2025オートバックスSUPER GT第5戦「SUGO GT 300km RACE」の決勝が、9月21日、宮城県・スポーツランドSUGOで行われた。レースは途中に起きたアクシデントで中断。1時間後に30分レースとして再開され、GT300クラスは、Syntium LMcorsa LC500 GT(吉本大樹/河野駿佑)が優勝を飾った。
前日までの不安定な天候から、秋らしさの漂うレース日和となった決勝日。
注目は、そろそろ気になるチャンピオン争いだ。現在のランキングは、65号車LEON AMG(64p)、777号車D'station Vantage(56.5p)、2号車HYPER WATER GR86(52.5p)、4号車グッドスマイルAMG(47.5p)、7号車CARGUY FERRARI(44.5p)となっている。
ところが、レースがスタートすると、ランキング上位車に、次々に不運が襲いかかる。
ポールからスタートしたランキング5位の7号車CARGUY FERRARI 296 GT3(オサリバン)は、ペースが上がらずに周回を重ねる度に順位を落としてしまう。
代わってトップに立った60号車Syntium LC500(吉本)は、4号車グッドスマイル初音ミク AMG(片岡)、56号車リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R(平手)、31号車apr LC500h GT(小山)を従えて、首位を快走する。
15周目、10位を走っていたランキングトップの65号車LEON PYRAMID AMG(菅波)が、3コーナーで他車と接触してスピン。大きく遅れてしまった。
さらに、次の周には、5番グリッドからスタートし順位を落としていた、ランキング3位の2号車HYPER WATER INGING GR86 GT(平良)がトラブルを抱えスローダウン。SPコーナーでストップしてしまった。
これで、タイトル争いで俄然有利になった777号車D'station Vantage GT3(ファグ)は、3位(実質4位)まで順位を上げたところで、30周目にルーティンのピットイン。藤井にドライバーチェンジをしてトップを追う。
その少し前、28周目にはトップを走っていた60号車Syntium LC500もピットに入って吉本から河野にチェンジ。3位の56号車リアライズGT-Rも34周目、2位の4号車グッドスマイル初音ミクAMGも36周目にピットインをしてゴールを目指した。
レースは折り返しを過ぎ、60号車、56号車、777号車、31号車、4号車の順で進んだが、48周目に、今度はランキング2位の777号車が自ら大きな不運を招いてしまう。
詳しい状況は不明だが、最終コーナーの上り坂区間で、777号車D'station Vantage GT3(藤井)がダートに片輪を落とし、コースに戻ったところで、31号車apr LC500h GT(ラスムッセン)と接触。777号車は反動でアウト側バリアに激しくクラッシュし、その際に外れたタイヤが、20号車シェイドレーシング GR86 GT(平中)に当たってしまった。20号車はコントロールを失い、これを避けようとしたGT500クラスの64号車モデューロNSX(大草)も巻き込んでのマルチクラッシュに発展してしまった。(※9/24追記修正)
このアクシデントでレースは赤旗中断。コース施設の修復などを経て、約1時間後に再開された。
再開後は、60号車Syntium LC500(河野)と56号車リアライズGT-R(オリベイラ)の一騎討ちとなった。一時は、逃げる河野が2秒近くまでその差を開いたが、最後はオリベイラが詰め寄り、0.6秒差でチェッカーとなった。
3位は、序盤から好位置をキープしていた666号車seven×seven PORSCHE GT3R(近藤翼/ハリー・キング)、4位は、途中まで優勝の可能性もあった4号車グッドスマイル 初音ミク AMG(谷口信輝/片岡龍也)、以下、5位は11号車GAINER TANAX Z(富田竜一郎/大木一輝)、6位には52号車Green Brave GR Supra GT(吉田広樹/野中誠太)が入り、ここまでがトップ6。
PPスタートの7号車CARGUY FERRARI 296 GT3(ザック・オサリバン/小林利徠斗)は、徐々に順位を下げてしまい、8位でゴールした。
この結果、第6戦終了時点のランキングは、65号車LEON AMG(68p)がトップを守り、2位には56号車リアライズGT-R(平手/64.5p)、3位には4号車グッドスマイルAMG(60.5p)が浮上。ノーポイントに終わった777号車D'station Vantage(56.5p)は4位、7号車CARGUY FERRARI(52.5p)は5位、2号車HYPER WATER GR86(52.5p)は6位に後退することになった。(※ポイントは手元集計)
次戦、第7戦は、10月18〜19日にオートポリスで行われる。
Text: Shigeru KITAMICHIPhoto: Kazuhiro NOINE






