全日本スーパーフォーミュラ選手権第7戦は20日、富士スピードウェイで決勝を行い、予選2位からスタートした坪井翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING SF19)が今季2勝目を飾った。また、5位に入った山本尚貴(DOCOMO DANDELION M5S SF19)が3度目のシリーズチャンピオンを獲得した。(観客: 9,700人)
レース前に行われたウォームアップでは関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF19)のマシンが最終コーナーで炎上。このマシンの回収のため、フォーメーションラップは22分遅れの午後2時47分から行われた。2周行われたフォーメーションラップでは、タチアナ・カルデロン(ThreeBond Drago CORSE SF19)がスタートできず、さらに、シャルル・ミレッシ(Goldex Racing SF19)がスピンアウトしてマシンを降り、関口もグリッドに付けなかったため、17台でのスタートが切られた。
スタートでは蹴り出しの良かった予選2位の坪井翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING SF19)がトップで1コーナーに向かう。素晴らしいスタートを切ったのは予選4位の松下信治(Buzz Racing SF19)で、3位に上がるとポールポジションの野尻智紀(TEAM MUGEN SF19)をコカコーラーコーナーでアウトから捉え2位に躍り出た。3位には野尻が、4位には山本尚貴(DOCOMO DANDELION M5S SF19)、5位には笹原右京(TEAM MUGEN SF19)、そして6位にはチャンピオンがかかってる平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF19)が予選8位から上がってきた。
4周目、平川は笹原をパスして5位に上がり、チャンピオン争いをしている4位の山本を追う。
タイヤ交換が可能となる10周目には3位の野尻がピットイン。この周から11周目にかけて多くのドライバーもピットインしてタイヤ交換を行った。
15周目には山本がピットイン、先にピットインしていた平川の前でピットアウトするが、タイヤが冷えていたため、100Rからヘアピンにかけて平川の先行を許すこととなった。
しかしこのチャンピオンを賭けた直接対決は、オーバーテイクシステムを使った山本が17周目の1コーナーで平川をパス、再び前に出ることに成功した。
この時点でピットに入ってないのはトップの坪井と、最後尾スタートながら他車のピットインで2位に上がってきたニック・キャシディ(VANTELIN KOWA TOM’S SF19)の2台のみ。
坪井は16周目にピットインすると、実質トップの2位でコースインした。
29周目には4位を走っていた野尻がタイヤトラブルによりヘアピンでマシンを止めリタイアした。
コースにとどまったキャシディはようやく30周目にピットイン。山本と平川の間に割り込む形でコースに復帰した。これで坪井は再び名実ともにトップに立ち、2位には松下が、3位には後方から追い上げてきた大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING SF19)が続く。
34周目、キャシディがコカコーラコーナーで山本をパスして4位に浮上。35周目には大湯も松下をパスして2位に上がり、トップ坪井を追う。
トップ坪井は、残り周回も2位大湯の追撃を許さず、40周を走って今季2勝目を飾った。2位は大湯、3位には松下が入った。最後尾から追い上げたキャシディは4位に入った。
5位には山本が入り3度目のシリーズチャンピオンを決めた。山本を追い切れなかった平川は6位でレースを終えた。
また2位に入った大湯は、前戦での優勝なども評価されルーキーオブザイヤーを獲得した。
来シーズンは、ここ富士スピードウェイで4月3日に開幕。各サーキットを転戦し7戦が行われる予定だ。来シーズンも熱い戦いを期待したい。
Text: Yoshinori OHNISHIPhoto: Hiroyuki MINAMI