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全日本GT選手権

GTインサイドレポート Rd.6/6

                  ALL JAPAN GRAND TOURING CAR CHAMPIONSHIP
                     1997  GT INSIDE REPORT
  Round 6 SUGO GT CHAMPIONSHIP                                 26 Oct.'97
   GT Inside Report           インサイドレポート2              FMOTOR4版
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'97GTC第6戦 SUGO GT選手権レース

☆決勝直前・チャンピオン候補にきく
No.36 カストロール・トムス・スープラ(GT500ランキング1位)
ミハエル・クルム「予選は9番手ですからあまりよくなかったです。午前中にエン
ジンに問題があってタイムが出なかったんですが、午後エンジンを換えて9番手の
タイムが出ました。でもあとコンマ1秒速かったら、7番手でNo.39の前に出られた
ので、それが残念です。今90kgというハンデが載っているんですが、それがここの
上り坂とブレーキングできびしいので、今日の感じとしてはあまりうれしくないで
すね。明日は、勝つのはちょっと難しいでしょう。それより自分たちのクルマはコ
ンスタントにタイムが出ているので、それを利用して、また前回もそうだったよう
にピット作業をうまく使って、きちんとペドロに渡したいです。それでペドロが抜
いてくれればなおいいですね。(最後に日本語で)デモ、トテモオモイデス」
ペドロ・デ・ラ・ロサ「ボクは、明日のことはあまり心配していません。というの
も、クルマはコンスタントにタイムが出るようになっているものですから。確かに
90kgというハンデはありますけれど、そんなには心配していません。明日重要なの
はインテリジェンス、つまり頭を使ったレースといえるでしょう。我われのチーム
は、No.36にもNo.37にも両方にチャンピオンのチャンスがあるわけで、チームが頭
を使って、どちらからピットに入れるかをまず決めなければいけません。そのうえ
でピットワークが非常に重要になってくるでしょう。デンソー・スープラをチーム
プレイで抑える可能性については、No.37がチャンピオンを取れる可能性がなくなっ
たとわかれば、ありうる話だと思います。ただ両方ともチャンピオンの可能性があ
るわけですから、状況を考えながら運転しなければいけないですし、チームもそれ
をよく考えなければいけません。そこが明日のレースの重要なキーになると思いま
すね。(最後に日本語で)ドウモアリガトウ、ソレデモガンバリマス」


No.19 RS☆Rシルビア(GT300ランキング1位)
福山英朗「結局10番手ですね。まぁあんまり重たい重たいという話はしたくないん
ですが、そんなこと考えててもしかたないんで、あんまり考えないようにしていま
す。だけどこれまでウエイトが増えるたびにチームが総がかりで対応してくれたん
ですけれど、ここまで来るとさすがにどうしようもない。何やってもクルマが反応
してくれないところまできちゃいまして、しょうがないですね。明日は、たぶんレー
スは荒れるでしょうから、ぜひとも武士くんにはトップとって、ポイントを接近さ
せてもらって、あとは日ごろの行いがいいほうにチャンピオンが転がり込むんじゃ
ないかと思います。ところが最近、新田守男の行いがちょっとよくなっちゃった
し(笑)、恵一さんは7時くらいに寝ちゃうらしいし(笑)、結構不利かなあって
感じですね。8ポイント差というのは、ラップタイムが同じだったら大きいですね。
でもタイムがちょっと違うので、さほど大きいとは言えないんじゃないでしょうか。
序盤で上にいきたいんですが、肝心なところが遅いですから、多分いけませんね。
だからホントに武士くんに勝ってもらって、間違っても恵一さんを勝たせないよう
に、今日同盟を結びたいと思います(笑)。あ、でも武士くんは師匠が恵一さん
か…。それに一番の問題は織戸の日ごろの行いなんだよなぁ(笑)。まぁ正直なと
ころ、今回はほんとうにきびしいです。今年一番の気合いの入った予選をやったん
ですが、この程度なので、やはりいろんな混乱が起きてくれることを祈りたいと思
います」
織戸学「ボクも福山さんと同じです。とりあえず最終戦まで来て、チャンピオンに
王手をかけてますんで、それに向かってチーム全員がほんとうに一生懸命やってい
るので、なんとか明日いいかたちでGTのシリーズを終えたいなと思ってます。今日
の結果ではなく、明日のゴールしたときの順位とポイント、それだけ考えて頑張り
たいと思います。ただ100kgのハンデは、80kgまででは感じなかったものがいろいろ
出てきちゃった気がしますね。とくにここのコースのせいもあると思うんですが、
すごく重いんです。金曜日ここで初めて乗ったときに、なんか全然違うクルマに感
じられましたから。とくに上りの区間が遅いのと、ブレーキの制動距離が伸びちゃ
うんで、全般的に遅くなっちゃいますね。それでも今までウチのチームはピット作
業とかいい感じにできてたんで、明日もそれをやって、頑張りたいですね」

No.39 デンソーサードスープラGT(GT500ランキング2位)
影山正美「ベストをつくして頑張ります。暑くても寒くても、雨さえ降らなければ
関係ない。とにかくNo.36の前にいないと。5ポイント差をつけないとね」

No.26 タイサンスターカードRSR(GT300ランキング2位)
新田守男「いくだけいくしかない。ウエイトを積んでるわりには思ったほど悪くは
ないって感じかな。ただ、決勝はきびしいでしょう。ストレートスピードがつちや
MR2より12km/h遅い。シルビアとは最終コーナー立ち上がりでほとんど一緒。80kgと
100kgの差はもちろん大きいけれど、実質はあまり変わらないと思う。シルビアのほ
うは20kgの差を感じてるかもしれないけれど、ウチは有利だとは思っていない」


☆決勝日のトピックス

No.19 RS☆Rシルビア
織戸学「昨夜、足回りのセッティングを大幅に変えたんですが、それが大正解だっ
たようです。もう昨日までとは全然違いますね。すごくよくなりました。燃料がカ
ラでも満タンでもタイムが出てますし、かなりいけそうな感じです」

*25 つちやMR-2
土屋武士「朝は、走り出してすぐターボが壊れて、今交換中です。タービンの羽が
欠けたみたいです。でも朝のうちでよかったですよ。決勝中でなくてラッキーって
感じですね。昨日のうちにフル満タンのテストも終えているので、朝走れなかった
のはまったく心配していません」

No.910 ナインテンポルシェ
玉本秀幸「昨日の予選タイムが取り消しになったのは、午後、ガーニーフラップを
ダウンフォースをつける方向で調整したら、それが規定より7mm出っ張ってしまった
ためです。午前は出ていなかったんで、そのタイムは認めてほしかったんですけ
ど…。今朝のタイム(クラス3番手)はダンロップのソフト系タイヤがよかったか
ら。予選で使った中古なんですけどね」

No.26 タイサンスターカードRSR
新田守男「今朝のタイム(クラス8番手)はほぼ満タン状態でのもので、ウチとし
てはこれくらいでしょう。29秒台ではいけないでしょう。路温はもうちょっと上がっ
たほうがいい。まあ陽も出てきたし、このままということはないでしょう。予選順
位が4位から3位に繰り上げになったのはうれしいですね。でも、ナインテンのペー
スは結構速いから、すぐ上に来ちゃうと思うと思うけど」

No.51 コブラポルシェ
池谷勝則「今は2番手だったみたいね。予選用仕様はないんで、決勝も予選と同じ
ようなタイムで走れるのが強みです。燃料は60リッター積んでました。本番もこれ
でスタートします。タイヤは路温が低かったのにきちんと発熱してくれた。決勝で
も問題ありません。最終戦だから、表彰台の片隅でもいいから上りたいね」

No.39 デンソーサードスープラGT
影山正美「クルマは決まってますよ。満タンのテストでもOKでしたし…。No.36が
タイム上げてきてますけど、あれは一発でしょ。ウチはコンスタントにいけますか
ら大丈夫です。ま、でも、他のクルマのことはあまり考えずに、とにかくミスなく
やります。1台でも前に行くだけですね。やるだけのことをやって、悔いのないよ
うにしたいです。ボクのレース人生で全日本タイトルに挑むのは2度目で、F3のとき
はタイトルをとりそこなってます(インサイドレポート班注 '94年全日本F3選手権
でM.クルムに次いでシリーズ2位)から、今回はぜひとりたいですね。それにあん
まり外人ばっかりタイトルとるのもおもしろくないでしょ」
谷川達也「タイトルは意識せずいつも通り淡たんといくだけです。あせらずじっく
りいけば、結果はついてくるでしょう。とにかくNo.36より前でゴールしますよ」

No.3 ユニシアジェックススカイライン
朝のフリー走行の後、フロントのダンパーを交換していた。「今ごろこんなことやっ
てるんだから、どれだけクルマに苦労してるかわかるでしょ?(笑)」と長谷見昌
弘。「ちょっとフロントを柔らかくしてるんだ。ハネる箇所があったんでね。それ
にしてもスカイラインはきびしいね。ストレートがこんなに遅いんじゃ勝負になら
ないよね。それに6気筒で前が重いから、リアに荷重がかからない。だから燃料が
満タンでもカラでもタイムがおんなじなんだ。ま、スカイラインはどこもみんな渋
い顔してるでしょ。星野のとこなんか、おっかないから行かないほうがいいよ(笑)」

◎決勝前のにわか雨
 午前中は気温は低いながらも澄み渡っていた青空が、決勝を前にしてにわかに曇
り、細かい雨がパラついてきた。ポールスタートのNo.100 RAYBRIG NSXの飯田章に
「雨はどうですか?」と水を向けると、「ダメ」と一言。No.18 avex童夢無限NSXの
黒澤琢弥も「走ってないからわからねェ」と、表情はあまりさえない。しかし、
NSXが雨で不利というわけではないようだ。トムスの伊藤エンジニアは、「NSXがダ
メと言ってるのはフィーリングの問題でしょう。仙台ハイランドでも雨で妙に速かっ
たし、データ上ではウチが完全に負けてます」という。そうは言っても、もちろん
トムスが勝負をあきらめてしまったわけではない。「雨の作戦というのはとくにあ
りません。ウェットタイヤで走るだけです。でも、レースはなにがあるかわかりま
せんから。とくに雨だといろんなことがありますからね」と、虎視耽々と勝利を狙っ
ているようすだった。
 一方、GT300クラスでは、予選トップのNo.25 つちやMR-2の土屋武士が「雨はやみ
ますよ。やまないと帰る(笑)」といえば、No.26 タイサンスターカードRSRの鈴木
恵一も「ダメ(笑)。ダンロップがいっちゃうんじゃない? タイヤは坂東のとこ
も一緒だけどさ、8ポイント差があるから、ウチはできるだけ前にいかなきゃいけ
ない。でも、雨だとそれが難しいよね」と、ヨコハマタイヤ勢のトーンが低い。し
かし同じくヨコハマを履くNo.27 シェル・フェラーリF355の太田哲也は「路面が濡
れているとトルクの差が出にくいからチャンスはある。ヨコハマとダンロップとどっ
ちがいいかは、雨の量にもよるから、なんとも言えないよ」と、必ずしも不利とは
考えていないらしい。
 対するダンロップ勢では、No.7 RE雨宮SuperG RX7の松本晴彦が「雨でパワーの差
が縮まるからいいんじゃないでしょうか。とくに雨のテストというのはしていませ
ん。仙台ハイランドのように、テストのときたまたま雨だったことはありますが、
セッティングを出すまではいってません。でも、タイヤは大丈夫。たぶんダンロッ
プのほうがいいんだろうと思います。表彰台の真ん中ですか? ウーンそうですね。
トラブルさえ出なければ…」と、控え目な表現ながらも心中かなり自信がありそう
なようすだった。


◎決勝タイヤレポート
ブリヂストン
スリックは全車ソフトタイヤを選んでいる。交換が前提。雨天用は2種類。斜めの
グルーブが入ったほうが雨が少ないとき用で、U字型のグルーブが入ったほうが通
常のレインタイヤ。ヘビーレイン用、カットスリックなどは用意なし。どのタイヤ
でスタートするかは各チームに任せている。

ヨコハマ
GT500の晴天用は、No.13 エンドレスアドバンGTRとNo.34 STPタイサンアドバンバ
イパーがミディアム、No.39 デンソーサードスープラGTがソフトを選択。どちらも
交換が前提。デンソーサードスープラGTはソフトでも40数ラップ24秒台が可能。雨
天用は、レインとスーパーレインの2種。一応カットスリックの用意もあるが、予
選用と割り切っている。
GT300の晴天用は、No.19 RS☆Rシルビアがソフトで、交換が絶対条件。No.25 つ
ちやMR-2は「しっかり感がある」とのことで、ハードを選択。無交換でOKだが、交
換の可能性もある。No.26 タイサンスターカードRSRは前がソフト、後がミディア
ム。交換は後輪だけの可能性が高い。その他のGT300マシンはソフトを選択。交換を
予定してしないチームが多い。雨天用はGT500同様、レインとスーパーレインの2
種。こちらも一応カットスリックの用意があるが、決勝での使用は薦めていない。

ダンロップ
GT500は、No.5 5ZIGEN SUPRA、No.88 JLOCディアブロGTRの2台とも晴天用はミ
ディアムを選択。交換必要。雨天用はカットスリック、インターミディエイト、ウ
ェットの3種。
GT300の晴天用は、No.71 シグマテック911とNo.81 ダイシンシルビアがミディア
ムを選択。ともに交換を予定している。それ以外はソフトで、交換が必要となる。
雨天用はGT500同様、カットスリック、インターミディエイト、ウェットの3種。


○決勝スタート直前 13時50分現在
*急な雨のために13時40分から15分間のフリー走行を実施
 天気:曇り時々雨  コース:ウェット/ハーフウェット
 気温:10度  路面温度:12度
 入場者数:10/26 35,600人(10/25:6,200人 曇り)

◎ピットスタート
No.13 デフ・トラブルの修理、No.510 スタータートラブル

*ローリング開始:14:20

*リタイヤ(GTインサイドレポート班調べ)
No.   原因             周回数
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No.3   ミッション           17L
No.17  オイルクーラー         21L
No.27  コースアウト          36L
No.77  デフ(コース上でストップ)   43L
No.91  他車との接触          45L
No.556  エンジン            50L

No.100 RAYBRIG NSX(総合2位)
高橋国光「亜久里を抜いたのは気がつかなかったよ。一度、当てられてスピンして
遅れちゃったんだけど。そのあと抜き返したの? ああそう、知らなかった」
飯田章「いや、国さんもそれだけ真剣だったってことですよ。表彰台に上がれてよ
かったです」

No.2 ZEXELスカイライン(総合3位)
鈴木亜久里「止まりきれなくて国さんに当たってスピンさせちゃったんで、最後は
先に行ってもらおうと思った。いや、譲ったわけじゃなくて自分ではみだしちゃっ
たんだけど(笑)。でも、なんとか表彰台に立ててよかった」

No.26 タイサンスターカードRSR(GT300クラス2位)
新田守男「すごく悔しいね。黄旗追い越しとかそういうのないの?」

No.25 つちやMR-2(GT300クラス3位)
土屋武士「あの状況ではトップは守りきれなかった。でもベストはつくしたので満
足はしています」


*インサイドレポート3に続く

                       GTアソシエイション事務局
                         GTインサイドレポート班
                        古屋 知幸 = QYB04322 =


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