全日本GT選手権

GT Rd.4 GTインサイドレポート2

'94全日本GT選手権
Rd.4 SUGO                                            Date 9/10
9月10~11日
GT インサイド・レポート             No.  3              for FMOTOR4
5.*72 IPF WAKO'S M3
 このレースからGT2クラスに参戦してきた“牧口エンジニアリング”のM3GT
は、昨日の走行が事実上のシェイクダウンとなった。
 このマシンそのものが昨年までグループAレースを闘っていたマシンであるため、
レーシングマシンとしての基本的な部分は完成されている。しかし39mmのリストリ
クターを組み合わせたGT用エンジンはまったくの新開発であり、30馬力程度はダ
ウンしているらしいが、ドライバーの松田秀士によると『昨年までのエンジンだと
8,000回転以上のピークパワーに達する前の6,000回転以下にあったトルクの
落ち込みが、リストリクターによって上が削られたため気にならなくなって扱いや
すい』という。GT2クラスではトップの最高速を記録していることからも、パフォ
ーマンスは十分なようだ。
6.重いカルソニック・スカイラインがなぜ速い?
 ただでさえ4輪駆動であるために重いカルソニック・スカイラインの速さは、'94
全日本GT選手権が行っている“ウエイトハンデ”の存在さえ危うくしている。特に
50㎏のハンデを背負って闘った第3戦FISCOでの速さには、他のスカイライン
勢も舌を巻くほどのものであった。
 カルソニック・スカイラインはシーズン始めにはオーバーステアの問題を抱え、第
1戦の時にはリアウイングにウイッカー(ウイング後端に付くリップ状のもの)を取
り付けてオーバーステアを解決していた。しかしもちろんこんな余計なものはない方
が良いわけであり、第3戦にはウイッカーを外して高いストレートスピードを維持し
ていたが、オーバーステアもなく、富士スピードウェイ攻略のポイントである最終コ
ーナーでは、思いっきりトラクションをかけて走行していた。
 彼らはスカイラインGTRの特徴である4輪駆動を生かして前後のトルク配分をフ
ロントよりに変更することを考え、見事にオーバーステアを解決することに成功して
いるのである。
 FRスカイラインがデビューしたため、もはや古いと思われがちなGTRでなけれ
ば出来ないセッティング方法である、と同時に努力して開発を行えばウエイトハンデ
を跳ね返すことも出来るということをカルソニック・スカイラインは証明している。
7.#9 acomポルシェ
「作戦? はじめから行くだけだよ! このマシンではそれしかないからね。それと
他のマシンがトラブルで消えるのを祈ることかな。富士ではタイヤ交換なしで走りき
れたけど、ここでは変える可能性がある。今日はそのためのテストもしたんだ。まあ、
セッティングもピッタリだし、ここは富士のようにストレートが長くないからチャン
スはあると思うよ。日曜日が雨だったら? 確かにエンジン・パワーのハンデは少な
くなるけど雨は嫌いだから晴れでやりたいな」マウロ・マルティニ談(金曜日午後)
8.#39 SARDスープラGT
 デフの小トラブルが出て一時はピットに張り付いたもののジェフ・クロスノフが力
走、1分27秒台の好タイムを記録した。「GTRは長い時間をかけて熟成されて来た
マシンだけど、このマシンはつい先日シェイクダウンをしたばかりのニューマシン。
それでも開発はすごいテンポで進んでいて、どんどん良くなっているんだ。今日は3
番目のタイムを記録したよ」ジェフ・クロスノフ談(金曜日午後)。
'94全日本GT選手権
Rd.4 SUGO                                            Date 9/10
9月10~11日
GT インサイド・レポート             No.  4             for FMOTOR4
9.#2鈴木利男のスポーツランドSUGO攻略
 今、日本で最も完成されたドライバーと評価の高い、#2 ZEXELスカイライ
ンを駆る鈴木利男にSUGOの攻略法を聞いた。
 まず、SUGOというコースの攻略ポイントは?
「どのコースでも、クルマでも同じだけど、ストレートでいかに早くトップスピード
を出すかで、タイムが変わってくるんだ。もちろん、SUGOでも同じ。で、SUG
Oでメインストレートのスピードを得るには、最終コーナーをいかにスムーズに脱出
するかということになる。この最終コーナーを攻略するには、その前のSPとハイポ
イントの両コーナーからのライン取りを考えなくてはいけないんだ。だから、ハイポ
イントから最終コーナーを一連に考えて、スムーズに走ることを心がけているよ」
 4WDとFRのスカイラインは、どっちが有利?
「4WDとFRと言っても、クルマの性格を決めるのはドライバーだからね。基本に
変わりはないよ。まあ、FRの方が低速の小さいコーナーを回りやすく、コーナー出
口の加速は4WDが速いっていうのが機構的な面からの特長かな。あと、4WDの方
がタイヤに負担が掛かりにくいね。FRはどうしてもリアタイヤに余計に仕事をさせ
るから。ただ、FRのが車重が軽いというメリットもあるからね。SUGOでは、い
ま言ったとおりにハイポイントからの最終コーナーでどうかということだよね。この
あたりは、スムーズにコントロールしなくてはならないので、4WDの方が不利にな
るだろうな。だから、明日からのレースでは僕にもチャンスがあると思うよ」
10.フェラーリ348チェレンジカップ第2戦開催
 9月21日、スポーツランドSUGOにてフェラーリ348チャレンジカップの2
戦目が行われる。前回のエントリー台数は6台だったが、さらにエントリーは増える
模様。ニューマシンの355のデモンストレーションも予定されている。なお、34
8チェレンジカップは95年より本格的にシリーズ化され、開催される。フェラーリ
正規販売輸入代理店のコーンズがマシンのキットを販売、メンテナンスも受け持つ完
全なワンメイク・レース。日本のフェラーリ・ユーザーが本気で楽しめるレースにな
るだろう。JAFの公認競技として行われる。
11.予選1回目タイム(暫定)
Pos   マシン                                ドライバー            タイム
1 #40  タイサン スターカードF40    A・レイド      1'26.369
2 #39  SARDスープラGT             J・クロスノフ     1'27.157
3 #100 アドバンポルシェ         土屋圭市             1'27.319
4 #2  ZEXELスカイライン           鈴木利男             1'27.760
5 #10 Johnson SKYLINE      飯田章               1'28.151
6 #3  ユニシアジェックススカイライン   長谷見昌弘           1'29.099
11 *12 FKマッシモERC RX7         福嶌稔大             1'32.117


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