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全日本GT選手権

GTインサイドレポート Rd.5/5

                  ALL JAPAN GRAND TOURING CAR CHAMPIONSHIP
                     1997  GT INSIDE REPORT
  Round 5 CP MINE GT RACE                                      4 Aug. '97
   GT Inside Report           インサイドレポート1              FMOTOR4版
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'97GTC第5戦 CP MINE GTレース

☆予選1回目
No.18 山本勝巳(avex童夢無限NSX)
「このままトップでいければいいですね。タイヤはもう1セット残っているんで、
午後もう1回アタックにいきます。ただ、気温が上がりそうですからタイムアップ
できるかどうかは…。今回はここまでまったくトラブルは出ていません」

No.5 田嶋栄一(5ZIGEN SUPRA)
「ギアがいきなりロックしてしまって、2コーナーでコースアウトしてしまった。
出ていってすぐで、タイヤも温まっていなかった。昨日から少しギアロックの症状
が出ていたので、とりあえず義務周回数だけはこなそうと思ったんだけど…。部品
は全部あるんで、午後までには直せると思います。ただ、今回はどうもタイヤがコ
ースに合ってないみたいで…。全然グリップがなくて、トラクションがかからない
んです。今回はノーチャンスですね」

No.38 竹内浩典(カストロール・セルモ・スープラ)
「菅生のテストはいいフィーリングだったんですが、昨日は原因不明のアンダース
テアに悩まされてました。今日は、ダンパーをスペアのモノに交換してアタックし
ました。午後は24秒2~3を出さないと厳しいでしょうね。NSXはコーナーの旋回速
度が速くて、立ち上がりでも早くアクセルを踏めるんです。ただ、ストレートでは
ちょっとこっちのほうが速いんで、決勝では前に出られればなんとか抑えられると
思います。NSXは耐久性も未知数ですしね。怖いのはトムスの2台でしょう」

No.6ワイズダンロップBP MR-2
加藤寛規「歯車が合ってくるとこんなもの? いつもと変わらないんですよ。ター
ボマシンは冷えているときにパワーがあるし、タイヤの美味しいところといかにド
ライバーがマッチさせるか、ようやくできたというところでしょう。決勝のスター
トはたぶんボクが行くと思うんですが、壊さないで完走しような(と藤田選手に向
かって言う)。タイサンとシルビアには後ろで頑張ってもらって、チャンプは狙え
ないけど邪魔してやろうかと(笑)」
藤田孝博「前回は、ホイールのトラブルでリタイヤしたんですが、対策はしまし
た。何事もなく終わらせようと思います。ボクは基準タイムクリアするぐらいで、
予選はアタックしません」

No.910 玉本秀幸(ナインテンポルシェ)
「昨日はタイヤは古い状態でしたから。今日はニュータイヤでアタックしました。
足回りとタイヤが、μの低いこのサーキットと相性がいいみたい。午後は天気次第
ですが、陽が出なければラバーグリップもあるしタイムも上がるでしょう。ヨコハ
マ勢は、有力チームが重量積んでるからああいう結果なんでしょう」

No.81木下隆之(ダイシンシルビア)
「アタック中にちょっと引っかかったから、あと0.2秒は行ける。昨日より今日の
ほうがコンディションがよかったから、その分アップできた。午後アタックできれ
ば31.5秒が目標。決勝は、細かいトラブル出てくるだろうけど、これまではチェッ
クが甘かった。しっかりやれば問題ない。失うものは何もないから攻めるしかない」

No.26 新田守男(タイサン スターカード RSR)
「(順位を)1コ上げたいんだけど、厳しいかな。シルビアの前にいれば良しとし
ましょう。タイヤ残ってるけど、(午後のタイムアップは)無理だわ、70kgのウエ
イトじゃ(笑)。トップにはビュンビュン行ってもらってOK! ウチらの邪魔は
してほしくないけどね」

No.28 チームFCJフェラーリ
 今回「チームの方針」でNo.28のステアリングを握ることになった太田哲也。
「こちらのクルマがなかなかセッティングが決まらなかったので、僕が乗ることに
なりました。No.27のほうは1回お休みです。実はNo.27とNo.28は製作したガレージ
が違うため、クルマの造りかたに対する考えが違うんです。たとえばエンジンは、
No.28は高回転まで回せばパワーが出るタイプなんですがピックアップがよくない。
だからストレートエンドは速いんですがコーナーの立上がりが苦しいわけです。No.
27の方がトルク重視で、その部分では扱いやすかったですね。最終戦に向けてこの
あたりは改善する必要がありそうです。また足回りはNo.28のほうがいろいろ凝った
仕様になっているんですが、全体のバランスがまとまっていない感じでした。今回
自分で走って、ようやくフロントはまとまってきたので、あとはリアをもう少し煮
詰めたいところです。ただ大きな問題があって、それはミッションがF355チャレン
ジ用そのままなことです。ギア比もファイナルも変えていないので、ここではスト
レートで6速に入るには入るんですが途中までしか吹けないんですよ」と太田。そ
れでも予選1回目では、クラストップから2秒落ちのところまでタイムを上げてき
ている。

No.34 STPタイサン・アドバン・バイパー
 GTC初登場のバイパー。チーム・タイサンにとっては待望のマシンだけに、2人
のドライバーの表情はともに明るい。ただ今回がほとんどシェイクダウンのため、
細かいトラブルにまだ悩まされているのも事実。木曜に雨のなか走行した土屋圭市
は、「驚いたよ、くるぶしのあたりまで水が入ってくるんだもん。靴を3足ダメに
しちゃったよ」と一言。その後金曜日にドライで走行した際は、「水温が108度、油
温が130度までいっちゃうし、ブレーキがドンドン奥に沈んでいっちゃうんだ」と、
熱対策の必要を訴えていた。この後オーバーヒートからエンジンを1基ブローさせ
てしまうのだが、チームではフロントグリルの開口部を大きくしたりしてなんとか
対策を施し、オーバーヒート症状はおさまったようだ。ただしキャリパー用のダク
トを新設するなどしたブレーキは、相変わらずペダルが奥に入ってしまう症状のま
まらしく、美祢では苦戦を強いられそうである。鈴鹿1000kmでもバイパーをドライ
ブした松田秀士によると、「FIA戦のクルマとは、エンジンのパワーバンドも違いま
すし、タイヤの太さも違うし、ABSの有無も違うので、やっぱりだいぶ印象が違いま
すね」とのこと。それでも「まだシェイクダウンしたばかりなので、やることはいっ
ぱいありますけど、トルクがあるので現段階でもストレートは速いですよ。さっき
スープラの後ろについていったらトントンでしたもん。今後はとくにブレーキを強
化して、サスペンションが煮詰められれば、十分トップ6に食い込める実力はある
と思います。期待していてください」と、そのポテンシャルには大きな期待を寄せ
ているようだ。

No.510 RH CERUMO SUPRA
先日、集中豪雨に見舞われた鈴鹿で、トランスポーターに積載していたマシンが水
没してしまうという奇禍に遭った。さいわい大きなトラブルとはならなかったよう
だが、ガショーに影響はなかったか尋ねると、「スイッチを押したら水が出てきて
指が濡れちゃったよ。それと、エンジンをかけたらゴボゴボゴボって水の音がした
んだ(笑)」と、強烈なジョークを一発。一方のベルモンドはどうやらこの一件を
知らなかったらしく、「エッ、それはホントウか? と真顔で心配していた。


☆予選2回目

No.100 飯田章(RAYBRIG NSX)
「クルマはどんどんよくなってきてます。足も決まってきたし、エンジンも少しよ
くなってます。直線でもスープラとほとんど変わらないんじゃないですか。ブレー
キに関しても、ウチはまったく問題ありません。ただ、ポールをとれなかったん
で、満足ではありませんね。決勝はピット作業の勝負でしょう」

No.37 鈴木利男(カストロール・トムス・スープラ)
「予選はちょっと思ったとおりいかなかったね。午後は全体にグリップが悪くてタ
イムアップできなかった。クルマの状態としては少しよくなってはいる。午後、ほ
かは朝の1秒落ちくらいでしょ? ウチはコンマ5秒落ちくらいだからね。でも満足
できる状態ではないよ。決勝は、このコースは抜くところがないし、ブレーキがき
ついよ」

No.8 トム・クリステンセン(POWER CRAFT SUPRA)
「午前中のセッションは昨日の夜に降った雨で路面がクリーンになっていたし、路
面温度が高くなかった。これが我々がチョイスしたブリヂストンのタイヤにピッタ
リ合っていた。それで好タイムが出た。だがホンダ勢がすごく速い。ブレーキング
がいいようで、スローコーナーが速い。我々のマシンのホンダNSXに対するアドバ
ンテージ? さあストレートスピードかな。それだけだ。今日はパワーステアリン
グに若干のトラブルがあったのと、アンチロールバーが折れてしまったので長坂さ
んがあまり多くラップできなかったが、それ以外は好調だ。FETチームは実力があ
るし。ともかく今年は選手権全戦に参加しているわけではないのに、明日フロント
ロウからスタートできることには満足している。明日は表彰台を目指す。ここはホ
ンダが速いから」

No.36  ペドロ・デ・ラ・ロサ(カストロール・トムス・スープラ)  
「午前中はマシンの状態がすごく悪くて大アンダーが出ていたが、午後のセッショ
ンに向けて前後のスプリングとプリロードを変更した。これですごくよくなった。
ただ、午前中にタイヤを使ってしまっていたので、あれ以上のタイムは出なかっ
た。今はマシンは非常に安定しているし、いい状態になっている」

No.510 ベルトラン・ガショー(RH CERUMO SUPRA)
「クルマは今朝はすごくよかった。午後もOKだ。クルマのポテンシャルのリミット
まで行っていると思う。今朝はあと少し、1分25秒2くらいまでは行ったかもしれ
ないが、24秒台は無理だ。他は6速シーケンシャルなのに対して我々のクルマは5
速のHパターン。それに空力も新しいタイプではない。その2点がハンデになって
いる。明日は表彰台を目指す。今までF1以外はどのレースも勝ってきたのでここ
でもぜひ勝ちたい。勝つまでやりたい」

No.26 鈴木恵一(タイサン スターカード RSR)
「ウェイトハンデは去年より20kg軽いわけだから、まだいいよ。ただ、ここはブ
レーキがきついコースだから、去年と同じようにGT2の大きいローターにした。板
東のところ(No.19 RS☆Rシルビア)は80kg積んでいて、しかもデータはない。ボ
クらはここのデータがあるわけで、それは強みでしょう。だから、できればここで
引き離したいね。ボクと新田で練習走行のタイムで走って、ボクらのレースをすれ
ば、少なくとも板東のところには勝てると思う。速いMR2はいなくなったけど、ク
ラス優勝は難しいんじゃないかな。それと、最終戦を考えるとあんまり勝ちたくな
いしね。望みは、ウチが4位でシルビアが6~7位。そうすればハンデが10kg減
る。SUGOの最終コーナーは登りがキツイから、なるべく積みたくないんだよ」

No.19 RS☆Rシルビア
金曜日の練習走行中、板東社長が下向きの矢印を持ってタイサンのサインガードに
乱入。本人の弁によれば表敬訪問らしい。しかし、予選でのポジションは今一つ。
織戸学は「クルマの動きが遅くなってるし、ブレーキ使うし、ここはキツい。ポル
シェの前でゴールしないといけない。タイサンもウチもウエイト積んでるわりには
練習走行では速いでしょう。SUGOのテストでもウエイト積んでいい感じだった。な
んだかんだいっても、予選は重要でしょう。抜かせてはくれないですからね」と
言っていたのだが。
 そして、この人の発言に期待したかった福山英朗選手。
「ターボエンジンに対しては、気温が下がってくれた方が良い。雨はイヤだけど。
エアロパーツとタイヤとエンジンが変わったところだけど、他のクルマももどこも
良いでしょう。夏の間にクルマをいろいろやったけど、結果に結びついていない。
気温が変わってきてようやく改善されたというか、効果が出てきた。気温が上がっ
て重量が増えて落ちるタイムをなんとか食い止めてきたと言うべきかな。気温が下
がるとこの辺が生きて来るんで、期待している。ありとあらゆること、軽量化、空
力、タイヤ屋サンとも、エンジン屋さんとも話しながらやってます。今回は、なん
としてもタイサンの前でチェッカーを受けたい。最終戦が楽になるからね。向こう
はタイトルも持ってるし、レース経験も豊富だから、若干有利でしょう。最終戦に
はポイントでリードしていきたいね。でも、タイサンも調子良いでしょう。一発の
タイムは来れないと思ってた。テストには我々は来てるのに、彼らは来ないでしょ
う。予選は落ち着いて、決勝は気合い居れて行きます。ドウ・マイ・ベストで行き
ますよ。ここまで来ておちゃらけ言ってられないから」

No.39影山正美(デンソーサードスープラGT)
「16ポイント差は全然十分なマージンだと思いません。残りの2レース、1点でも
多く、1台でも前でゴールしないといけないという考えしかなくて、16点差あるっ
て余裕はまったくないですね。予選8番手は、とくにウェイトハンデの影響という
わけではないと思います。前回のテストから新車にしたんですが、テストの時とち
ょっとクルマの動きが違ったので、あわててセッティングし直したものですから。
でもまだ今いちテストの状態に戻り切ってない感じです。午後もうちょっとタイム
をあげて6~7番手にはいきたかったですね。ちょっと厳しいですね。決勝の目標
としては…。やっぱり勝ちたいですね。勝てば決まりですし。でもそう簡単ではな
いでしょうから、ベストを尽くして1台でも前でゴールして、菅生につなげたいで
すね。絶対這ってでも走りますから!」


☆ポールポジション・インタビュー

予選総合1位
No.18 avex 童夢 無限NSX
黒澤琢弥「なんとかかろうじて(ポールを)取った感じなので、うれしいというよ
りホッとした感じですね。今回はテストが十分できて、そのテストの段階から調子
がよかったので、取れるかなあという気は、美祢に入る前からしてました。そして
昨日のフリー走行の段階からたいしたトラブルもなく、スタッフとかメカニック全
員がクルマをよくしてくれたんで、ミスなく乗っただけなんですが、ポールがとれ
てうれしいです。昨日、予選に向けてシミュレーションをしたんですが、ボクはク
リアラップがとれなくて26秒フラットくらいしかいってなかったんです。でも(飯
田)章君の方が25秒台はいってましたんで、まあそれはウチらも出るかなぁと。た
だ24秒台は見えなかったんですけど、章君が24秒7というのが監督の(松本)恵二
さんから無線が入って、お尻に火がついた感じですね。もうちょっと踏まなければ
と。めいっぱいプッシュして、クルマもよくそれにこたえてくれたので、なんとか
いけたということですね。先日美祢でトータル4日間、ロングランテストをした時
もトラブルなかったので、なんとか明日は初めてチェッカーを受けたいですね。た
だ残念ながらストレートがスープラより少し遅いので、スタートが難しいでしょう
ね。ここは最終コーナーからストレートにかけて距離があるので、1コーナー入る
前に抜かれたくないですね。うまくトップで1コーナー行ければ、インフィールド
はNSXが速いので、おもしろいレースになると思います」

No.6ワイズダンロップBP MR-2
加藤寛規「タイムのほうは狙って出したものなんですが、アタック中にまだ細かい
ミスもありましたので、もう少しつめられるとは思ってます。ただ結果的にポール
がとれて、よかったです。今回はターボMR-2が1台ですが、アドバンテージがある
と信じています。いつも予選は前のほうにいるのに、決勝はポイント圏内にいない
ので、明日は優勝を目指すというより完走を目指したいですね。結構調子いいので、
なんとかゴールしたいです」


インサイドレポート2に続く
                       GTアソシエイション事務局
                         GTインサイドレポート班
                        古屋 知幸 = QYB04322 =


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