12月8日、2024FIA-F4選手権シリーズの第8戦(延期レース)が、三重県・鈴鹿サーキットで行われ、チャンピオンクラスは、トップチェッカーの洞地遼⼤(HFDP with B-Max Racing)が最低重量不足で失格。新原光太郎(YBS Verve 影⼭ MCS4)が初優勝を飾った。
インディペンデントクラスは、ポールスタートの鳥羽豊(HELM MOTORSPORTS F4)が昨日に続く連勝を飾り、最終レースまでもつれたチャンピオン争いは、DRAGON(B-MAX TEAM DRAGON)が制した。
朝は雨が落ちていたが、スタートを迎える頃には雨の心配はなく、午前8時15分にドライコンディションのなかフォーメイションラップがスタート。昨日と同じく、路面温度の低さを考慮して2周した後にスタートが切られた。
■チャンピオンクラス
PPの洞地は、前大会のもてぎ大会、そして昨日の第7戦とPPを奪いながらもスタートで遅れて優勝を逃すパターンが続いていたが、今回はきっちり決めて、トップで1コーナーへ飛び込む。2位は野村勇⽃(HFDP with B-Max Racing)、3位には新原光太郎(YBS Verve 影⼭ MCS4)がつけた。
1周目、スタートで遅れた焦りもあったのか、8位を走行していた⼤宮賢⼈(PONOS RACING MCS4)が、S字でコースアウト。早くもセーフティカー(SC)が入る。
3周終了時にリスタートを迎え、3位の新原が1コーナーで野村をかわして2位に浮上。ところが、中団の混戦のなかで、⽩崎稜(Bionic Jack Racing)、清⽔啓伸(Drago CORSE MCS4-24)、佐野雄城(TGR-DC RS F4)が、1コーナーでもつれるようにグラベルに飛び出し、またしてもSCが導入される。
車両の回収にやや時間がかかり、8周終了時にリスタート。3周のスプリントレースとなったが、トップの洞地は冷静にポジションを守り、ファステストラップを塗り替えながら、9周目1秒、10周目1.5秒と2位新原を引き離していく。
そして、洞地がトップでチェッカーを受け、今シーズン最後のレースを優勝で締めくくった……はずだった。しかし、レース後の再車検で、洞地車とドライバーの合計重量が、規定重量に僅かに届かず。失格の裁定が下された。
これにより、2位以下が繰り上がることになり、シリーズ終盤、尻上がりに結果を残してきた新原が意外な形で初優勝を飾ることになった。2位は野村、3位は森山。
■インディペンデントクラス
DRAGON対今田信宏のチャンピオンがかかった注目の最終レース。
クラスポールのKEN ALEX(BUZZ RACING)がエンジンストールで大きく遅れ、鳥羽、今⽥信宏(JMS RACING with B-MAX)、DRAGONが続く展開となった。
このまま、鳥羽-今田-DRAGONの順でフィニッシュすれば、僅かの差でチャンピオンの称号はDRAGONが手にすることになる。今田は鳥羽を抜いてトップフィニッシュすれば逆転チャンピオンだ。
二度のSCランを挟んだため、勝負は最後の3周となった。ここで、トップ鳥羽に今田が急接近。その差は9周目1.0秒、10周目0.6秒と詰まっていく。
しかし、「チャンスはなかった」と今田が言うように、鳥羽は隙を見せることなく、今田を従えて昨日に続く連勝のチェッカーを受けた。
チャンピオンに輝いたDRAGONは、「今年からインディペンデントクラスも、正式にJAFの選手権となったので、その初年度でぜひチャンピオンを取りたかった」と、僅か2.5ポイント差の逃げ切りに、ほっとした表情を浮かべた。
Text: Shigeru KITAMICHIPhoto: Atsushi BESSHO
Yoshinori OHNISHI