全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第14戦の決勝が、9月15日、岡山国際サーキットで行われ、2番グリッドスタートのケイレン・フレデリック(Pilot ONE Racing with B-MAX)が1周目にトップに立ち、そのまま逃げ切って嬉しい初優勝。ポールポジションスタートの小出峻(HFDP WITH B-MAX RACING)も2位に入り、B-Maxが昨日の第13戦に続いてワンツーフィニッシュを飾った。
マスタークラスは、1周目の接触で2台がリタイア。DRAGON(TEAM DRAGON 324)が連勝をを飾った。
朝から雨模様となり、岡山国際サーキット上空は雲に覆われた。しかし、スタート時刻が近づくと、時折薄日も差すというが読みづらい天候となり、各チームはタイヤ選択に頭を悩ますことになった。結果、全車がドライタイヤを履いてグリッドに並んだが、路面は濡れたままだ。
スタートは、PPスタートの小出が制し、小出、フレデリック、小林利徠斗(モビリティ中京 TOM'S 320 TGR-DC)、野中誠太(PONOS Racing TOM'S 320 TGR-DC)と続いて1コーナーをクリア。
昨日は1周目から独走に持ち込んだ小出だが、濡れた路面で思ったようにペースは上がらず、逆にフレデリックに詰め寄られる形となった。それでも、抜きづらい岡山のコースでは小出の優位は揺るがなかったが、1周目のアトウッドカーブの立ち上がりで、小出がアクセルトラブルから若干失速してしまい、このチャンスを見逃さなかったフレデリックがトップに立った。
ここから二人の勝負が見られるかと思ったが、後方でマスタークラスの清水康弘(GNSY 324)と今田信宏(JMS RACING TEAM)が絡んでしまい、早くもセーフティカー(SC)が入る。
4周終了時にSCランが解除されるが、今度は3位の小林利徠斗(モビリティ中京 TOM'S 320 TGR-DC)と、そのインを突いた野中誠太(PONOS Racing TOM'S 320 TGR-DC)がアトウッドカーブで接触。2台ともその場でリタイアとなり、再びSCが入ることになった。
8周終了時にリスタートとなるが、この頃になると路面が徐々に乾き、本来のペースを取り戻した小出が、トップのフレデリックを追い上げていく。その差は10周目の1.8秒から15周目には0.6秒まで縮まり、終盤はフレデリックの背後に小出が迫ることになった。
中団でも、6位の荒尾創大(HFDP WITH TODA RACING)が路面が乾くに連れペースを上げ、15周目に伊東黎明(LMcorsa OTG 320)をかわしてポジションアップを果たした。荒尾はこのレースのファステストラップも記録した。
二度のペースカーでレースの上限時間(30分)が迫り、結果として予定された周回より1周少ない17周でチェッカーを迎えることとなった。野中のリタイアによりチャンピオンシップポイントで俄然有利になった小出は、無理なチャレンジはせずにポジションキープのままチェッカーを受けた。
初優勝を飾ったフレデリックは、アメリカ生まれの22歳。ルーキーながらFIA-F3も経験している実力派だ。ここまでやや歯車が噛み合っていない感があったが、今大会からアドバイザーとして本山哲氏も帯同し、態勢が整ったことが今回の優勝に繋がったようだ。
3位には、小林、野中の脱落で古谷悠河(Deloitte. HTP TOM'S 320)が入った。
マスタークラスは、生き残った2台による勝負となったが、濡れた路面でのペースはDRAGON(TEAM DRAGON 324)が藤原誠(TEAM DRAGON 324)を圧倒し、20秒という大差をつけて、昨日に続く連勝を飾った。
第15戦の決勝は、本日午後1時55分から18周で行われる。
Text: Shigeru KITAMICHIPhoto: Atsushi BESSHO