今シーズンのエントリーリストの中で、唯一埋まっていなかった55号車(TGM GP SF23)のシートは最終的に松下信治が獲得することになった。松下がスーパーフォーミュラをドライブしたのは昨年12月に鈴鹿で行われたルーキーテスト以来。実に3ヶ月以上のブランクを経て今週末を迎えたわけだが、終わってみれば予選9位、決勝は8位で3ポイントを獲得と、幸先の良いスタートを切ることができた。
「元々チームが強いのはわかってたんで、最低限の結果かなと思います。ただ個人的にはこの週末はすごく楽しめましたね。フリー走行で今年初めて乗るクルマだったんで、それに対して自分がやるべきタスクは多かったんですし、その全てを消化できたわけではありませんが、与えてもらったチャンスを喜びたいし、ポイントを取れたってことで良い結果だったんじゃないでしょうか」
「12月の時は最終戦のすぐあとだったんで違和感はなかったですし、ずっとGTのテストはやらせてもらっていたんですが、速度域が全く違うので、最初は『おおっ』ってなりました。予選に関しては自分のドライビングについてタラレバがありました。Q1を突破できたのはチームのおかげです」
そして開幕戦で手応えを掴んだ松下は、次戦オートポリスでさらなる高みを目指す。
「オートポリスでは絶対表彰台に上がりたいですね。今回もレースは速かったんで、予選順位をもう少し前でスタートしていれば、圧倒的にレースタイムも良くなりますから。スーパーフォーミュラはやっぱり予選が大事です。予選を頑張ってトップ3でスタートできればいいんじゃないでしょうか。レースは僕強いんで。チームもこれで自信がついたと思うんで、頑張りたいです」
「クルマは良かったです。みんなテストをしてるけど、僕らはしてないって部分でビハインドはありましたが、ここから上げていきたいなと」
松下信治とTGM Grand Prixの挑戦は続く。
Text: Kazuhisa SUEHIRO