全日本スーパーフォーミュラ選手権第9戦「JAF鈴鹿グランプリ」の予選が、11月10日、三重県・鈴鹿サーキットで行われ、昨日はQ1敗退の憂き目を見た野尻智紀(Red Bull MOTUL MUGEN SF23)がポールポジションを獲得した。
いよいよ今シーズンの締めくくりとなる最終戦を迎え、曇り空のもと、午前9時15分から予選が行われた。引退を表明している山本尚貴にとっては最後の予選だ。
■Q1 Aグループ
いつもどおりの最後のワンアタックでの攻防となり、最初にアタックに入った岩佐歩夢(Red Bull MOTUL MUGEN SF23)を筆頭に次々に各車がタイムを刻んでいく。
岩佐はタイムが伸びず1分38秒055、牧野任祐(DOCOMO DANDELION M5S SF23)が37秒719とトップタイムを塗り替え、これに阪口晴南(VERTEX CERUMO・INGING SF23)が37秒819、速さの戻ってきた笹原右京(VANTELIN TOM'S SF23)37秒891で続いた。
そして、このグループで最後にトップに躍り出たのが、このレースがフォーミュラでのレースが最後となる山本尚貴(PONOS NAKAJIMA RACING SF23)。コース前半のセクター1〜2でベストタイムを叩き出し、1分37秒574でまとめ、まだまだ速さがあることを示した。
順位:山本-牧野-阪口-笹原-福住-岩佐/国本-小高-三宅-Juju
■Q1 Bグループ
昨日の予選では、赤旗が出るという不運もあってQ1突破ならなかった野尻が早めにアタックに入り1分37秒758をマーク。
これを上回ったのが、ポールを取ればチャンピオンを手にできる坪井翔(VANTELIN TOM'S SF23)と、昨日優勝の太田格之進(DOCOMO DANDELION M6Y SF23)。それぞれ1分37秒351、37秒492と、3位の野尻以下のやや引き離すタイムをマークした。
順位:坪井-太田-野尻-山下-佐藤-大湯/大津-木村-小林-平良
■Q2
Q1を通過した12台の内訳は、KONDO1台、ダンディライアン2台、KCMG1台、無限2、トムス2台、セルモ2台、NAKAJIMA2台。
最初にアタックをした岩佐は1分37秒326。悪くないタイムと思われたが、阪口1分37秒079、福住37秒032と、続々とトップタイムが更新され、昨日悔しい思いをした野尻に至っては1分36秒542と、それまでのトップタイムをコンマ5秒も上回る驚速タイムを叩き出した。
この後も野尻のタイムを更新する者は現れず、気迫のこもったアタックを見せた野尻のポールポジションが確定した。
これに続いたのは、1分37秒797をマークした太田。連勝に向けて好位置を確保すると同時に、結果として、チームメイトの牧野を救い、坪井のタイトル確定を阻止した形になった。
この予選で牧野に2ポイント差をつければ、チャンピオンが確定するはずだった坪井は、1分36秒844で3位。惜しくも予選でタイトルを決めることはできなかったが、タイトルを争う牧野が10位に沈んだため、俄然有利な状況で決勝を迎えることになった。
順位:野尻-太田-坪井-佐藤-福住-阪口-笹原-山下-山本-牧野-岩佐-大湯
今シーズンを締めくくる第9戦の決勝は、本日午後2時30分から31周で行われる。
Text: Shigeru KITAMICHIPhoto: Atsushi BESSHO