2023年FIA-F4選手権シリーズ第3戦の決勝が6月3日、三重県の鈴鹿サーキットで行われた。レースはスタートを含め3度のセーフティーカー(SC)が入る荒れた展開となったが、ポールポジションからスタートした三井優介(HFDP RACING TEAM)が終始危なげない走りでトップを守り切り、今季初勝利を挙げた。
第3戦決勝は当初予定より5分遅れの午後2時10分にスタートする予定だったが、碓井がグリッド整列の際にコース全周にわたってオイルを撒いてしまったため、これを処理するために15分遅れの午後2時25分よりセーフティーカーの先導でスタートすることになった。
3周終わりでSCはピットに入り、4周目から追い越しが可能となる。ポールの三井がトップで1コーナーに飛び込み、予選2番手の森山冬星(HFDP RACING TEAM)がそのまま2位で続く。
その後方では予選4番手の小林利徠斗(TGR-DC RSトムススピリットF4)が、リスタート直後の1コーナーですかさず3番手スタートの野村勇斗(HFDP RACING TEAM)のインに飛び込んだ。これをねじ伏せようとする野村に対し、小林も一歩も引かず、両者は並走のまま2コーナーを立ち上がったが、ここでは小林に軍配が上がった。
しかしその後方で、6番手スタートの中村仁(TGR-DC RSトムススピリットF4)が5番手の佐藤樹(HELM MOTORSPORTS F110)を1コーナーでアウトから抜き去ろうとして押し出された格好になり、グラベルに飛び出してしまう。このため再びSCが入ることとなった。
SCは5周終わりで一旦ピットに戻ったが、トップ集団がスタートに備えて西ストレートでペースを落としたことにより、後方集団で多重クラッシュが発生、すぐさま3度目のSCが入ることになった。
事故処理が終わり、SCがピットに戻ったのは8周目。規定の最大時間30分までは僅か2分。
リスタート直後の1コーナーで再びインに飛び込む小林。2位の森山はたまらず飛び出してしまい、野村が3位に繰り上がる。
結局レースはここで規定の30分を迎えたため、三井優介がそのままトップでチェッカーを受けることに。小林利徠斗が2位に入ってポイントリーダーの座を守り、野村勇斗は3位で今季2度目の表彰台を獲得した。1コーナーで飛び出した森山冬星は4位でフィニッシュしている。
第4戦決勝は明日の朝8時15分より11周または30分間で行われる。
Text: Kazuhisa SUEHIROPhoto: Katsuhiko KOBAYASHI