全日本フォーミュラ3選手権第16戦は27日、スポーツランドSUGOで25周の決勝を行い、ポールポジションからスタートしたマーカス・エリクソン(トムス)が優勝し、シリーズチャンピオンの座に着いた。
午後になってもSUGOは相変わらず曇り。12時40分肌寒い中、スターティンググリッドへ向けての今シーズン最後のフォーメーションラップが始まった。現在選手権トップは103ポイントで井口卓人(トムス)、2位のマーカス・エリクソン(同)が101ポイントで2ポイント差。ポールポジションのエリクソンがそのまま優勝すれば逆転チャンピオンとなる。
スタートは井口が好スタート。1コーナーでポールシッターのエリクソンのインに飛び込みトップに躍り出た。エリクソン2位。3位には国本雄資(トムス)が付けた。
井口は逃げ切って優勝すればチャンピオン。2位エリクソンも必死に井口を追いかける。スピードはエリクソンの方が速い。3周目あたりからは、エリクソンがストレートで井口の背後に迫る。1コーナーで再三、井口のインを伺うがオーバーテイクするには至らず。
10周目まで続いた井口とエリクソンの攻防も11周目にエリクソンがSPコーナー出口でダートに足を落として万事休す。井口との差が2秒近くに開いてしまった。
しかし、エリクソンはあきらめない。16周目に井口の背後に迫ると再びアタックを開始。そして、21周目の1コーナーでついに井口のインに飛び込んだ。押さえる井口。井口は1コーナーのアウト側でエリクソンに押し出されるようにコースアウト。スピンして縁石上にストップしてしまった。これでエリクソンがトップに立つ。
井口のマシンを撤去するために22周目にSCがコースに入る。SCは23周を終わってピットロードへ。残り2周で再スタート。エリクソンはトップで1コーナーへ。2位には周回遅れのNクラスに前を押さえられた国本をかわした安田裕信(スリーボンド)が上がってきた。国本は3位。そしてこのまま25周を走ってレースは終了。この瞬間エリクソンの全日本F3選手権ドライバーズチャンピオンが確定した。
Nクラスはすでにクラスチャンピオンを決めている山本尚貴(HFDP)がトップでチェッカーを受け、今季8勝目を飾った。
Text: Yoshinori OHNISHI