************* 全日本富士1000kmレース大会 *************** - 雨を味方にデンソートヨタ89C-V歓喜の初優勝!シリーズチャンプは長谷見 の手に!- 10月7日行われたJSPC最終戦「全日本富士1000kmレース大会」は、め まぐるしく変わる天候の中、最終戦にふさわしく白熱した戦いが繰り広げられた。 不順な天候のためタイヤチョイスが大きな鍵を握ることとなったが、天候の変化を うまく読んだデンソートヨタが、カルソニックニッサンの追撃を振り切り優勝!開幕 戦と最終戦をトヨタが制し、残り3戦を日産が制するというT・N対決に終始したシ リーズは幕を閉じた。 注目のシリーズチャンプは、今回2位の星野と5位の長谷見が同ポイントで並んだ が、勝ち星で上回る長谷見が星野のF3000,GrAに続く3冠を阻止した。 ●予選1回目(6日) 天候の変化が読めないため、各車1回目から積極的にアタック。 ウェットからドライに変化するコンディションの中、予想通りトヨタ、日産のPP 争いとなったが、終了間際に100日石トラストポルシェがまだ雨の残るコースを果敢 に攻め1発大逆転!王者の意地を見せた。 ●予選2回目 トラストチームの願いも虚しく、2回目の予選は完全ドライ。こうなるとポルシェ 勢に勝ち目はなく、上位6台は日産、トヨタのオンパレード。 24YHP-23カルソニック-36ミノルタ-39デンソー-85CABIN-37ミノルタ と並んだ。なお、36、39のトヨタは89C-Vを使用。 ○ニュース ・ マツダのワークスドライバー片山義美選手は、今回のレースを最後に引退するこ とを発表。決勝前にセレモニーが行われた。 「最後だからといって感慨深いなどということはない。これからもテストは今まで どおり続けるし、後輩の指導など益々忙しくなるよ」と淡々と語った。 ・ マツダは今回2台の787と767B1台の3台体制で参加。 ・ 前回はタカQカラーだった37号車は、今回ミノルタカラーに。 ・ 菅生で活躍したスパイスは、今回欠場。どうやら菅生で壊れたミッションの手配 がつかなかったらしい。 ・ 日産はレースウィークの水・木曜日を使って、今年23号車に多発しているベー パーロック現象を徹底分析。万全の体制で臨んだ。 ●決勝(224周) 予定より若干早めの10時54分、224周先のチェッカー目指して各車一斉にス タート。上位6台は1分22秒台のハイペースで周回を重ねていく。これを追ってポ ルシェ軍団が22~23秒台、マツダ勢が24~25秒台で続く。 5周目、36ミノルタがブレーキトラブルでピットイン。早くも上位の一角が崩れる。 そして、20周目には、シリーズチャンプの可能性を残していた100日石トラストポル シェがスピン。オイル漏れらしく、そのままピットでリタイア。 30周過ぎから各車1回目のピットイン。これを終え順位が落ち着いた時のオーダ ーは、23-24-2-39-27-37。この頃から雨が降り出し、ラップタイムが落ち込み始める。 必勝を期すトヨタは、リタイアした36号車のドライバー、関谷、小河両選手を37 号車のドライバーに変更。 また、マツダも同様に40周目にトラブルでストップした202号車のドライバー 片山選手を、有終の美を飾らせるため203号車のドライバーとして登録。 60周終了時順位 23-24-2-27-39-37-7-85-1-201 そしてレースの3分の1、75周を過ぎた頃、雨足は益々強くなり、2度目のピッ トインに入ったマシンは次々にタイヤをカットスリック、オールウェザー等に交換。 この後、目立った速さを見せたのが、2位の関谷選手の乗る37ミノルタと、中谷選 手の乗る4位の27フロムA。 80周終了時順位 23-24-37-27-39-2-85-1-201-55 23-37-24-27-39という同一ラップの5車のうち、この2台のみが他車を1~2秒上 回るペース。特に「雨以外は全く問題ない」というノバエンジニアリングがメンテナ ンスするのフロムAポルシェは、最高の仕上がりを見せているようだ。 90周 23-(29秒)-37-(8秒)-24-(7秒)-27 97周 23-(19秒)-37-(9秒)-24-(1秒)-27 しかし、99周目その27号車が24号車を抜こうとした最終コーナーで大クラッ シュ!!ドライバーは無事だったもののマシンは大破。 これにより10周にわたってペースカーが入る。 100周終了時順位 23-37-24-39-2-27-1-85-201 レースが再開されると、今度はチャンプ最右翼長谷見選手の24号車がAコーナー でコースアウト。サンドトラップの餌食に。(この時のドライバーはオロフソン) これでチャンプの可能性は誰の眼にも無くなったかにみえたが、運良くオフィシャ ルに助けられ、10周ほどのロスで戦列に復帰。 上位各車はタイムロスを少なくするため、ペースカーランの間にピットインをし、 これを終えると、23-37-39の3台が同一周回。トップから3位までその差6 秒。この後もこの3台は順位を入替えながら激しく争う。 しかし、129周目また大クラッシュ!!場所はフロムAと同じ最終コーナー立ち 上がり。横転してマシンはバラバラ。赤いマシン、33番武富士ポルシェだ。 幸いにもドライバーは無事脱出。これで2度目のペースカーランに。 同じ周ゼッケン1ADVANポルシェも100Rでクラッシュ。マシン前部を壊し その場でリタイア。 相次ぐトラブルで、コース上に残ったのは10台のみ。 再開後も3台の争いとなるが、雨が降ったり止んだりの天候に翻弄される各チーム はタイヤチョイスに悩むことに・・。 140周終了 39-37-23-2-201-55-203-24-7-1 160周終了 37-23-39-2-201-55-203-24-7-230 180周終了 39-37-23-2-201-55-24-203-7-230 (同一周回はトップ3のみ) 残り40周となった184周目、39がピットイン。回復しつつある天候に賭けて スリックタイヤに交換。 188周目に、37号車スロー走行。ミッショントラブルによりリタイア。 これで、日産、トヨタ1台ずつで一騎打ちとなるが、この時点で23号車は最低1 回ピットストップしなければ燃料がもたないため、39号車を引き離したいところ。 190周目 23-(1分3秒)-39 (スリック) (スリック) 199周目 23 最後のピットイン タイヤはスリックのまま (順位逆転) ドライバー星野選手から鈴木利男選手へ 200周目 39-(41秒)-23 ここで雨が強くなる。 203周目 39-(58秒)-23 204周目 23 ピットイン タイヤオールウェザーへ交換 しかし、23号車のペースは以外に上がらない。39号車はスリック タイヤで踏ん張る。 213周目 39 こらえきれずピットイン タイヤオールウェザーへ交換 214周目 39-(1分17秒)-23 これで勝負あった。以後も39デンソートヨタは、ラッツェンバーガーがコンスタ ントに走り、出走19台、完走8台という波瀾のレースに幕を閉じた。 レースに「もし・・」はないが、23号車が199周目のピットインの際にオール ウェザータイヤに変えていれば・・・・・ひょっとして、ひょっとしたかもしれない。 (以上です。後半はすっかり疲れたので、手抜きになりました。カンベンネ)