VITA岡山

2時間耐久レース岡山 最後尾から28台抜きのv.Granz・大原学/甲野将哉組が総合優勝

総合&v.Granzクラスで優勝した大原学/甲野将哉組(102号車・アイフォア神戸vGranz)

 「チャレンジカップ2時間耐久レース」は24日、岡山サーキットで行われているチャレンジカップレース第2戦で2時間の決勝を行い、最後尾からスタートしたv.Granzの大原学/甲野将哉組(102号車・アイフォア神戸vGranz)が、53周を回って総合優勝を飾った。

 決勝は午後2時にセーフティーカー(SC)先導で、フォーメーションラップが始まった。雨は降ったりやんだりで、コースはウェット。ウェット宣言が出された。

 レース時間は2時間で、3分間のピットストップを2回行う義務がある。その際、ドライバー交代義務は無く、燃料給油も任意だ。VITA、N1-86、N1ロードスターに2時間耐久特別規則で規定されたポイント(通常の3分の2程度)が与えられるが、対象ドライバーは20分以上ドライブしなければならない。

 SCは1周を回ってピットロードに入り、いよいよ2時間レースの幕が開いた。

■v.Granzクラス

 3台が参加したv.Granzは、序盤から総合2位につけたK.K/飯田裕樹/TOMISAN組(11号車・HOJUST RACING ABBEY)がクラストップでレースをリード。しかし、後方から驚異的なペースで追い上げて来たのが、予選不通過で最後尾スタートとなった102号車アイフォア神戸vGranz(大原学/甲野将哉)だった。

 最後尾、29番グリッドからスタートした102号車は、2周目には早くも総合で11位、3周目には8位に上がると前を走るクラス3位の長谷川睦/寺島大/大野宗組(81号車・CLEANLIFE ITAL ABBEY)を捉えて総合3位に浮上。

 11周目には総合2位でクラストップの11号車も捉えて、ついにv.Granzのトップに立った。さらに15周目には総合トップの車両までも捉え、わずか15周で28台抜きを達成した。

 102号車はこのまま一度もクラストップを明け渡すことなく2時間・53周を走ってぶっちぎりの優勝。2位には11号車が、3位には81号車が入った。

■VITAクラス

 22台が参加し最大勢力となったVITAクラスは、ポールシッター・清水康友/伊東黎明組(75号車・ENDLESS☆カーブテイックTrace)の清水が1コーナーでコースアウトして最後尾に落ちるという波乱で始まった。

 その後方でも、予選6位・MAKOTO/妹尾智充組(88号車・まこと君VITA)の妹尾と予選9位・SOUEISHA-VITA(14号車・下垣和也/前嶋秀司)の前嶋が接触。妹尾はスピンを喫し大きく順位を落とした。

 1周目、VITAのトップに立ったのは松本匡史/徳升広平組(999号車・m・dent with萬雲塾VITA)の徳升で、2位に中西亮平/有岡綾平組(66号車・BASIS RACING☆NAMS)の有岡、3位に中川徹/太田達也組(106号車・Giddy Up VITA)の太田、4位に中島僚斗/大崎達也組(219号車・&Gコーポレーション大崎塾VITA)の中島、5位に14号車・前嶋、6位に橋村剛/TAKE chan組(78号車・恵比寿アキランドVita制動屋)の橋村が続く。

 7周目、5位と一つ順位を落としていた219号車・中島がヘアピンでスピンしてストップ。ここで1回目のSCが導入された。

 この時点での順位はトップ999号車・徳升、2位106号車・太田、3位66号車・有岡、4位14号車・前嶋、5位竹中優/貫戸幸星組(86号車・HOJUST RACING VITA2号)の貫戸、6位にはスピンから追い上げて来た88号車・妹尾が上がってきた。

 レースは11周目から再開されるが、12周目には20位を走っていた戸田淳也/松本恭典組(36号車・真栄金属Vita)が1コーナーでコースアウト、早くも2回目のSCが導入された。

 15周目にはトップを走る999号車・徳升が1回目のピットストップを行いドライバーを松本に交代。これでトップには106号車・太田が上がり、2位に66号車・有岡が、3位には怒濤の追い上げを見せてきた88号車・妹尾が、4位には蘭牟田政治/HIROBON組(4号車・JOKER☆ダイワN通商NUTEC制動屋)のHIROBONが、5位には14号車・前嶋が、6位には木村一廊/川福健太組(61号車・KOO′ON with ABBEY)の川福が続く。

 19周目、トップを走っていた106号車・太田が1回目のピットストップ。ドライバーを中川に交代すると、トップには66号車・有岡が浮上、2位には88号車・妹尾が、3位には4号車・HIROBONが、4位には14号車・前嶋が、5位には78号車・橋村が、6位には谷川達也/吉村雅一組(105号車・ヨシムラオートVita)の谷川が上がってきた。

 21周目には14号車・前嶋が、22周目には88号車・妹尾が、23周目には78号車・橋村が、24周目には4号車・HIROBONがピットイン。14号車・は下垣に、88号車・妹尾は連続ドライブ、78号車・はTAKE Chanに4号車は藺牟田にドライバーを交代した。

 26周目にはヘアピンでコースアウトした車両があり、この日3度目のセーフティーカーが導入された。

 セーフティーカーが退くと、トップは66号車の有岡が、2位MC平田/青合正博組(16号車・Racing TEAM HERO'S)の平田、3位CHAY/妹尾俊郎組(525号車・KRS VITA)とまだピットインしていない3台が占める。そして4位には序盤のスピンで最後尾に落ち75号車・清水から交代した伊東が怒濤の追い上げで浮上してきた。

 28周目に66号車・有岡と16号車・平田が、31周目に525号車・妹尾がピットインすると、トップに浮上した75号車・伊東は32周目に2度目のピットイン。伊東は連続スティントでコースに復帰した。

 これでトップに立ったのは88号車・妹尾、2位に14号車・下垣、3位に66号車・有岡、4位に4号車・藺牟田、5位に78号車・TAKE Chan、6位に16号車・青合となる。

 39周目に88号車・妹尾と16号車・青合が、41周目に14号車・下垣が、42周目に66号車・有岡がピットインした。

 これでトップに立ったのは75号車・清水、2位には106号車・太田が浮上してきたが、その差は35秒と大量のリードとなった。3位には88号車・MAKOTOが続く。

 4位には猪股京介/武地孝幸組(39号車・odula TONE TMR VITA)の猪俣がつけた。39号車は序盤の5周目にピットインし猪股から武地に交代、29周目に再び猪股が乗り込むという変則のピット戦略が功を奏したようだ。

 5位には66号車・中西が、6位には14号車・前嶋が続く。

 43周目、レースは終盤に差し掛かってきた。大量リードのトップ75号車・清水、3位を20秒以上離す2位106号車・太田は安泰だが、3位の88号車・MAKOTOはペースが上がらず苦しい。6秒後方には4位の39号車・猪股が虎視眈々と3位浮上をうかがう。5位には66号車・中西が、6位には14号車・前嶋が続き、その背後には7位4号車・HIROBONが迫る。

 46周目、3位を走る88号車・MAKOTOはついに39号車・猪股に捉えられ4位に順位落とす。

 レースは終了。75号車・清水はVITAでただ一人53周を走ってぶっちぎりの優勝。2位には106号車・太田が、3位には39号車・猪股が、4位には88号車・MAKOTOが入った。66号車・中西はチェッカー直前にコースアウトしてチェッカーを受けられず。代わって5位には14号車・前嶋が、6位には4号車・HIROBONが入った。

 7位は999号車・徳升、8位は78号車・橋村、9位は66号車・平田、10位は61号車・川福の順でチェッカーを受けた。

 シリーズポイントランキングは、開幕戦優勝の武地が3位に入り6ポイントを追加して21、優勝した清水が10ポイント追加で22としたため清水がシリーズリーダーに立ち、武地は2位に落ちた。15ポイントのMAKOTOが3位で続いている。

■N1-86クラス

 N1-86は2台が参加。総合のポールポジションを獲得した中村賢明/松下仁組(28号車・HTP. JSMILE 86)が、序盤から総合トップを快走。最終的には52周を走って総合6位、クラス優勝を果たした。クラス2位には総合9位、50周で永井良周/長尾秀義組(19号車・GR Garage倉敷with NAGOYA)が入った。

■N1ロードスタークラス

 N1ロードスターは2台が参加。50周を一人で走りきった下坂和也(35号車・FIRST RACINGロードスター)が総合20位でクラス優勝。2位には48周を回り総合25位の大井正伸/雨宮恵司組(43号車・OTPアクレTSモリモトAZUR)が入った。

2時間レースの幕が切って落とされた

レースは雨の中、3度セーフティーカーが出る荒れた展開となった

総合&v.Granzクラス優勝の大原学/甲野将哉組(102号車・アイフォア神戸vGranz)

VITAクラスで優勝した清水康友/伊東黎明組(75号車・ENDLESS☆カーブテイックTrace)

N1-86クラスで優勝した中村賢明/松下仁組(28号車・HTP. JSMILE 86)

N1ロードスタークラスで優勝した下坂和也(FIRST RACINGロードスター)

Text: Yoshinori OHNISHI
Photo: Motorsports Forum


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