3月10日にモビリティリゾートもてぎで開催されたv.Granzによるスプリントレース決勝は、ポールポジションから発進の渡会太一(BRM v.Granz)がスタートで失敗するも即座にリカバリー、そこから毎ラップ2位以下に大差をつける展開で10周のレースを独走、2位に25秒差という圧倒的なスピードを見せて優勝を飾った。
朝の予選に比べて気温が8度まで上昇した午前11時40分、10台のマシンがグリッドに整列。路面温度もやや上昇し、絶好のレースコンディションとなった。
2番手に1秒以上の差をつけてポールポジションについた渡会はレース前にも余裕の表情を見せ、スターティンググリッドに歩を進め、レッドライトが消えてレーススタート。
しかしここで、渡会の蹴り出しが鈍く、第1コーナーへの加速で2番グリッドから発進のイノウエケイイチ(ワコーズEDニルズ)がスルスルと前に出てトップで第1コーナーへ進入。渡会は2番手にポジションダウン。後方でも中里紀夫(v.Granz)が第3コーナーで大山正芳(ダイワN通商アキランドV.Grant)のインを突いて4位へポジションアップ。さらにアウトにはらんだ大山のインをイダ タイヨウ(ワコーズEDニルズ)が差して5位へ浮上する。
それでも自分の速さ絶対の自信をもっていた渡会は落ち着いてイノウエの背後につけると、第4コーナーからの加速でオーバーテイク、トップを奪い返して第5コーナーへと飛び込む。
先頭に立った渡会選手はギャップをぐいぐいひろげて、オープニングラップだけで2位イノウエに2.177秒の差をつけてコントロールラインを通過。3位はスタートのポジションを守った下垣和也選手(WEST-SOUEISHA-v.Granz)がつけている。
2周目に入ってヒートアップしていたのが4位争いで、第1コーナーで大山がインから中里をオーバーテイク、さらにイダが第5コーナーで中里に襲いかかりインから攻略に成功。中里は一気に6位までダウン。
3周目、渡会は2分1秒734のファステストラップを出して2位9イノウエに8.106秒の差を築き早くも独走状態。追い上げたいイノウエだが下垣が0.504秒差と詰め寄ってきている。
渡会は4周目さらに11.695秒まで差を拡げる一方で2位グループは混戦。2分4秒台でペースの上がらぬイノウエを3秒台の下垣、大山が追い詰める。ダウンヒルストレートで下垣がイノウエの右サイドに出ると90度コーナーでインからオーバーテイク、2位を奪い取る。しかし続く5周目の第5コーナーで今度はイノウエが2位を奪回する。一方V字コーナーでは4位を走っていた大山選手が単独スピン、グラベルでストップ。これで2イダが4位、中里5位と順位を上げ6位には8番グリッドから着実に順位を上げてきた米谷浩(K.Kヨネタニ アキランド)が進出。
6周目、2位イノウエと下垣はテール・ツー・ノーズ状態で連なり、ダウンヒルストレートでは下垣選手がプレッシャーをかけ、90度コーナーではアウト側から仕掛けるがブレーキングでタイヤをロックさせてしまい、イノウエがポジションを守り切る。後方では米谷の勢いがよく、中里を攻略して5位にポジションアップする。
7周目、イノウエと下垣の4位争いが依然としてくり広げられる一方で、6位に落ちた中里選手に勢いがなく、いむらせいじ(オートルック V.GRANZ)がこれを仕留めて6位にあがると、いむらは続く8周目に米谷も攻略、5位に浮上する。
後方でのバトルを後目に渡会はその後もペースを緩めることなくゴールまで突っ走り、2位イノウエに25秒の大差をつけてぶっちぎりの優勝を飾った。その後方で淡々とレースを進めた下垣選手は1.3秒差の3位。以下4位イダ、5位いむら、6位米谷という上位になった。
もてぎでのv.Granzレース、次戦は10月20日に予定されている。
Text & Photo: Junichi SEKINE