SUPER GT

第4戦富士決勝 GT300クラスはLEON PYRAMID AMGが絶妙なピットインでポールtoウィン

GT300クラス優勝はLEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/篠原拓朗/黒澤治樹)

 2024オートバックスSUPER GT第4戦「富士GT350kmレース」の決勝が、8月4日、静岡県・富士スピードウェイで行われ、GT300クラスは、ポールスタートの65号車LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/篠原拓朗/黒澤治樹)が、FCYを予測した絶妙なタイミングでピットインを行い、独走で優勝を飾った。

 やや風はあるものの猛暑の富士スピードウェイには、2日間延べ52,200人(予選日20,600人、決勝日31,600人)という多くの観客が訪れた。

 午後2時30分に77周のレースがスタート。1周目からPPスタートの65号車LEON(篠原拓朗)が、87号車METALIVE S Lamborghini GT3(坂口夏月)に2秒のマージンを築いてコントロールラインに戻ってくる。

 1周目を終えて、接触で左リヤ部分を破損した61号車SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人)がピットに滑り込んでくる。2周を費やして修復しコースに復帰したが、今シーズン、不運続きの61号車が、早々に後れを取ってしまった。

 20周目のトップ6は、65号車LEON(篠原)、87号車METALIVE(坂口)、4号車グッドスマイル 初音ミク AMG(片岡龍也)、777号車D'station Vantage GT3(チャーリー・ファグ)、88号車JLOC Lamborghini GT3(元嶋佑弥)、56号車リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R(佐々木大樹)。

 レースが動いたのは25周目。2位に7秒という大量リードを築いていたトップ65号車LEON(篠原)がピットイン。すると、その直後にフルコースイエロー(FCY)の措置が取られる。これは、24周目にダンロップコーナーでストップした25号車HOPPY Schatz GR Supra GT(菅波冬悟)の車両回収のためだが、65号車の読みがズバリ当たり、タイムロスを最小限に抑えることに成功した。

 30周を過ぎると上位陣が続々と動く。

 まず、この時点でトップの87号車METALIVEが31周目にピットイン。32周目には7号車Studie BMW M4(ブルーノ・スペングラー)、33周目に31号車apr LC500h GT(小高一斗)、34周目に56号車リアライズ(佐々木)、35周目に4号車グッドスマイル(片岡)と、まるで申し合わせたように1周ずつずらして次々と作業を行う。

 上位がすべてピット作業を終えると、65号車LEON(蒲生)は4号車グッドスマイル(谷口)に、何と50秒以上のマージンを築いていた。FCYを読んでピットインを敢行したチームの戦略が功を奏した。

 4号車の後ろには、88号車JLOC(小暮卓史)、 56号車リアライズ(J.P.オリベイラ)、777号車D'station(藤井誠暢)、87号車METALIVE(松浦孝亮)が連なり、トップ65号車のみが抜き出た形だ。

 45周目にピットインした52号車Green Brave GR Supra GT(野中誠太)は、タイヤ無交換を敢行。ドライバーを吉田広樹に交代して8位でコースに復帰。我慢の走行で何としてもポイントをもぎ取る作戦だ。

 55周目のトップ6は、独走する65号車LEON(蒲生)45秒遅れて4号車グッドスマイル(谷口)、56号車リアライズ(オリベイラ)、88号車JLOC(小暮)、777号車D'station(藤井)、87号車METALIVE(松浦)。

 終盤、熾烈だったのがポイント圏内をかけた8位争い。タイヤ無交換でペースが上がらない52号車Green Brave(吉田)、6号車UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARI(ロベルト・メリ・ムンタン)、45号車PONOS FERRARI 296(ケイ・コッツォリーノ)、2号車muta Racing GR86 GT(堤優威)、31号車apr LC500h GT(中村仁)らが僅差で攻防を繰り広げる。

 この争いから抜け出たのは6号車UNI-ROBOとランキングトップの2号車muta。両者は、その後も8位争いを繰り広げ、69周目、2号車が前に出て勝負は決着。

 64周目、52号車のペースダウンはトラブルだったようで、ピットに入るとそのままガレージに入ってしまった。

 そして、迎えた71周目。GT500クラスのトップが77周(350km)を走り切ってフィニッシュした後に、65号車LEON(蒲生)が今季初優勝のチェッカーを受け、終盤追い上げた4号車グッドスマイルも31秒遅れてフィニッシュ。3位には56号車リアライズが入り第2戦以来の表彰台となった。

 4位以下は、777号車D'station、88号車JLOC、87号車METALIVE、7号車Studie、そして、8位にはランキングトップを守った2号車mutaが入った。2号車のしぶとい走りにはただただ驚くばかりだ。

 65号車にとってはの2020年第4戦もてぎ大会以来4年ぶりの優勝となった。チェッカードライバーを務めた蒲生は「今回は運も味方してくれました」とコメント。その言葉どおり運も味方につけたチームの的確な判断が引き寄せた勝利だった。

 大きなアクシデントもなく盛況のうちに終えた富士大会。次戦(第5戦)の舞台は8月31日〜9月1日の鈴鹿サーキット。今回と同じ350kmレースとして行われる。

GT300クラスのスタートシーン

GT300クラス決勝2位はグッドスマイル初音ミクAMG(谷口信輝/片岡龍也)

GT300クラス決勝3位はリアライズ日産メカニックチャレンジGT-R(佐々木大樹/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)

GT300クラスの表彰式

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Motorsports Forum


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