SUPER FORMULA LIGHTS

公式テスト鈴鹿 平良響がトップタイムも上位陣は僅差 今シーズンは混戦必至!?

 スーパーフォーミュラ・ライツ(SFライツ)の合同公式テストが3月7、8日に鈴鹿サーキットで行われた。

 今シーズンのSFライツは開幕が5月とやや遅いが、すでに主要2チームの体制は発表されている。注目はトムス勢ではエンツォ・トゥルーリだ。F1ドライバー、ヤルノ・トゥルーリを父に持つ、いわばサラブレッドで、4月に誕生日を迎えるが現時点では17歳という若さも注目点だろう。

 ライバルとなるB-Maxからは、新たにデビッド・ヴィダーレス、イゴール・オオムラ・フラガの2人が参戦する。ヴィダーレスはFIA-F3の優勝経験もあり、昨年の岡山テストでも速さを見せている。フラガは、eスポーツのグランツーリスモの世界チャンピオンという経歴も持ち、リアルのレースでも2020年のトヨタ・レーシング・シリーズで角田裕毅らを抑えてチャンピオンに輝くなど実績も十分だ。

■セッション1(7日/12:40-14:45)

 開始早々にデビッド・ビダーレス(B-MAX RACING TEAM)がトップタイムとなる1分53秒231をマークしてするも、S字でコースアウトしてFウィングを壊すなどして、それ以降の走行を断念した。

 その後は、昨年から参戦するレギュラーメンバーが首位を争った。セッション中盤に木村偉織(B-MAX RACING TEAM)が1分52秒315でトップに出るが、終盤、野中誠太(TOM'S)が1分51秒884で逆転。平良響(TOM'S)もこれに続き、野中、平良、木村の順でセッションを終えた。

■セッション2(8日/9:00-11:00)

 トラブルもなくセッションは淡々と進んだ。中盤までは、小出峻(TODA RACING)が1分52秒405で、野中(1分52秒561)、古谷悠河(TOM'S)(1分52秒757)らを僅差で抑えていたが、セッション折り返しを迎える頃に、それまで下位にいた木村がニュータイヤを投入し1分52秒068でトップへ。これを終了間際に平良が1分51秒852で逆転。いつも見られる最後のアタック合戦はなく終了した。

■セッション3(8日/15:00-17:00)

 エンジン不調でセッション2を走行できなかった4号車は佐々木大樹(B-MAX RACING TEAM)、菅波冬悟(B-MAX RACING TEAM)が2人でドライブ。

 開始からトムス勢の野中、平良がタイミングボードの上位に名を連ねる。30分を経過したことろで、これに割って入ったのが小出。トップ野中1分53秒318から遅れること僅か0.04秒で2番手につける。中盤は小康状態が続くが、折り返しにビダーレスと木村がアタックをかけて1-2に躍り出る。ビダーレスのタイムは1分52秒180と好タイムだ。その後、トムス勢もアタックするがトップタイムの更新には至らず。

 残り10分を切ってビダーレスがトップタイムを更新(1分51秒939)。小出(1分52秒072)、平良(1分52秒073)も迫るがわずかに届かず。

公式テスト鈴鹿 トップタイムは平良響(TOM'S)

公式テスト鈴鹿 2位は野中誠太(TOM'S)

公式テスト鈴鹿 3位はデビッド・ビダーレス(B-MAX RACING TEAM)

公式テスト鈴鹿 4位は木村偉織(B-MAX RACING TEAM)

公式テスト鈴鹿 5位は小出峻(TODA RACING)

公式テスト鈴鹿 6位はエンツォ・トゥルーリ(TOM'S)

公式テスト鈴鹿 7位は古谷悠河(TOM'S)

公式テスト鈴鹿 8位はイゴール・オオムラ・フラガ(B-MAX RACING TEAM)

 総合では8日午前、セッション2のタイムで平良がトップ。2位にはチームメートの野中が僅差で続いた。ルーキーのビダーレスはトップから0秒087差で3位に付け、早くも速さの片鱗を表わした。4位には木村が、5位には小出が続き、注目のエンツォ・トゥルーリ(TOM'S)が6位に付けている。

 7位には古谷が続き、もう一人のルーキー、イゴール・オオムラ・フラガ(B-MAX RACING TEAM)は8位でテストを終えている。

 今回のテストを見る限り、やはり昨年のメンバーは安定した速さを持っている。コントロールタイヤがハンコックに変わったが、一日の長のあるドライバーたちはその特性を掴むのも早いようだ。しかし、エンツォ・トゥルーリ(TOM'S)、小出、ビダーレスもそこに食い込む速さを見せており混戦は必至。台数こそ少ないが面白いシーズンになりそうだ。

Text: Shigeru KITAMICHI
Photo: Motorsports Forum


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