例年より1か月遅い開幕となったスーパーフォーミュラ・ライツ選手権が、九州オートポリスで開幕を迎えた。
開幕前に、コントロールタイヤに決まっていたハンコックタイヤの大田(デジョン)工場の火災により、タイヤ供給が危ぶまれた同シリーズだが、ヨコハマタイヤが不足分を補うことで開幕にこぎ着けた。
勢力図は昨年と変わらず、トムスとB-Maxが二大勢力だ。ただ、コロナ感染による入国規制が緩和されたことで、外国人ドライバーの参戦が可能となり、トムスにはトゥルーリ、B-Maxにはビダーレスとフラガが加わった。
■第1戦予選
昨年も3勝のうち2勝をオートポリスで挙げた木村偉織(HFDP WITH B-MAX RACING)が速さを見せ、1分38秒748でポールポジションを獲得。デビュー戦のイゴール・オオムラ・フラガ(FANATEC-GRAN TURISMO with B-MAX)がこれに続き、B-Maxがフロントローを占めることになった。
チャンピオンナンバーを背負う平良響(モビリティ中京 TOM'S 320)は3位。以下、古谷悠河(Deloitte. HTP TOM'S 320)、小出峻(HFDP WITH TODA RACING)、デビッド・ビダーレス(B-MAX RACING 320)と続いた。
F1ドライバーを父に持つエンツォ・トゥルーリ(モビリティ中京TOM'S 320)は7位。
マスタークラスは、今田信宏(JMS RACING with B-MAX)がクラスPPを獲得した。
■第2戦予選
第1戦の予選から僅か10分のインターバルで行われた第2戦の予選。
終盤、各車が徐々にアタックに入るなか、木村が1分38秒742と第1戦とほぼ同じタイムをマークしたところで、マスタークラスの今田がコース上にストップ。これで赤旗が提示され予選は中断となった。
残り時間は3分。再開後、ワンチャンスに賭けて各車アタックするが、短い時間の中で満足なアタックはできず、殆どの車両がタイムアップをすることはできなかった。
2位以下は、小出、古谷、フラガ、ビダーレス、平良、野中と、ややトムス勢が低迷している感じだ。
木村は幸先の良い2連続ポールで、開幕大会完全制覇が射程に入ってきた。
マスタークラスは、今田が赤旗の原因をつくったとしてタイム抹消により、DRAGON(TEAM DRAGON B-MAX 320)がクラスPPを獲得した。
Text: Shigeru KITAMICHIPhoto: Katsuhiko KOBAYASHI