに膨らんでしまい、この間に荒尾が2位に浮上。
レースは独走の中村が初優勝。漁夫の利を得た荒尾が2位、若干のタイムロスでコースに復帰したフレデリックが3位でチェッカーを受けた。
しかし、レース後、フレデリックには「危険なドライビング行為」があったとして5秒加算のペナルティが課された。この結果、小林が3位となった。
マスタークラスは、クラスPPスタートの今田信宏(JMS RACING TEAM)を8周目の1コーナーでかわしたDRAGON(TEAM DRAGON 324)が独走。周回を重ねるたびに今田との差を開いて、今シーズン初優勝。今田の今季5連勝を阻止した。
第9戦決勝は本日、午後0時35分より19周で行われる。






Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Motorsports Forum

6月23日、全日本スーパーフォーミュラ選手権第3戦決勝日。宮城県・スポーツランドSUGOは夜半から雨に見舞われた。
雨が降り続くなか、午前9時55分から行われたフリー走行2回目は、開始早々に岩佐歩夢(Red Bull MOTUL MUGEN SF23)がストレートでスピン。ピットウォールに車両をヒットさせてしまい、走行は中断。
その後、雨足が強くなったため、安全確保の観点から走行は再開されず終了となった。
決勝は、午後2時30分から51周(または75分)で行われる。
Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Motorsports Forum

全日本スーパーフォーミュラ選手権第3戦の予選が、6月22日、宮城県・スポーツランドSUGOで行われ、野尻智紀(Red Bull MOTUL MUGEN SF23)が、今シーズン初ポールポジションを獲得した。岩佐歩夢(Red Bull MOTUL MUGEN SF23)も2番手につけ、チーム無限がフロントローに並ぶことになった。
朝からむっとするような蒸し暑さが続くなか、午後2時から予選が行われた。
Aグループは、山下健太、太田格之進、小林可夢偉、三宅淳詞、野尻智紀、平良響、坪井翔、大湯都史樹、木村偉織、松下信治、佐藤蓮の11台。
Bグループは、小高一斗、牧野任祐、福住仁嶺、大嶋和也、岩佐歩夢、国本雄資、笹原右京、阪口晴南、Juju、山本尚貴の10台という組み合わせだ。
■Q1 Aグループ
最初にアタックを行ったのは、このQ1にニュータイヤ2セットを投入する作戦を取った木村偉織(San-Ei Gen with B-Max SF23)。開始早々に1分7秒419をマークする。
本格的なアタックが始まったのは残り2分を切ってから。
朝のフリー走行で好調だった坪井翔(VANTELIN TOM'S SF23)が、1分6秒162をマークしてトップに立つが、これを野尻が1分6秒050で即座に逆転。
フリー走行のクラッシュから修復なった車両で、太田格之進(DOCOMO DANDELION M6Y SF23)も1分6秒380と二人に迫る。大湯都史樹(VERTEX CERUMO・INGING SF23)、山下健太(REALIZE Corporation KONDO SF23)がこれに続き、最後の最後に木村が山下を上回る5番手に滑り込んでQ2進出を果たした。
木村はこの日が25歳の誕生日。バースデーに見事Q2進出を果たした。
順位:野尻-坪井-太田-大湯-木村-山下/佐藤-小林-三宅-平良-松下
■Q1 Bグループ
終盤のアタックで岩佐が1分6秒058のトップタイムを叩き出し、ベテラン大嶋和也(docomo business ROOKIE SF23)が僅か0.001秒差で続いた。以下、阪口晴南(VERTEX CERUMO・INGING SF23)、小高一斗(REALIZE Corporation KONDO SF23)、国本雄資(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF23)、牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF23)と、ここまでがQ1通過。
この時点でチーム無限が両グループでトップを奪い、速さを印象づけた。
順位:岩佐-大嶋-阪口-小高-国本-牧野/山本-福住-笹原-Juju
■Q2
Q2進出のチーム構成は、チーム無限2台、ダンディライアン2台、KONDOレーシング2台、セルモ・インギング2台、トムス、B-Max、ルーキーレーシング、インパルが各1台ずつとなった。
Q1で速さを見せたチーム無限は、路面コンディションの変化に上手くクルマを合わせ、岩佐が1分5秒364、野尻が1分5秒244と、早々に好タイムを叩き出して、他チームに先制パンチを浴びせる。
坪井、牧野、大湯らが、このタイムに挑むが、坪井の1分5秒500が最高で、チーム無限の二人を上回ることはできず、野尻、岩佐が、明日の決勝ではフロントローに並ぶことが決まった。
順位:野尻-岩佐-坪井-牧野-大湯-山下-太田-大嶋-国本-小高-木村-阪口


Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Motorsports Forum

6月22日、全日本スーパーフォーミュラ選手権第3戦が開催されている宮城県・スポーツランドSUGOは朝から好天に恵まれた。午前中に行われたフリー走行1回目では、昨年もSUGOでポールポジションを奪っている大湯都史樹(VERTEX CERUMO・INGING SF23)がトップタイムをマークした。
FIA-F2王者のテオ・プルシェールの離脱以来、後任ドライバーが確定していないチーム・インパルの19号車は、今回、昨年のSFライツシリーズ2位で、今季スーパーGT(300クラス)で活躍する平良響(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF23)がドライブすることになった。平良にとっては、思いがけず巡ってきたチャンスを生かせるのか、注目される。
午前9時10分から行われたフリー走行では、まずは全車ユーズドタイヤで様子を探るように走行を開始。
開始20分。太田格之進(DOCOMO DANDELION M6Y SF23)が馬の背コーナー進入でクラッシュ。スロットルが戻らないトラブルが原因のようだが、マシン修復のため、太田は以降走行できず。いきなり予選を迎えることになってしまった。SUGOでは高い勝率を誇るダンディアライアンレーシングにとっては、痛いアクシデントだ。
ここまでのトップ3は、坪井翔(VANTELIN TOM'S SF23)、岩佐歩夢(Red Bull MOTUL MUGEN SF23)、佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)。タイムは坪井が1分7秒790と序盤にしては好タイムだ。
開始40分過ぎから徐々にアタックを行う車両が出て、野尻智紀(Red Bull MOTUL MUGEN SF23)が1分7秒956、牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF23)が1分7秒876、山本尚貴(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)が1分7秒825と、2位タイムを塗り替えるが、坪井のタイムには届かない。
50分を経過すると、野尻1分7秒746、岩佐1分7秒250、と佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)1分7秒063と、立て続けにトップタイムが塗り替えられる。
60分経過。残り30分となったところでの順位は、佐藤-岩佐-野尻-坪井-山本-牧野と続き、今回デビューの平良は16位(1分8秒539)、注目のJujuは最下位の21位(1分9秒859)。
66分経過。坪井が1分06秒647でトップに返り咲く。
大嶋和也(docomo business ROOKIE SF23)、福住仁嶺(Kids com KCMG Elyse SF23)、小高一斗(REALIZE Corporation KONDO SF23)も上位に顔を出し、トヨタエンジン搭載者が上がってきた。
73分経過。大湯都史樹(VERTEX CERUMO・INGING SF23)が1分6秒301とトップタイムを更新。山下健太(REALIZE Corporation KONDO SF23)も3番手タイムで、トップ3はトヨタ勢が占める。
83分経過。岩佐が1分6秒454で2番手に浮上。平良は1分7秒613で10位にまで上げてきた。
予選を想定したアタックは残り4分を切ってから始まった。
好調さを窺わせる大湯が自らのタイムを更新する1分6秒133でトップを堅持。以下、福住-岩佐-山下-山本-坪井-笹原-牧野-小高-佐藤と続き。ここまでがトップ10 。平良は16位、Jujuは20位で走行を終えた。
予選は、午後2時から行われる。


Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Motorsports Forum
2024 AUTOBACS SUPER GT 第3戦「SUZUKA GT 3Hours RACE」の決勝が、三重県・鈴鹿サーキットで行われ、GT300クラスは、今シーズンから参戦している777号車 D'station Vantage GT3(藤井誠暢/マルコ・ソーレンセン/チャーリー・ファグ)が、完璧なレース運びを見せ初優勝を飾った。
やや不安定な天候となった週末。決勝中も時折雨がぱらついていたが、スタート時刻には天候が回復。日が射すなか、午後1時38分にレースのスタートが切られた。
ポールスタートの777号車D'station(藤井)は、快調なペースで後続との差を開き、スタートから40分経過した20周目には早くも15秒の大量リードを築いた。2位は、61号車SUBARU BRZ R&D SPORT(山内英輝)を15周目にかわした2号車muta Racing GR86 GT(平良響)。
さらに、1時間を経過した27周目には、31号車apr LC500h GT(小高一斗)も、61号車SUBARUを抜き去り3位に浮上。ペースの上がらない61号車は、このあと上位陣のなかでは最初にピットに滑り込む。
大量リードを保ったまま、30周目にトップ777号車D'stationがピットイン。藤井からファグにドライバーチェンジをして、コース復帰。
これを皮切りに、2位2号車muta、3位31号車apr、4位52号車Green Brave GR Supra GT(野中誠太)らが続々とピットイン。このなかで31号車はタイヤ交換、ドライバー交代を省く作戦を取り、給油のみでコース復帰。
この作戦が功を奏して、31号車aprは、上位陣がピット作業を終えた時点でトップに浮上。コースに戻った35周目時には、777号車に8秒のリードを築いた。
しかし、ラップタイムで31号車を約1秒上回る777号車は、45周目に31号車を捕えると、再び差を開き始める。
47周目、3位まで順位を回復していた61号車SUBARU(山内)が、コース脇に車両を停める。開幕から運に見放されている感のある61号車は、三たびトラブルに泣かされることになってしまった。
50周過ぎに二度目のピットインが始まるが、ここで省エネ作戦を敢行したのは2号車muta。31号車が1回目に行ったように、タイヤ交換、ドライバー交代をせずに、最小のタイムロスでコース復帰。狙いどおり2位に浮上することに成功した。
優勝は、横綱レースを見せた777号車D'station。最終スティントはファグから再び藤井がステアリングを握り、盤石のリレーで3時間を走りきった。
2位は2号車muta。サクセスウェイト54kgを積んだうえでの表彰台には驚くしかない。3位は終盤31号車aprをかわした6号車UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARI(片山義章/ロベルト・メリ・ムンタン)、以下、31号車apr、安定して上位を走り続けた52号車Green Brave、45号車PONOS FERRARI 296(ケイ・コッツォリーノ/リル・ワドゥー)が入った。
今回の優勝は、D'stationレーシングが投入したアストンマーチン・バンテージGT3のポテンシャルを見せつけた。同様に、チーム・ルマンとPONOS RACINGが今シーズンから走らせるフェラーリ296GT3も、3位と6位を得るなど、海外メーカー製GT3マシンの素性の良さを思い知らされることになった。
次戦の舞台は8月3〜4日、真夏の富士決戦。350kmレースとして行われる。







Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Atsushi BESSHO


6月2日、2024年FIA-F4選手権シリーズの第3戦が三重県・鈴鹿サーキットで行われ、チャンピオンクラスは、第3戦を制した野村勇⽃(HFDP with B-Max Racing)が、昨日に続くポール・トゥ・ウィン。
インディペンデントクラスは、クラスポールスタートのDRAGON(B-MAX TEAM DRAGON)が開幕戦に続く今季2勝目を飾った
■チャンピオンクラス
好スタートを決めたポールポジションの野村が逃げ、森⼭冬星(HELM MOTORSPORTS F4)、洞地遼⼤(HFDP with B-Max Racing)、スタートで順位を上げた佐藤凛太郎(PONOS RACING MCS4)、新原光太郎(YBS Verve 影⼭ MCS4)が続く。
トップを快走する野村は、安定したペースで逃げるも、2位森山も必死に食い下がり、その背後には洞地が迫り、このトップ3が後続を引き離しながらレースは進んだ。
5周目あたりから、2位森山を洞地が攻め立て、両者が競り合う間にトップ野村は一気に差を開き独走態勢を築いていく。
終盤に入っても、冷静にタイヤをセーブしながら走る野村は、そのまま11周を走りきって完勝。昨日に続く連勝を決めた。
2位は隙を見せずに洞地を抑えきった森山、3位洞地、4位は5周目に順位を上げた新原、5位には4台による熾烈な争いを制した佐野雄城(TGR-DC RS F4)が入った。
■インディペンデントクラス
スタートでクラス2番グリッドの今⽥信宏(JMS RACING with B-MAX)が先行するが、ポールシッターのDRAGONは1コーナーの位置取りを冷静に見極め、トップを奪い返す。
ここからの両者のペースはまったくの互角。0.4〜0.7秒の差で周回を重ね、一瞬たりとも気を抜けない攻防を見せる。
終盤、スタートで遅れ、追い上げてきたチャンピオンクラスの車両が間に入ることもあったが、二人は最後まで僅差の勝負を繰り広げ、最後は0.3秒差でDRAGONが逃げ切った。
3位には終盤追い上げた中島功(Rn.SHINSEI.MCS4)が入った。
この結果、両クラスを連日B-Max Racing Teamが制し、B-Max強しを印象づけた鈴鹿大会だった。
次の舞台は、真夏(8月3-4日)の富士スピードウェイだ。










Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Atsushi BESSHO
Motorsports Forum

2024 AUTOBACS SUPER GT 第3戦「SUZUKA GT 3Hours RACE」の予選が、6月1日、三重県・鈴鹿サーキットで行われ、GT300クラスは、今シーズンから参戦を開始したD'station Vantage GT3(藤井誠暢/マルコ・ソーレンセン/チャーリー・ファグ)が、ポールポジションを獲得した。
今シーズンから、ドライバー2名の合算タイムで予選順位が決まる方式に改められたSUPER GT。台数の多いGT300クラスは2組に分けられ、A組(14台)、B組(13台)から上位8台がQ2上位グループに進むことができる。
まずは、Q1で8位に入ることが求められるが、前戦のくじ引き結果により、B組(ランキング順位偶数)、A組(奇数)の順でアタックを行った。
B組トップ3は、777号車D'station Vantage GT3(藤井誠暢)、61号車SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人)、31号車apr LC500h GT(小高一斗)。トップの777号車のタイムは1分57秒894と、2位の61号車を0.7秒以上引き離した。
一方、A組トップ3は、20号車シェイドレーシングGR86 GT(平中克幸)、6号車UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARI(ロベルト・メリ・ムンタン)、2号車muta Racing GR86 GT(平良響)。この組のトップ20号車のタイムも、1分58秒408と、B組の777号車から0.5秒遅れており、この時点で777号車がQ2においてかなり優位に立つことになった。
そんな状況のなか始まったQ2では、61号車SUBARU(山内英輝)が意地のトップタイムを叩き出すも、777号車D'stationを駆る助っ人チャーリー・ファグも僅か0.1秒差の2番手タイムをマークし、Q1の貯金もあって777号車が参戦初年度3戦目で見事ポールポジションを獲得する快挙を成し遂げた。
そして驚くべき速さを見せたのが、予選3位の2号車muta86。54kgとクラス全車で最も重いサクセスウェイトを搭載しながら、Q1で平良が1分58秒501とトップと遜色ないタイムをマークすると、Q2でも堤優威が1分58秒682と、3位のタイムを叩き出し、予選3位を得ることに成功した。
4位以下は、20号車シェイド86、6号車FERRARI、52号車Green Brave GR Supra GT、31号車apr LC500、7号車Studie BMW M4となり、バラエティに富んだ車種が上位グリッドに並ぶことになった。
決勝は、明日6月2日の午後1時30分から3時間で争われる。





Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Atsushi BESSHO


6月1日、2024年FIA-F4選手権シリーズの第3戦が三重県・鈴鹿サーキットで行われ、チャンピオンクラスは、野村勇⽃(HFDP with B-Max Racing)がポールポジションから逃げ切って今季初優勝を飾った。2位に洞地遼⼤(HFDP with B-Max Racing)が入り、HFDP with B-Max Racingのワンツーとなった。
インディペンデントクラスは、クラスポールスタートの今⽥信宏(JMS RACING with B-MAX)が、DRAGON(B-MAX TEAM DRAGON)の追撃をかわして優勝。こちらもB-Maxのワンツーフィニッシュとなった。
■チャンピオンクラス
好スタートを決めたポールポジションの野村が逃げ、洞地、新原光太郎(YBS Verve 影⼭ MCS4)、森⼭冬星(HELM MOTORSPORTS F4)が続く。
スタート後にS字でコースアウトした車両があり、1周目から早くもセーフティカー(SC)ランとなってしまう。
3周終了時のリスタートも決めた野村は、1分09秒台のタイムをコンスタントに刻みながら、洞地を従えて周回を重ねる。このトップ2台が3位以下を引き離す形でレースは進んでいく。
終盤にもデグナーでスピン、ストップした車両があり、2度目のSCランとなるが、二度目のリスタートも冷静に決めた野村が、残る2周を走り切ってポール・トゥ・ウィンで、今季初優勝を飾った。
■インディペンデントクラス
今田、DRAGONのオーダーで幕を開けたレースは、一度目のSCラン後に、DRAGONが1秒以上あった今田との差をじわじわと詰めていき、7周目にはその差0.5秒にまで迫る。
しかし、終盤になると、遅れてきたチャンピオンクラスの車両が、二人の間に入ってしまい、DRAGONは今田に迫るチャンスを失ってしまった。
5月のスーパーフォーミュラ・ライツでも、今田の壁を破れなかったDRAGONは、FIA-F4でも後塵を拝することになった。それでも、自身がオーナーを務めるB-Maxチームとしては、両クラスともにワンツーと完璧な結果だっただけに、クルマを降りても笑顔だった。
第4戦の決勝は明日6月2日午前8時40分から、11周で行われる。








Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Atsushi BESSHO
Motorsports Forum

2024 AUTOBACS SUPER GT 第3戦「SUZUKA GT 3Hours RACE」の公式練習が、6月1日、三重県・鈴鹿サーキットで行われ、GT300クラスは61号車SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)がトップタイムをマークした。
開幕戦の岡山では、予選3位を得ながらもトラブルとグリップダウンで26位、第2戦富士も予選はシングルグリッドを得ながらも、決勝の最後にガス欠でストップと、苦しいシーズンスタートとなっているSUBARU BRZ。三度目の正直となる鈴鹿では、公式練習からトップタイムをマークした。予選でも好位置を得て、優勝を飾りたいところだ。
2番手タイムをマークしたのは、2号車muta Racing GR86 GT(堤優威/平良響)。開幕戦優勝、第2戦6位となったことで、クラス全車のなかで最も重いサクセスウェイト54キロを積んでの2番手タイムは驚くしかない。
3番手タイムは、777号車D'station Vantage GT3(藤井誠暢/マルコ・ソーレンセン/チャーリー・ファグ)。今シーズンから新たに参戦しているD'stationレーシングだが、開幕戦、第2戦とトラブルに泣かされ、まだ速さの片鱗を見せられずにいる。
4位以下は、65号車LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/篠原拓朗/黒澤治樹)、96号車K-tunes RC F GT3(新田守男/高木真一)、31号車apr LC500h GT(小高一斗/中村仁/根本悠生)と続くが、この3車はいずれもサクセスウェイト搭載車だ。
上記トップ6以外にも、前戦富士で優勝の88号車JLOC Lamborghini GT3(小暮卓史/元嶋佑弥)、表彰台を得た56号車リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R(佐々木大樹/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)、52号車Green Brave GR Supra GT(吉田広樹/野中誠太)にも注目だ。
公式予選は、午後3時から、A、Bグループに分けれられて行われる。





Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Atsushi BESSHO

6月1日、開幕大会から約1か月を経過し、2024年FIA-F4選手権シリーズの舞台は三重県・鈴鹿サーキットに移された。
開幕大会では、エンジントラブルが多発したことで、メーカー系のエントラントなどが、第2戦の出走を見合わせるという事態が発生してしまった。
エンジンを供給するトムスは、トラブルの原因を振動によるイグニッションハーネスの断線と突き止め、ハーネス、イグニッションコイルを対策部品に交換。事前に行われたスポーツ走行ではトラブルは出なかったとのこと。
これで一応の解決を見て、今大会には無事全車が出走し、主催者、関係者は胸を撫で下ろした。
午前8時35分からクラス別に行われた予選では、チャンピオンクラスは野村勇⽃(HFDP with B-Max Racing)が見事ダブルポールポジションを獲得。インディペンデントクラスは、第3戦は今⽥信宏(JMS RACING with B-MAX)、第4戦はDRAGON(B-MAX TEAM DRAGON)がPPを奪い、B-Maxがメンテナンスする車両が両クラスのPPを独占した。
■チャンピオンクラス
最初に2分7秒台に入れた佐野雄城(TGR-DC RS F4)がリードする形で始まった予選は、終盤になるにつれて野村勇⽃(HFDP with B-Max Racing)と洞地遼⼤(HFDP with B-Max Racing)のホンダ育成の二人が徐々にタイムアップ。
これに、森⼭冬星(HELM MOTORSPORTS F4)も絡んで僅差の勝負になったが、最後に2分7秒691、7秒601と立て続けに好タイムを叩き出した野村が、第3戦およびセカンドタイムで決まる第4戦のポールポジションを獲得。チームメイトの洞地が7秒734で第3戦、森山が第4戦の2番グリッドを手にした。
トヨタ育成ドライバーは第3戦、第4戦ともに4位の佐野が最上位だった。
■インディペンデントクラス
開幕大会を欠場した、植⽥正幸(Rn-sports MCS4)、今⽥信宏(JMS RACING with B-MAX)、鳥羽豊(HELM MOTORSPORTS F4)らの強豪がエントリーしたことで、今大会はフルメンバーでの戦いとなった。
その鳥羽が早々に2分11秒254をマークするが、4周目のアタックで今田が11秒の壁を破る2分10秒973でトップタイムを更新。さらに開幕戦を制したDRAGON(B-MAX TEAM DRAGON)が10秒944でトップに立つなど、目まぐるしくトップが入れ替わった。
この戦いは予選終了まで続き、特にチームメイトの今田とDRAGONは意地のポール争いを繰り広げ、両者ともに8周目となるアタックで今田が10秒845、DRAGONが10秒906とベストタイムをマーク。最後は今田に軍配が上がったが、セカンドタイムで決まる第4戦のポールはDRAGONが奪った。
セカンドローには、鳥羽とKEN ALEX(BUZZ RACING)が、第3戦、第4戦で位置を入れ替え並ぶことになった。
第3戦の決勝は、本日午後2時から、第4戦決勝は明日の午前8時40分から、ともに11周で行われる。






Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Atsushi BESSHO

全日本スーパーフォーミュラ選手権第2戦の決勝が、5月19日、大分県・オートポリスで行われ、牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF23)がスタートでトップに立ち独走で初優勝を飾った。
決勝日は、晴れたものの風があり、予選日の暑さが嘘のように過ごしやすい天候となった。
レースは、ポールポジションの岩佐歩夢(Red Bull MOTUL MUGEN SF23)が出遅れ、牧野、山本尚貴(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)が先行する形で幕を開けた。
トップを快走する牧野は、2位山本との差を、5周目には2.5秒まで広げる。山本の背後につける岩佐は、山本が壁になりペースを上げられず、逃げる牧野に対して成す術がない状態が続く。
この状況は、思いがけず山本が9周終了時にピットインすることで打開する。
壁が取り払われた岩佐は、トップ牧野との間隔を徐々に詰め始め、10周目に5秒あった差は、20周目には3秒にまで縮まる。しかし、そこからはタイヤのグリップが落ちたのか、差が変わらない状態が続いた。
そして、両者は24周目終了時に、同時にピットに滑り込む。ここではダンディライアンチームの作業が早く、逆に岩佐は再び差を開かれてしまう
全車がタイヤ交換を済ませた27周目には、トップ牧野、6秒遅れて山本、そしてその背後に岩佐と、スタート後の状態が再現されてしまい、岩佐が残る14周で逆転優勝することはかなり難しい状態になった。
33周目、岩佐はようやく山本を捕らえるが、この時点で牧野は遥か13秒前方で、万事休す。
最後はペースを落としたものの、そのまま逃げ切った牧野が、スーパーフォーミュラ初優勝。チームの無線で「もう勝てないんじゃないかと思った」と涙声で語った牧野は、ウィナーズサークルに停めた車の上に立つと、何度も雄叫びを上げ、全身で喜びを表した。
3位は、33周目に岩佐に続いて山本をパスした坪井翔(VANTELIN TOM'S SF23)、以下、山本、太田格之進(DOCOMO DANDELION M6Y SF23)、阪口晴南(VERTEX CERUMO・INGING SF23)と続いた。




Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Motorsports Forum

全日本スーパーフォーミュラ選手権第2戦の予選が、5月18日、大分県・オートポリスで行われ、岩佐歩夢(Red Bull MOTUL MUGEN SF23)が、デビュー2戦目で見事な初ポールポジションを獲得した。
朝から5月とは思えない夏のような日差しが照りつけるなか、午後2時から予選が行われた。
Aグループは10台。山下健太、太田格之進、福住仁嶺、大嶋和也、岩佐歩夢(R)、ベン・バーニコート(R)、坪井翔、大湯都史樹、Juju(R)、佐藤蓮と、ルーキー4人中3人はこちらに入った。
Bグループは11台。小高一斗、牧野任祐、小林可夢偉、三宅淳詞、野尻智紀、国本雄資、笹原右京、阪口晴南、木村偉織(R)、松下信治、山本尚貴とという組み合わせだ。
■Q1 Aグループ
最初にアタックを行った岩佐歩夢が、1分27秒570と好タイムをマークするが、太田格之進(DOCOMO DANDELION M6Y SF23)が1分27秒445で逆転。Aグループのトップを奪った。
3位以下はトヨタエンジンユーザーが続き、福住仁嶺(Kids com KCMG Elyse SF23)、山下健太(REALIZE Corporation KONDO SF23)、坪井翔(VANTELIN TOM'S SF23)、大湯都史樹(VERTEX CERUMO・INGING SF23)
までが、Q1を突破。
順位:太田-岩佐-福住-山下-坪井-大湯/大嶋-佐藤-バーニーコート-Juju
■Q1 Bグループ
Aグループ同様、チーム無限は最初にアタック。野尻智紀(Red Bull MOTUL MUGEN SF23)が1分27秒975。牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF23)がこれを僅かに上回る1分27秒871をマーク。阪口晴南(VERTEX CERUMO・INGING SF23)がこの二人に割って入り、この三人がトップ3。
Aグループよりややタイムが伸びなかったが、DOCOMOチーム・ダンディライアンが両グループでトップを奪った。
順位:牧野-阪口-野尻-小林-山本-笹原/国本-松下-木村-小高-三宅
■Q2
Q2進出はトヨタエンジン7台、ホンダエンジン5台と、数ではトヨタが上回るものの、速さはホンダ優位という感じだ。また、12台中10台は同チームという顔ぶれだ。
ここまで最初にアタックを行っているチーム無限は、Q2になってもそのやり方を変えずに、岩佐が最初にアタック。これに坪井、野尻が続いた。
岩佐は好タイムでセクター1を通過するが、これを上回ったのが牧野。しかし、コース後半を誰よりも早く駆け抜けた岩佐は、1分26秒632とQ1を大きく上回るタイムを叩き出して、デビュー2戦目にしてポールポジションを手にした。
牧野も必死に追いすがるが、1分26秒970とコンマ3秒という大きな差をつけられてしまった。それでも27秒を切ったのはこの二人のみで、明日の決勝ではフロントローに並ぶことになった。
3、4番手は、山本と阪口。阪口はトヨタエンジンユーザーでは最上位。以下、野尻、坪井、太田、福住と続いた。
順位:岩佐-牧野-山本-阪口-野尻-坪井-太田-福住-山下-小林-大湯-笹原


Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Motorsports Forum
Group A(10台)
3 山下健太(REALIZE Corporation KONDO SF23)
6 太田格之進(DOCOMO DANDELION M6Y SF23)
8 福住仁嶺(Kids com KCMG Elyse SF23)
14 大嶋和也(docomo business ROOKIE SF23)
15 岩佐歩夢(Red Bull MOTUL MUGEN SF23)
19 ベン・バーニコート(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF23)
36 坪井 翔(VANTELIN TOM'S SF23)
39 大湯都史樹(VERTEX CERUMO・INGING SF23)
53 Juju(TGM Grand Prix SF23)
65 佐藤 蓮(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)
Group B(11台)
4 小高一斗(REALIZE Corporation KONDO SF23)
5 牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF23)
7 小林可夢偉(Kids com KCMG Cayman SF23)
12 三宅淳詞(ThreeBond Drago CORSE SF23)
16 野尻智紀(Red Bull MOTUL MUGEN SF23)
20 国本雄資(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF23)
37 笹原右京(VANTELIN TOM'S SF23)
38 阪口晴南(VERTEX CERUMO・INGING SF23)
50 木村偉織(San-Ei Gen with B-Max SF23)
55 松下信治(TGM Grand Prix SF23)
64 山本尚貴(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)