全日本GT選手権

GTインサイドレポートALLSTAR/5

                     ALL JAPAN GRAND TOURING CAR CHAMPIONSHIP
                       1997  GT INSIDE REPORT
   NICOS CUP GT ALLSTAR RACE                                    16 Nov.'97
   GT Inside Report           インサイドレポート2              FMOTOR4版
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'97GTCスペシャル NICOS CUP GTオールスター戦'97 in ツインリンクもてぎ

☆出場全ドライバー予選日コメント2

No.30 NICOS PORSCHE
山田洋二「初のオーバル体験ですが、アマチュア代表(笑)として頑張ります。コー
ナーで毎周ちょっとずつ、針の先くらいずつギリギリをねらっていくのがおもしろ
いですね。壁が迫ってくるのはちょっと怖いけど、右側を余らせといて右にハンド
ルを切って寄せます(笑)」
茂木和男「オーバルは初めてですが、オールスターに選んでいただけたということ
は名誉なことなので頑張ります」

No.12 カルソニックスカイライン
星野一義「最後の締めくくりだからいいレースをしたいね。クルマはよくなってる
よ。エンジンもいいし、シケインのスラロームのところの動きも。でもタイムはこ
んなものでしょ。オレはもういっぱいだよ。他のスカイラインが速いって? それ
は他のドライバーの腕がいいからでしょう。ウチはドライバーの腕が悪いから
ね(笑)」
土屋武士「あこがれの星野さんと一緒に走れて光栄です。一昨日(木曜日)に電話
がかかってきて、乗せてもらえることになりました。オーバルは、テストでも走っ
ていないんでまったく初めて。どこを走っていいんだかわかんないですね」

No.910 ナインテンポルシェ
袖山誠一「ブレーキングさえ間違えなければシケインの中のターンはジムカーナ。
シケインを出てからはどのラインでも全開ですが、抵抗のないラインを探すのが難
しいかも。GT500はラインによってはテールが流れたりするみたいですけどね。決
勝は、まずチェッカーを受けたい(笑)。相棒にもちゃんと言っておきましたから。
予選では、9月のテストは彼が走っていたんで、ボクのアタック中だったんですが
残りが数分あったんで行ってもらった。明日の朝はやりますよ」
玉本秀幸「袖山さんが『行け』と後半にいってくれたんで、出たらスリップも使い
やすくていいタイムが出た。午前中は速いタイムでは走れなかったので、出てよ
かったですね。コースは、幅が広くて初めて走るとつかみどころがない。GT300クラ
スはパワーもないし、インベタでも回れるぐらい。難しくはないというのが印象で
すね。タイムもブレーキングだけで、シケインの通過速度だけがポイントでしょう」

No.27 TEAM FCJフェラーリ
太田哲也「クルマがコースに合っている。ボクらのクルマはコーナーは速いが加速
が悪いのでスピードが落ちすぎると辛い。だから速く走れるサーキットとそうでな
いサーキットがはっきりしてしまうのだけれど、ここはそれほど落ちすぎないので
いいようだ。ただコースはあまりおもしろくはないね。『さあ抜こう』とするとシ
ケインだから。シケインがないほうがいいよ。それと抜き場がなくてタイム差が2
秒もあっても抜けない。レース? いいとこいくんじゃないか。悪くないと思う」
アンダース・オロフソン「こういうコースというのはひとつの新しいコンセプトで
しょう。おもしろいと思う。GTでオーバルを走るなら安全性を確保するためにシケ
インは必要なのだろうし、タイヤメーカーも心配しているのでわかるが、自分とし
てはシケインがないほうがよい。現在スピードがどのくらいなのかわからないが、
おそらく240~250km/h くらいかな。でも自分としてはもっと速いほうがおもしろ
い。ここは抜き場がないのは確かだけど、もともとオーバルコースでのレースとい
うのはそういうものだ。重要なのはトップ3に入ることで、明日の朝のトップクォ
リファイのアタックです。クルマも良いし自信はある。明日はいいレースができる
と思う。クルマがコースに合っているようだ」

No.81 ダイシンシルビア
大八木信行「コースはウチのクルマにはマッチしてるみたいですね。明日また頑張
ります」
木下隆之「ここ10何年も谷田部を走っているからバンクは慣れてるんだよ。シケイ
ンもジムカーナ上がりだから得意なんだ。いつものレースと違ってGT500のスリップ
が使える最後の混走のセッションがよかったね。5周のうち1周でも使えればタイム
が出ちゃう。単独で走るのバカみたいだよね。なんとか明日もスリップ使いたいね。
え、ダメなの? オレだけずっと走ってて次の人が入ってきてスリップ使って…
ってダメ? トップクオリィファイは、当然ポールねらいます。失うものはないか
らスピン覚悟で。決勝は、初めてのことだし、じっくり回って、せっかくだから勉
強して帰ろうかなと思います」

No.60 ワイズダンロップBPキャバリエ
佐藤久実「オーバルでも変則でしょう。せっかくだから完全なかたちで走りたかっ
たけど、危険という判断だからしょうがないと思う。今回のレースは、シケインで
は絶対に抜けない。GT500がGT300を抜けないし、GT300同士でも抜けない。ストレー
トからのブレーキングしか抜けないし、レースが読めないですね。オールスター戦
なんで楽しみつつ、安全最優先で行きます。予選では、最後の10分から15分のとき
に乗れた。コースに慣れただけ。9月のテストも私が乗ると雨が降った。もてぎとは
相性が悪いみたい(笑)。シケインもキライ!」
田中実「オーバル、ボクは好きですよ。走るの楽しいし、単純だから。シケインは
個人的にはあまり好きじゃないけど。明日はクルマなりに走るしかないでしょう。
ダート、サーキット、オーバルにそれぞれ合ったクルマがあるはずですから。予選
では、トップ3に入っていたのに、逆転されてがっかりでした。でも、クルマもだ
んだんよくなってきますし、決勝はなるようにしかならんやろと思っています。FF
はブレーキングで飛び込めるメリットと、ハンドル切るときの加速のデメリットは
ありますが、このサーキットはFFの苦手な点が少ない。決勝のスタートは久実さん
なんで、彼女の頑張り次第ですね。表彰台ぐらいは行きたいですね」

No.7 RE雨宮SuperG RX7
山路慎一「コース自体はいいんですけど、クルマのセッティングが必要ですね。バ
ランスはいいけどグリップ感がいまいちで、ボディ剛性がバンクに負けてる感じ。
スライドが多いし、スピンしても挙動が乱れないからわからないぐらい。コースは、
あまりにも攻めどころが少なすぎて。そのくせ気を抜かないで走らないとタイムが
ガクンと落ちる。ストップ&ゴーなんで苦手なコースかな。バンクは初めてなんで
すよ。谷田部のテストなんかも全部断ってたから(笑)。ああゆうのはクルマ壊し
たりしてイヤでしょ。観てた方が迫力あっていいでしょう。スピード感もあるし
カッコいい。決勝は、久びさにボクがスタートいくんで、抜けないと思うけどトラ
イはしようかと思ってる。ピットイン・アウトは長いピットロードで制限速度もあ
るし、このあたりもポイントになるでしょう」
松本晴彦「オーバルは11月5日にテストで初めて走りました。フレッシュタイヤで
出て最初のターンはきつかった。シケインのブレーキングポイントにマークがない
んで、探ってたらパイロンに接触しちゃうんです」

No.71 シグマテック911
星野薫「シケインはその辺のジムカーナやってるみたいだし、高速は速いし妙な感
じ。グループCの始まったころにセリカで走ったデイトナは完全なオーバルでした
が…。明日のレースはギアを4800回転でシフトするなど細かいセットをしていきま
す。クルマもよくなってきていて、城内も乗れてきている。バタバタで出場が決まっ
て大変でした」
城内政樹「オーバルは初めてですが、あんまりおもしろくないですね。コーナリン
グ中のすごいGっていうのはない。雨だと全開はガッツ要りますね(笑)。お客さ
んに喜んでもらうレースをしたい。できる範囲で頑張ります」

No.25 つちやMR2
長島正興「CARTのテストは見学に来ましたけど、観てるとおもしろいコースですね。
できればシケインなしで走りたかった。クルマはいつもどおり。与えられた仕事が
できればと思います」
小幡栄「一昨日、電話がかかってきて急遽乗ることになりました。(GTは)'94年に
ケガニポルシェでGT2クラスのタイトルとって以来です。正興くんがファーストなん
で、セカンドドライバーの仕事をするだけです。バンクのなかでフル加速するのは
スリリングで怖い。ロードコースから比べると“大運動会”みたいで、グリーンも
ないし自由自在だけど、速度が高くてフェンスに近いのは不気味。シケインがない
とGT300でも気持ち悪いでしょう。ピットレーンに入るのは新宿の地下駐車場のス
ロープみたいで気持ち悪いね(笑)」

No.91 バーディークラブ・MR-2
松永雅博「1ターンのシケインが追加されたんで、ギアが合わなくなって6速に入
らなくなった。オーバルもシケインがあるから3周で飽きるよね(笑)。踏みっき
りのGT300クラスは、いかにインをうまく走るかが課題ですね。フロントタイヤが温
まらない傾向にあるクルマなんで、冷えているとつらい。レースはやってみないと
わからないけど表彰台に向かって頑張ります」
三原じゅん子「オーバルも、9月は私は2周ぐらいしか走っていないんです。今日
も、最初はちょっと気持ち悪くなったんですけど、予選はそれを感じる間もなく終
わってしまいました。20分ぐらい乗れたから、どこ走っていいのか、だいぶわかっ
てきました。スタート? そんな怖いことはしません。赤旗、クラッシュ、ペース
カー、ペナルティを受けたりして、気づいたらいいところに居れればというシナリ
オがあります。ノーミスでとりあえずいければ。田中実選手には勝とうかな(笑)。
だって、昔はほんとうに優しかったのに、子どもができたら冷たいんですもん。私
と女房と、女房を取ったのね(笑)」

No.17 東京科芸専:REロードスター
野上敏彦「SUGOでオイルクーラーのタンクが壊れて今回は別のものに変えました。
シケインはジムカーナみたいな感じで、バンクにしても谷田部やマツダのテストコー
スに比べたらたいしたことないし、コース幅も広いしどこでも走れる感じですね。
まあバンクの下のほうだけですけど(笑)。遅いクルマですし、ロードスターの
ファンに楽しんでもらえればと思っています」
細野智行「谷田部とかBSのテストコースなんかはよく走ったんですが、ここはそん
なにカントもないし、乗っていて気持ちもいい。シケインは今日が初めてですが、
アイポイントが近いんで、ターンの角ギリギリをねらうと反対側が見づらい。未成
熟なクルマだけど、コーナーが少ないんでチャンスはあると思います」

No.19  RS☆Rシルビア
予選序盤に織戸学が第1シケインでマシン右前部をクラッシュさせてしまった。
「第1シケインの最後のところ、立ち上がりのところで滑って、コース外側の壁に
当たってしまいました。そのまま壁沿いに滑るように行ってしまって…」とのこと。
マシンはモノコックにまでダメージが及んでしまっている。福山英朗によれば、
「選手権戦なら直しちゃうでしょうけど、今回はちょっとムリっぽいかなあ」との
こと。決勝出場は難しいと思われたが、徹夜で修復してきた。

No.88 JLOCディアブロGTR
和田孝夫「またミッショントラブルや他のトラブルが出て、あまりまともに走れな
かった。(最高速が速いといわれるが)速度が乗ってきたところでもうブレーキだ
から、最高速はあんまりスープラなんかと変わらないんですよ。ブレーキがだんだ
ん深くなってきちゃうし…」
和田久「ブレーキがきついですね。フル加速とフルブレーキの繰り返しですから、
一番冷えにくいんですよ。60周走ったら結構ヤバイかも」

No.26 タイサンスターカードRSR
鈴木恵一「エンジンが壊れちゃった。スペアはないし、パーツもないんで出られな
い」
新田守男「オーバルって言えるんですかね? 真っ直ぐが速いクルマが勝つだろう
けど、抜けないんじゃない? ウエットだと思ったよりGT500に離されない」


☆決勝日レポート

◎高橋国光に強力な応援団現る
初のオーバルレースがようやく開催にこぎつけ、ややホッとした表情の高橋国光GT-A
会長。そんな国さんに力強い応援団が現れた。「あさま会」というクラブの皆さん
なのだが、どう見ても全員が国さんよりかなりお歳が上。うかがったところによる
と、日本のモータースポーツ黎明期に行われていた伝説のオートバイレース、「浅
間火山レース」の第1回大会に出場された選手の方と関係者の方のクラブとのこと。
「ボクの大先輩たちですよ。なにしろボクが出たのは18歳のときですからね、ボー
ヤって呼ばれてたんですから…」と国さん。日本の大ベテランも、先輩には頭が上
がらないようすだった。

No.19 RS☆Rシルビア
中村吉明監督代理(RS中春)「フレームまでいっちゃって、アドバンの方の紹介で
茂木町のすぐそばの鈑金屋さんを紹介してもらえたんです。関川さんという茂木町
町会議員の方のところです。持っていったのは夕方の5時頃。フレーム修正をやっ
てもらいました。フレーム修正をやっていただけるところがみつかったのと、NISMO
のほうでスペアパーツが用意されていたのと、スポンサーのほうでも出てほしいと
いう意向があったので、マシンを直すことを決定しました。フレーム修理の後は、
夜中の1時ごろにクルマが戻ってきたんで、ラジエター、インタークーラー、それ
に伴う配管、導風板、ボンネット、フロントスポイラーといった前回りのパーツす
べての修理にとりかかりました。みんながカッティングシートを貼ってくれたりな
ど協力してくれました。決勝までになんとかと思っていたんですが、できれば朝の
ウォームアップまでに間に合えば、クルマを調べられますから。8時20分のフリー
走行に5分遅れでようやくクルマが直りました。フロントスポイラーが間に合わせ
のものなんで、これはこの後、直します」
福山英朗「よくやってくれました。コースイン遅れてタイヤが温まらずでしたが、
大丈夫と思う。スポイラーはこれからやってくれると思います」

No.2 ZEXELスカイライン
エリック・コマス「ボクの昨日のタイムを誰も上回っていなかったのでポールポジ
ションはわかっていた。だからアタックしなかったんだ。レースに向けてタイヤを
いたわるためにね。クルマの調子はいいよ」
鈴木亜久里「昨日のタイムでポールポジションだからムリなアタックはしなくてい
いと言ったの。タイヤをキープするために」

No.556 KURE R33
トップクォリファイでパイロンにタッチ、タイム更新はならなかった。影山正彦は
「タイヤが温まらなくてリアがスライドして当たってしまった。ほんのミリ単位
だったんだけど…。頭からつっこんだわけではないし、昨日は当たってペナルティ
取られなかった人もいるのに、ちょっと納得いかない」と、ややおかんむり。

No.25 つちやMR2
小幡栄「昨日はあまり踏んでいなかったけど、少し踏み出しました。クルマは結構
安定しているし、昨日はターボ系に若干のトラブルが出ていたんですが、状況が少
しよくなったので今日はおもしろいかな、と。昨日は正規のパワーが出ていなかっ
たと思うんです。でも今朝のモーニングプラクティスではフェラーリが速かったの
ですが、そのすぐ後くらいまで行けていたので今日は楽しいかな、と思います」

No.91 BuddyClub・MR-2
松永雅博「ウォームアップでクラッチトラブルが出た。直せるようなら2レース目は
出るが、エンジンを下ろさないといけないんで結構大変だと思う。今までミッショ
ントラブルはあったけれど、クラッチがいっちゃったのは初めて」

No.27 TEAM FCJフェラーリ
アンダース・オロフソン「今朝のトップクオリファイではすごくいいタイムを出し
たはずだったのだけれど、残念ながらパイロンのひとつにタッチしてペナルティを
受けることになってしまった。ラップタイムはかなりいいので、いいレースができ
ると思う。もちろん我われの目標はGT300 クラスで1位になることだ。ポルシェも
シルビアも昨日は速かったのでかなりハードなレースとなるだろうけど。我われの
フェラーリに大きく有利な点はないが、コーナー以外のところではマシンのシェイ
プがいいということで、ストレートのトップスピードが高いということはある。そ
れでも富士よりもトップスピードはかなり低い。だから大きく有利ということはな
い」

No.910 ナインテンポルシェ
玉本秀幸「タナボタだから(笑)。やられたと思った。朝はタイヤが温まらなかっ
た。コーナーは他のクルマのほうが速い。決勝はトップをキープして戻りたい。30
周以上ボクが乗るみたい」

◎GTC最終戦インサイドレポート訂正
No.57 SiFo Spider Ver.GTについて、SiFoの藤井代表の言葉として「エンジンと
ミッションを3基ずつ持っている」旨の記述がありましたが、実際には「エンジンは
クリオ・マキシ用のものをベースに高回転に耐えるようにヘッド部分をチューンし
たものを1基のみ持っています。ミッションはワンメイクレース用6速LSDなしを3基、
LSD付6速を1基持っていますが、今回は交換の容易さからLSDなし6速を持ち込んで
います」ということでしたので訂正させていただきます。またNo.57 SiFo Spider
 Ver.GTは、レース終盤エンジンにトラブルを抱えながらも総合32位で完走しました。

*インサイドレポート3に続く


                       GTアソシエイション事務局
                         GTインサイドレポート班
                        古屋 知幸 = QYB04322 =


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